衆議院

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第二〇四回

閣第五八号

   農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案

 農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第七章 金融危機への対応(第九十七条−第百十条)」を

第七章 金融危機への対応(第九十七条−第百十条)

 

 

第七章の二 金融システムの安定を図るための農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置(第百十条の二−第百十条の十七)

 

に改める。

 第一条中「関し、」を「係る」に、「措置等」を「措置並びに農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置等」に改める。

 第十五条中「、第七章及び第八章」を「及び第七章から第八章まで」に改める。

 第三十四条中第十号を第十二号とし、第九号を第十一号とし、同条第八号中「貸付け」の下に「及び第百十二条の二の規定による資産の買取り」を加え、同号を同条第十号とし、同条中第七号を第八号とし、同号の次に次の一号を加える。

 九 第七章の二の規定による特別監視その他同章の規定による業務

 第三十四条中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号の二を第四号とする。

 第三十七条の見出し中「資料」を「報告又は資料」に改め、同条第一項中「行なう」を「行う」に、「資料」を「その業務又は財産の状況に関し報告又は資料」に改め、同条第二項中「資料」を「報告又は資料」に、「これを提出しなければ」を「報告又は資料の提出をしなければ」に改め、同条第三項中「行なう」を「行う」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 機構は、その業務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。

 第四十条の二第二号を次のように改める。

 二 第七十四条に規定する業務(第百十二条の二第一項の規定による資産の買取りに係るものに限る。)、第百一条第一項(第百十条の十四第五項において準用する場合を含む。)の規定による優先出資の引受け等に係る業務、第百七条第一項の規定による負担金の収納、第百十条の十二第一項の規定による資金の貸付け及び債務の保証に係る業務、第百十条の十七第一項の規定による特定負担金(同条第二項に規定する特定負担金をいう。第百六条、第百八条及び第百九条において同じ。)の収納並びに第百十二条の二第一項の規定による資産の買取りに係る業務並びにこれらの業務に附帯する業務

 第六十五条第二項中「及び」を「(合併等の円滑な実施に要すると見込まれる費用を含む。)及び」に改める。

 第七十四条中「経営困難農水産業協同組合から」を「第七十七条第一項の規定による委託を受けて」に改め、同条第二号中「補てん」を「補塡」に改める。

 第七十七条第一項を次のように改める。

  機構は、次に掲げる場合には、協定債権回収会社に対し、機構に代わつて資産の買取りを行うことを委託することができる。

 一 第六十五条第一項(第六十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により資産の買取りを含む資金援助を行う旨の決定をする場合

 二 第百十二条の二第三項の規定により農林中央金庫の資産の買取りを行う旨の決定をする場合

 第七十七条第二項中「同項」を「同項各号」に、「補てん」を「補塡」に改め、同条第四項中「含む。)」の下に「及び第百十二条の二第五項」を加え、「第一項の決定に係る資金援助のうち」を削り、「又は合併等」を「、合併等」に改め、「取得した農水産業協同組合」の下に「又は第百十条の三第二項に規定する特別監視指定に係る農林中央金庫」を加え、同条第五項中「が資産保有農水産業協同組合」の下に「(経営困難農水産業協同組合又は合併等により経営困難農水産業協同組合の資産を取得した農水産業協同組合に限る。)」を加える。

 第八十一条を次のように改める。

第八十一条 削除

 第八十三条第三項中「その財産をもつて債務を完済することができないと認められる」を「当該管理を命ずる処分を受けた」に、「、主として」を「主として」に、「限る。)であつて、当該管理を命ずる処分を受けたもの(」を「限り、」に改める。

 第八十五条第一項中「以下」を「第九十四条第四項を除き、以下」に改める。

 第九十四条第四項中「及び監事は、」を「(当該被管理農水産業協同組合が農業協同組合法第三十条の二第五項に規定する経営管理委員設置組合若しくは水産業協同組合法第三十四条の二第四項(同法第九十二条第三項において準用する場合を含む。)に規定する経営管理委員設置組合(以下この項において「経営管理委員設置組合」と総称する。)又は農林中央金庫である場合にあつては、経営管理委員)及び監事は」に、「時に」を「時に、理事(当該被管理農水産業協同組合が経営管理委員設置組合又は農林中央金庫である場合に限る。)は当該通常総会が終結した後最初に招集される経営管理委員会の終結の時に」に改め、同条第五項中「又は総代会」を「若しくは総代会又は経営管理委員会」に改める。

 第九十七条第一項中「金融危機対応会議(以下この章」の下に「から第八章まで」を加える。

 第百条第三項中「すべて」を「全て」に改め、同項第一号中「第一項」を「機構が第一項」に改める。

 第百六条の見出し中「負担金」の下に「又は特定負担金」を加え、同条第一項第二号中「又は取得貸付債権」を「若しくは取得貸付債権又は取得特定優先出資(第百十条の十四第四項第一号に規定する取得特定優先出資をいう。次号において同じ。)若しくは取得特定貸付債権(同項第一号に規定する取得特定貸付債権をいう。次号において同じ。)」に改め、同項第三号中「又は取得貸付債権」を「若しくは取得貸付債権又は取得特定優先出資若しくは取得特定貸付債権」に改め、同項第四号中「金額」の下に「及び特定負担金の金額」を加え、同条第二項中「)に係る」を「)又は第百十条の十七第一項の規定により農林中央金庫等(農林中央金庫又はその会員である農水産業協同組合をいう。以下同じ。)が納付すべき特定負担金に係る」に改め、同項ただし書中「負担金」の下に「又は特定負担金」を加え、同条第三項中「負担金」の下に「又は特定負担金」を、「農水産業協同組合」の下に「又は農林中央金庫等」を加える。

 第百七条第一項中「危機対応業務」の下に「(第百十条の二第一項に規定する特定認定に係る農林中央金庫に係るものを除く。)」を加え、同条第二項中「以下」を「第百十条の十七第一項及び第二項を除き、以下」に改める。

 第百八条第一項及び第二項中「負担金」の下に「又は特定負担金」を加える。

 第百九条第一項中「負担金」の下に「又は特定負担金」を、「農水産業協同組合」の下に「又は農林中央金庫等」を、「おそれ」の下に「又は我が国の金融市場その他の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれ」を加え、同条第二項中「負担金」の下に「及び特定負担金」を加える。

 第七章の次に次の一章を加える。

   第七章の二 金融システムの安定を図るための農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置

 (金融システムの安定を図るための農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置の必要性の認定)

第百十条の二 主務大臣は、農林中央金庫について次条第一項に規定する特別監視及び農林中央金庫の財務の状況に照らし必要に応じて行う第百十条の十二第一項に規定する資金の貸付け等又は第百十条の十四第五項において準用する第百一条第一項の規定による優先出資の引受け等(以下「特定措置」という。)が講ぜられなければ、我が国の金融市場その他の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあると認めるときは、会議の議を経て、特定措置を講ずる必要がある旨の認定(以下この章及び次章において「特定認定」という。)を行うことができる。ただし、農林中央金庫がその財産をもつて債務を完済することができない場合は、この限りでない。

2 主務大臣は、特定認定を行つた場合であつて、農林中央金庫の自己資本の充実が必要と認めるときは、農林中央金庫が第百十条の十四第一項の規定による申込みを行うことができる期限を定めなければならない。

3 主務大臣は、特定認定を行つたときは、その旨及び前項の規定により定めた期限を農林中央金庫及び機構に通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。

4 主務大臣は、特定認定を行つたときは、当該特定認定の内容を国会に報告しなければならない。

 (機構による特別監視)

第百十条の三 主務大臣は、特定認定を行つたときは、直ちに、農林中央金庫を、その業務の遂行並びに財産の管理及び処分の機構による監視(第百十条の六及び第百十条の七第三項において「特別監視」という。)をされる者として指定するものとする。

2 機構は、前項の規定による指定(以下「特別監視指定」という。)があつたときは、農林中央金庫に対し、その業務の遂行並びに財産の管理及び処分について、第五項の規定により作成される計画の履行の確保のために必要な助言、指導又は勧告(以下この項において「助言等」という。)その他の必要な助言等をすることができる。

3 主務大臣は、特別監視指定をした場合において、我が国の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれを回避するため必要があると認めるときは、農林中央金庫に対し、措置を講ずべき期限を示して、その業務の遂行並びに財産の管理及び処分に関して必要な措置を命ずることができる。

4 主務大臣は、特別監視指定をしたときは、その旨を農林中央金庫及び機構に通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。

5 主務大臣は、特別監視指定をした場合において、必要があると認めるときは、農林中央金庫に対し、その業務及び財産の状況等に関し主務大臣及び機構に対する報告若しくは資料の提出を求め、又はその経営に関する計画の作成並びにその主務大臣及び機構に対する提出を命ずることができる。

 (特別監視代行者)

第百十条の四 機構は、特別監視指定があつた場合において、必要があるときは、当該特別監視指定に係る監視の実施の全部又は一部を第三者に委託することができる。

2 前項の規定による委託については、主務大臣の承認を得なければならない。

3 特別監視代行者(第一項の規定により委託を受けた第三者をいう。第百十条の十一及び第百二十三条の二において同じ。)は、費用の前払及び主務大臣が定める報酬を受けることができる。

 (特別監視指定の取消し)

第百十条の五 主務大臣は、特別監視指定について、その必要がなくなつたと認めるときは、当該特別監視指定を取り消さなければならない。

2 第百十条の三第四項の規定は、前項の場合について準用する。

 (特別監視の終了)

第百十条の六 機構は、特別監視指定の日から一年以内に、農林中央金庫に対し、我が国の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれを回避するために必要な措置その他関連する措置を講じさせることにより、その特別監視を終えるものとする。ただし、やむを得ない事情によりこの期限内に当該特別監視を終えることができない場合には、主務大臣の承認を得て、一年ごとに二回までを限り、この期限を延長することができる。

2 機構は、前項の規定により特別監視を終えたときは、農林中央金庫にその旨を通知するとともに、これを公告しなければならない。

 (役員等の解任及び選任の特例)

第百十条の七 機構は、特別監視指定に係る農林中央金庫がその財産をもつて債務を完済することができないおそれがあり、又は債務の支払を停止し、若しくは債務の支払を停止するおそれがある場合において、農林中央金庫の理事、経営管理委員、監事又は会計監査人(以下この条において「役員等」という。)に引き続き職務を行わせることが適切でないと認めるときは、農林中央金庫法第三十八条及び第三十八条の二第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、農林中央金庫の役員等を解任することができる。

2 前項の規定により農林中央金庫の役員等を解任しようとする場合において、解任により法律又は定款に定めた役員等の員数を欠くこととなるときは、機構は、農林中央金庫法第二十二条第一項、第二十三条第一項、第二十四条第一項及び第二十四条の二第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、農林中央金庫の役員等を選任することができる。この場合には、同法第二十四条第三項の規定は、適用しない。

3 前項の規定により選任された農林中央金庫の役員等(理事を除く。以下この項において同じ。)はその特別監視の終了後最初に招集される通常総会(総代会を設けている場合において、その総代会で役員等の選任をすることができるときは、通常総代会)の終結の時に、理事は当該通常総会が終結した後最初に招集される経営管理委員会の終結の時に退任する。

4 第一項又は第二項に規定する許可(以下この項及び次項において「代替許可」という。)があつたときは、当該代替許可に係る事項について総会若しくは総代会又は経営管理委員会の決議があつたものとみなす。

5 第九十四条第六項から第九項まで、第十項前段及び第十一項並びに第九十五条の規定は、代替許可について準用する。この場合において、第九十四条第六項中「当該被管理農水産業協同組合」とあり、並びに同条第七項及び第九項中「被管理農水産業協同組合」とあるのは「農林中央金庫」と、第九十五条中「前条第一項第一号、第二項又は第三項」とあるのは「第百十条の七第一項又は第二項」と読み替えるものとする。

 (回収等停止要請)

第百十条の八 機構は、特別監視指定に係る農林中央金庫の債権者である農水産業協同組合(農林中央金庫の会員であるものに限る。)が農林中央金庫に対し債権の回収その他主務省令で定める債権者としての権利の行使をすることにより、農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理が困難となるおそれがあると認められるときは、当該農水産業協同組合に対し、我が国の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれを回避するために必要な措置が講じられるまでの間、当該権利の行使をしないことの要請をしなければならない。

 (破産手続開始の申立て等に係る主務大臣の意見等)

第百十条の九 主務大臣は、特別監視指定に係る農林中央金庫に対し破産手続開始、再生手続開始又は外国倒産処理手続の承認の申立てが行われたときは、当該申立てについての決定がなされる前に、裁判所に対し、農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置が講じられている旨の陳述その他の農林中央金庫に関する事項の陳述をし、当該決定の時期その他について意見を述べることができる。

 (資産の国内保有)

第百十条の十 主務大臣は、特定認定に係る農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理を円滑に実施するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、政令で定めるところにより、農林中央金庫に対し、その資産のうち政令で定めるものを国内において保有することを命ずることができる。

 (管理人等に関する規定の準用)

第百十条の十一 第九十条の規定は特別監視代行者について、第九十三条の規定は特別監視指定に係る農林中央金庫(その財産をもつて債務を完済することができないおそれがあり、又は債務の支払を停止し、若しくは債務の支払を停止するおそれがある場合に限る。)について、それぞれ準用する。

 (金融システムの著しい混乱が生ずるおそれを回避するために必要な資金の貸付け等)

第百十条の十二 機構は、特定認定に係る農林中央金庫から資金の貸付け等(我が国の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれを回避するために必要な資金の貸付け又は我が国の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれを回避するために必要な債務の保証をいう。)の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議決を経て、その必要の限度において、当該申込みに係る貸付け又は債務の保証を行う旨の決定をすることができる。

2 機構は、前項の規定による貸付けを行つたとき、又は同項の規定による債務の保証に係る債務を弁済したときは、当該貸付け又は当該債務の保証に基づく求償権に係る農林中央金庫の財産について他の債権者に先立つて当該貸付けに係る債権の弁済を受ける権利又は当該求償権の行使により弁済を受ける権利を有する。

3 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

 (自己資本の充実のための措置を定めた計画の提出等)

第百十条の十三 特定認定に係る農林中央金庫は、次条第一項の規定による申込みを行わないときは、主務大臣に対し、第百十条の二第二項の規定により定められた期限内に、特定措置に係る優先出資の引受け等以外の方法による自己資本の充実のための措置を定めた計画を提出しなければならない。

2 主務大臣は、前項の規定により農林中央金庫から提出を受けた計画を適当と認めるときは、会議の議を経て、特定認定を取り消すことができる。

3 主務大臣は、農林中央金庫が第百十条の二第二項の規定により定められた期限内に次条第一項の規定による申込みを行わなかつた場合において、農林中央金庫が当該期限内に第一項に規定する計画を提出しなかつたときは、特定認定を取り消すことができる。

4 主務大臣は、第一項の規定により農林中央金庫が提出した計画を適当と認めないときは、特定認定を取り消すことができる。

5 主務大臣は、前二項の規定により特定認定を取り消すときは、あらかじめ、財務大臣の意見を聴かなければならない。

6 第百十条の二第三項及び第四項の規定は、第二項から第四項までの規定による特定認定の取消しについて準用する。

 (優先出資の引受け等の決定等)

第百十条の十四 特定認定に係る農林中央金庫は、機構が、農林中央金庫の自己資本の充実のために農林中央金庫の優先出資の引受け等を行うことを、機構に申し込むことができる。ただし、農林中央金庫が債務の支払を停止した場合は、この限りでない。

2 機構は、前項の規定による申込みを受けたときは、主務大臣に対し、農林中央金庫と連名で、当該申込みに係る優先出資の引受け等を行うかどうかの決定を求めなければならない。

3 第一項の規定による申込みを行つた農林中央金庫は、主務大臣に対し、経営の合理化のための方策その他の政令で定める方策を定めた経営の健全化のための計画を提出しなければならない。

4 主務大臣は、次に掲げる要件の全てに該当する場合に限り、第一項の規定による申込みに係る特定措置に係る優先出資の引受け等を行うべき旨の決定をするものとする。

 一 機構が第一項の規定による申込みに係る取得特定優先出資(機構が特定措置に係る優先出資の引受け等により取得した優先出資をいう。次条第二項及び第百十条の十六第一項において同じ。)又は取得特定貸付債権(機構が特定措置に係る優先出資の引受け等により取得した貸付債権をいう。次条第二項及び第百十条の十六第一項において同じ。)の処分をすることが著しく困難であると認められる場合でないこと。

 二 前項に規定する計画の確実な履行等を通じて、農林中央金庫の次に掲げる方策の実行が見込まれること。

  イ 経営の合理化のための方策

  ロ 経営責任の明確化のための方策

5 第百条第四項の規定は前項の決定を行うときについて、同条第五項の規定は第二項の決定を行つたときについて、同条第六項の規定は第一項の規定による申込みに係る優先出資の引受け等を行わない旨の決定がされたときについて、同条第七項の規定はこの項において準用する同条第六項の規定による特定認定の取消しについて、第百一条の規定は機構が前項の決定に従い優先出資の引受け等を行う場合について、第百一条の二の規定は農林中央金庫が同項の決定に従い発行する優先出資について、それぞれ準用する。この場合において、第百条第五項中「当該農水産業協同組合」とあるのは「農林中央金庫」と、同条第六項中「第一号措置に係る認定」とあるのは「特定認定(第百十条の二第一項に規定する特定認定をいう。)」と、「ものとする」とあるのは「ことができる」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 (優先出資の引受け等に係る計画の公表等)

第百十条の十五 主務大臣は、前条第四項の決定をしたときは、同条第三項の規定により提出を受けた計画を公表するものとする。ただし、金融システムの混乱を生じさせるおそれのある事項、農林中央金庫の債権者その他の取引者の秘密を害するおそれのある事項及び農林中央金庫の業務の遂行に不当な不利益を与えるおそれのある事項については、この限りでない。

2 主務大臣は、機構が取得特定優先出資又は取得特定貸付債権の全部につきその処分をし、又は返済を受けるまでの間、農林中央金庫に対し、前条第三項の規定により提出を受けた計画の履行状況につき報告を求め、これを公表することができる。

 (取得特定優先出資又は取得特定貸付債権の処分)

第百十条の十六 機構は、取得特定優先出資又は取得特定貸付債権について譲渡その他の処分を行おうとするときは、主務大臣の承認を受けなければならない。

2 機構は、前項の処分を行つたときは、速やかに、その内容を主務大臣に報告しなければならない。

 (特定負担金の納付等)

第百十条の十七 農林中央金庫等は、第百六条第四項(第百八条第三項において準用する場合を含む。)の規定による公告がされたときは、当該公告に係る納付期間中、機構の危機対応業務(特定認定に係る農林中央金庫に係るものに限る。)の実施に要した費用に充てるため、機構に対し、当該公告に係る納付期間に含まれる各年の六月三十日までに、主務省令で定める書類を提出して、負担金を納付しなければならない。

2 前項の規定により農林中央金庫等が納付すべき負担金(以下この項及び次項において「特定負担金」という。)の額は、各農林中央金庫等につき、当該特定負担金を納付すべき日の属する年の三月三十一日における負債(主務省令で定めるものを除く。)の額の合計額に、第百六条第二項の規定により定められた負担率を乗じて計算した金額とする。

3 第五十条第二項及び第五十二条から第五十四条までの規定は、特定負担金について準用する。この場合において、同項中「農水産業協同組合の」とあるのは「農林中央金庫等(第百六条第二項に規定する農林中央金庫等をいう。以下同じ。)の」と、第五十二条第一項及び第三項中「農水産業協同組合」とあるのは「農林中央金庫等」と読み替えるものとする。

 第百十二条の次に次の一条を加える。

 (資産の買取り)

第百十二条の二 機構は、第三章第四節の規定による場合のほか、特別監視指定に係る農林中央金庫が保有する資産の買取りを行うことができる。

2 機構は、前項の規定による資産の買取りを行う場合には、主務大臣があらかじめ定めて公表する基準に従わなければならない。

3 機構は、農林中央金庫から第一項の資産の買取りに係る申込みがあつたときは、遅滞なく、委員会の議決を経て、当該申込みに係る資産の買取りを行うかどうかを決定しなければならない。

4 機構は、前項の規定による決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を主務大臣に報告しなければならない。

5 機構は、第三項の規定による資産の買取りを行う旨の決定をしたときは、農林中央金庫との間で当該資産の買取りに関する契約を締結するものとする。

 第百十八条の二の次に次の四条を加える。

 (契約の解除等の効力)

第百十八条の三 主務大臣は、第九十七条第一項に規定する認定又は特定認定を行う場合においては、会議の議を経て、当該認定又は特定認定に係る農林中央金庫について、関連措置等(当該認定若しくは特定認定又は特別監視指定その他の当該認定若しくは特定認定に関連する措置をいう。以下この項において同じ。)が講じられたことを理由とする契約(契約の当事者又は契約において定める者である農林中央金庫に対し関連措置等が講じられたことを理由として特定解除等の効力が生ずることを約定しているものであつて、金融市場その他の金融システムと関連性を有する取引のうち主務省令で定めるものに係るものに限る。)の特定解除等を定めた条項は、我が国の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれを回避するために必要な範囲において、我が国の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれを回避するために必要な措置が講じられるために必要な期間として主務大臣が定めた期間(以下この条において「措置実施期間」という。)中は、その効力を有しないこととする決定を行うことができる。

2 前項の「特定解除等」とは、契約の終了又は解除、契約を解約する権利の発生、契約に係る債権に係る期限の利益の喪失、契約に係る取引に係る金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律(平成十年法律第百八号)第二条第六項に規定する一括清算その他これらに類するものとして主務省令で定めるものをいう。

3 第一項の規定による決定は、その決定の時から効力を生ずる。

4 主務大臣は、第一項の規定による決定を行つたときは、直ちにその旨及び措置実施期間を官報により公告するとともに、これを機構及び農林中央金庫に通知しなければならない。

5 第一項の規定による決定が行われた契約については、民事再生法第五十一条において準用する破産法第五十八条の規定は、措置実施期間中は、適用しない。

6 第一項の規定による決定が行われた契約についての金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律第三条の規定の適用については、措置実施期間中は、同法第二条第四項に規定する一括清算事由は、生じなかつたものとみなす。

 (農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理を円滑に実施するための命令)

第百十八条の四 主務大臣は、農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理が必要となつた場合におけるその円滑な実施の確保を図るために必要な措置が講じられていないと認めるときは、農林中央金庫に対し、その必要の限度において、期限を付して当該措置を講ずるよう命ずることができる。

 (指導及び助言)

第百十八条の五 機構は、農水産業協同組合に対し、経営の健全性の確保に支障が生じている農水産業協同組合として主務省令で定めるものの自己資本の充実その他の経営の健全性を確保するための措置の実施に関し必要な指導及び助言を行うものとする。

 (国際協力)

第百十八条の六 機構は、その業務を国際的協調の下で行う必要があるときは、外国政府、外国の地方公共団体、外国の中央銀行、国際機関その他これらに準ずるものとの情報の交換その他必要な業務を行わなければならない。

 第百十九条第一項ただし書中「第百六条」の下に「、第百七条第三項において準用する第五十二条第五項」を、「第百十条第一項を除く。)」の下に「、第七章の二(第百十条の十四第五項において準用する第百一条第二項、第百十条の十六及び第百十条の十七第三項において準用する第五十二条第五項を除く。)」を加え、「並びに第百十八条」を「、第百十八条、第百十八条の三第一項及び第四項並びに第百十八条の四」に改める。

 第百二十三条の次に次の一条を加える。

第百二十三条の二 特別監視代行者がその職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

2 特別監視代行者が法人であるときは、特別監視代行者の職務に従事するその役員又は職員がその職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。特別監視代行者が法人である場合において、その役員又は職員が特別監視代行者の職務に関し特別監視代行者に賄賂を収受させ、又はその供与を要求し、若しくは約束したときも、同様とする。

3 犯人又は法人たる特別監視代行者の収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

 第百二十四条中「前条第一項」を「第百二十三条第一項若しくは第二項又は前条第一項」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第百二十四条の二 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第百十条の三第三項の規定による命令に違反したとき。

 二 第百十条の十の規定による命令に違反したとき。

 第百二十五条中「者」を「ときは、その違反行為をした者」に改める。

 第百二十六条中「第九十条」の下に「(第百十条の十一において準用する場合を含む。)」を加える。

 第百二十八条中「該当する」の下に「場合には、その違反行為をした」を加え、同条第一号中「又は第百二条第二項」を「、第百二条第二項又は第百十条の十五第二項」に、「者」を「とき。」に改め、同条第二号中「第八十八条」の下に「又は第百十条の三第五項」を加え、「者」を「とき。」に改める。

 第百二十九条第一項第二号中「、第百三条第二項又は第百六条第一項」を「(第百十条の十四第五項において準用する場合を含む。)、第百三条第二項、第百六条第一項、第百十条の十六第二項又は第百十二条の二第四項」に改める。

 第百三十条を次のように改める。

第百三十条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第三十七条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。

 二 第五十七条の二第二項の規定による資料を提出せず、又は虚偽の資料を提出したとき。

 第百三十一条第一項第一号中「第百二十五条」を「第百二十四条の二又は第百二十五条」に改める。

 第百三十一条の二第一項中「第百二十三条」の下に「又は第百二十三条の二」を加え、「同条」を「これら」に改め、同条第二項中「第百二十四条」の下に「(第百二十三条第一項又は第二項に係る部分に限る。)」を加える。

 第百三十二条第一項第二号中「第六十条の三第二項」の下に「又は第百十八条の四」を加え、同項第五号中「第百一条の二第二項」の下に「(第百十条の十四第五項において準用する場合を含む。)」を加える。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法の一部改正)

2 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法(平成二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

  第五十五条中「「業務」」を「「業務を」」に、「」と、同法第四十四条」を「を」と、同法第四十四条」に改める。


     理 由

 金融システムの安定に係る国際的な基準に対応するため、金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあると認められる場合における農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置として、農水産業協同組合貯金保険機構による農林中央金庫に対する業務遂行等の監視、資金の貸付け及び優先出資の引受け等の措置について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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