衆議院

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第二〇四回

衆第一七号

   プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する法律案

目次

 第一章 総則(第一条−第十条)

 第二章 プラスチック廃棄物等削減等推進計画(第十一条)

 第三章 プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する基本的施策(第十二条−第二十三条)

 第四章 プラスチック使用製品の規制等に関する措置

  第一節 プラスチック使用製品環境配慮設計指針(第二十四条−第四十五条)

  第二節 マイクロプラスチック等の特定製品への使用の規制(第四十六条・第四十七条)

  第三節 特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化(第四十八条−第五十一条)

  第四節 事業者のプラスチック廃棄物等の削減等に関する計画等(第五十二条・第五十三条)

  第五節 雑則(第五十四条−第五十九条)

  第六節 罰則(第六十条−第六十七条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、プラスチック廃棄物等が海洋環境に悪影響を与え、また、プラスチック使用製品の製造、プラスチック廃棄物等の処理等が地球温暖化等の気候変動に影響をもたらしている現状に鑑み、プラスチック廃棄物等の削減等(プラスチック廃棄物等の発生量を削減すること、プラスチック廃棄物等の回収、収集、再使用及び再生利用を促進すること並びにプラスチック廃棄物等の発生量の削減に資するためにプラスチック使用製品の使用量(プラスチック使用製品におけるプラスチックの使用量を含む。以下同じ。)を削減することをいう。以下同じ。)の推進に関し、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、プラスチック廃棄物等削減等推進計画の策定その他プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する施策の基本となる事項を定め、あわせて、プラスチック使用製品の規制等に関する措置を定めることにより、プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって環境保全及び循環型社会の形成に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「プラスチック使用製品」とは、プラスチックが使用されている製品をいう。

2 この法律において「プラスチック廃棄物」とは、プラスチック使用製品が廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。第五十三条において「廃棄物処理法」という。)第二条第一項に規定する廃棄物となったものをいう。

3 この法律において「プラスチック副産物」とは、製品の製造、加工、修理又は販売その他の事業活動に伴い副次的に得られるプラスチックであって、放射性物質によって汚染されていないものをいう。

4 この法律において「プラスチック廃棄物等」とは、次に掲げる物をいう。

 一 プラスチック廃棄物

 二 プラスチック副産物

 三 一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたプラスチック使用製品であって、放射性物質によって汚染されていないもの(現に使用されているものを除く。)

5 この法律において「再使用」とは、次に掲げる行為をいう。

 一 プラスチック廃棄物等を製品としてそのまま使用すること(修理を行ってこれを使用することを含む。)。

 二 プラスチック廃棄物等の全部又は一部を部品その他製品の一部として使用すること。

6 この法律において「再生利用」とは、プラスチック廃棄物等の全部又は一部を原材料として利用することをいう。

7 この法律において「熱回収」とは、プラスチック廃棄物等の全部又は一部であって、燃焼の用に供することができるもの又はその可能性のあるものを熱を得ることに利用することをいう。

 (基本理念)

第三条 プラスチック廃棄物等の削減等の推進は、次に掲げる事項を旨として行われなければならない。

 一 プラスチック使用製品の使用の合理化等によりプラスチック廃棄物等の発生量をできる限り削減すること。

 二 プラスチック廃棄物等については、適切な回収、収集及び循環的な利用を促進するとともに、その循環的な利用に当たっては、再使用又は再生利用によることを原則とし、地球温暖化の防止を図る観点から熱回収の最小化を図るものとすること。

 三 国内において生じたプラスチック廃棄物等は、国内において再使用、再生利用その他の処理をすること。

 四 プラスチック廃棄物等の発生量を削減し、及びプラスチック使用製品の製造等による環境への負荷を低減する観点から、プラスチック使用製品の使用量の削減を図ること。

 五 マイクロプラスチック(微細なプラスチック類をいう。以下同じ。)等の環境に深刻な影響を及ぼすおそれがあり、かつ、その処理が困難であるプラスチックによる環境への負荷を低減する観点から、その発生等の抑制を図ること。

2 プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する施策を講ずるに当たっては、プラスチック使用製品の製造を行う事業者がプラスチック廃棄物等の回収、再使用、再生利用その他の処理についての第一義的責任を有するという基本的認識の下、プラスチック廃棄物等の削減等に必要な措置がプラスチック使用製品の設計からプラスチック廃棄物等の処分までの各段階に応じて国、地方公共団体、事業者及び消費者の適切な役割分担の下に講じられなければならない。

 (国の責務)

第四条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)

第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (事業者の責務)

第六条 プラスチック使用製品の製造を行う事業者は、基本理念にのっとり、当該プラスチック使用製品がプラスチック廃棄物等となったものの回収、再使用、再生利用その他の処理について第一義的責任を有していることを認識し、その事業活動を行うに際しては、プラスチック廃棄物等の削減等に必要な措置を講ずる責務を有する。

2 前項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに際しては、プラスチック廃棄物等の削減等に必要な措置を講ずるよう努めるとともに、国又は地方公共団体が実施するプラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

 (消費者の責務)

第七条 消費者は、基本理念にのっとり、その消費生活に関し、プラスチック廃棄物等の削減等に必要な措置を講ずるよう努めるとともに、国又は地方公共団体が実施するプラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

 (連携の強化)

第八条 国は、国、地方公共団体、事業者及び消費者が相互に連携を図りながら協力することにより、プラスチック廃棄物等の削減等の効果的な推進が図られることに鑑み、これらの者の間の連携の強化に必要な施策を講ずるものとする。

 (法制上の措置等)

第九条 政府は、プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。この場合において、第十四条第一項の施策を実施するため必要となる法制上の措置については、この法律の施行後二年以内を目途として講じなければならない。

 (年次報告)

第十条 政府は、毎年、国会に、プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。

   第二章 プラスチック廃棄物等削減等推進計画

第十一条 政府は、プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する計画(以下この条において「プラスチック廃棄物等削減等推進計画」という。)を定めなければならない。

2 プラスチック廃棄物等削減等推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する基本的な方針

 二 プラスチック廃棄物等削減等推進計画の期間

 三 プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する目標

 四 プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策

 五 前各号に掲げるもののほか、プラスチック廃棄物等の削減等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 環境大臣は、プラスチック廃棄物等削減等推進計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 環境大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、プラスチック廃棄物等削減等推進計画を公表しなければならない。

5 前二項の規定は、プラスチック廃棄物等削減等推進計画の変更について準用する。

   第三章 プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する基本的施策

 (プラスチック廃棄物等の発生量の削減)

第十二条 国は、プラスチック使用製品に係る原材料の効率的な利用によるプラスチック副産物の発生量の削減、プラスチック使用製品をなるべく長期間使用すること、プラスチック使用製品の過剰な使用を抑制すること等のプラスチック使用製品の使用の合理化の促進等によりプラスチック廃棄物等の発生量が削減されるよう、必要な措置を講ずるものとする。

 (プラスチック使用製品の使い捨ての抑制)

第十三条 国は、商品の量り売りの促進、飲用の給水施設の整備の促進等によりペットボトル(ポリエチレンテレフタレート製の瓶状の容器をいう。)をはじめとするプラスチック使用製品の使い捨てが抑制されるよう、環境の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (製造事業者による回収等の義務等)

第十四条 国は、プラスチック使用製品の製造を行う事業者が製造したプラスチック使用製品に係るプラスチック廃棄物等について、当該事業者が自ら適正に回収し、再使用し、若しくは再生利用すること又は回収、収集、再使用、再生利用その他の処理に係る費用を適正に負担することとなるよう、規制その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 前項の措置が講じられるまでの間、国は、同項の事業者であって、プラスチック廃棄物等の回収、再使用又は再生利用に自主的に取り組むものに対し、必要な支援を行うものとする。

 (プラスチック廃棄物等の回収、収集、再使用及び再生利用の促進)

第十五条 国は、市町村によるプラスチック廃棄物等の分別収集(分別して収集することをいう。第五十三条において同じ。)が徹底されることによりプラスチック廃棄物等の回収、収集、再使用及び再生利用が促進されるよう、市町村に対し、必要な財政上及び技術上の支援を行うものとする。

2 国は、環境に配慮され、回収、収集、再使用又は再生利用がしやすいプラスチック使用製品の普及並びに当該プラスチック使用製品の規格の整備、その普及及び活用の促進、プラスチック廃棄物等の再使用又は再生利用により得られた物等の使用の促進等によりプラスチック廃棄物等の回収、収集、再使用及び再生利用が促進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。

 (熱回収の最小化)

第十六条 国は、回収され、又は収集されたプラスチック廃棄物等の再使用又は再生利用による循環的な利用が拡大されることにより熱回収の最小化が図られるよう、プラスチック廃棄物等の再使用又は再生利用のための施設の整備の促進その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (国内におけるプラスチック廃棄物等の処理)

第十七条 国は、国内において生じたプラスチック廃棄物等について、国内において適正に再使用、再生利用その他の処理がされるよう、プラスチック廃棄物等の輸出の規制に関する措置の強化を図るものとする。

 (プラスチック使用製品の使用量の削減)

第十八条 国は、消費者一人一人が自発的にプラスチック使用製品の使用量の削減に努めることが重要であることに鑑み、プラスチック使用製品の使用の抑制に関する関心と理解の増進その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 国は、プラスチック使用製品の代替品の開発及び普及の促進、プラスチック使用製品における使用されたプラスチックの種類及び使用量の表示の促進等によりプラスチック使用製品の使用量が削減されるよう、プラスチック使用製品の使用及び製造に関する規制その他の必要な措置を講ずるものとする。

3 国は、前項のプラスチック使用製品の代替品の開発及び普及の促進に当たっては、当該代替品の環境に与える影響について検証しなければならない。

 (マイクロプラスチックの発生の抑制等)

第十九条 国は、プラスチック使用製品の使用等に伴い発生するマイクロプラスチックの状況について調査を行い、その発生の抑制のため必要な規制その他の措置を講ずるものとする。

2 国は、漁具及び農業用の器具等に係るプラスチック廃棄物等の状況について調査を行い、その発生量の削減のため必要な規制その他の措置を講ずるものとする。

 (事業者への支援)

第二十条 国は、プラスチック廃棄物等の削減等に取り組む事業者に対し、必要な財政上及び技術上の支援を行うものとする。

 (啓発活動)

第二十一条 国は、プラスチック廃棄物等の削減等の推進を図るためには事業者及び消費者の理解と協力を得ることが欠くことのできないものであることに鑑み、プラスチック廃棄物等の削減等について、広報その他の啓発活動を行うものとする。

 (調査研究等)

第二十二条 国は、プラスチック廃棄物等の削減等に関する施策を適正に策定し、及び実施するため、プラスチック廃棄物等の削減等に関する調査研究、情報の収集及び提供その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (国際協力の推進)

第二十三条 国は、プラスチック廃棄物等の削減等を国際的協調の下で推進することの重要性に鑑み、プラスチック廃棄物等の削減等に関する技術協力その他の国際協力を推進するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

   第四章 プラスチック使用製品の規制等に関する措置

    第一節 プラスチック使用製品環境配慮設計指針

 (プラスチック使用製品環境配慮設計指針の策定等)

第二十四条 主務大臣は、プラスチック使用製品の製造を行う事業者(その設計を行う者に限る。)及び専らプラスチック使用製品の設計を行う事業者(以下「プラスチック使用製品製造事業者等」という。)が設計するプラスチック使用製品について、環境保全に配慮し、プラスチック廃棄物等の削減等を円滑に実施するためにプラスチック使用製品製造事業者等が講ずべき措置に関する指針(以下「プラスチック使用製品環境配慮設計指針」という。)を定めるものとする。

2 プラスチック使用製品環境配慮設計指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 プラスチックの使用量の削減、プラスチックに代替する素材の活用その他のプラスチック廃棄物等の削減等を円滑に実施するためのプラスチック使用製品の設計又はその部品若しくは原材料の種類についての工夫に関してプラスチック使用製品製造事業者等が取り組むべき事項

 二 その他プラスチック使用製品製造事業者等がプラスチック廃棄物等の削減等の円滑な実施について配慮すべき事項

3 主務大臣は、プラスチック使用製品環境配慮設計指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

4 プラスチック使用製品製造事業者等は、第一項の規定によりプラスチック使用製品環境配慮設計指針が定められたときは、これに即してプラスチック使用製品を設計するよう努めなければならない。

 (プラスチック使用製品の設計の認定)

第二十五条 プラスチック使用製品製造事業者等は、その設計するプラスチック使用製品の設計について、主務大臣の認定を受けることができる。

2 前項の認定(以下「設計認定」という。)を受けようとするプラスチック使用製品製造事業者等は、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を主務大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

 二 当該プラスチック使用製品の名称及び用途

3 前項の申請書には、当該プラスチック使用製品の設計を記載した書類その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。

4 主務大臣は、設計認定の申請があった場合において、当該申請に係るプラスチック使用製品の設計がプラスチック使用製品環境配慮設計指針に適合していると認めるときは、設計認定をするものとする。

5 主務大臣は、設計認定のための審査に当たっては、主務省令で定めるところにより、申請に係るプラスチック使用製品の設計のプラスチック使用製品環境配慮設計指針への適合性についての技術的な調査を行うものとする。

6 主務大臣は、設計認定をしたときは、当該設計認定に係るプラスチック使用製品の情報を公表するものとする。

 (変更の認定等)

第二十六条 設計認定を受けたプラスチック使用製品製造事業者等(以下「認定プラスチック使用製品製造事業者等」という。)は、当該設計認定に係る設計を変更しようとするときは、主務大臣の認定を受けなければならない。

2 前項の認定を受けようとする者は、主務省令で定めるところにより、設計の変更の内容を記載した書類その他主務省令で定める書類を主務大臣に提出しなければならない。

3 前条第四項から第六項までの規定は、第一項の認定に準用する。

4 認定プラスチック使用製品製造事業者等は、前条第二項各号に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

5 主務大臣は、設計認定に係る設計がプラスチック使用製品環境配慮設計指針に適合しないものとなったと認めるときは、当該認定プラスチック使用製品製造事業者等に対し、その改善を指示し、又は当該設計認定を取り消すことができる。

6 主務大臣は、前項の規定により設計認定を取り消したときは、その取消しに係るプラスチック使用製品の情報を公表するものとする。

 (認定プラスチック使用製品の表示)

第二十七条 設計認定に係るプラスチック使用製品(以下「認定プラスチック使用製品」という。)の製造を行う事業者は、その認定プラスチック使用製品につき、主務省令で定める表示を付することができる。

2 何人も、前項に規定する場合を除くほか、プラスチック使用製品に、同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

 (認定プラスチック使用製品の調達についての配慮等)

第二十八条 国は、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成十二年法律第百号)第六条第一項に規定する基本方針を定め、又はこれを変更しようとする場合には、認定プラスチック使用製品の調達の推進が促進されるよう十分に配慮しなければならない。

2 事業者及び消費者は、認定プラスチック使用製品を使用するよう努めなければならない。

 (指定調査機関による調査)

第二十九条 主務大臣は、その指定する者(以下「指定調査機関」という。)に第二十五条第五項(第二十六条第三項において準用する場合を含む。)に規定する調査(以下「設計調査」という。)の全部又は一部を行わせることができる。

2 主務大臣は、前項の規定により指定調査機関に設計調査の全部又は一部を行わせるときは、当該設計調査の全部又は一部を行わないものとする。この場合において、主務大臣は、指定調査機関が第四項の規定により通知する設計調査の結果を考慮して設計認定又は第二十六条第一項の変更の認定のための審査を行わなければならない。

3 主務大臣が第一項の規定により指定調査機関に設計調査の全部又は一部を行わせることとしたときは、設計認定又は第二十六条第一項の変更の認定を受けようとする者は、当該設計調査の全部又は一部については、第二十五条第二項及び第三項並びに第二十六条第二項の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、指定調査機関に申請しなければならない。

4 指定調査機関は、前項の規定による申請に係る設計調査を行ったときは、遅滞なく、当該設計調査の結果を、主務省令で定めるところにより、主務大臣に通知しなければならない。

 (指定)

第三十条 前条第一項の規定による指定(以下この節において単に「指定」という。)は、主務省令で定めるところにより、設計調査を行おうとする者の申請により行う。

 (欠格条項)

第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。

 一 この法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から一年を経過しない者

 二 第四十条第一項から第三項までの規定により指定を取り消され、その取消しの日から一年を経過しない者(当該指定を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があった日前六十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から一年を経過しないものを含む。)

 三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

 (指定の基準等)

第三十二条 主務大臣は、第三十条の規定により指定の申請をした者(第二号において「指定申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。

 一 設計調査を適確に行うために必要なものとして主務省令で定める基準に適合していること。

 二 プラスチック使用製品の設計、製造、輸入、販売その他の取扱いを業とする者(以下この号において「取扱業者」という。)に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。

  イ 指定申請者が株式会社である場合にあっては、取扱業者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。)であること。

  ロ 指定申請者が法人である場合にあっては、その役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあっては、業務を執行する社員)に占める取扱業者の役員又は職員(過去二年間に取扱業者の役員又は職員であった者を含む。ハにおいて同じ。)の割合が二分の一を超えていること。

  ハ 指定申請者(法人にあっては、その代表権を有する役員)が、取扱業者の役員又は職員であること。

2 主務大臣は、指定をしたときは、遅滞なく、指定調査機関の氏名又は名称及び住所並びに設計調査の業務を行う事務所の所在地を公示しなければならない。

 (指定の更新)

第三十三条 指定は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、効力を失う。

2 前三条の規定は、前項の指定の更新について準用する。

3 第一項の指定の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下この条において「指定の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の指定は、指定の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

4 前項の場合において、第一項の指定の更新がされたときは、その指定の有効期間は、従前の指定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

5 主務大臣は、第一項の指定の更新の申請が指定の有効期間の満了の日の六月前までに行われなかったとき又は同項の規定により指定が効力を失ったときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (設計調査の実施)

第三十四条 指定調査機関は、設計調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、設計調査を行わなければならない。

2 指定調査機関は、公正に、かつ、主務省令で定める基準に適合する方法により設計調査を行わなければならない。

 (変更の届出)

第三十五条 指定調査機関は、その氏名若しくは名称若しくは住所又は設計調査の業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、主務大臣に届け出なければならない。

2 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (業務規程)

第三十六条 指定調査機関は、設計調査の業務に関する規程(以下この条において「業務規程」という。)を定め、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 業務規程には、設計調査の実施方法その他の主務省令で定める事項を定めておかなければならない。

3 主務大臣は、第一項の認可をした業務規程が設計調査の公正な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

 (業務の休廃止)

第三十七条 指定調査機関は、主務大臣の許可を受けなければ、設計調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

2 主務大臣は、前項の許可をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (適合命令)

第三十八条 主務大臣は、指定調査機関が第三十二条第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該指定調査機関に対し、これらの要件に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (改善命令)

第三十九条 主務大臣は、指定調査機関が第三十四条の規定に違反していると認めるとき又は指定調査機関が行う設計調査が適当でないと認めるときは、当該指定調査機関に対し、設計調査を行うべきこと又は設計調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (指定の取消し等)

第四十条 主務大臣は、指定調査機関が第三十一条各号のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消さなければならない。

2 主務大臣は、指定調査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は一年以内の期間を定めて設計調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第二十九条第四項、第三十四条、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十七条第一項又は次条の規定に違反したとき。

 二 第三十六条第三項又は前二条の規定による命令に違反したとき。

 三 不正の手段により指定又はその更新を受けたとき。

3 主務大臣は、前二項に規定する場合のほか、指定調査機関が、正当な理由がないのに、その指定を受けた日から一年を経過してもなおその指定に係る設計調査の業務を開始しないときは、その指定を取り消すことができる。

4 主務大臣は、前三項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (帳簿の記載等)

第四十一条 指定調査機関は、主務省令で定めるところにより、帳簿を備え、設計調査の業務に関し主務省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 (秘密保持義務等)

第四十二条 指定調査機関の役員(法人でない指定調査機関にあっては、当該指定を受けた者。以下同じ。)若しくは職員又はこれらの者であった者は、設計調査の業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。

2 設計調査の業務に従事する指定調査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

 (主務大臣による設計調査の業務の実施)

第四十三条 主務大臣は、指定調査機関が第三十七条第一項の規定により設計調査の業務の全部若しくは一部を休止した場合、第四十条第二項の規定により指定調査機関に対し設計調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じた場合又は指定調査機関が天災その他の事由により設計調査の業務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において、必要があると認めるときは、第二十九条第二項の規定にかかわらず、設計調査の業務の全部又は一部を自ら行うものとする。

2 主務大臣は、前項の規定により設計調査の業務を行うこととし、又は同項の規定により行っている設計調査の業務を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。

3 主務大臣が、第一項の規定により設計調査の業務を行うこととし、第三十七条第一項の規定により設計調査の業務の廃止を許可し、又は第四十条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における設計調査の業務の引継ぎその他の必要な事項は、主務省令で定める。

 (手数料)

第四十四条 設計認定又は第二十六条第一項の変更の認定を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納めなければならない。ただし、主務大臣が第二十九条第一項の規定により指定調査機関に設計調査の全部を行わせることとしたときは、この限りでない。

2 指定調査機関が行う設計調査を受けようとする者は、政令で定めるところにより指定調査機関が主務大臣の認可を受けて定める額の手数料を、当該指定調査機関に納めなければならない。

 (審査請求)

第四十五条 この節の規定による指定調査機関の処分又はその不作為について不服がある者は、主務大臣に対し、審査請求をすることができる。この場合において、主務大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第二項並びに第四十九条第三項の規定の適用については、当該指定調査機関の上級行政庁とみなす。

    第二節 マイクロプラスチック等の特定製品への使用の規制

 (特定製品の基準)

第四十六条 主務大臣は、主務省令で、製品(医薬品を除く。)を指定し、マイクロプラスチックその他の環境に深刻な影響を及ぼすおそれがあり、かつ、その処理が困難であるプラスチックとして政令で定めるもののその指定に係る製品(以下「特定製品」という。)への使用に関し、必要な基準を定めることができる。

2 主務大臣は、前項の規定により基準を定めようとするときは、あらかじめ、審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関をいう。第五十一条第四項において同じ。)で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。

 (製造等の禁止)

第四十七条 前条第一項の規定により基準が定められた特定製品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、その基準に適合しない特定製品を製造し、輸入し、販売し、又は授与してはならない。

    第三節 特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化

 (特定使い捨てプラスチック使用製品使用事業者の遵守事項)

第四十八条 小売業その他の特定使い捨てプラスチック使用製品(通常一回の使用後に廃棄することを想定して製造され、又は提供されるストロー、フォーク、スプーンその他のプラスチック使用製品(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(平成七年法律第百十二号)第二条第一項に規定する容器包装を除く。)であって、その使用の合理化を行うことが特に必要なものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)の使用の合理化を行うことが特に必要な業種として政令で定めるもの(医療事業を除く。)に属する事業を行う事業者(定型的な約款による契約に基づき、当該業種に属する事業を行う者に特定の商標、商号その他の表示を使用させ、商品の販売又は役務の提供に関する方法を指定し、かつ、継続的に経営に関する指導を行う事業を行う者を含む。以下「特定使い捨てプラスチック使用製品使用事業者」という。)は、商品の販売又は役務の提供に付随して特定使い捨てプラスチック使用製品を提供する場合には、有償で提供しなければならない。ただし、災害その他の政令で定める場合において、特定使い捨てプラスチック使用製品を提供するときは、この限りでない。

2 特定使い捨てプラスチック使用製品使用事業者は、消費者による特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化を促進するための情報を消費者に対して提供しなければならない。

3 特定使い捨てプラスチック使用製品使用事業者は、特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化を図るため、特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化に関する責任者を設置する等必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し、特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化に関する研修を実施しなければならない。

 (その他遵守事項)

第四十九条 前条に規定するもののほか、特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化を図るために特定使い捨てプラスチック使用製品使用事業者の遵守すべき事項は、主務省令で定める。

 (指導及び助言)

第五十条 主務大臣は、プラスチック廃棄物の発生量を削減するために必要があると認めるときは、特定使い捨てプラスチック使用製品使用事業者に対し、特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化によるプラスチック廃棄物の発生量の削減について必要な指導及び助言をすることができる。

 (勧告及び命令)

第五十一条 主務大臣は、特定使い捨てプラスチック使用製品使用事業者であって、その事業において提供する特定使い捨てプラスチック使用製品の量が政令で定める要件に該当するもの(以下「特定使い捨てプラスチック使用製品多量使用事業者」という。)が第四十八条及び第四十九条に規定する遵守事項に違反した場合において必要があると認めるときは、当該特定使い捨てプラスチック使用製品多量使用事業者に対し、その判断の根拠を示して、特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化によるプラスチック廃棄物の発生量の削減に関し必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。

2 前項に規定する特定使い捨てプラスチック使用製品の量には、定型的な約款による契約に基づき、特定の商標、商号その他の表示を使用させ、商品の販売又は役務の提供に関する方法を指定し、かつ、継続的に経営に関する指導を行う事業であって、当該約款に、当該事業に加盟する者(以下この項において「加盟者」という。)が提供する特定使い捨てプラスチック使用製品に関する定めであって主務省令で定めるものがあるものを行う特定使い捨てプラスチック使用製品使用事業者にあっては、加盟者の事業において提供する特定使い捨てプラスチック使用製品の量を含むものとする。

3 主務大臣は、第一項に規定する勧告を受けた特定使い捨てプラスチック使用製品多量使用事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

4 主務大臣は、第一項に規定する勧告を受けた特定使い捨てプラスチック使用製品多量使用事業者が、前項の規定によりその勧告に従わなかった旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化によるプラスチック廃棄物の発生量の削減を著しく害すると認めるときは、審議会等で政令で定めるものの意見を聴いて、当該特定使い捨てプラスチック使用製品多量使用事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

    第四節 事業者のプラスチック廃棄物等の削減等に関する計画等

 (事業者のプラスチック廃棄物等の削減等に関する計画)

第五十二条 事業者は、その事業活動に関し、政令で定めるところにより、単独で又は共同して、プラスチック廃棄物等の削減等に関する計画を作成し、これを公表するよう努めなければならない。

2 前項の計画の作成及び公表を行った事業者は、政令で定めるところにより、単独で又は共同して、同項の計画に係る措置の実施の状況を公表するよう努めなければならない。

 (多量排出事業者の定期報告)

第五十三条 プラスチック廃棄物のうち廃棄物処理法第二条第四項に規定する産業廃棄物(次条第一項第一号及び第二号において単に「産業廃棄物」という。)に該当するもの(分別収集物(分別収集により得られる物をいう。)となったものを除く。)又はプラスチック副産物(以下この条及び第五十五条第六項において「プラスチック使用製品産業廃棄物等」という。)を排出する事業者であって、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量が政令で定める要件に該当するもの(以下「多量排出事業者」という。)は、毎年度、主務省令で定めるところにより、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量及びプラスチック使用製品の使用の合理化等によりプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量の削減を促進するために取り組んだ措置の実施の状況に関し、主務省令で定める事項を主務大臣に報告しなければならない。

    第五節 雑則

 (産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の特例)

第五十四条 産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律(平成四年法律第六十二号)第十六条第一項の規定により指定された産業廃棄物処理事業振興財団(次項において「振興財団」という。)は、同法第十七条各号に掲げる業務のほか、次に掲げる業務を行うことができる。

 一 認定プラスチック使用製品製造事業者等が行う認定プラスチック使用製品の製造(その全部又は一部が産業廃棄物の処理に該当するものに限る。)の用に供する施設の整備の事業に必要な資金の借入れに係る債務を保証すること。

 二 認定プラスチック使用製品製造事業者等が行う認定プラスチック使用製品に関する研究開発(産業廃棄物の処理に関する新たな技術の開発に資するものに限る。)に必要な資金に充てるための助成金を交付すること。

 三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

2 前項の規定により振興財団が同項各号に掲げる業務を行う場合には、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律第十八条第一項中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及びプラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する法律(令和三年法律第▼▼▼号。以下「プラスチック廃棄物等削減等推進法」という。)第五十四条第一項第一号に掲げる業務」と、同法第十九条中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及びプラスチック廃棄物等削減等推進法第五十四条第一項各号に掲げる業務」と、同法第二十一条第二号中「掲げる業務及び」とあるのは「掲げる業務及びプラスチック廃棄物等削減等推進法第五十四条第一項第一号に掲げる業務並びに」と、同条第三号中「掲げる業務及びこれに」とあるのは「掲げる業務及びプラスチック廃棄物等削減等推進法第五十四条第一項第二号に掲げる業務並びにこれらに」と、同法第二十二条第一項、第二十三条及び第二十四条第一項第一号中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務又はプラスチック廃棄物等削減等推進法第五十四条第一項各号に掲げる業務」と、同法第二十三条中「この章」とあるのは「この章又はプラスチック廃棄物等削減等推進法」と、同法第二十四条第一項第三号中「この章」とあるのは「この章若しくはプラスチック廃棄物等削減等推進法」と、同法第三十条中「第二十二条第一項」とあるのは「第二十二条第一項(プラスチック廃棄物等削減等推進法第五十四条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この条において同じ。)」と、「同項」とあるのは「第二十二条第一項」とする。

 (報告の徴収)

第五十五条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定プラスチック使用製品製造事業者等に対し、認定プラスチック使用製品の設計の業務の状況に関し報告させることができる。

2 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定調査機関に対し、設計調査の業務の状況に関し報告させることができる。

3 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定プラスチック使用製品の製造を行う事業者に対し、認定プラスチック使用製品の製造の業務の状況に関し報告させることができる。

4 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定製品の製造、輸入又は販売の事業を行う者に対し、特定製品の製造、輸入又は販売の業務の状況に関し報告させることができる。

5 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定使い捨てプラスチック使用製品多量使用事業者に対し、特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化の実施の状況に関し報告させることができる。

6 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、多量排出事業者に対し、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量の削減の実施の状況に関し報告させることができる。

 (立入検査等)

第五十六条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、認定プラスチック使用製品製造事業者等の事務所、工場、事業場又は倉庫に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、指定調査機関の事務所、事業場又は倉庫に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

3 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、認定プラスチック使用製品の製造を行う事業者、特定使い捨てプラスチック使用製品多量使用事業者又は多量排出事業者の事務所、工場、事業場又は倉庫に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

4 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、特定製品の製造、輸入若しくは販売の事業を行う者の事務所、工場、事業場、店舗若しくは倉庫に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は試験に必要な限度において当該特定製品を収去させることができる。

5 前各項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

6 第一項から第四項までの規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 (関係行政機関への照会等)

第五十七条 主務大臣は、この法律の規定に基づく事務に関し、関係行政機関又は関係地方公共団体に対し、照会し、又は協力を求めることができる。

 (主務大臣等)

第五十八条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。

 一 プラスチック使用製品環境配慮設計指針に関する事項 経済産業大臣、環境大臣及びプラスチック使用製品環境配慮設計指針に係るプラスチック使用製品の製造の事業を所管する大臣

 二 マイクロプラスチック等の特定製品への使用の規制に関する事項 経済産業大臣、環境大臣及び特定製品の製造、輸入又は販売の事業を所管する大臣

 三 特定使い捨てプラスチック使用製品の使用の合理化に関する事項 経済産業大臣、環境大臣及び特定使い捨てプラスチック使用製品使用事業者が行う事業を所管する大臣

 四 第五十三条の規定による報告の受理、第五十五条第六項の規定による報告の徴収及び第五十六条第三項の規定(多量排出事業者に係る部分に限る。)による立入検査 経済産業大臣、環境大臣及び多量排出事業者が行う事業を所管する大臣

2 この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。

3 内閣総理大臣は、この法律による権限(金融庁の所掌に係るものに限り、政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。

4 この法律に規定する主務大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を地方支分部局の長に委任することができる。

5 金融庁長官は、政令で定めるところにより、第三項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。

 (経過措置)

第五十九条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

    第六節 罰則

第六十条 第四十条第二項の規定による命令に違反した場合には、その違反行為をした指定調査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第六十一条 第四十二条第一項の規定に違反して、設計調査の業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第六十二条 第四十七条の規定に違反して、製造し、輸入し、販売し、又は授与した場合には、その違反行為をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第六十三条 第五十一条第四項の規定による命令に違反した場合には、その違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

第六十四条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした指定調査機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第三十七条第一項の許可を受けないで設計調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止したとき。

 二 第四十一条の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。

 三 第五十五条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 四 第五十六条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

第六十五条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十七条第二項の規定に違反して、表示を付したとき。

 二 第五十五条第一項又は第四項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 三 第五十六条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

 四 第五十六条第四項の規定による検査又は収去を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

第六十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第五十五条第三項、第五項又は第六項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 二 第五十六条第三項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

第六十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第六十二条、第六十三条、第六十五条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第四章第三節(これに係る罰則を含む。)の規定は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (医療用プラスチック使用製品の特例)

第二条 当分の間、第二条第一項に規定するプラスチック使用製品には、専ら医療の用に供するものを含まないものとする。

 (検討)

第三条 政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

2 政府は、自動販売機により販売されたプラスチック使用製品がプラスチック廃棄物等となったものの回収又は収集の在り方及び自動販売機による環境への負荷の一層の低減のための方策について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


     理 由

 プラスチック廃棄物等が海洋環境に悪影響を与え、また、プラスチック使用製品の製造、プラスチック廃棄物等の処理等が地球温暖化等の気候変動に影響をもたらしている現状に鑑み、プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関し、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、プラスチック廃棄物等削減等推進計画の策定その他プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する施策の基本となる事項を定め、あわせて、プラスチック使用製品の規制等に関する措置を定めることにより、プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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