第一八六回
衆第一九号
国民経済及び国民生活に重大な影響を及ぼすおそれのある通商に係る交渉に関する情報の提供の促進に関する法律案
(目的)
第一条 この法律は、政府が外国政府等と行う国民経済及び国民生活に重大な影響を及ぼすおそれのある通商に係る交渉(以下「重大通商交渉」という。)に関し、国民及び国会に対して必要な情報が提供されていない現状に鑑み、政府の国民に対する情報の提供の努力義務及び国会に対する報告義務等について定めることにより、国民及び国会に対する適時かつ適切な方法による情報の提供を促進することを目的とする。
(国民に対する情報の提供)
第二条 政府は、重大通商交渉に関し、交渉の状況、関係資料、交渉の結果が国民経済及び国民生活に及ぼす影響並びに当該影響に対する対策等について、国民に対して情報を提供するよう努めなければならない。
(国会に対する報告等)
第三条 政府は、各議院が議決により定める重大通商交渉に関し、当該議決により定める各議院の委員会又は参議院の調査会に対し、少なくとも毎月一回(国会の閉会中にあっては、当該委員会又は参議院の調査会の求めに応じ)、交渉の状況、関係資料、交渉の結果が国民経済及び国民生活に及ぼす影響並びに法制上の措置その他の当該影響に対する対策及び当該対策に要する経費等(次条において「交渉状況等」という。)を報告しなければならない。
第四条 政府は、各議院又は各議院の委員会若しくは参議院の調査会が、前条の議決により定められた重大通商交渉に関し、交渉状況等について報告又は記録の提出その他の情報の提供を求めたときは、国会に対して適時かつ適切な方法により必要な情報を提供することの重要性を踏まえて、適切に対応しなければならない。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
理 由
重大通商交渉に関し、国民及び国会に対して必要な情報が提供されていない現状に鑑み、政府の国民及び国会に対する適時かつ適切な方法による情報の提供を促進するため、政府の国民に対する情報の提供の努力義務及び国会に対する報告義務等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。