衆議院の解散に係る手続等に関する法律案
(目的)
第一条 この法律は、衆議院の解散に係る手続等を定めるとともに、あわせて衆議院の解散による衆議院議員の総選挙の期日の公示に係る手続を定めることにより、国民主権の理念にのっとった議会制民主政治の健全な発展に寄与することを目的とする。
(解散の予定日及び理由の通知)
第二条 内閣は、衆議院の解散に係る助言と承認をしようとするときは、当該解散の予定日及び理由を、当該予定日の十日前までに、衆議院に通知しなければならない。ただし、日本国憲法第六十九条に規定する場合において、同条の議決の日から十日以内に衆議院が解散されるときは、この限りでない。
(解散の日等)
第三条 内閣は、前条の規定による通知をした場合において、当該通知に係る衆議院の解散に係る助言と承認をするときは、当該解散が当該通知に係る予定日以外の日にされることのないようにしなければならない。
2 内閣は、前条の規定による通知をした場合において、当該通知に係る衆議院の解散に係る助言と承認をしないこととしたときは、その旨及びその理由を、当該通知に係る予定日までに、衆議院に通知しなければならない。
(参議院への通知)
第四条 内閣は、第二条又は前条第二項の規定による通知をしたときは、日本国憲法第六十六条第三項の規定の趣旨を踏まえ、直ちに、その通知した事項を参議院にも通知しなければならない。
(公職選挙法の一部改正)
第五条 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第三十一条第五項中「因る」を「よる」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 内閣は、衆議院の解散による衆議院議員の総選挙の期日の公示に係る助言と承認をするに当たつては、解散の日までに、その総選挙の円滑な実施を図る見地からの中央選挙管理会の意見を聴かなければならない。この場合において、中央選挙管理会が意見を述べるに当たつては、あらかじめ全都道府県の選挙管理委員会の意見を聴かなければならない。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(公職選挙法の一部改正に伴う経過措置)
2 この法律の施行前に衆議院が解散された場合における第五条の規定による改正後の公職選挙法第三十一条第四項の規定の適用については、同項中「解散の日までに」とあるのは、「衆議院の解散に係る手続等に関する法律(令和七年法律第 号)の施行後直ちに」とする。
理 由
国民主権の理念にのっとった議会制民主政治の健全な発展に寄与するため、衆議院の解散に係る手続等を定めるとともに、あわせて衆議院の解散による衆議院議員の総選挙の期日の公示に係る手続を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。