第二〇四回
参第二二号
新型コロナウイルス感染症まん延防止等協力給付金の支給等に関する法律案
(趣旨)
第一条 この法律は、新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)である感染症をいう。以下同じ。)のまん延を防止する等のための協力要請を受けた事業者がこれに応ずることによりその事業の運営に支障が生ずることとならないようその事業の規模に応じた支援を迅速に行うため、新型コロナウイルス感染症まん延防止等協力給付金の支給等に関し必要な事項を定めるものとする。
(新型コロナウイルス感染症まん延防止等協力給付金の支給等)
第二条 都道府県は、新型コロナウイルス感染症のまん延を防止する等のため都道府県知事が事業者に対して協力要請(新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号)第三十一条の六第一項又は第四十五条第二項の規定による要請(これに応じてもその事業の運営に支障が生ずるおそれの少ないものとして政令で定めるものを除く。)をいう。以下同じ。)を行った場合において必要があると認めるときは、当該協力要請を受けた事業者に対し、その申請に基づき、新型コロナウイルス感染症まん延防止等協力給付金(以下「給付金」という。)を支給することができる。
2 給付金の額は、事業者の事業の規模に応じた必要な支援が行われるよう、前項の協力要請の内容及び期間に応じて、事業者の事業の用に供する不動産に係る賃料又はこれに類する費用のほか、その常時使用する従業員の数その他の事情を勘案してその事業の運営に支障が生じないようにするために必要な費用を賄うことができる額として、政令で定めるところにより算定した額とする。
3 都道府県は、給付金の支給を行うに当たっては、事業者がその支給を受けるまでの間も金融機関による貸付け等を受けることにより事業の運営に必要な資金を迅速に確保することができるよう、金融機関との連携その他の措置を講ずるものとする。
4 前三項に定めるもののほか、給付金の申請期間、給付金の支給方法その他給付金の支給等に関し必要な事項は、政令で定める。
(業務の委託)
第三条 都道府県は、給付金の支給に係る業務の全部又は一部を金融機関その他の者に委託することができる。
2 金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定により委託を受けた業務を行うことができる。
(給付金の返還)
第四条 都道府県は、給付金の支給を受けた事業者が第二条第一項の協力要請に係る措置を講じなかったときは、政令で定めるところにより、その事業者から、その支給を受けた給付金の額に相当する金額の全部又は一部を返還させることができる。
(不正利得の徴収)
第五条 都道府県は、偽りその他不正の手段により給付金の支給を受けた者があるときは、その者から、当該支給を受けた給付金の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の規定による徴収金は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十一条の三第三項に規定する法律で定める歳入とする。
(都道府県に対する財政上の措置)
第六条 国は、給付金の支給を行う都道府県に財政負担を極力及ぼさないよう、給付金の支給に関する費用について、予算の範囲内において、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
(政令への委任)
第七条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(検討)
2 新型コロナウイルス感染症及びそのまん延の防止に関する措置等により経営に影響を受ける事業者の範囲が広範にわたることに鑑み、給付金の支給の対象とならない事業者に対しても必要かつ十分な支援が迅速に行われるよう、この法律の施行後速やかに検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。
理 由
新型コロナウイルス感染症のまん延を防止する等のための協力要請を受けた事業者がこれに応ずることによりその事業の運営に支障が生ずることとならないようその事業の規模に応じた支援を迅速に行うため、新型コロナウイルス感染症まん延防止等協力給付金の支給等に関し必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。