衆議院

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第二一〇回

衆第一二号

   離島振興法の一部を改正する法律案

 離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「自然環境の保全」の下に「、多様な再生可能エネルギーの導入及び活用」を加え、「及び国の責務を明らかにし、」を「国等の責務を明らかにし、並びに」に、「生かしつつ」を「生かすとともに離島と継続的な関係を有する島外の人材も活用しつつ」に改める。

 第一条の二の見出し中「及び国の責務」を削り、同条第一項中「自然環境の保全」の下に「、多様な再生可能エネルギーの導入及び活用」を加え、同条第二項を削り、同条の次に次の一条を加える。

 (国及び都道府県の責務)

第一条の三 国は、前条の基本理念にのつとり、離島の振興のために必要な施策を総合的かつ積極的に策定し、及び実施する責務を有する。

2 都道府県は、前条の基本理念にのつとり、その区域の自然的社会的諸条件に応じた離島の振興のために必要な施策を策定し、及び実施するよう努めるとともに、その全部又は一部の区域が離島振興対策実施地域である市町村相互間の広域的な連携の確保及びこれらの市町村に対する離島の振興のために必要な情報の提供その他の援助を行うよう努めるものとする。

 第三条第二項第二号中「港湾」の下に「(橋梁(りょう)を含む。次条第二項第四号において同じ。)」を、「道路」の下に「(橋を含む。同号において同じ。)」を加え、「以下」を「同号及び第十二条において」に改め、同項第三号中「商工業」の下に「、情報通信産業」を加え、同項第五号中「以下」を「次条第二項第七号及び第十四条の三において」に改め、同項第六号中「以下」を「次条第二項第八号及び第十条において」に改め、同項第七号中「介護サービス」を「介護サービス等」に改め、同項第九号中「以下」を「次条第二項第十一号において」に改め、同項第十四号中「以下」を「次条第二項第十六号において」に改める。

 第四条第二項第十六号を同項第十九号とし、同項第十五号を同項第十七号とし、同号の次に次の一号を加える。

 十八 離島振興計画の達成状況の評価に関する事項

 第四条第二項第十四号を同項第十六号とし、同項第八号から第十三号までを二号ずつ繰り下げ、同項第七号中「介護サービス」を「介護サービス等」に改め、同号を同項第九号とし、同項第四号から第六号までを二号ずつ繰り下げ、同項第三号中「商工業」の下に「、情報通信産業」を加え、同号を同項第五号とし、同項第二号を同項第四号とし、同項第一号の次に次の二号を加える。

 二 離島の振興に関する目標

 三 計画期間

 第四条第十二項中「第三項、第四項及び第六項」を「第五項、第六項及び第八項」に改め、同項を同条第十五項とし、同条第十一項中「第八項」を「第十一項」に改め、同項を同条第十四項とし、同条第十項中「第八項」を「第十一項」に改め、同項を同条第十三項とし、同条第九項を同条第十二項とし、同条第八項を同条第十一項とし、同条第七項中「第三項又は第四項」を「第五項又は第六項」に改め、同項を同条第九項とし、同項の次に次の一項を加える。

10 離島振興計画に第二項第四号から第十七号までに掲げる事項を記載するに当たつては、その全部又は一部の区域が離島振興対策実施地域である市町村相互間の広域的な連携の確保及びこれらの市町村に対する離島の振興のために必要な情報の提供その他の援助についても、必要に応じて記載するよう、努めるものとする。

 第四条第六項中「第三項又は第四項」を「第五項又は第六項」に改め、同項を同条第八項とし、同条第三項から第五項までを二項ずつ繰り下げ、同条第二項の次に次の二項を加える。

3 離島振興計画には、前項第五号及び第十二号に掲げる事項その他必要とされる事項に関し、離島振興対策実施地域の特性に応じた産業の振興の促進に関する事項(次項及び第十四条第四項において「産業振興促進事項」という。)を記載することができる。

4 産業振興促進事項は、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 産業の振興を促進する区域

 二 前号の区域において振興すべき業種

 三 前号の業種の振興を促進するために行う事業の内容に関する事項

 第六条第一項中「第一条の二第一項に定める」を「第一条の二の」に改める。

 第七条の四中「及び」の下に「離島振興対策実施地域における石油製品の価格の低廉化に関する事業」を加える。

 第十条第九項中「巡回診療」の下に「、離島に係る遠隔医療(離島の住民等又は医療機関等と当該離島の区域内又は区域外の医療機関等との間で高度情報通信ネットワーク及び情報通信機器を用いて行われる医療をいう。)の実施」を加え、「適切な」を「特別の」に改める。

 第十条の二の見出し中「介護サービス」を「介護サービス等」に改め、同条中「おける介護サービス」の下に「並びに障害者及び障害児に係る障害福祉サービス等」を、「提供、」の下に「介護サービスに関する知識及び技術の習得の促進等を通じた島内の人材の活用等による」を、「者の確保」の下に「並びに介護ロボット等の導入」を、「内容の充実」の下に「並びに障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)及び児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)の規定による障害者及び障害児に係る障害福祉サービス等の提供、当該障害福祉サービス等に従事する者の確保、当該障害福祉サービス等に係る事業所等の整備、提供される当該障害福祉サービス等の内容の充実」を加える。

 第十一条の見出し中「高齢者」を「高齢者等」に改め、同条中「おける高齢者」の下に「及び児童」を、「施設」の下に「及び児童福祉施設」を加える。

 第十二条に次の一項を加える。

2 前項の規定により特別の配慮をすべき事項には、離島航路整備法(昭和二十七年法律第二百二十六号)第二条第二項に規定する離島航路事業の用に供される船舶(以下この項において単に「船舶」という。)であつて高速度で安定的に航行することができるものその他の船舶の新造及び更新並びに離島に係る航空路において旅客を運送する事業の用に供される航空機の購入に対する支援並びに離島に係る無人航空機の活用による物資の流通の改善に対する支援が含まれるものとする。

 第十三条の見出し中「充実」を「充実等」に改め、同条中「円滑化及び」を「円滑化、」に改め、「通信体系の充実」の下に「及びその維持管理並びに情報通信技術その他の先端的な技術の活用の推進」を加え、「適切な」を「特別の」に改める。

 第十四条第三項中「地方公共団体は」の下に「、情報通信技術の進展、これを活用した場所に制約されない働き方の普及等の社会の変化を踏まえつつ」を加え、同条に次の一項を加える。

4 国及び地方公共団体は、離島振興計画に産業振興促進事項が記載されている場合には、当該産業振興促進事項に基づく事業の円滑な実施のために必要な情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう適切な配慮をするものとする。

 第十四条の二中「向上」の下に「(高齢者を対象とするものを含む。)」を加える。

 第十四条の三中「住宅及び」を「住宅の確保(空家の活用によるものを含む。)、」に改める。

 第十五条第二項中「国及び」を「国又は」に改め、「鑑み、」の下に「公立学校の教職員(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)第二条第三項に規定する教職員及び」を加え、「の規定による公立高等学校等を設置する地方公共団体ごとの教員及び職員の定員の算定並びに」を「第二条第一項に規定する教職員をいう。以下この項及び次項において同じ。)の定数の算定又は」に、「所在する公立の高等学校等に勤務する教員及び職員の定員の決定」を「係る公立学校の教職員の配置」に改め、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、「社会教育」の下に「(離島に係る遠隔教育(離島の学校その他の教育機関又は住民と当該離島の区域外の学校その他の教育機関との間で高度情報通信ネットワーク及び情報通信技術を用いて行われる教育をいう。)を含む。)」を、「ともに、」の下に「離島留学(離島の文化、自然等と触れ合うため、離島の区域外に居住していた児童若しくは生徒が、当該離島に設置された小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校若しくは特別支援学校の小学部、中学部若しくは高等部において行われる教育を受けること又は離島に滞在する児童若しくは生徒が当該離島において社会教育を受けることをいう。)その他の多様な交流の機会を通じた学習及び」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域における教育の充実に資するよう、離島振興対策実施地域に係る公立学校の教職員の処遇について適切な配慮をするものとする。

 第十七条の三第一項中「鑑み、」の下に「地域の実情に応じた再生可能エネルギーの効果的かつ効率的な活用の観点から行う再生可能エネルギーの供給体制の整備に必要な支援その他」を加え、「の推進」を「を推進するために必要な支援等の施策の充実」に改める。

 第十七条の四中「あること」の下に「及び事前防災、減災等に資する国土強靱(じん)化の観点」を加え、同条の次に次の二条を加える。

 (感染症が発生した場合等における住民の生活の安定等)

第十七条の五 国及び地方公共団体は、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある感染症が発生した場合等においても、離島振興対策実施地域の住民が他の地域の住民とできる限り同様の生活の安定及び福祉の向上に係るサービスを享受できるよう適切な配慮をするものとする。

 (小規模な離島への配慮)

第十七条の六 国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域において、人口の減少及び高齢化の進展が著しい小規模な離島の島民が日常生活を営むために必要な環境の維持等が図られるよう適切な配慮をするものとする。

 第十八条の二を第十八条の三とし、第十八条の次に次の一条を加える。

 (規制の見直し)

第十八条の二 国は、国が行う規制の見直しに関する提案の募集に応じてその全部又は一部の区域が離島振興対策実施地域である地方公共団体から提案があつたときは、離島の振興を図るため、離島振興対策実施地域の自然的経済的社会的諸条件及び地域社会への影響を踏まえ、当該提案に係る規制の見直しについて適切な配慮をするものとする。

 第二十一条の三第三項中「第四条第八項から第十一項まで(同条第十二項」を「第四条第十一項から第十四項まで(同条第十五項」に改める。

 附則第二項中「平成三十五年三月三十一日」を「令和十五年三月三十一日」に改める。

 別表()中「(昭和二十二年法律第百六十四号)」を削る。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、令和五年四月一日から施行する。ただし、附則第二項の改正規定並びに次条及び附則第五条から第九条までの規定は、公布の日から施行する。

 (離島振興基本方針に関する経過措置)

第二条 主務大臣は、この法律の施行前において、この法律による改正後の離島振興法(以下「新法」という。)第三条第一項から第三項までの規定の例により、離島振興対策実施地域の振興を図るための基本方針を定めるものとする。

2 主務大臣は、前項の基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

3 第一項の規定により定められた基本方針は、この法律の施行の日において新法第三条第一項の規定により定められた離島振興基本方針とみなす。

4 第一項及び第二項における主務大臣は、新法第二十一条の三第二項の規定の例による。

 (国の負担若しくは補助又は交付金に関する経過措置)

第三条 令和五年度の予算に係る国の負担若しくは補助又は交付金の交付に係る事業又は事務(以下この条において「事業等」という。)で、新法第四条第一項の規定による離島振興計画が定められるまでの間に、離島の振興のため緊急に実施する必要があるものとして国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣が関係都道府県の意見を聴くとともに関係行政機関の長に協議して決定したものについては、当該事業等を同項の規定による離島振興計画に基づく事業等とみなして、新法の規定を適用する。

 (検討)

第四条 国は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (医療法の一部改正)

第五条 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の一部を次のように改正する。

  第百四条中「令和五年三月三十一日」を「令和十五年三月三十一日」に改める。

 (公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部改正)

第六条 公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(昭和三十六年法律第百八十八号)の一部を次のように改正する。

  附則第十一項中「平成三十五年三月三十一日」を「令和十五年三月三十一日」に改める。

 (総務省設置法の一部改正)

第七条 総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

  附則第二条第二項の表令和五年三月三十一日の項を削り、同表令和十三年三月三十一日の項の次に次のように加える。

令和十五年三月三十一日

離島振興対策実施地域(離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)第二条第一項に規定する離島振興対策実施地域をいう。)の振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。

 (農林水産省設置法の一部改正)

第八条 農林水産省設置法(平成十一年法律第九十八号)の一部を次のように改正する。

  附則第三項の表令和五年三月三十一日の項を削り、同表に次のように加える。

令和十五年三月三十一日

離島振興対策実施地域(離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)第二条第一項の離島振興対策実施地域をいう。)の振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。

 (国土交通省設置法の一部改正)

第九条 国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  附則第二条第一項の表令和五年三月三十一日の項を削り、同表に次のように加える。

令和十五年三月三十一日

離島振興対策実施地域(離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)第二条第一項に規定する離島振興対策実施地域をいう。以下同じ。)の振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。

 

離島振興計画(離島振興法第四条第一項に規定する離島振興計画をいう。)に基づく公共事業に関する関係行政機関の経費の配分計画に関すること。

  附則第五条の表令和五年三月三十一日の項を削り、同表に次のように加える。

令和十五年三月三十一日

離島振興法

  附則第九条第一項の表令和五年三月三十一日の項を削り、同表に次のように加える。

令和十五年三月三十一日

離島振興対策実施地域の振興に関する総合的な政策に係る計画に関する調査及び調整その他当該計画の推進に関する事務


     理 由

 離島が我が国及び国民の利益の保護及び増進に重要な役割を担っていることに鑑み、離島振興法の有効期限を十年延長するとともに、目的規定を整備し、都道府県の責務に係る規定を定め、医療、介護サービス、交通、情報通信、産業、教育、エネルギーその他の分野における施策の充実等を図る必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   本案施行に要する経費

 本案施行に要する経費としては、平年度約三百七十億円の見込みである。

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