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第一七六回

参第七号

   政策金融改革の着実な達成を図るための株式会社商工組合中央金庫法及び株式会社日本政策投資銀行法を廃止する等の法律案

 (趣旨)

第一条 この法律は、政策金融改革が必ずしも平成十八年六月二十七日において行政改革推進本部が決定した設計どおりに円滑に進行しているとは認められない現状にかんがみ、必要な政策金融改革の着実な達成を図るため、株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)及び株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)を廃止し、並びに政府が保有する株式会社商工組合中央金庫及び株式会社日本政策投資銀行に係るこの法律の施行後の株式会社(以下それぞれ「商工中金移行会社」及び「政投銀移行会社」という。)の株式の処分について定めるとともに、株式会社日本政策金融公庫の内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な金融の機能の向上を図るための株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)の一部改正について定めるものとする。

 (株式会社商工組合中央金庫法及び株式会社日本政策投資銀行法の廃止)

第二条 株式会社商工組合中央金庫法及び株式会社日本政策投資銀行法は、廃止する。

 (株式の処分)

第三条 政府は、その保有する商工中金移行会社及び政投銀移行会社の株式について、この法律の施行後速やかにその処分を開始し、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成十八年法律第四十七号。第五条において「行政改革推進法」という。)第六条第二項の規定に基づき、平成二十七年三月三十一日を目途として、その全部を処分するものとする。

 (商工中金移行会社及び政投銀移行会社の取締役の選任に関する配慮)

第四条 政府は、前条の規定によりその保有する商工中金移行会社の株式の全部を処分するまでの間において、商工中金移行会社の取締役の選任に関し株主としての権利を行使するに当たっては、商工中金移行会社の内部の人材が登用される場合(登用された者が再任される場合を含む。)を除き民間企業において長期間の勤務の経験と優れた実績を有することを重視することにより、商工中金移行会社について自主性、創造性及び効率性の高い経営を行う資質及び能力を有している者が選任されるよう特に配慮するものとする。

2 前項の規定は、政投銀移行会社の取締役の選任について準用する。

 (行政改革推進法の一部改正)

第五条 行政改革推進法の一部を次のように改正する。

  第四条第四号中「第六条第一項に規定する機関」を「銀行」に改める。

  第六条第二項中「平成二十四年四月一日から起算しておおむね五年後から七年後」を「平成二十七年三月三十一日」に改め、同条第三項を削る。

 (株式会社日本政策金融公庫法の一部改正)

第六条 株式会社日本政策金融公庫法の一部を次のように改正する。

  目次中「第二十七条」を「第二十七条の三」に改める。

  第二条第五号中「危機対応業務」を「民間による危機対応業務」に改め、同条に次の一号を加える。

  六 公庫による危機対応業務 公庫が第十一条第四項の規定により行う業務をいう。

  第十一条第二項中「危機対応業務」を「民間による危機対応業務」に改め、同条に次の一項を加える。

 4 公庫は、前三項に規定する業務のほか、その目的を達成するため、主務大臣が、一般の金融機関が通常の条件により特定資金の貸付け等を行うことが困難であり、かつ、公庫が特定資金の貸付け等を行うことが必要である旨の認定をする場合に、特定資金の貸付け等を行う業務及びこれに附帯する業務を行うものとする。

  第十六条、第十七条及び第十九条から第二十七条までの規定中「危機対応業務」を「民間による危機対応業務」に改め、第三章中同条の次に次の二条を加える。

  (公庫による危機対応業務方針)

 第二十七条の二 主務大臣は、公庫による危機対応業務について、その方法その他公庫による危機対応業務を円滑に実施するための方針(次項及び次条第二項において「公庫による危機対応業務方針」という。)を定めるものとする。

 2 主務大臣は、公庫による危機対応業務方針を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

  (公庫による危機対応業務の実施)

 第二十七条の三 主務大臣は、第十一条第四項の規定による認定を行うときは、当該認定の対象となるべき公庫による危機対応業務について、対象とすべき事案、実施期間その他公庫による危機対応業務の実施に関して必要な事項として主務省令で定める事項を定めなければならない。

 2 公庫は、公庫による危機対応業務方針及び前項の規定による主務大臣の定めに従って公庫による危機対応業務を行わなければならない。

 3 主務大臣は、第十一条第四項の規定による認定を行ったときは、その旨及び第一項の規定による定めの内容を公庫に通知するとともに、官報で公示しなければならない。

  第三十一条第二項第一号に次のように加える。

   ホ 公庫による危機対応業務

  第三十一条第二項第二号中「ニ」を「ホ」に改め、同項第四号中「ホまで」を「ヘまで」に改め、同号に次のように加える。

   ヘ 第十一条第四項の規定による特定資金の貸付け等 特定資金の貸付け等の限度額(特定資金の貸付けにおける元金、特定資金に係る手形の割引又は引受けにおける手形金額その他の主務省令で定めるものの額の合計額をいう。)

  第三十一条第四項中「第七号」を「第八号」に改める。

  第四十一条に次の一号を加える。

  八 公庫による危機対応業務

  第四十八条第二項中「及び危機対応円滑化業務」を「並びに危機対応円滑化業務及び公庫による危機対応業務」に改める。

  第四十九条第一項中「及び危機対応円滑化業務」を「並びに危機対応円滑化業務及び公庫による危機対応業務」に改め、同条第二項中「ニ」を「ホ」に改め、同条第五項中「及び危機対応円滑化業務」を「並びに危機対応円滑化業務及び公庫による危機対応業務」に改める。

  第五十九条第二項中「危機対応業務」を「民間による危機対応業務」に改める。

  第六十三条第一項中「若しくは第二項」を「、第二項若しくは第四項」に改め、同条第二項第二号中「第十一条第一項」の下に「又は第四項」を加える。

  第六十四条第一項に次の一号を加える。

  八 公庫による危機対応業務並びに当該業務に係る財務及び会計に関する事項 財務大臣、農林水産大臣及び経済産業大臣

  第六十七条中「危機対応業務」を「民間による危機対応業務」に改める。

  附則第四十五条及び第四十六条を削る。

  附則第四十七条第二項を削り、同条を附則第四十五条とする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成二十四年四月一日から施行する。ただし、第一条及び次条から附則第六条までの規定は、公布の日から施行する。

 (検討)

第二条 政府は、中小企業等協同組合その他の中小企業者を構成員とする団体及びその構成員に対する金融機能並びに長期の事業資金に係る投融資機能に関する民間の金融機関と株式会社日本政策金融公庫との適切な役割分担について、検討を行い、必要があると認めるときは、株式会社日本政策金融公庫の業務について必要な措置を講ずるものとする。

 (準備行為等)

第三条 株式会社商工組合中央金庫は、この法律の施行の日前に、同日から効力を生ずる定款の変更の決議その他の商工中金移行会社への円滑な移行のために必要な準備行為を行うことができる。

2 前項の決議については、株式会社商工組合中央金庫法第十六条の規定は、適用しない。

3 前二項の規定は、株式会社日本政策投資銀行の政投銀移行会社への移行について準用する。この場合において、前項中「株式会社商工組合中央金庫法第十六条」とあるのは、「株式会社日本政策投資銀行法第二十条第一項」と読み替えるものとする。

4 政府は、株式会社商工組合中央金庫の商工中金移行会社への移行及び株式会社日本政策投資銀行の政投銀移行会社への移行が円滑になされるよう、必要な措置を講ずるものとする。

 (中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律の一部改正)

第四条 中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。

  附則第三条を次のように改める。

 第三条 削除

 (株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律の一部改正)

第五条 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律(平成二十一年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  附則第二条を次のように改める。

 第二条 削除

 (経過措置等)

第六条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に伴う経過措置及び関係法律の整備その他必要な事項については、別に法律で定める。


     理 由

 政策金融改革が必ずしも平成十八年六月二十七日において行政改革推進本部が決定した設計どおりに円滑に進行しているとは認められない現状にかんがみ、必要な政策金融改革の着実な達成を図るため、株式会社商工組合中央金庫法及び株式会社日本政策投資銀行法を廃止し、並びに政府が保有する株式会社商工組合中央金庫及び株式会社日本政策投資銀行に係るこの法律の施行後の株式会社の株式の処分について定めるとともに、株式会社日本政策金融公庫の内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な金融の機能の向上を図るための株式会社日本政策金融公庫法の一部改正について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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