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   民法の一部を改正する法律案
 民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
 第七百四十九条中「第七百九十条第一項ただし書」を「第七百九十条第一項(子の出生前に父母が離婚したときに係る部分に限る。)」に改める。
 第七百五十条中「夫又は妻の氏」を「夫若しくは妻の氏を称し、又は各自の婚姻前の氏」に改め、同条に次の一項を加える。
2 夫婦が各自の婚姻前の氏を称する旨の定めをするときは、夫婦は、婚姻の際に、夫又は妻の氏を子が称すべき氏として定めなければならない。
 第七百九十条第一項中「、父母の氏」の下に「(子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏)又は第七百五十条第二項の子が称すべき氏」を加え、同項ただし書を削る。
 第七百九十一条第一項に次のただし書を加える。
 ただし、父母が氏を異にする夫婦である場合において子が未成年であるときは、特別の事情があるときに限る。
 第七百九十一条第二項中「父母と」を「父母の氏又は父若しくは母の氏と」に、「許可を得ないで」を「規定にかかわらず」に改め、「その父母の氏」の下に「又はその父若しくは母の氏」を加え、同条第四項中「前三項」を「前各項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 子の出生後に婚姻をした父母が氏を異にする夫婦である場合において子が第七百五十条第二項の子が称すべき氏と異なる氏を称しているときは、子は、第一項の規定にかかわらず、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、同条第二項の子が称すべき氏を称することができる。ただし、父母の婚姻後に第一項の規定により氏を改めた子については、この限りでない。
 第八百十条を次のように改める。
 (養子の氏)
第八百十条 養子は、養親の氏(氏を異にする夫婦が共に養子をするときは、第七百五十条第二項の子が称すべき氏)を称する。
2 氏を異にする夫婦の一方が配偶者の嫡出である子を養子とするときは、養子は、前項の規定にかかわらず、養親とその配偶者についての第七百五十条第二項の子が称すべき氏を称する。
3 養子が婚姻によって氏を改めた者であるときは、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、前二項の規定を適用しない。
   附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
 (法制の整備等)
第二条 政府は、この法律の施行の日までに、この法律を施行するために必要な戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の改正その他の法制の整備その他の措置を講ずるものとする。
 (経過措置)
第三条 この法律の施行前に婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、婚姻中に限り、配偶者との合意に基づき、この法律の施行の日から一年以内に別に法律で定めるところにより届け出ることによって、婚姻前の氏に復することができる。
2 前項の規定により夫又は妻が婚姻前の氏に復することとなったときは、この法律による改正後の民法(以下「新法」という。)その他の法令の規定の適用については、婚姻の際に夫婦が称する氏として定めた夫又は妻の氏を新法第七百五十条第二項の子が称すべき氏として定めた氏とみなす。
     理 由
 最近における国民の価値観の多様化及びこれを反映した世論の動向等に鑑み、個人の尊重と男女の対等な関係の構築等の観点から、選択的夫婦別氏制を導入する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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