衆議院

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第二〇〇回

衆第八号

   母子保健法の一部を改正する法律案

 母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。

 第十七条の次に次の一条を加える。

 (産後ケア事業)

第十七条の二 市町村は、出産後一年を経過しない女子及び乳児の心身の状態に応じた保健指導、療養に伴う世話又は育児に関する指導、相談その他の援助(以下この項において「産後ケア」という。)を必要とする出産後一年を経過しない女子及び乳児につき、次の各号のいずれかに掲げる事業(以下この条において「産後ケア事業」という。)を行うよう努めなければならない。

 一 病院、診療所、助産所その他厚生労働省令で定める施設であつて、産後ケアを行うもの(次号において「産後ケアセンター」という。)に産後ケアを必要とする出産後一年を経過しない女子及び乳児を短期間入所させ、産後ケアを行う事業

 二 産後ケアセンターその他の厚生労働省令で定める施設に産後ケアを必要とする出産後一年を経過しない女子及び乳児を通わせ、産後ケアを行う事業

 三 産後ケアを必要とする出産後一年を経過しない女子及び乳児の居宅を訪問し、産後ケアを行う事業

2 市町村は、産後ケア事業を行うに当たつては、産後ケア事業の人員、設備及び運営に関する基準として厚生労働省令で定める基準に従つて行わなければならない。

3 市町村は、産後ケア事業の実施に当たつては、妊娠中から出産後に至る支援を切れ目なく行う観点から、第二十二条第一項に規定する母子健康包括支援センターその他の関係機関との必要な連絡調整並びにこの法律に基づく母子保健に関する他の事業並びに児童福祉法その他の法令に基づく母性及び乳児の保健及び福祉に関する事業との連携を図ることにより、妊産婦及び乳児に対する支援の一体的な実施その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

   附 則

 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


     理 由

 母性及び乳児の健康の保持及び増進を図るため、市町村は産後ケアセンター等において、産後ケアを必要とする出産後一年を経過しない女子及び乳児に対して、心身のケアや育児のサポート等の産後ケア事業を行うことにより、出産後も安心して子育てができる支援体制を確保する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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