衆議院

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第一八七回

閣第二一号

   感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)の一部を次のように改正する。

 目次中「健康診断、就業制限及び入院(第十七条」を「就業制限その他の措置(第十六条の三」に、「第二十七条」を「第二十六条の三」に改める。

 第六条の見出しを「(定義等)」に改め、同条第三項第四号中「コロナウイルス属」を「ベータコロナウイルス属」に改め、同項第五号中「がH五N一」を「が新型インフルエンザ等感染症の病原体に変異するおそれが高いものの血清亜型として政令で定めるもの」に、「鳥インフルエンザ(H五N一)」を「特定鳥インフルエンザ」に改め、同号を同項第六号とし、同項第四号の次に次の一号を加える。

 五 中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。)

 第六条第五項第七号中「鳥インフルエンザ(H五N一)」を「特定鳥インフルエンザ」に改め、同条第二十一項第三号中「コロナウイルス属」を「ベータコロナウイルス属」に改め、同条第二十二項第二号中「及びリファンピシン」を「、リファンピシンその他結核の治療に使用される薬剤として政令で定めるもの」に改め、同条第二十三項第一号中「H二N二、H五N一若しくはH七N七」を「政令で定めるもの」に改め、同条に次の一項を加える。

24 厚生労働大臣は、第三項第六号の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。

 第十二条第一項第一号中「、四類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者」を「又は四類感染症の患者又は無症状病原体保有者、厚生労働省令で定める五類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者」に改める。

 第十三条第一項に次のただし書を加える。

  ただし、当該動物が実験のために当該感染症に感染させられている場合は、この限りでない。

 第十三条第二項に次のただし書を加える。

  ただし、当該動物が実験のために当該感染症に感染させられている場合は、この限りでない。

 第十四条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(感染症の発生の状況及び動向の把握)」を付し、同条第一項中「(以下この条において「指定届出機関」という。)」を削り、同条第二項中「指定届出機関の管理者」を「前項の規定による指定を受けた病院又は診療所(以下この条において「指定届出機関」という。)の管理者」に改め、同条第四項及び第五項中「その」を「第一項の規定による」に改める。

 第十四条の次に次の一条を加える。

第十四条の二 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、開設者の同意を得て、厚生労働省令で定める五類感染症の患者の検体又は当該感染症の病原体の提出を担当させる病院若しくは診療所又は衛生検査所を指定する。

2 前項の規定による指定を受けた病院若しくは診療所又は衛生検査所(以下この条において「指定提出機関」という。)の管理者は、当該指定提出機関(病院又は診療所に限る。)の医師が同項の厚生労働省令で定める五類感染症の患者を診断したとき、又は当該指定提出機関(衛生検査所に限る。)の職員が当該患者の検体若しくは当該感染症の病原体について検査を実施したときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該患者の検体又は当該感染症の病原体の一部を同項の規定により当該指定提出機関を指定した都道府県知事に提出しなければならない。

3 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により提出を受けた検体又は感染症の病原体について検査を実施しなければならない。

4 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の検査の結果その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。

5 厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第二項の規定により提出を受けた検体又は感染症の病原体の一部の提出を求めることができる。

6 指定提出機関は、三十日以上の予告期間を設けて、第一項の規定による指定を辞退することができる。

7 都道府県知事は、指定提出機関の管理者が第二項の規定に違反したとき、又は指定提出機関が同項の規定による提出を担当するについて不適当であると認められるに至ったときは、第一項の規定による指定を取り消すことができる。

 第十五条第一項中「疑似症患者及び」を「疑似症患者若しくは」に改め、同条第二項中「及び」を「若しくは」に改め、同条第八項中「第四項」を「第七項」に改め、同項を同条第十二項とし、同条第七項中「第四項」を「第七項」に改め、同項を同条第十一項とし、同条第六項中「第一項の規定」の下に「による質問又は必要な調査」を、「厚生労働大臣に」の下に「対し、」を加え、「行っている」を「行う」に改め、「機関」の下に「(以下「感染症試験研究等機関」という。)」を加え、「その他同項の規定による質問又は必要な調査を実施するため」を「その他の」に改め、同項を同条第十項とし、同条第五項を同条第八項とし、同項の次に次の一項を加える。

9 厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第三項の規定により提出を受けた検体若しくは感染症の病原体又は当該職員が採取した検体の一部の提出を求めることができる。

 第十五条第四項を同条第七項とし、同条第三項中「及び」を「若しくは」に、「前二項」を「第一項又は第二項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第二項の次に次の三項を加える。

3 都道府県知事は、必要があると認めるときは、第一項の規定による必要な調査として当該職員に次の各号に掲げる者に対し当該各号に定める検体若しくは感染症の病原体を提出し、若しくは当該職員による当該検体の採取に応じるべきことを求めさせ、又は第一号から第三号までに掲げる者の保護者(親権を行う者又は後見人をいう。以下同じ。)に対し当該各号に定める検体を提出し、若しくは当該各号に掲げる者に当該職員による当該検体の採取に応じさせるべきことを求めさせることができる。

 一 一類感染症、二類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者若しくは無症状病原体保有者又は当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者 当該者の検体

 二 三類感染症、四類感染症若しくは五類感染症の患者、疑似症患者若しくは無症状病原体保有者又は当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者 当該者の検体

 三 新感染症の所見がある者又は新感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者 当該者の検体

 四 一類感染症、二類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症を人に感染させるおそれがある動物又はその死体の所有者又は管理者 当該動物又はその死体の検体

 五 三類感染症、四類感染症若しくは五類感染症を人に感染させるおそれがある動物又はその死体の所有者又は管理者 当該動物又はその死体の検体

 六 新感染症を人に感染させるおそれがある動物又はその死体の所有者又は管理者 当該動物又はその死体の検体

 七 第一号に定める検体又は当該検体から分離された同号に規定する感染症の病原体を所持している者 当該検体又は当該感染症の病原体

 八 第二号に定める検体又は当該検体から分離された同号に規定する感染症の病原体を所持している者 当該検体又は当該感染症の病原体

 九 第三号に定める検体又は当該検体から分離された新感染症の病原体を所持している者 当該検体又は当該感染症の病原体

 十 第四号に定める検体又は当該検体から分離された同号に規定する感染症の病原体を所持している者 当該検体又は当該感染症の病原体

 十一 第五号に定める検体又は当該検体から分離された同号に規定する感染症の病原体を所持している者 当該検体又は当該感染症の病原体

 十二 第六号に定める検体又は当該検体から分離された新感染症の病原体を所持している者 当該検体又は当該感染症の病原体

4 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により提出を受けた検体若しくは感染症の病原体又は当該職員が採取した検体について検査を実施しなければならない。

5 第三項の規定は、第二項の規定による必要な調査について準用する。

 第十五条の二第三項中「前条第四項」を「前条第七項」に改める。

 第十五条の三第四項中「第十五条第四項」を「第十五条第七項」に改める。

 第四章の章名を次のように改める。

   第四章 就業制限その他の措置

 第四章中第十七条の前に次の一条を加える。

 (検体の採取等)

第十六条の三 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、第十五条第三項第一号に掲げる者に対し同号に定める検体を提出し、若しくは当該職員による当該検体の採取に応じるべきことを勧告し、又はその保護者に対し当該検体を提出し、若しくは同号に掲げる者に当該職員による当該検体の採取に応じさせるべきことを勧告することができる。ただし、都道府県知事がその行おうとする勧告に係る当該検体(その行おうとする勧告に係る当該検体から分離された同号に規定する感染症の病原体を含む。以下この項において同じ。)を所持している者からその行おうとする勧告に係る当該検体を入手することができると認められる場合においては、この限りでない。

2 厚生労働大臣は、一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、第十五条第三項第一号に掲げる者に対し同号に定める検体を提出し、若しくは当該職員による当該検体の採取に応じるべきことを勧告し、又はその保護者に対し当該検体を提出し、若しくは同号に掲げる者に当該職員による当該検体の採取に応じさせるべきことを勧告することができる。ただし、厚生労働大臣がその行おうとする勧告に係る当該検体(その行おうとする勧告に係る当該検体から分離された同号に規定する感染症の病原体を含む。以下この項において同じ。)を所持している者からその行おうとする勧告に係る当該検体を入手することができると認められる場合においては、この限りでない。

3 都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該職員に当該勧告に係る第十五条第三項第一号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。

4 厚生労働大臣は、第二項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該職員に当該勧告に係る第十五条第三項第一号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。

5 都道府県知事は、第一項の規定による検体の提出若しくは採取の勧告をし、又は第三項の規定による検体の採取の措置を実施する場合には、同時に、当該勧告を受け、又は当該措置を実施される者に対し、当該勧告をし、又は当該措置を実施する理由その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知しなければならない。ただし、当該事項を書面により通知しないで検体の提出若しくは採取の勧告をし、又は検体の採取の措置を実施すべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。

6 都道府県知事は、前項ただし書の場合においては、当該検体の提出若しくは採取の勧告又は検体の採取の措置の後相当の期間内に、当該勧告を受け、又は当該措置を実施された者に対し、同項の理由その他の厚生労働省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。

7 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体について検査を実施しなければならない。

8 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の検査の結果その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。

9 厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体の一部の提出を求めることができる。

10 都道府県知事は、第一項の規定により検体の提出若しくは採取の勧告をし、第三項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させ、又は第七項の規定により検体の検査を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事又は厚生労働大臣に対し、感染症試験研究等機関の職員の派遣その他の必要な協力を求めることができる。

11 第五項及び第六項の規定は、厚生労働大臣が第二項の規定により検体の提出若しくは採取の勧告をし、又は第四項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させる場合について準用する。

 第十七条第一項中「(親権を行う者又は後見人をいう。以下同じ。)」を削り、同条第三項及び第四項を削る。

 第二十二条の二中「第十七条」を「第十六条の三」に改める。

 第二十三条中「第十七条第三項及び第四項」を「第十六条の三第五項及び第六項」に改め、「都道府県知事が」の下に「第十七条第一項の規定による健康診断の勧告、同条第二項の規定による健康診断の措置、」を加え、「に規定する」を「の規定による」に改める。

 第五章中第二十七条の前に次の二条を加える。

 (検体の収去等)

第二十六条の三 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、第十五条第三項第七号又は第十号に掲げる者に対し、当該各号に定める検体又は感染症の病原体を提出すべきことを命ずることができる。

2 厚生労働大臣は、一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、第十五条第三項第七号又は第十号に掲げる者に対し、当該各号に定める検体又は感染症の病原体を提出すべきことを命ずることができる。

3 都道府県知事は、第一項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、当該職員に当該命令に係る第十五条第三項第七号又は第十号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、当該各号に定める検体又は感染症の病原体を無償で収去させることができる。

4 厚生労働大臣は、第二項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、当該職員に当該命令に係る第十五条第三項第七号又は第十号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、当該各号に定める検体又は感染症の病原体を無償で収去させることができる。

5 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受けた検体若しくは感染症の病原体又は第三項の規定により当該職員に収去させた検体若しくは感染症の病原体について検査を実施しなければならない。

6 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の検査の結果その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。

7 厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第一項の規定により提出を受けた検体若しくは感染症の病原体又は第三項の規定により当該職員に収去させた検体若しくは感染症の病原体の一部の提出を求めることができる。

8 都道府県知事は、第一項の規定により検体若しくは感染症の病原体の提出の命令をし、第三項の規定により当該職員に検体若しくは感染症の病原体の収去の措置を実施させ、又は第五項の規定により検体若しくは感染症の病原体の検査を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事又は厚生労働大臣に対し、感染症試験研究等機関の職員の派遣その他の必要な協力を求めることができる。

 (検体の採取等)

第二十六条の四 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、第十五条第三項第四号に掲げる者に対し、同号に定める検体を提出し、又は当該職員による当該検体の採取に応ずべきことを命ずることができる。

2 厚生労働大臣は、一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、第十五条第三項第四号に掲げる者に対し、同号に定める検体を提出し、又は当該職員による当該検体の採取に応ずべきことを命ずることができる。

3 都道府県知事は、第一項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、当該職員に当該命令に係る第十五条第三項第四号に規定する動物又はその死体から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。

4 厚生労働大臣は、第二項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、当該職員に当該命令に係る第十五条第三項第四号に規定する動物又はその死体から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。

5 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体について検査を実施しなければならない。

6 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の検査の結果その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。

7 厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体の一部の提出を求めることができる。

8 都道府県知事は、第一項の規定により検体の提出若しくは採取の命令をし、第三項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させ、又は第五項の規定により検体の検査を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事又は厚生労働大臣に対し、感染症試験研究等機関の職員の派遣その他の必要な協力を求めることができる。

 第三十四条及び第三十五条第一項中「第二十七条」を「第二十六条の三」に改める。

 第三十五条第五項を同条第六項とし、同条第四項中「前三項」を「第一項から第三項まで」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

4 前三項の規定は、厚生労働大臣が第二十六条の三第二項若しくは第四項又は第二十六条の四第二項若しくは第四項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させるため必要があると認める場合について準用する。この場合において、第一項中「、三類感染症、四類感染症若しくは」とあるのは、「若しくは」と読み替えるものとする。

 第三十六条第一項中「都道府県知事は」の下に「、第二十六条の三第一項若しくは第三項、第二十六条の四第一項若しくは第三項」を加え、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 前二項の規定は、厚生労働大臣が第二十六条の三第二項若しくは第四項又は第二十六条の四第二項若しくは第四項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。

 第四十四条の五第二項中「第三十五条第四項」を「第三十五条第五項」に改める。

 第四十四条の六の次に次の一条を加える。

 (新感染症に係る検体の採取等)

第四十四条の七 都道府県知事は、新感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、第十五条第三項第三号に掲げる者に対し同号に定める検体を提出し、若しくは当該職員による当該検体の採取に応じるべきことを勧告し、又はその保護者に対し当該検体を提出し、若しくは同号に掲げる者に当該職員による当該検体の採取に応じさせるべきことを勧告することができる。ただし、都道府県知事がその行おうとする勧告に係る当該検体(その行おうとする勧告に係る当該検体から分離された新感染症の病原体を含む。以下この項において同じ。)を所持している者からその行おうとする勧告に係る当該検体を入手することができると認められる場合においては、この限りでない。

2 厚生労働大臣は、新感染症のまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、第十五条第三項第三号に掲げる者に対し同号に定める検体を提出し、若しくは当該職員による当該検体の採取に応じるべきことを勧告し、又はその保護者に対し当該検体を提出し、若しくは同号に掲げる者に当該職員による当該検体の採取に応じさせるべきことを勧告することができる。ただし、厚生労働大臣がその行おうとする勧告に係る当該検体(その行おうとする勧告に係る当該検体から分離された新感染症の病原体を含む。以下この項において同じ。)を所持している者からその行おうとする勧告に係る当該検体を入手することができると認められる場合においては、この限りでない。

3 都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該職員に当該勧告に係る第十五条第三項第三号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。

4 厚生労働大臣は、第二項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該職員に当該勧告に係る第十五条第三項第三号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。

5 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体について検査を実施しなければならない。

6 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の検査の結果その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。

7 厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体の一部の提出を求めることができる。

8 都道府県知事は、第一項の規定により検体の提出若しくは採取の勧告をし、第三項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させ、又は第五項の規定により検体の検査を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事又は厚生労働大臣に対し、感染症試験研究等機関の職員の派遣その他の必要な協力を求めることができる。

9 第十六条の三第五項及び第六項の規定は、都道府県知事が第一項の規定により検体の提出若しくは採取の勧告をし、又は第三項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させる場合について準用する。

10 第十六条の三第五項及び第六項の規定は、厚生労働大臣が第二項の規定により検体の提出若しくは採取の勧告をし、又は第四項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させる場合について準用する。

 第四十五条第三項中「第十七条第三項及び第四項」を「第十六条の三第五項及び第六項」に改める。

 第四十八条の二中「第四十五条」を「第四十四条の七」に改める。

 第四十九条中「第十七条第三項及び第四項」を「第十六条の三第五項及び第六項」に改める。

 第五十条第一項中「みなして」の下に「、第二十六条の三第一項及び第三項、第二十六条の四第一項及び第三項」を加え、「及び」を「並びに」に改め、同条第八項中「又は第五項」を「、第七項又は第十項」に改め、同項を同条第十三項とし、同条第七項中「第三十六条第四項」を「第三十六条第五項」に改め、同項を同条第十二項とし、同条第六項中「第三十五条第四項」を「第三十五条第五項」に、「同条第四項」を「同条第五項」に改め、同項を同条第十一項とし、同条第五項中「第三十五条第四項」を「第三十五条第五項」に改め、同項を同条第十項とし、同条第四項中「第三十六条第三項」を「第三十六条第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同項の次に次の三項を加える。

7 厚生労働大臣は、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、当該新感染症を一類感染症とみなして、第二十六条の三第二項及び第四項、第二十六条の四第二項及び第四項並びに第三十五条第四項において準用する同条第一項に規定する措置の全部又は一部を実施し、又は当該職員に実施させることができる。

8 第三十五条第四項において準用する同条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により当該職員に同条第四項において準用する同条第一項に規定する措置を実施させる場合について準用する。

9 第三十六条第三項において準用する同条第一項及び第二項の規定は、第七項の規定により厚生労働大臣が第二十六条の三第二項若しくは第四項又は第二十六条の四第二項若しくは第四項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。

 第五十条第三項中「都道府県知事が」の下に「第二十六条の三第一項若しくは第三項、第二十六条の四第一項若しくは第三項、」を加え、同項を同条第五項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。

2 第二十六条の三第五項から第八項までの規定は、前項の規定により都道府県知事が同条第一項又は第三項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。

3 第二十六条の四第五項から第八項までの規定は、第一項の規定により都道府県知事が同条第一項又は第三項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。

 第五十一条第一項中「都道府県知事は」の下に「、第四十四条の七第一項」を、「規定により」の下に「第二十六条の三第一項、第二十六条の四第一項、」を加え、同条第二項中「第四十五条」を「第四十四条の七」に改め、同条第四項中「第五十条第五項」を「第五十条第十項」に、「第三十五条第四項」を「第三十五条第五項」に改める。

 第五十一条の二第一項中「に対し」の下に「、第四十四条の七第一項」を加える。

 第五十二条第一項中「都道府県知事は、」の下に「第四十四条の七第一項若しくは第三項若しくは」を加え、「又は第五十条第一項」を「に規定する措置若しくは第五十条第一項の規定により第二十六条の三第一項若しくは第三項、第二十六条の四第一項若しくは第三項、第二十七条から第三十三条まで若しくは第三十五条第一項」に改め、同条第二項中「第五十条第五項」を「第五十条第十項」に改める。

 第五十三条の十四の見出しを「(家庭訪問指導等)」に改め、同条中「こと」を「指導」に改め、同条に次の一項を加える。

2 保健所長は、結核登録票に登録されている者について、結核の予防又は医療を効果的に実施するため必要があると認めるときは、病院、診療所、薬局その他厚生労働省令で定めるものに対し、厚生労働大臣が定めるところにより、処方された薬剤を確実に服用する指導その他必要な指導の実施を依頼することができる。

 第五十六条の三十八第七項中「感染症に関する試験研究又は検査を行っている機関」を「感染症試験研究等機関」に改める。

 第五十八条第一号中「から第十六条までの規定(第十五条第二項を除く。)」を「、第十四条の二、第十五条(第二項及び第五項を除く。)、第十五条の二から第十六条まで、第十六条の三第一項、第三項若しくは第七項から第十項まで又は第四十四条の七第一項、第三項若しくは第五項から第八項までの規定」に改め、同条第四号の次に次の二号を加える。

 四の二 第二十六条の三第一項若しくは第三項の規定による検体若しくは感染症の病原体の受理若しくは収去(これらが第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)又は第二十六条の三第五項から第八項まで(これらの規定を第五十条第二項において準用する場合を含む。)の規定により実施される事務に要する費用

 四の三 第二十六条の四第一項若しくは第三項の規定による検体の受理若しくは採取(これらが第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)又は第二十六条の四第五項から第八項まで(これらの規定を第五十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により実施される事務に要する費用

 第六十四条第一項中「及び第五項」の下に「、第十四条の二第一項及び第七項」を加える。

 第六十五条の二中「第十四条」の下に「、第十四条の二」を、「)を除く。)」の下に「、第二十六条の三、第二十六条の四」を加え、「第五十条第五項、同条第七項」を「第五十条第十項、同条第十二項」に、「第三十六条第四項」を「第三十六条第五項」に、「同条第一項から第三項まで」を「同条第一項」に改める。

 第七十三条第二項中「受理」の下に「、第十四条の二第二項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)の規定による検体若しくは感染症の病原体の受理、第十四条の二第三項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)若しくは第二十六条の三第五項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合、第五十条第二項において準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)の規定による検体若しくは感染症の病原体の検査」を、「若しくは質問」の下に「、第十六条の三第一項若しくは第二項(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)若しくは第四十四条の七第一項若しくは第二項の規定による検体の受理若しくは採取、第十六条の三第三項若しくは第四項(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)若しくは第四十四条の七第三項若しくは第四項の規定による検体の採取、第十六条の三第七項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)、第二十六条の四第五項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合、第五十条第三項において準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)若しくは第四十四条の七第五項の規定による検体の検査」を、「入院」の下に「、第二十六条の三第一項若しくは第二項(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)の規定による検体若しくは感染症の病原体の受理(第五十条第一項又は第七項の規定により実施される場合を含む。)、第二十六条の三第三項若しくは第四項(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)の規定による検体若しくは感染症の病原体の収去(第五十条第一項又は第七項の規定により実施される場合を含む。)、第二十六条の四第一項若しくは第二項(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)の規定による検体の受理若しくは採取(これらが第五十条第一項又は第七項の規定により実施される場合を含む。)、第二十六条の四第三項若しくは第四項(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)の規定による検体の採取(第五十条第一項又は第七項の規定により実施される場合を含む。)」を加え、「又は第五項」を「、第七項又は第十項」に改める。

 第七十七条第七号中「若しくは第五項」を「、第七項若しくは第十項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第六条の見出しの改正規定、同条に一項を加える改正規定並びに第十三条第一項及び第二項にただし書を加える改正規定並びに附則第四条及び第五条の規定 公布の日

 二 第六条の改正規定(同条第二十二項第二号の改正規定及び同条に一項を加える改正規定を除く。) 公布の日から起算して二月を経過した日

 三 第六条第二十二項第二号、第十二条第一項第一号及び第五十三条の十四(見出しを含む。)の改正規定、同条に一項を加える改正規定並びに附則第三条の規定 公布の日から起算して六月を経過した日

 (検討)

第二条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の規定による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (医師の届出に関する経過措置)

第三条 この法律による改正後の第十二条第一項第一号の規定は、附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日以後に同項第一号に掲げる者を診断した医師について適用し、同日前にこの法律による改正前の第十二条第一項第一号に掲げる者を診断した医師については、なお従前の例による。

 (罰則に関する経過措置)

第四条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為及び前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第五条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 (地方自治法の一部改正)

第六条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  別表第一感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)の項中「第十四条」の下に「、第十四条の二」を、「)を除く。)」の下に「、第二十六条の三、第二十六条の四」を加え、「第五十条第五項、同条第七項」を「第五十条第十項、同条第十二項」に、「第三十六条第四項」を「第三十六条第五項」に、「同条第一項から第三項まで」を「同条第一項」に改める。


     理 由

 最近の海外における感染症の発生の状況、国際交流の進展、保健医療を取り巻く環境の変化等を踏まえ、感染症予防対策の推進を図るとともに感染症のまん延を防止するため、中東呼吸器症候群の二類感染症への追加、感染症に関する情報の収集に関する規定の整備、一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症及び新感染症の患者等からの検体の採取等の制度の創設等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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