第二一三回
衆第一二号
食品衛生法の一部を改正する法律案
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)の一部を次のように改正する。
第八条の次に次の一条を加える。
第八条の二 機能性表示食品を取り扱う営業者は、その取り扱う機能性表示食品が人の健康に被害を生じ、又は生じさせるおそれがある旨の情報を得た場合は、当該情報を、厚生労働省令で定めるところにより、速やかに、都道府県知事等に届け出なければならない。
前条第二項の規定は前項の規定による届出があつたときについて、同条第三項の規定は機能性表示食品の摂取によるものと疑われる人の健康に係る被害について、それぞれ準用する。
この条において「機能性表示食品」とは、疾病に罹(り)患していない者(未成年者、妊産婦その他の内閣府令で定める者を除く。)に対し、健康の保持増進に資する特定の保健の目的(疾病に罹患する可能性の低減に係るものを除く。)に資する成分によつて当該特定の保健の目的が期待できる旨を科学的根拠に基づいて容器包装に表示する食品(健康増進法(平成十四年法律第百三号)第四十三条第六項に規定する特別用途食品その他の内閣府令で定める食品を除く。)であつて、内閣府令で定める事項を当該食品の販売を開始する日の六十日前までに内閣総理大臣に届け出たものをいう。
第六十条中「第八条第一項」の下に「、第八条の二第一項」を加える。
第七十三条中「第八条第二項」の下に「(第八条の二第二項において準用する場合を含む。)」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第六十条の改正規定は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に食品表示法(平成二十五年法律第七十号)第四条第六項に規定する食品表示基準に従って容器包装(この法律による改正後の食品衛生法(以下この条及び次条において「新法」という。)第四条第五項に規定する容器包装をいう。)に「機能性表示食品」の文字を表示している食品(同条第一項に規定する食品をいう。附則第五条において同じ。)は、新法第八条の二第三項に規定する機能性表示食品(附則第四条及び第五条において「機能性表示食品」という。)とみなす。
第三条 新法第八条の二第一項の規定は、この法律の施行の日以後に営業者(新法第四条第八項に規定する営業者をいう。)が新法第八条の二第一項に規定する情報を得た場合について適用し、同日前に当該情報を得た場合については、なお従前の例による。
(機能性関与成分の科学的根拠及び機能性表示食品の安全性を確認する方法等の検討)
第四条 政府は、この法律の施行後速やかに、機能性表示食品に含まれる健康の保持増進に資する特定の保健の目的(疾病に罹(り)患する可能性の低減に係るものを除く。)に資する成分(以下この条において「機能性関与成分」という。)の科学的根拠に対する信頼の向上及び機能性表示食品の安全性の確保に資する観点から、機能性関与成分の科学的根拠及び機能性表示食品の安全性を確認する方法並びに機能性表示食品の製造過程の管理の在り方について検討を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。
(特定の成分を過剰に摂取することが容易である食品の安全性の確保等に関する法制度の在り方の検討)
第五条 政府は、機能性表示食品のうちその形状、成分の含有量、摂取の方法等に照らして特定の成分を過剰に摂取することが容易である機能性表示食品その他これと同一の特性を有する食品の安全性の確保及びこれらの食品の摂取を原因とする健康被害の救済に関する法制度の在り方について、抜本的な見直しを含め検討を行い、その結果に基づき、法制の整備その他の所要の措置を講ずるものとする。
理 由
機能性表示食品の安全性を確保する等の観点から、機能性表示食品による健康被害情報の届出制度の創設の措置を講ずるとともに、機能性関与成分の科学的根拠及び機能性表示食品の安全性を確認する方法等の検討並びに特定の成分を過剰に摂取することが容易である食品の安全性の確保等に関する法制度の在り方の検討について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。