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第一九八回

閣第五三号

   障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案

 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第七条」を「第七条の三」に改める。

 第六条中「地方公共団体は」の下に「、自ら率先して障害者を雇用するとともに」を加え、「とともに」を「ほか」に改める。

 第一章中第七条の次に次の二条を加える。

 (障害者活躍推進計画作成指針)

第七条の二 厚生労働大臣は、国及び地方公共団体が障害者である職員がその有する能力を有効に発揮して職業生活において活躍することの推進(次項、次条及び第七十八条第一項第二号において「障害者である職員の職業生活における活躍の推進」という。)に関する取組を総合的かつ効果的に実施することができるよう、障害者雇用対策基本方針に基づき、次条第一項に規定する障害者活躍推進計画(次項において「障害者活躍推進計画」という。)の作成に関する指針(以下この条及び次条第一項において「障害者活躍推進計画作成指針」という。)を定めるものとする。

2 障害者活躍推進計画作成指針においては、次に掲げる事項につき、障害者活躍推進計画の指針となるべきものを定めるものとする。

 一 障害者活躍推進計画の作成に関する基本的な事項

 二 障害者である職員の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容に関する事項

 三 その他障害者である職員の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する重要事項

3 厚生労働大臣は、障害者活躍推進計画作成指針を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 (障害者活躍推進計画の作成等)

第七条の三 国及び地方公共団体の任命権者(委任を受けて任命権を行う者を除く。以下同じ。)は、障害者活躍推進計画作成指針に即して、当該機関(当該任命権者の委任を受けて任命権を行う者に係る機関を含む。)が実施する障害者である職員の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する計画(以下この条及び第七十八条第一項第二号において「障害者活躍推進計画」という。)を作成しなければならない。

2 障害者活躍推進計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 計画期間

 二 障害者である職員の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施により達成しようとする目標

 三 実施しようとする障害者である職員の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容及びその実施時期

3 厚生労働大臣は、国又は地方公共団体の任命権者の求めに応じ、障害者活躍推進計画の作成に関し必要な助言を行うことができる。

4 国及び地方公共団体の任命権者は、障害者活躍推進計画を作成し、又は変更したときは、遅滞なく、これを職員に周知させるための措置を講じなければならない。

5 国及び地方公共団体の任命権者は、障害者活躍推進計画を作成し、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

6 国及び地方公共団体の任命権者は、毎年少なくとも一回、障害者活躍推進計画に基づく取組の実施の状況を公表しなければならない。

7 国及び地方公共団体の任命権者は、障害者活躍推進計画に基づく取組を実施するとともに、障害者活躍推進計画に定められた目標を達成するように努めなければならない。

 第三十七条第二項中「第七十九条」を「第七十九条第一項」に改める。

 第三十八条第一項中「(委任を受けて任命権を行う者を除く。以下同じ。)」を削り、「限る。」の下に「第七十九条第一項及び第八十一条第二項を除き、」を加え、同条に次の二項を加える。

6 当該機関に勤務する職員が対象障害者であるかどうかの確認は、厚生労働省令で定める書類により行うものとする。

7 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、国及び地方公共団体の任命権者に対して、前項の規定による確認の適正な実施に関し、勧告をすることができる。

 第四十条の見出し中「通報」の下に「等」を加え、同条に次の一項を加える。

2 国及び地方公共団体の任命権者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により厚生労働大臣に通報した内容を公表しなければならない。

 第四十三条第一項中「次章」の下に「及び第八十一条の二」を加え、同条に次の一項を加える。

9 当該事業主が雇用する労働者が対象障害者であるかどうかの確認は、厚生労働省令で定める書類により行うものとする。

 第四十五条第一項第二号及び第四十五条の二第一項第一号中「第七十八条第一項各号」を「第七十八条第二項各号」に改める。

 第四十八条第一項中「及び第三項」を「、第三項及び第四項」に改め、同条第七項中「、第五項」を「、第七項」に改め、同項を同条第十項とし、同条中第六項を第八項とし、同項の次に次の一項を加える。

9 当該事業主が雇用する労働者が特定身体障害者であるかどうかの確認は、厚生労働省令で定める書類により行うものとする。

 第四十八条中第五項を第七項とし、同条第四項中「及び次項」を「、次項及び第九項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項の次に次の二項を加える。

4 当該機関に勤務する職員が特定身体障害者であるかどうかの確認は、厚生労働省令で定める書類により行うものとする。

5 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、国及び地方公共団体の任命権者に対して、前項の規定による確認の適正な実施に関し、勧告をすることができる。

 第四十九条第一項第一号の次に次の一号を加える。

 一の二 特に短い労働時間以外での労働が困難な状態にある対象障害者を特定短時間労働者(短時間労働者のうち、一週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間の範囲内にある者をいう。以下この号において同じ。)として雇い入れる事業主又は対象障害者である特定短時間労働者を雇用する事業主に対して、これらの者の雇入れ又は雇用の継続の促進を図るための特例給付金を支給すること。

 第五十条第四項中「第四十八条第六項」を「第四十八条第八項」に改める。

 第五十一条の見出し中「助成金」を「特例給付金及び助成金」に改め、同条第一項中「第四十九条第一項第二号」を「第四十九条第一項第一号の二の特例給付金及び同項第二号」に改め、同条第二項中「前項の」の下に「特例給付金及び」を加える。

 第五十二条第二項中「(第八十二条第一項において「事業主等」という。)」を削る。

 第五十三条第一項中「調整金」の下に「、同項第一号の二の特例給付金」を加える。

 第五十四条第五項及び第五十五条第三項中「第四十八条第六項」を「第四十八条第八項」に改める。

 第五十六条第七項中「第四十八条第六項」を「第四十八条第八項」に、「同条第六項」を「同条第八項」に改める。

 第七十七条を次のように改める。

 (基準に適合する事業主の認定)

第七十七条 厚生労働大臣は、その雇用する労働者の数が常時三百人以下である事業主からの申請に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主について、障害者の雇用の促進及び雇用の安定に関する取組に関し、当該取組の実施状況が優良なものであることその他の厚生労働省令で定める基準に適合するものである旨の認定を行うことができる。

2 第四十三条第八項の規定は、前項の雇用する労働者の数の算定について準用する。

 第七十七条の次に次の二条を加える。

 (表示等)

第七十七条の二 前条第一項の認定を受けた事業主(次条において「認定事業主」という。)は、商品、役務の提供の用に供する物、商品又は役務の広告又は取引に用いる書類若しくは通信その他の厚生労働省令で定めるもの(次項において「商品等」という。)に厚生労働大臣の定める表示を付することができる。

2 何人も、前項の規定による場合を除くほか、商品等に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

 (認定の取消し)

第七十七条の三 厚生労働大臣は、認定事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、第七十七条第一項の認定を取り消すことができる。

 一 第七十七条第一項に規定する基準に適合しなくなつたと認めるとき。

 二 この法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき。

 三 不正の手段により第七十七条第一項の認定を受けたとき。

 第七十八条中第二項を第三項とし、第一項を第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

  国及び地方公共団体の任命権者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる業務を担当する者を選任しなければならない。

 一 障害者の雇用の促進及びその雇用の継続を図るために必要な施設又は設備の設置又は整備その他の諸条件の整備を図るための業務

 二 障害者活躍推進計画の作成及び障害者である職員の職業生活における活躍の推進に関する取組の円滑な実施を図るための業務

 三 第三十八条第一項の計画の作成及び当該計画の円滑な実施を図るための業務

 四 第三十八条第七項、第三十九条第二項及び第四十八条第五項の規定による勧告を受けたときは、当該勧告に係る厚生労働省との連絡に関する業務

 五 第四十条第一項の規定による通報、同条第二項の規定による公表及び第八十一条第二項の規定による届出を行う業務

 第七十九条中第二項を第三項とし、同条第一項中「(身体障害者、知的障害者及び精神障害者(厚生労働省令で定める者に限る。以下この項において同じ。)に限る。以下この項及び第八十一条において同じ。)」、「厚生労働大臣が行う講習(以下この条において「」及び「」という。)」を削り、同項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

  国及び地方公共団体の任命権者は、厚生労働省令で定める数以上の障害者(身体障害者、知的障害者及び精神障害者(厚生労働省令で定める者に限る。)に限る。以下この条及び第八十一条において同じ。)である職員(常時勤務する職員に限る。以下この項及び第八十一条第二項において同じ。)が勤務する事業所においては、その勤務する職員であつて、厚生労働大臣が行う講習(以下この条において「資格認定講習」という。)を修了したものその他厚生労働省令で定める資格を有するもののうちから、厚生労働省令で定めるところにより、障害者職業生活相談員を選任し、その者にその勤務する障害者である職員の職業生活に関する相談及び指導を行わせなければならない。

 第八十一条の見出し中「届出」の下に「等」を加え、同条第二項中「前項」を「前二項」に、「同項の」を「当該」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 国及び地方公共団体の任命権者は、障害者である職員を免職する場合(職員の責めに帰すべき理由により免職する場合その他厚生労働省令で定める場合を除く。)には、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を公共職業安定所長に届け出なければならない。

 第八十一条の次に次の一条を加える。

 (書類の保存)

第八十一条の二 労働者を雇用する事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、第三十八条第六項、第四十三条第九項並びに第四十八条第四項及び第九項の規定による確認に関する書類(その保存に代えて電磁的記録の保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)で厚生労働省令で定めるものを保存しなければならない。

 第八十二条第三項中「第一項」を「第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条中第二項を第三項とし、同条第一項中「より、事業主等」の下に「(事業主、その団体、第四十九条第一項第四号の二イに規定する法人又は同項第七号ロからニまでに掲げる法人をいう。以下この項において同じ。)」を加え、同項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

  厚生労働大臣又は公共職業安定所長は、この法律を施行するため必要な限度において、厚生労働省令で定めるところにより、国又は地方公共団体の任命権者に対し、障害者の雇用の状況その他の事項についての報告を求めることができる。

 第八十五条の二第二項中「第八十二条第一項」を「第八十二条第二項」に、「事業主等、」を「事業主等(事業主、その団体、第四十九条第一項第四号の二イに規定する法人又は同項第七号ロからニまでに掲げる法人をいう。以下この項において同じ。)、」に改める。

 第八十六条第五号、第八十六条の二第二号及び第八十六条の三第五号中「第八十二条第一項」を「第八十二条第二項」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第八十六条の四 第七十七条の二第二項の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。

 第九十一条第二号中「第八十二条第一項」を「第八十二条第二項」に改める。

 附則第三条第二項中「第七十八条第一項」を「第七十八条第二項」に改める。

 附則第四条第八項中「第四十八条第六項」を「第四十八条第八項」に改める。

 附則第五条第一項中「同条第六項」を「同条第八項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成三十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第六条の改正規定、第五十二条第二項の改正規定、第八十二条の改正規定、第八十五条の二第二項の改正規定、第八十六条第五号、第八十六条の二第二号及び第八十六条の三第五号の改正規定並びに第九十一条第二号の改正規定並びに次条及び附則第三条の規定 公布の日

 二 第三十七条第二項の改正規定、第三十八条第一項の改正規定(「限る。」の下に「第七十九条第一項及び第八十一条第二項を除き、」を加える部分に限る。)、同条に二項を加える改正規定、第四十条の改正規定、第四十三条の改正規定、第四十五条第一項第二号及び第四十五条の二第一項第一号の改正規定、第四十八条の改正規定、第五十条第四項の改正規定、第五十四条第五項及び第五十五条第三項の改正規定、第五十六条第七項の改正規定、第七十八条中第二項を第三項とし、第一項を第二項とし、同条に第一項として一項を加える改正規定(同条第一項第二号に係る部分を除く。)、第七十九条の改正規定、第八十一条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、附則第三条第二項の改正規定、附則第四条第八項の改正規定並びに附則第五条第一項の改正規定 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日

 (準備行為)

第二条 この法律による改正後の障害者の雇用の促進等に関する法律(以下「新法」という。)第七条の二第一項に規定する障害者活躍推進計画作成指針の策定及びこれに関し必要な手続その他の行為は、この法律の施行前においても、同条の規定の例により行うことができる。

2 新法第七条の三第三項の規定による助言は、この法律の施行前においても行うことができる。

 (政令への委任)

第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第四条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、新法の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


     理 由

 障害者の雇用を一層促進するため、事業主に対する短時間労働以外の労働が困難な状況にある障害者の雇入れ及び継続雇用の支援、国及び地方公共団体における障害者の雇用状況についての的確な把握等に関する措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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