衆議院

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第一八三回

閣第三七号

   刑法等の一部を改正する法律案

 (刑法の一部改正)

第一条 刑法(明治四十年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第二十七条」を「第二十七条の七」に改める。

  第二十五条の見出しを「(刑の全部の執行猶予)」に改め、同条第一項中「期間、その」の下に「刑の全部の」を加え、同条第二項中「あってもその」の下に「刑の全部の」を加える。

  第二十五条の二の見出しを「(刑の全部の執行猶予中の保護観察)」に改め、同条第二項中「保護観察」を「前項の規定により付せられた保護観察」に改め、同条第三項中「保護観察を」を「前項の規定により保護観察を」に改める。

  第二十六条の見出し中「執行猶予」を「刑の全部の執行猶予」に改め、同条中「刑の」の下に「全部の」を加え、同条第一号及び第二号中「その刑」の下に「の全部」を加える。

  第二十六条の二の見出し中「執行猶予」を「刑の全部の執行猶予」に改め、同条中「刑の」の下に「全部の」を加え、同条第三号中「その」の下に「刑の全部の」を加える。

  第二十六条の三の見出し中「他の」を「刑の全部の執行猶予の取消しの場合における他の」に改め、同条中「刑の」の下に「全部の」を加える。

  第二十七条の見出し中「猶予期間」を「刑の全部の執行猶予の猶予期間」に改め、同条中「執行猶予」を「全部の執行猶予」に、「猶予の期間」を「その猶予の期間」に改め、第一編第四章中同条の次に次の六条を加える。

  (刑の一部の執行猶予)

 第二十七条の二 次に掲げる者が三年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けた場合において、犯情の軽重及び犯人の境遇その他の情状を考慮して、再び犯罪をすることを防ぐために必要であり、かつ、相当であると認められるときは、一年以上五年以下の期間、その刑の一部の執行を猶予することができる。

  一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

  二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その刑の全部の執行を猶予された者

  三 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

 2 前項の規定によりその一部の執行を猶予された刑については、そのうち執行が猶予されなかった部分の期間を執行し、当該部分の期間の執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から、その猶予の期間を起算する。

 3 前項の規定にかかわらず、その刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった時において他に執行すべき懲役又は禁錮があるときは、第一項の規定による猶予の期間は、その執行すべき懲役若しくは禁錮の執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から起算する。

  (刑の一部の執行猶予中の保護観察)

 第二十七条の三 前条第一項の場合においては、猶予の期間中保護観察に付することができる。

 2 前項の規定により付せられた保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。

 3 前項の規定により保護観察を仮に解除されたときは、第二十七条の五第二号の規定の適用については、その処分を取り消されるまでの間は、保護観察に付せられなかったものとみなす。

  (刑の一部の執行猶予の必要的取消し)

 第二十七条の四 次に掲げる場合においては、刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十七条の二第一項第三号に掲げる者であるときは、この限りでない。

  一 猶予の言渡し後に更に罪を犯し、禁錮以上の刑に処せられたとき。

  二 猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられたとき。

  三 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないことが発覚したとき。

  (刑の一部の執行猶予の裁量的取消し)

 第二十七条の五 次に掲げる場合においては、刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。

  一 猶予の言渡し後に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。

  二 第二十七条の三第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守しなかったとき。

  (刑の一部の執行猶予の取消しの場合における他の刑の執行猶予の取消し)

 第二十七条の六 前二条の規定により刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の禁錮以上の刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。

  (刑の一部の執行猶予の猶予期間経過の効果)

 第二十七条の七 刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、その懲役又は禁錮を執行が猶予されなかった部分の期間を刑期とする懲役又は禁錮に減軽する。この場合においては、当該部分の期間の執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日において、刑の執行を受け終わったものとする。

  第二十九条の見出し中「取消し」を「取消し等」に改め、同条第二項中「とき」の下に「、又は前項の規定により仮釈放の処分が効力を失ったとき」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 刑の一部の執行猶予の言渡しを受け、その刑について仮釈放の処分を受けた場合において、当該仮釈放中に当該執行猶予の言渡しを取り消されたときは、その処分は、効力を失う。

 (恩赦法の一部改正)

第二条 恩赦法(昭和二十二年法律第二十号)の一部を次のように改正する。

  第七条第一項中「定の」を「定めの」に改め、同条第三項中「執行猶予の言渡」を「全部の執行猶予の言渡し」に、「、又」を「、また」に改め、同条に次の一項を加える。

   刑の一部の執行猶予の言渡しを受けてまだ猶予の期間を経過しない者に対しては、第二項の規定にかかわらず、刑を減軽する減刑又はその刑のうち執行が猶予されなかつた部分の期間の執行を減軽する減刑のみを行うものとし、また、刑を減軽するとともに猶予の期間を短縮することができる。

  第八条中「刑の言渡」を「刑の言渡し」に改め、同条ただし書を次のように改める。

   ただし、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者又は刑の一部の執行猶予の言渡しを受けてその刑のうち執行が猶予されなかつた部分の期間の執行を終わつた者であつて、まだ猶予の期間を経過しないものに対しては、その刑の執行の免除は、これを行わない。

 (更生保護法の一部改正)

第三条 更生保護法(平成十九年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第一節 通則(第四十八条−第六十五条)」を

第一節 通則(第四十八条−第六十五条)

 

 

第一節の二 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に関する特則(第六十五条の二−第六十五条の四)

 

 に、「第七十九条」を「第七十八条の二」に改める。

  第十六条第六号中「第二十五条の二第二項」の下に「及び第二十七条の三第二項(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律(平成二十五年法律第▼▼▼号)第四条第二項において準用する場合を含む。)」を加える。

  第二十七条第四項中「第五十条第四号」を「第五十条第一項第四号」に、「あてて」を「宛てて」に改める。

  第三十七条第二項及び第三十九条第三項中「第八十二条」を「第八十二条第一項」に改める。

  第四十八条第四号中「第二十五条の二第一項」の下に「若しくは第二十七条の三第一項又は薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第一項」を加える。

  第四十九条第一項中「第五十七条」の下に「及び第六十五条の三第一項」を加え、「及び」を「並びに」に改める。

  第五十条第三号中「同じ。)」の下に「又は第七十八条の二第一項」を加え、同条第四号中「第三十九条第三項」の下に「又は第七十八条の二第一項」を加え、同条に次の一項を加える。

 2 刑法第二十七条の三第一項又は薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しを受けた者(以下「保護観察付一部猶予者」という。)が仮釈放中の保護観察に引き続きこれらの規定による保護観察に付されたときは、第七十八条の二第一項の規定により住居を特定された場合及び次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除き、仮釈放中の保護観察の終了時に居住することとされていた前項第三号の届出に係る住居(第三十九条第三項の規定により住居を特定された場合には当該住居、前項第五号の転居の許可を受けた場合には当該許可に係る住居)につき、同項第三号の届出をしたものとみなす。

  第五十一条第二項中「次条」の下に「に定める場合を除き、第五十二条」を、「第二十六条の二」の下に「、第二十七条の五」を加え、第六号を第七号とし、第五号の次に次の一号を加える。

  六 善良な社会の一員としての意識の(かん)  第五十一条の次に次の一条を加える。

  (特別遵守事項の特則)

 第五十一条の二 薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しを受けた者については、次条第四項の定めるところにより、規制薬物等(同法第二条第一項に規定する規制薬物等をいう。以下同じ。)の使用を反復する犯罪的傾向を改善するための前条第二項第四号に規定する処遇を受けることを猶予期間中の保護観察における特別遵守事項として定めなければならない。ただし、これに違反した場合に刑法第二十七条の五に規定する処分がされることがあることを踏まえ、その改善更生のために特に必要とは認められないときは、この限りでない。

 2 第四項の場合を除き、前項の規定により定められた猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に取り消す場合における第五十三条第四項の規定の適用については、同項中「必要」とあるのは、「特に必要」とする。

 3 第一項の規定は、同項に規定する者について、次条第二項及び第三項の定めるところにより仮釈放中の保護観察における特別遵守事項を釈放の時までに定める場合に準用する。この場合において、第一項ただし書中「第二十七条の五」とあるのは、「第二十九条第一項」と読み替えるものとする。

 4 第一項に規定する者について、仮釈放を許す旨の決定をした場合においては、前項の規定による仮釈放中の保護観察における特別遵守事項の設定及び第一項の規定による猶予期間中の保護観察における特別遵守事項の設定は、釈放の時までに行うものとする。

 5 前項の場合において、第三項において準用する第一項の規定により定められた仮釈放中の保護観察における特別遵守事項を釈放までの間に取り消す場合における第五十三条第二項の規定の適用については、同項中「必要」とあるのは、「特に必要」とし、第一項の規定により定められた猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を釈放までの間に取り消す場合における同条第四項の規定の適用については、同項中「刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に、必要」とあるのは、「釈放までの間に、特に必要」とする。

  第五十二条第五項を同条第六項とし、同条第四項中「長は、」の下に「刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付されている」を加え、「刑法第二十五条の二第一項」を「同項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

 4 地方委員会は、保護観察付一部猶予者について、刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始の時までに、法務省令で定めるところにより、決定をもって、特別遵守事項(猶予期間中の保護観察における特別遵守事項に限る。以下この項及び次条第四項において同じ。)を定め、又は変更することができる。この場合において、仮釈放中の保護観察付一部猶予者について、特別遵守事項を定め、又は変更するときは、保護観察所の長の申出によらなければならない。

  第五十三条第一項中「特別遵守事項」の下に「(遵守すべき期間が定められている特別遵守事項であって当該期間が満了したものその他その性質上一定の事実が生ずるまでの間遵守すべきこととされる特別遵守事項であって当該事実が生じたものを除く。以下この条において同じ。)」を加え、同条に次の一項を加える。

 4 地方委員会は、保護観察付一部猶予者について定められている特別遵守事項につき、刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に、必要がなくなったと認めるときは、法務省令で定めるところにより、決定をもって、これを取り消すものとする。この場合において、仮釈放中の保護観察付一部猶予者について定められている特別遵守事項を取り消すときは、保護観察所の長の申出によらなければならない。

  第五十四条第二項中「又は第四十一条」を削り、「、懲役」を「懲役」に、「又は保護処分」を「の執行のため収容している者を釈放するとき、刑の一部の執行猶予の言渡しを受けてその刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、若しくはその執行を受けることがなくなったこと(その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった時に他に執行すべき懲役又は禁錮の刑があるときは、その刑の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなったこと。次条第二項において同じ。)により保護観察付一部猶予者を釈放するとき、又は第四十一条の決定により保護処分」に改める。

  第五十五条第二項中「又は保護処分」を削り、「、第三十九条第一項又は第四十一条」を「第三十九条第一項」に改め、「までに特別遵守事項」の下に「(その者が保護観察付一部猶予者である場合には、猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を含む。)」を、「定められたとき」の下に「、保護観察付一部猶予者についてその刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、若しくはその執行を受けることがなくなったことによる釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき、又は保護処分の執行のため収容している者について第四十一条の決定による釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき」を加える。

  第六十三条第二項第一号中「第五十条第四号」を「第五十条第一項第四号」に改める。

  第三章第一節の次に次の一節を加える。

     第一節の二 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に関する特則

  (保護観察の実施方法)

 第六十五条の二 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に対する保護観察は、その改善更生を図るためその依存を改善することが重要であることに鑑み、これに資する医療又は援助を行う病院、公共の衛生福祉に関する機関その他の者との緊密な連携を確保しつつ実施しなければならない。

  (指導監督の方法)

 第六十五条の三 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に対する保護観察における指導監督は、第五十七条第一項に掲げるもののほか、次に掲げる方法によって行うことができる。

  一 規制薬物等に対する依存の改善に資する医療を受けるよう、必要な指示その他の措置をとること。

  二 公共の衛生福祉に関する機関その他の適当な者が行う規制薬物等に対する依存を改善するための専門的な援助であって法務大臣が定める基準に適合するものを受けるよう、必要な指示その他の措置をとること。

 2 保護観察所の長は、前項に規定する措置をとろうとするときは、あらかじめ、同項に規定する医療又は援助を受けることが保護観察対象者の意思に反しないことを確認するとともに、当該医療又は援助を提供することについて、これを行う者に協議しなければならない。

 3 保護観察所の長は、第一項に規定する措置をとったときは、同項に規定する医療又は援助の状況を把握するとともに、当該医療又は援助を行う者と必要な協議を行うものとする。

 4 規制薬物等の使用を反復する犯罪的傾向を改善するための第五十一条第二項第四号に規定する処遇を受けることを特別遵守事項として定められた保護観察対象者について、第一項第二号に規定する措置をとったときは、当該処遇は、当該保護観察対象者が受けた同号に規定する援助の内容に応じ、その処遇の一部を受け終わったものとして実施することができる。

 第六十五条の四 保護観察所の長は、規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者について、第三十条の規定により病院、公共の衛生福祉に関する機関その他の者に対し病状、治療状況その他の必要な情報の提供を求めるなどして、その保護観察における指導監督が当該保護観察対象者の心身の状況を的確に把握した上で行われるよう必要な措置をとるものとする。

  第七十条第二項中「第五十一条」の下に「、第五十二条」を、「第六十五条」の下に「から第六十五条の四まで」を加え、同条第三項中「第五十条及び」を「第五十条第一項及び」に、「第五十条中」を「同項中」に、「同条第二号」を「同項第二号」に、「同条第五号」を「同項第五号」に、「第五十条に」を「第五十条第一項に」に改め、同条第六項中「第五十条」を「第五十条第一項」に改める。

  第七十六条第二項中「第二十九条第二項」を「第二十九条第三項」に改める。

  第三章第五節中第七十九条の前に次の一条を加える。

  (住居の特定)

 第七十八条の二 地方委員会は、保護観察付一部猶予者について、刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始の時までに、第八十二条第一項の規定による住居の調整の結果に基づき、法務省令で定めるところにより、決定をもって、その者が居住すべき住居を特定することができる。

 2 地方委員会は、前項の決定をした場合において、当該決定を受けた者について、刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に、当該決定により特定された住居に居住することが相当でないと認められる事情が生じたと認めるときは、法務省令で定めるところにより、決定をもって、住居の特定を取り消すものとする。

 3 第三十六条第二項の規定は前二項の決定に関する審理における調査について、第三十七条第二項の規定は当該審理について、それぞれ準用する。

  第七十九条中「第二十六条の二第二号」の下に「又は第二十七条の五第二号」を加える。

  第八十一条第一項中「第二十五条の二第二項」の下に「又は第二十七条の三第二項(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)」を加え、同条第二項中「第二十五条の二第二項」の下に「又は第二十七条の三第二項」を、「第六十五条」の下に「から第六十五条の四まで」を加え、同条第三項中「第二十五条の二第二項」の下に「又は第二十七条の三第二項」を加え、「第五十条中」を「第五十条第一項中」に、「同条第二号」を「同項第二号」に、「同条第五号」を「同項第五号」に、「第五十条に」を「第五十条第一項に」に改め、同条第五項中「第二十五条の二第二項」の下に「又は第二十七条の三第二項」を加え、「かんがみ」を「鑑み」に、「同項」を「これら」に改める。

  第八十二条中「少年院に収容されている者」の下に「(以下この条において「収容中の者」と総称する。)」を加え、同条に次の三項を加える。

 2 地方委員会は、前項の規定による調整が有効かつ適切に行われるよう、保護観察所の長に対し、調整を行うべき住居、就業先その他の生活環境に関する事項について必要な指導及び助言を行うほか、同項の規定による調整が複数の保護観察所において行われる場合における当該保護観察所相互間の連絡調整を行うものとする。

 3 地方委員会は、前項の措置をとるに当たって必要があると認めるときは、収容中の者との面接、関係人に対する質問その他の方法により、調査を行うことができる。

 4 第二十五条第二項及び第三十六条第二項の規定は、前項の調査について準用する。

  第八十三条中「前条」を「前条第一項」に改める。

  第八十四条中「前二条」を「第八十二条第一項及び前条」に改める。

  第八十五条第一項第三号及び第四号中「の刑の」を「につき刑の全部の」に改め、同項中第八号を第九号とし、第五号から第七号までを一号ずつ繰り下げ、第四号の次に次の一号を加える。

  五 懲役又は禁錮につき刑の一部の執行猶予の言渡しを受け、その猶予の期間中保護観察に付されなかった者であって、その刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わったもの

  第八十六条第三項ただし書中「同項第八号」を「同項第九号」に改める。

  附則第五条第一項の表この法律の施行前にされた少年法第二十四条第一項第一号の保護処分により、この法律の施行の際現に保護観察に付されている者の項及びこの法律の施行前に旧犯罪者予防更生法第三十一条第二項の規定による少年院からの仮退院を許す旨の決定を受けた者の項中「から第五十一条まで」を「、第五十条第一項、第五十一条」に改め、同表この法律の施行前に旧犯罪者予防更生法第三十一条第二項の規定による仮釈放を許す旨の決定を受けた者の項中「第五十条」を「第五十条第一項」に改め、同表この法律の施行前に刑法第二十五条の二第一項の規定による保護観察に付する旨の言渡しを受けた者の項中「第五十条」を「第五十条第一項」に、「第五十二条第四項及び第五項」を「第五十二条第五項及び第六項」に改め、同表この法律の施行前に旧売春防止法第二十五条第三項において準用する旧犯罪者予防更生法第三十一条第二項の規定による婦人補導院からの仮退院を許す旨の決定を受けた者の項中「第五十条」を「第五十条第一項」に改め、附則第五条第二項の表第二十七条第四項の項中「第五十条第四号」を「第五十条第一項第四号」に改め、同表第四十八条の項中「第四十九条」の下に「、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条」を加え、「及び第五十七条第一項」を「、第五十七条第一項及び第六十五条の三」に改め、同表第六十三条第二項第一号(新売春防止法第二十六条第二項において準用する場合を含む。)の項中「第五十条第四号」を「第五十条第一項第四号」に改め、同表第七十条第二項の項の中欄中「第五十一条」の下に「、第五十二条」を、「第六十五条」の下に「から第六十五条の四まで」を加え、同項の下欄中「第六十五条」の下に「、第六十五条の二、第六十五条の四」を加え、同表第七十条第三項の項中「第五十条及び」を「第五十条第一項及び」に、「第五十条中」を「同項中」に、「同条第二号」を「同項第二号」に、「同条第五号」を「同項第五号」に、「第五十条に」を「第五十条第一項に」に改め、同表第七十条第六項の項中「第五十条」を「第五十条第一項」に改め、同表第八十一条第二項の項の中欄中「第六十五条」の下に「から第六十五条の四まで」を加え、同項の下欄中「第六十五条」の下に「、第六十五条の二、第六十五条の四」を加え、同表第八十一条第三項の項中「第五十条中」を「第五十条第一項中」に、「同条第二号」を「同項第二号」に、「同条第五号」を「同項第五号」に、「第五十条に」を「第五十条第一項に」に改め、附則第五条第五項中「第五十条第四号」を「第五十条第一項第四号」に、「第五十条中」を「第五十条第一項中」に、「同条第二号」を「同項第二号」に、「同条第五号」を「同項第五号」に、「第五十条に」を「第五十条第一項に」に改める。

  附則第十一条第一項を削り、同条第二項を同条とする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第三条中更生保護法第五十一条第二項第六号を同項第七号とし、同項第五号の次に一号を加える改正規定及び同法第五十三条第一項の改正規定並びに次条第二項の規定は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

第二条 第一条の規定による改正後の刑法第二十七条の二第一項の規定は、この法律の施行前にした行為についても、適用する。

2 第三条の規定による改正後の更生保護法第五十一条第二項第六号(売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第二十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、前条ただし書に規定する規定の施行前に次に掲げる決定又は言渡しを受け、これにより保護観察に付されている者に対する当該保護観察については、適用しない。

 一 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第二十四条第一項第一号の保護処分の決定

 二 少年院からの仮退院を許す旨の決定

 三 仮釈放を許す旨の決定

 四 刑法第二十五条の二第一項の規定による保護観察に付する旨の言渡し

 五 婦人補導院からの仮退院を許す旨の決定

3 第三条の規定による改正後の更生保護法第四十九条第一項及び第六十五条の三の規定は、この法律の施行前に前項各号に掲げる決定又は言渡しを受け、これにより保護観察に付されている者に対する当該保護観察については、適用しない。

 (恩給法の一部改正)

第三条 恩給法(大正十二年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

  第五十八条ノ二ただし書中「但シ刑ノ」の下に「全部ノ」を、「停止セズ」の下に「刑ノ一部ノ執行猶予ノ言渡ヲ受ケタルトキハ其ノ刑ノ内執行ガ猶予サレザリシ部分ノ期間ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月ノ翌月以降ハ之ヲ停止セズ」を加え、同条後段中「其ノ言渡ヲ」を「之等ノ言渡ヲ猶予ノ期間中ニ」に改める。

  第七十七条第一項ただし書中「但シ刑ノ」の下に「全部ノ」を、「停止セス」の下に「刑ノ一部ノ執行猶予ノ言渡ヲ受ケタルトキハ其ノ刑ノ内執行ガ猶予サレザリシ部分ノ期間ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月ノ翌月以降ハ之ヲ停止セズ」を加え、同項後段中「其ノ言渡ヲ」を「之等ノ言渡ヲ猶予ノ期間中ニ」に改める。

 (刑事訴訟法の一部改正)

第四条 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。

  第三百三十三条第二項中「刑法第二十五条の二第一項の規定により」を「猶予の期間中」に、「である」を「とする」に改める。

  第三百四十五条中「免除、刑の」の下に「全部の」を加える。

  第三百四十九条第二項及び第三百四十九条の二第二項中「第二十六条の二第二号」の下に「又は第二十七条の五第二号」を加える。

  第三百五十条の十四中「刑の」の下に「全部の」を加える。

 (精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正)

第五条 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。

  第二十五条第一項中「、禁() (出入国管理及び難民認定法の一部改正)

第六条 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条第四号リただし書を次のように改める。

     ただし、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者及び刑の一部の執行猶予の言渡しを受けた者であつてその刑のうち執行が猶予されなかつた部分の期間が一年以下のものを除く。

  第二十五条の二第一項第一号中「禁()() (戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正)

第七条 戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十五条第一項中「禁」を「禁錮」に、「終り」を「終わり」に改め、同項ただし書を次のように改める。

   ただし、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けたときは、その支給を停止せず、刑の一部の執行猶予の言渡しを受けたときは、その刑のうち執行が猶予されなかつた部分の期間の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなる日の属する月の翌月以降は、その支給を停止しない。

  第十五条第二項中「前項但書」を「前項ただし書」に、「言渡を」を「言渡しを猶予の期間中に」に、「取消」を「取消し」に、「終り」を「終わり」に改め、同条第三項中「禁」を「禁錮」に、「終り」を「終わり」に改め、同項ただし書を次のように改める。

   ただし、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者については、その支給を停止せず、刑の一部の執行猶予の言渡しを受けた者については、その刑のうち執行が猶予されなかつた部分の期間の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなる日の属する月の翌月以降は、その支給を停止しない。

  第十五条第四項中「前項但書」を「前項ただし書」に改める。

  第三十八条中「左に」を「次に」に改め、同条第三号中「禁」を「禁錮」に、「終り」を「終わり」に、「執行猶予の言渡を受けた」を「執行猶予中の」に改める。

 (麻薬及び向精神薬取締法の一部改正)

第八条 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)の一部を次のように改正する。

  第五十八条の四中「、禁() (売春防止法の一部改正)

第九条 売春防止法の一部を次のように改正する。

  第十七条第一項中「禁()  第二十四条第二項中「第六十一条第一項」の下に「及び第八十二条第二項から第四項まで」を加え、同項に後段として次のように加える。

   この場合において、同項において準用する同法第三十六条第二項中「刑事施設(労役場に留置されている場合には、当該労役場が附置された刑事施設)又は少年院」とあるのは、「婦人補導院」と読み替えるものとする。

  第二十五条第四項中「第八十二条」を「第八十二条第一項」に改める。

  第二十六条第二項中「、第五十条」を「、第五十条第一項」に、「並びに第六十条から第六十四条まで」を「、第六十条から第六十四条まで並びに第六十五条の二から第六十五条の四まで」に、「第五十条第三号」を「第五十条第一項第三号」に改め、「同じ。)」の下に「又は第七十八条の二第一項」を加え、「同条第四号中「第三十九条第三項」を「同項第四号中「第三十九条第三項又は第七十八条の二第一項」に改め、「第五十一条第二項中」の下に「「次条に定める場合を除き、第五十二条」とあるのは「第五十二条」と、」を、「第二十六条の二」の下に「、第二十七条の五」を加え、「及び第五十五条第二項」を削り、「又は第四十一条」を「の決定により懲役若しくは禁錮の刑の執行のため収容している者を釈放するとき、刑の一部の執行猶予の言渡しを受けてその刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、若しくはその執行を受けることがなくなったこと(その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった時に他に執行すべき懲役又は禁錮の刑があるときは、その刑の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなったこと。次条第二項において同じ。)により保護観察付一部猶予者を釈放するとき、又は第四十一条の決定により保護処分の執行のため収容している者を釈放するとき」に改め、「第二十五条第一項」の下に「の決定により、補導処分の執行のため収容している者を釈放するとき」と、同法第五十五条第二項中「刑事施設の長又は少年院の長」とあるのは「婦人補導院の長」を加え、「又は保護処分」を「の執行のため収容している者について第三十九条第一項の決定による釈放の時までに特別遵守事項(その者が保護観察付一部猶予者である場合には、猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を含む。)が定められたとき、保護観察付一部猶予者についてその刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、若しくはその執行を受けることがなくなったことによる釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき、又は保護処分の執行のため収容している者について第四十一条の決定による釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき」に改め、「補導処分」の下に「の執行のため収容している者について、売春防止法第二十五条第一項の決定による釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき」を加える。

  第三十一条中「同法第八十五条から第八十七条まで及び第九十八条」を「同条から同法第八十七条まで及び同法第九十八条」に、「同項第八号」を「同項第九号」に改める。

 (刑事確定訴訟記録法の一部改正)

第十条 刑事確定訴訟記録法(昭和六十二年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。

  別表中

 1 死刑又は無期の懲役若しくは禁()

百年

 

 を

 1 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に処する確定裁判の裁判書

百年

 

 に、

  () 五年未満の懲役又は禁錮に処する裁判に係るもの

五年

 

 

  () 罰金、拘留又は科料に処する裁判に係るもの

三年(法務省令で定めるものについては、法務省令で定める期間)

 

 を

  () 刑の一部の執行猶予を言い渡す裁判に係るもの

八年

 

 

  () 五年未満の懲役又は禁錮に処する裁判(()の裁判を除く。)に係るもの

五年

 

 

  () 罰金、拘留又は科料に処する裁判に係るもの

三年(法務省令で定めるものについては、法務省令で定める期間)

 

 に改める。

 (日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部改正)

第十一条 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)の一部を次のように改正する。

  第二十二条第一項第一号中「禁()() (暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部改正)

第十二条 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第二号イ中「禁() (更生保護事業法の一部改正)

第十三条 更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項第二号中「禁()  四 懲役又は禁錮につき刑の一部の執行猶予の言渡しを受け、その猶予の期間中の者

 (国際受刑者移送法の一部改正)

第十四条 国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十一条中「第五十条」を「第五十条第一項」に、「第六十五条」を「第六十五条の四」に改める。

 (心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の一部改正)

第十五条 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)の一部を次のように改正する。

  第二条第三項第二号中「禁()  第七十四条第二項及び第七十六条第一項中「言い渡し」の下に「、その刑の全部の」を加える。

 (出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律の一部改正)

第十六条 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律(平成二十一年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。

  附則第二十二条中「禁()   この場合において、なお従前の例によることとされる改正入管法第二十四条第四号ヘ(2)の規定の適用については、同号ヘ(2)ただし書中「執行猶予」とあるのは、「刑の全部の執行猶予」とする。

 (旧国会議員互助年金法の一部改正)

第十七条 国会議員互助年金法を廃止する法律(平成十八年法律第一号)附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有することとされる旧国会議員互助年金法(昭和三十三年法律第七十号)の一部を次のように改正する。

  第十五条第四項本文中「禁()

     理 由

 近年、犯罪者の再犯防止が重要な課題となっていることに鑑み、犯罪者が再び犯罪をすることを防ぐため、前に禁錮以上の実刑に処せられたことがない者等について、刑の一部の執行を猶予することを可能とする制度を導入するとともに、保護観察等の充実強化を図るため、地域社会の利益の増進に寄与する社会的活動を行うことを保護観察の特別遵守事項に加えること、規制薬物等に対する依存がある者に対する保護観察の特則を定めることその他所要の規定を整備する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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