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第二〇八回

閣第四六号

   特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案

第一条 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成十六年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。

  第十三条第四項中「第二項」を「第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項中「の職員」を「又は第二項の規定により他人の土地又は水面に立ち入ろうとする者」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に、「行為」を「調査若しくは行為」に改め、「場合」の下に「又はその委任した者に第一項の規定による調査をさせる場合」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項を同条第二項とし、同項の前に次の一項を加える。

   主務大臣等は、特定外来生物の生息若しくは生育の状況又は特定外来生物による生態系等に係る被害の状況に関する情報その他特定外来生物の防除の必要性の判断又は当該防除の実施に必要となる情報を収集するための調査に必要な限度において、その職員又はその委任した者に、他人の土地又は水面に立ち入り、調査を行わせることができる。

  第十四条第一項中「前条第一項」の下に「の規定による調査又は同条第二項」を加える。

  第十八条第四項中「第十三条第四項」を「第十三条第一項中「特定外来生物の防除の必要性の判断又は当該」とあるのは「第十八条第一項の確認を受けた」と、同条第五項」に、「、「地方公共団体」を「「地方公共団体」に改める。

  第二十四条の二第一項中「以下」を「当該輸入品につき関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第六十七条の規定による輸入の許可を受ける前のものに限る。以下この条において」に、「、倉庫、船舶又は航空機」を「又は施設(車両、船舶、航空機その他の移動施設を含む。以下この条において同じ。)」に、「を検査させ」を「若しくは当該輸入品等の所在する土地若しくは施設を検査させ」に改め、同条第二項を次のように改める。

 2 前項の規定による検査又はこれに相当すると認められるものとして主務大臣が定める検査の結果、輸入品等又は当該輸入品等の所在する土地若しくは施設に特定外来生物又は未判定外来生物が存在し、付着し、又は混入しているときは、主務大臣は、当該輸入品等、当該土地若しくは当該施設を消毒し、若しくは当該輸入品等若しくは当該施設を廃棄し、又は当該輸入品等、当該土地若しくは当該施設を所有し、若しくは管理する者に対して当該輸入品等、当該土地若しくは当該施設を消毒し、若しくは当該輸入品等若しくは当該施設を廃棄すべきことを命ずることができる。

第二条 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を次のように改正する。

  目次中「第三章 特定外来生物の防除(第十一条−第二十条)」を

第三章 特定外来生物の防除

 

 

 第一節 防除の原則(第十条の二)

 

 

 第二節 主務大臣等による防除(第十一条−第十七条)

 

 

 第三節 地方公共団体による防除(第十七条の二−第十七条の六)

 

 

 第四節 国及び地方公共団体以外の者による防除(第十八条−第二十条)

 に、「第五章 雑則(第二十五条−第三十一条)」を

第四章の三 要緊急対処特定外来生物(第二十四条の五−第二十四条の七)

 

 

第五章 雑則(第二十五条−第三十一条)

 に改める。

  第二条第三項中「第一項」の下に「及び前項」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 3 この法律において「要緊急対処特定外来生物」とは、特定外来生物のうち、まん延した場合には著しく重大な生態系等に係る被害が生じ、国民生活の安定に著しい支障を及ぼすおそれがあるため、当該特定外来生物又はその疑いのある生物を発見した場合において検査、防除その他当該特定外来生物の拡散を防止するための措置を緊急に行う必要があるものとして政令で定めるものをいう。

  第二条の次に次の四条を加える。

  (国の責務)

 第二条の二 国は、外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

 2 国は、我が国における定着が確認されていない又は分布が局地的である特定外来生物のまん延の防止及び生物の多様性の確保上重要と認められる地域における特定外来生物による生態系に係る被害の防止のために必要な措置を講ずるものとする。

 3 国は、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止のため、地方公共団体の施策の支援及び事業者、国民又はこれらの者の組織する民間の団体(第二条の五において「民間団体」という。)による活動の促進に必要な措置を講ずるものとする。

  (地方公共団体の責務)

 第二条の三 都道府県は、当該都道府県の区域における特定外来生物による生態系等に係る被害の発生の状況及び動向その他の実情を踏まえ、我が国における定着が既に確認されている特定外来生物による生態系等に係る被害の防止のために必要な措置を講ずるものとする。

 2 市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、当該市町村の区域における特定外来生物による生態系等に係る被害の発生の状況及び動向その他の実情を踏まえ、都道府県の施策に準じて、我が国における定着が既に確認されている特定外来生物による生態系等に係る被害の防止のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

  (事業者及び国民の責務)

 第二条の四 事業者及び国民は、外来生物に関する知識と理解を深め、外来生物を適切に取り扱うよう努めるとともに、国及び地方公共団体が実施する特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する施策に協力するものとする。

 2 物品の輸入、輸送又は保管を他人に請け負わせる者は、当該者から物品の輸入、輸送又は保管を請け負った事業者がこの法律及びこの法律に基づく命令を遵守して事業を遂行することができるよう、必要な配慮をするものとする。

  (関係者の協力)

 第二条の五 国、都道府県、市町村、事業者、民間団体その他の関係者は、特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するため、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。

  第三章中第十一条の前に次の一節及び節名を加える。

     第一節 防除の原則

 第十条の二 この章の規定による防除を行う者は、この法律、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)その他の法令の規定を遵守するとともに、住民の安全及び生物の多様性の確保のため適切な方法により防除を行わなければならない。

     第二節 主務大臣等による防除

  第十一条第一項中「特定外来生物による生態系等に係る被害が生じ、又は生じるおそれがある場合において、当該被害の発生を防止するため必要があるときは、」を削り、「この章」を「次に掲げる場合において、この節」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 我が国における定着が確認されていない特定外来生物による生態系等に係る被害の発生を防止する必要があるとき。

  二 我が国における分布が局地的である特定外来生物のまん延を防止する必要があるとき。

  三 生物の多様性の確保上重要と認められる地域における特定外来生物による生態系に係る被害の発生を防止する必要があるとき。

  四 前三号に掲げる場合のほか、主務大臣等が特定外来生物による生態系等に係る被害の発生又は特定外来生物のまん延を防止するため特に必要があると認めるとき。

  第十一条第二項に後段として次のように加える。

   これを変更するときも、同様とする。

  第十一条第二項第四号中「前三号」を「前各号」に改め、同号を同項第五号とし、同項第三号の次に次の一号を加える。

  四 防除の一部を地方公共団体が行うときは、当該地方公共団体の名称

  第十一条に次の一項を加える。

 3 主務大臣等は、前項第四号に掲げる事項を定めようとするときは、あらかじめ、当該地方公共団体の同意を得なければならない。

  第十二条中「主務大臣等」の下に「(前条第二項第四号に規定する地方公共団体を含む。)」を加え、「前条第一項」を「同条第一項」に、「(平成十四年法律第八十八号)の規定は、適用しない」を「第三章(第十五条を除く。)、第四章(第三十五条、第三十六条及び第三十八条を除く。)及び第五章の規定は適用しないものとし、同法第十五条、第三十五条、第三十六条及び第三十八条の規定は、特定外来生物の種類ごとに当該捕獲等を行う区域の状況その他の事情を勘案して適正な方法により防除を行うことができると認められる場合として主務大臣が定める場合を除き、適用する」に改める。

  第十三条第一項中「主務大臣等」の下に「(第十一条第二項第四号に規定する地方公共団体の長を含む。以下この条において同じ。)」を、「なる情報」の下に「(当該地方公共団体の長にあっては、当該地方公共団体が行う第十一条第一項の規定による防除に関するものに限る。)」を加え、同条第五項中「を官報」の下に「(第十一条第二項第四号に規定する地方公共団体の長にあっては、当該地方公共団体の公報。以下この項において同じ。)」を加える。

  第十七条の次に次の一節及び節名を加える。

     第三節 地方公共団体による防除

  (都道府県による防除)

 第十七条の二 都道府県は、次に掲げる場合において、この節の規定により、単独で又は共同して、防除を行うものとする。

  一 我が国における定着が既に確認されている特定外来生物による生態系等に係る被害が生じ、又は生じるおそれがある場合において、当該特定外来生物による生態系等に係る被害の状況その他の事情を勘案して特定外来生物の防除を行う必要があると認めるとき。

  二 前号に掲げる場合のほか、特定外来生物による生態系等に係る被害の発生を防止するため必要があると認めるとき。

 2 都道府県は、前項の規定による防除をするには、単独で又は共同して、次に掲げる事項を定め、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、これを公示するとともに、主務大臣に通知しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

  一 第十一条第二項第一号から第三号までに掲げる事項

  二 防除の一部を当該都道府県の区域内の市町村が行うときは、当該市町村の名称

  三 前二号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項

 3 都道府県は、前項第二号に掲げる事項を定めようとするときは、あらかじめ、当該市町村の同意を得なければならない。

 4 都道府県は、第一項の規定による防除を中止したときは、その旨を主務大臣に通知しなければならない。

 5 第十二条、第十六条及び前条の規定は、都道府県(第二項第二号に規定する市町村を含む。)が行う第一項の規定による防除について準用する。この場合において、第十六条中「国」とあるのは「都道府県」と、前条第一項から第四項までの規定中「主務大臣等」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。

  (土地への立入り等)

 第十七条の三 都道府県知事(前条第二項第二号に規定する市町村の長を含む。次項において同じ。)は、特定外来生物の生息若しくは生育の状況又は特定外来生物による生態系等に係る被害の状況に関する情報その他特定外来生物の防除の必要性の判断又は当該防除の実施に必要となる情報(当該市町村の長にあっては、当該市町村が行う同条第一項の規定による防除に関するものに限る。)を収集するための調査に必要な限度において、その職員又はその委任した者に、他人の土地又は水面に立ち入り、調査を行わせることができる。

 2 都道府県知事は、前条第一項の規定による防除に必要な限度において、その職員に、他人の土地若しくは水面に立ち入り、特定外来生物の捕獲等若しくは放出等をさせ、又は当該特定外来生物の捕獲等の支障となる立木竹を伐採させることができる。

 3 第十三条第三項から第五項まで、第十四条及び第十五条の規定は、前二項の規定による調査又は行為について準用する。この場合において、第十三条第五項中「官報(第十一条第二項第四号に規定する地方公共団体の長にあっては、当該地方公共団体」とあるのは「都道府県の公報(第十七条の二第二項第二号に規定する市町村の長にあっては、当該市町村」と、「官報に」とあるのは「都道府県の公報に」と、第十四条第一項及び第十五条第二項中「国」とあるのは「都道府県」と、第十四条第二項及び第三項中「主務大臣等」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。

  (市町村による防除)

 第十七条の四 市町村は、その行う特定外来生物の防除であって防除の実施体制及び方法その他の防除の内容について主務省令で定める基準に適合するものについて、単独で又は共同して、主務省令で定めるところにより、主務大臣のその旨の確認を受けることができる。

 2 主務大臣は、前項の確認をしようとするときは、その旨を当該確認に係る市町村を包括する都道府県の知事に通知しなければならない。この場合において、当該都道府県知事は、主務省令で定める期間内に、同項の確認に関し、主務大臣に対し、意見を述べることができる。

 3 主務大臣は、第一項の確認をしたときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、これを公示するとともに、当該確認を受けた市町村を包括する都道府県の知事に通知しなければならない。第十七条の六第二項の規定により第一項の確認を取り消したときも、同様とする。

 4 第十二条、第十六条及び第十七条の規定は、市町村が行う第一項の確認を受けた防除について準用する。この場合において、第十六条中「国」とあるのは「市町村」と、第十七条第一項から第四項までの規定中「主務大臣等」とあるのは「市町村の長」と読み替えるものとする。

  (土地への立入り等)

 第十七条の五 市町村の長は、特定外来生物の生息若しくは生育の状況又は特定外来生物による生態系等に係る被害の状況に関する情報その他防除の必要性の判断又は前条第一項の確認を受けた防除の実施に必要となる情報を収集するための調査に必要な限度において、その職員又はその委任した者に、他人の土地又は水面に立ち入り、調査を行わせることができる。

 2 市町村の長は、前条第一項の確認を受けた防除に必要な限度において、その職員に、他人の土地若しくは水面に立ち入り、特定外来生物の捕獲等若しくは放出等をさせ、又は当該特定外来生物の捕獲等の支障となる立木竹を伐採させることができる。

 3 第十三条第三項から第五項まで、第十四条及び第十五条の規定は、前二項の規定による調査又は行為について準用する。この場合において、第十三条第五項中「官報(第十一条第二項第四号に規定する地方公共団体の長にあっては、当該地方公共団体の公報。以下この項において同じ。)」とあるのは「市町村の公報」と、「官報に」とあるのは「市町村の公報に」と、第十四条第一項及び第十五条第二項中「国」とあるのは「市町村」と、第十四条第二項及び第三項中「主務大臣等」とあるのは「市町村の長」と読み替えるものとする。

  (防除の中止等)

 第十七条の六 第十七条の四第一項の確認を受けて防除を行う市町村は、その防除を中止したとき、又はその防除を同項の主務省令で定める基準に即して行うことができなくなったときは、その旨を主務大臣に通知しなければならない。

 2 主務大臣は、前項の規定による通知があったときは、その通知に係る第十七条の四第一項の確認を取り消すものとする。

     第四節 国及び地方公共団体以外の者による防除

  第十八条の前の見出し及び同条第一項を削り、同条第二項中「第十一条第二項の規定により公示された事項」を「第十七条の四第一項の主務省令で定める基準」に改め、同項を同条第一項とし、同項の次に次の一項を加える。

 2 主務大臣は、前項の認定をしようとするときは、その旨を関係都道府県知事に通知しなければならない。この場合において、当該都道府県知事は、主務省令で定める期間内に、同項の認定に関し、主務大臣に対し、意見を述べることができる。

  第十八条第三項中「の確認をしたとき又は前項」を削り、「その旨を公示しなければ」を「遅滞なく、これを公示するとともに、関係都道府県知事に通知しなければ」に改め、同条第四項を次のように改める。

 4 第十二条の規定は、国及び地方公共団体以外の者が行う第一項の認定を受けた防除について準用する。

  第十九条中「前条第二項」を「前条第一項」に改める。

  第二十条第一項中「の確認又は同条第二項」を削り、「第十一条第二項の規定により公示された事項」を「第十七条の四第一項の主務省令で定める基準」に改め、同条第二項中「の確認又は同条第二項」を削り、同条第三項及び第四項中「第十八条第二項」を「第十八条第一項」に、「第十一条第二項の規定により公示された事項」を「第十七条の四第一項の主務省令で定める基準」に改める。

  第二十四条の二第一項中「含む。以下この条」の下に「及び次章」を加え、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 主務大臣は、前項の規定による検査の対象となる輸入品等又は施設(移動施設に限る。)に要緊急対処特定外来生物の疑いがある生物が存在し、付着し、又は混入しているときは、当該輸入品等又は当該施設を所有し、又は管理する者に対し、当該輸入品等又は当該施設の移動を制限し、又は禁止することを命ずることができる。

  第二十四条の三第一項中「前条第二項」の下に「及び第三項」を加え、同条第二項中「前項」を「前条第三項の規定による命令」に改める。

  第二十四条の四中「第二十四条の二第二項」の下に「及び第三項」を加え、同条の次に次の一章を加える。

    第四章の三 要緊急対処特定外来生物

  (要緊急対処特定外来生物に対する検査等)

 第二十四条の五 主務大臣は、要緊急対処特定外来生物が物品若しくはその容器包装(以下この章において「物品等」という。)又は土地若しくは施設に存在し、付着し、又は混入している蓋然性が高いと認めるときは、その確認のために必要と認められる限度において、その職員に、当該土地又は当該施設に立ち入り、当該物品等、当該土地若しくは当該施設を検査させ、関係者に質問させ、又は検査のために必要な最小量に限り、当該物品等を無償で集取させることができる。

 2 主務大臣は、前項の規定による検査の対象となる物品等又は施設(移動施設に限る。)に要緊急対処特定外来生物の疑いがある生物が存在し、付着し、又は混入しているときは、当該物品等又は当該施設を所有し、又は管理する者に対し、当該物品等又は当該施設の移動を制限し、又は禁止することを命ずることができる。

 3 第一項の規定による検査又はこれに相当すると認められるものとして主務大臣が定める検査の結果、物品等、土地又は施設に要緊急対処特定外来生物が存在し、付着し、又は混入しているときは、主務大臣は、当該物品等、当該土地若しくは当該施設を消毒し、若しくは当該物品等若しくは当該施設を廃棄し、又は当該物品等、当該土地若しくは当該施設を所有し、若しくは管理する者に対して当該物品等、当該土地若しくは当該施設を消毒し、若しくは当該物品等若しくは当該施設を廃棄すべきことを命ずることができる。

 4 第二十四条の二第四項の規定は第一項の規定による権限について、第二十四条の三第一項及び前条の規定は前二項の規定による命令について、第二十四条の三第二項の規定は前項の規定による命令の基準について準用する。

  (報告徴収)

 第二十四条の六 主務大臣は、要緊急対処特定外来生物による生態系等に係る被害の発生を防止するために必要があると認めるときは、当該要緊急対処特定外来生物が存在し、付着し、又は混入しているおそれのある物品等、土地又は施設を所有する者若しくは管理する者又は当該物品等の経由地において当該物品等を扱った事業者に対し、当該物品等、土地又は施設に存在し、付着し、又は混入している要緊急対処特定外来生物の疑いがある生物に関する事項その他必要な事項について報告を求めることができる。

  (対処指針)

 第二十四条の七 主務大臣及び国土交通大臣は、次に掲げる者(以下この条において「対象事業者」という。)が要緊急対処特定外来生物が付着し、又は混入するおそれがある物品の輸入、輸送又は保管(第五項において「物品の輸入等」という。)に伴う要緊急対処特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するためにとるべき措置に関する指針(以下この条において「対処指針」という。)を定めるものとする。

  一 当該物品が輸入された港又は飛行場を所有し、又は管理する事業者

  二 当該物品等を所有し、又は管理する事業者

  三 当該物品等の経由地又は到達地である土地又は施設を所有し、又は管理する事業者

 2 対処指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

  一 要緊急対処特定外来生物の迅速な発見及び発見した場合の拡散の防止のための取組に関する事項(次号に掲げるものを除く。)

  二 要緊急対処特定外来生物が付着し、又は混入するおそれがある物品等を所有し、又は管理する事業者(当該物品等の輸送又は保管の委託を受けた事業者を除く。)がとるべき措置に関する事項

  三 その他要緊急対処特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するためにとるべき措置に関する事項

 3 主務大臣及び国土交通大臣は、対処指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、前項第二号に係る部分については経済産業大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならない。

 4 主務大臣及び国土交通大臣は、対処指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 5 主務大臣及び国土交通大臣は、物品の輸入等に伴う要緊急対処特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するために特に必要があると認めるときは、対処指針に定める事項について、対象事業者に対し、報告を求め、又は指導若しくは助言をすることができる。

 6 主務大臣及び国土交通大臣は、前項の指導又は助言をした場合において、対象事業者がなお対処指針に定める事項を実施していないと認めるときは、当該対象事業者に対し、対処指針に定める事項を実施するよう勧告をすることができる。

 7 主務大臣及び国土交通大臣は、前項の規定による勧告を受けた対象事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該対象事業者に対し、期限を定めて、当該勧告に係る措置を講ずるよう命ずることができる。

  第二十六条第一項中「又は第二十四条の二第一項若しくは第二項」を「、第二十四条の二第一項から第三項まで、第二十四条の五第一項から第三項まで又は第二十四条の六」に改める。

  第二十七条中「よう努めなければならない」を「ものとする」に改め、同条の次に次の一条を加える。

  (国際協力の推進)

 第二十七条の二 国は、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する国際的な連携の確保その他の特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する国際協力の推進に努めるものとする。

  第二十八条の見出し中「理解」を「知識と理解」に改め、同条中「特定外来生物の防除等」を「外来生物」に、「理解」を「知識と理解」に、「努めなければならない」を「必要な措置を講ずるものとする」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 地方公共団体は、前項の国の施策と相まって、外来生物に関する国民の知識と理解を深めるために必要な施策を推進するように努めるものとする。

  第二十八条の次に次の一条を加える。

  (関係行政機関等の協力)

 第二十八条の二 主務大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、必要な資料又は情報の提供、意見の開陳その他の協力を求めることができる。

  第三十二条中「該当する」の下に「場合には、当該違反行為をした」を加え、同条第一号から第四号までの規定中「者」を「とき。」に改め、同条第五号中「又は第二十四条の二第二項」を「、第二十四条の二第三項又は第二十四条の五第三項」に、「者」を「とき。」に改める。

  第三十三条中「いずれかに該当する」の下に「場合には、当該違反行為をした」を加え、同条第一号中「者」を「とき」に、「除く。)」を「除く。)。」に改め、同条第二号及び第三号中「者」を「とき。」に改め、同条第四号中「第二十条第三項」の下に「、第二十四条の二第二項又は第二十四条の五第二項」を加え、「者」を「とき。」に改め、同条第五号中「者」を「とき。」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 第三十三条の二 第二十四条の七第七項の規定による命令に違反したときは、当該違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。

  第三十四条中「者」を「ときは、当該違反行為をした者」に改める。

  第三十五条中「該当する」の下に「場合には、当該違反行為をした」を加え、同条第一号中「第十条第一項」の下に「、第二十四条の六又は第二十四条の七第五項」を加え、「者」を「とき。」に改め、同条第二号中「者」を「とき。」に改め、同条第三号中「第二十四条の二第一項」の下に「又は第二十四条の五第一項」を加え、「者」を「とき。」に改める。

  第三十六条第三号中「前二条」を「前三条」に改める。

  附則第五条を次のように改める。

  (特定外来生物の取扱いに関する特例)

 第五条 第二条第一項の規定に基づく政令の制定又は改正により新たに特定外来生物となる外来生物について、我が国におけるその生息又は生育の状況、飼養等の状況その他の状況に鑑み、第四条及び第七条から第九条までの規定を適用することによりかえって当該特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、当該特定外来生物については、当分の間、これらの規定の全部又は一部を、政令で、当該規定ごとにその種類を指定して、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止のため必要な条件を付して適用しないこととすることができる。

 2 第二条第四項の規定は、前項の規定による政令の制定又は改廃の立案について準用する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 附則第三条の規定 公布の日

 二 第一条の規定 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日

 (経過措置)

第二条 この法律の施行前に第二条の規定による改正前の特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以下この条において「旧法」という。)第十一条第二項の規定による公示をした同条第一項の規定による防除及びこの法律の施行前に旧法第十八条第一項の規定による確認又は同条第二項の規定による認定を受けた防除については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第四条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


     理 由

 特定外来生物による生態系等に係る被害を防止する対策を強化するため、国と地方公共団体の役割分担の見直し等による防除体制の強化、特定外来生物のうち緊急に対処を要するものに係る検査並びに当該検査対象の移動禁止及び消毒命令等の措置の新設、特定外来生物の一部についてその飼養の状況等に鑑み規制を適用除外とする規定の整備等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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