衆議院

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第一七六回

参第八号

   会計検査院法及び予算執行職員等の責任に関する法律の一部を改正する法律案

 (会計検査院法の一部改正)

第一条 会計検査院法(昭和二十二年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第四節 検査報告」を

第四節 検査報告

 

 

第四節の二 不当事項への対処に関する検査

 に改める。

  第十一条第五号中「及び第四項」を「、第二項及び第七項」に改め、同条第八号中「第三十六条」を「第三十六条第一項」に改める。

  第二十九条中「左の」を「次の」に改め、同条第四号中「うける」を「受ける」に改め、同号の次に次の一号を加える。

  四の二 第三十条の四の規定による検査の結果

  第二十九条第五号中「第十三条第二項」の下に「の規定」を、「第六条第一項」の下に「及び第二項の規定」を加え、「の規定」を削り、同条第七号中「第三十四条」を「第三十四条第一項」に、「その結果」を「同条第二項の規定による検査の結果」に改め、同条第八号中「第三十六条」を「第三十六条第一項」に、「その結果」を「同条第二項の規定による検査の結果」に改める。

  第三十条の二中「第三十四条」を「第三十四条第一項」に、「第三十六条」を「第三十六条第一項」に改める。

  第二章第四節の次に次の一節を加える。

     第四節の二 不当事項への対処に関する検査

 第三十条の四 会計検査院は、不当事項(検査の結果法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項として第二十九条の検査報告に掲記された事項をいう。以下この条及び次条において同じ。)の是正、不当事項に係る不正な行為をした者の責任の追及その他の不当事項への対処に関し、その状況の検査を行う。

 第三十条の五 前条の検査を受けるものは、会計検査院規則で定めるところにより、次に掲げる事項を会計検査院に報告しなければならない。

  一 不当事項を是正するための措置の内容及び不当事項の是正に関する状況

  二 懲戒の処分その他の不当事項に係る不正な行為をした者の責任を追及するための措置の内容及びその実施に関する状況

  三 その他前条の検査を行うために必要があるものとして会計検査院規則で定める事項

  第三十四条に次の二項を加える。

   会計検査院は、前項の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項への対処に関し、その状況の検査を行う。

   第三十条の五(第二号を除く。)の規定は、前項の検査を受けるものについて準用する。この場合において、同条第一号中「不当事項を是正するための措置」とあるのは「第三十四条第一項の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項への対処」と、「不当事項の是正」とあるのは「当該事項への対処」と、同条第三号中「前条」とあるのは「第三十四条第二項」と読み替えるものとする。

  第三十六条に次の二項を加える。

   会計検査院は、前項の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項への対処に関し、その状況の検査を行う。

   第三十条の五(第二号を除く。)の規定は、前項の検査を受けるものについて準用する。この場合において、同条第一号中「不当事項を是正するための措置」とあるのは「第三十六条第一項の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項への対処」と、「不当事項の是正」とあるのは「当該事項への対処」と、同条第三号中「前条」とあるのは「第三十六条第二項」と読み替えるものとする。

 (予算執行職員等の責任に関する法律の一部改正)

第二条 予算執行職員等の責任に関する法律(昭和二十五年法律第百七十二号)の一部を次のように改正する。

  第六条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(懲戒処分)」を付し、同条第一項を次のように改める。

   会計検査院は、検査又は検定(前条第一項に規定する再検定を含む。次項において同じ。)の結果、予算執行職員が故意又は重大な過失により第三条第一項の規定に違反して支出等の行為をしたことにより国に損害を与えたと認めるときは、当該予算執行職員の任命権者に対し、当該予算執行職員の懲戒処分を要求しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

  一 当該予算執行職員がした当該支出等の行為に関し、既に当該予算執行職員に対し懲戒処分がされている場合

  二 当該予算執行職員がした当該支出等の行為について次条第一項の規定による当該予算執行職員に対し懲戒処分をしようとする旨の通知を受けている場合

  三 当該予算執行職員が第八条の規定により当該支出等の行為に基づく弁償責任を負わないこととなる場合

  第六条第五項中「第二項の規定及び第三項」を「第三項の規定、第四項の規定中人事院に対する通知に関する部分、第五項の規定及び第六項」に改め、同項を同条第八項とし、同条第四項中「第一項」の下に「又は第二項」を加え、「、又は当該職員の任命権者からその要求が不当であるとして再審の請求を受け実情を調査した結果、その要求が不当であることが明らかになつたとき」を削り、同項を同条第七項とし、同条第三項中「第一項」の下に「又は第二項」を加え、「職員」を「予算執行職員」に、「調査してこれについて措置するとともにその結果」を「調査し、その結果及び懲戒処分をすることが適当でないと認める場合におけるその理由」に改め、同項を同条第四項とし、同項の次に次の二項を加える。

 5 任命権者は、前項の調査の結果、当該予算執行職員に対し懲戒処分をしようとするときは、国家公務員倫理法(平成十一年法律第百二十九号)第二十六条の規定により国家公務員倫理審査会の承認を得なければならない場合を除き、あらかじめ、人事院の意見を聴かなければならない。

 6 任命権者は、第一項又は第二項の規定による懲戒処分の要求に係る予算執行職員に対し懲戒処分をしたときはその旨並びにその種類及び内容を、当該予算執行職員に対し懲戒処分をしなかつたときはその旨及びその理由を会計検査院及び人事院に通知しなければならない。ただし、第四項の規定により懲戒処分をすることが適当でない旨を通知した場合は、この限りでない。

  第六条第二項中「前項」を「前二項」に改め、「人事院」の下に「及び国家公務員倫理審査会」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 会計検査院は、検査又は検定の結果、予算執行職員が故意若しくは重大な過失により第三条第一項の規定に違反して支出等の行為をしたと認めるとき(前項の規定により懲戒処分を要求しなければならない場合を除く。)又は過失(重大な過失を除く。)により同条第一項の規定に違反して支出等の行為をしたことにより国に損害を与えたと認めるときは、当該予算執行職員の任命権者に対し、当該予算執行職員の懲戒処分を要求することができる。

  第六条の次に次の一条を加える。

 第六条の二 任命権者は、予算執行職員が故意若しくは重大な過失により第三条第一項の規定に違反して支出等の行為をしたと認める場合又は過失(重大な過失を除く。)により同項の規定に違反して支出等の行為をしたことにより国に損害を与えたと認める場合において、前条第一項又は第二項の規定による懲戒処分の要求を受ける前に当該予算執行職員に対し懲戒処分をしようとするときは、その旨及び当該予算執行職員がしたと認める当該支出等の行為の内容を会計検査院に通知しなければならない。

 2 前条第五項の規定は前項に規定する場合について、同条第六項(ただし書を除く。)の規定は前項の場合における当該予算執行職員に対する措置について準用する。ただし、都道府県の職員である予算執行職員については、同条第五項の規定及び同条第六項の規定中人事院に対する通知に関する部分は、この限りでない。

  第九条第二項ただし書中「第六条第二項の規定及び第三項」を「第六条第三項の規定、同条第四項の規定中人事院に対する通知に関する部分、同条第五項(第六条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定及び第六条第六項(第六条の二第二項において準用する場合を含む。)」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。

 (会計検査院法の一部改正に伴う経過措置)

第二条 第一条の規定による改正後の会計検査院法(以下「新会計検査院法」という。)第二十九条第四号の二及び第二章第四節の二の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の属する年度以後の年度に国会に提出される会計検査院法第二十九条の検査報告において検査の結果法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項として掲記された事項について適用する。

2 新会計検査院法第二十九条第七号並びに第三十四条第二項及び第三項の規定は、施行日以後に同条第一項の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項について適用し、施行日前に第一条の規定による改正前の会計検査院法(次項において「旧会計検査院法」という。)第三十四条の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項については、なお従前の例による。

3 新会計検査院法第二十九条第八号並びに第三十六条第二項及び第三項の規定は、施行日以後に同条第一項の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項について適用し、施行日前に旧会計検査院法第三十六条の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項については、なお従前の例による。

 (予算執行職員等の責任に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第三条 施行日前に第二条の規定による改正前の予算執行職員等の責任に関する法律第六条第一項(同法第九条第二項において準用する場合を含む。)の規定によりされた懲戒処分の要求に係る職員に対する懲戒処分については、なお従前の例による。


     理 由

 国の適正な予算の執行の確保に資するため、会計検査院に、不当事項への対処に関する検査を行わせ、当該検査の結果を検査報告に掲記させることとするとともに、予算執行職員がその義務に違反して支出等の行為をした場合における会計検査院による懲戒処分要求制度を強化する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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