衆議院

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第二〇四回

参第二五号

   新型コロナウイルス感染症等により経営に影響を受けた事業者を事業規模に応じて支援するための給付金の支給等に関する法律案

 (趣旨)

第一条 この法律は、新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)である感染症をいう。)及びそのまん延の防止に関する措置等(次条において「新型コロナウイルス感染症等」という。)により経営に影響を受けた事業者の事業の運営に支障が生じないよう、その事業の規模に応じた必要かつ十分な支援を迅速に行うため、当該事業者に対する給付金の支給等に関し必要な事項を定めるものとする。

 (給付金の支給)

第二条 都道府県知事は、当該都道府県の区域内に本店、主たる事務所若しくは住所又はこれらに準ずるものとして政令で定めるものを有する事業者であって、新型コロナウイルス感染症等の影響により、政令で定める期間における連続する二月の期間(以下この項において「対象期間」という。)における売上金額について、その影響を受ける前の政令で定める期間における対象期間に対応する連続する二月の期間の売上金額に比して百分の三十以上(当該政令で定める期間に事業を開始したことその他の政令で定める事由がある場合にあっては、これに準ずるものとして政令で定める程度)の減少があったものに対し、その申請に基づき、当該事業者の事業の運営を支援するための給付金(以下「給付金」という。)を支給する。ただし、年間の売上金額が相当程度多額であるものとしてその業種ごとに政令で定める額以上である事業者については、この限りでない。

2 給付金の額は、政令で定める期間(以下この項において「支給対象期間」という。)における事業者の事業の用に供する不動産に係る賃料、事業に係る光熱水費その他の事業に係る固定費(人件費(雇用の安定を図るために事業者に対し給付を行う国の制度(以下この項において「雇用安定制度」という。)において対象となる賃金、休業に係る手当その他政令で定めるもの(以下この項において「対象外人件費」という。)に限る。)を除く。)で政令で定めるものの総額に、前項に規定する売上金額の減少の程度に応じて百分の四十から百分の九十までの範囲内で政令で定める割合を乗じて得た額(支給対象期間について雇用安定制度により給付される額が支給対象期間における対象外人件費の額に当該政令で定める割合を乗じて得た額に満たないときは、その差額を加えた額)とする。ただし、その額が支給対象期間に応じて政令で定める額を超える場合には、当該政令で定める額とする。

3 給付金の申請は、公認会計士、税理士、行政書士その他の政令で定める者(次条第一項及び第五条において「公認会計士等」という。)を経由して行うものとする。

4 前三項に定めるもののほか、給付金の支給要件及び額(新型コロナウイルス感染症等による事業者の経営への影響の緩和のための他の給付との調整を要する場合における支給要件及び額を含む。)、給付金の申請その他給付金の支給に関し必要な事項は、政令で定める。

 (給付金の支給までの間における資金の迅速な確保)

第三条 都道府県知事は、事業者が給付金の支給を受けるまでの間において金融機関による貸付け等を受けることにより事業の運営に必要な資金を迅速に確保することができるよう、金融機関及び前条第三項の規定により給付金の申請を経由した公認会計士等との連携その他の措置を講ずるものとする。

2 政府は、前項の貸付け等について必要な債務の保証が円滑に行われるよう、事業者に関する信用補完事業に関し財政上の措置その他の措置を講ずるものとする。

 (不正利得の徴収)

第四条 偽りその他不正の手段により給付金の支給を受けた者があるときは、都道府県知事は、国税徴収の例により、その者から、当該支給を受けた給付金の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。

2 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

 (報告)

第五条 都道府県知事は、給付金の支給を受けた者又は第二条第三項の規定により当該給付金の申請を経由した公認会計士等に対し、当該給付金の支給に関し必要な事項について報告を求めることができる。

 (都道府県の支弁)

第六条 給付金の支給及びこの法律又はこの法律に基づく政令の規定により都道府県知事が行う事務の処理に要する費用は、都道府県の支弁とする。

 (国の負担)

第七条 国は、政令で定めるところにより、前条の規定により都道府県が支弁する費用の全部を負担する。

 (事務の区分)

第八条 この法律の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

 (政令への委任)

第九条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、政令で定める。

 (罰則)

第十条 第五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第十条の規定は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行する。

 (適用区分)

第二条 第十条第一項の規定は、前条ただし書に規定する日以後に行われる第五条の規定による報告の求めを受けた者について適用する。

 (地方自治法の一部改正)

第三条 地方自治法の一部を次のように改正する。

  別表第一に次のように加える。

新型コロナウイルス感染症等により経営に影響を受けた事業者を事業規模に応じて支援するための給付金の支給等に関する法律(令和三年法律第▼▼▼号)

この法律の規定により都道府県が処理することとされている事務

 (地方財政法の一部改正)

第四条 地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)の一部を次のように改正する。

  第十条に次の一号を加える。

  三十六 新型コロナウイルス感染症等により経営に影響を受けた事業者を事業規模に応じて支援するための給付金の支給に要する経費

 (検討)

第五条 政府は、第三条第一項の貸付け等について必要な債務の保証が迅速かつ確実に行われるよう、事業者の信用補完のための制度について検討を加え、その結果に基づいて法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。


     理 由

 新型コロナウイルス感染症及びそのまん延の防止に関する措置等により経営に影響を受けた事業者の事業の運営に支障が生じないよう、その事業の規模に応じた必要かつ十分な支援を迅速に行うため、当該事業者に対する給付金の支給等に関し必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   この法律の施行に伴い必要となる経費

 この法律の施行に伴い必要となる経費は、約六兆四千七百四億円の見込みである。

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