租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律及び地方税法の一部を改正する法律案
(租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律の一部改正)
第一条 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律(平成二十二年法律第八号)の一部を次のように改正する。
第四条第二項中「第六条」を「第五条の二及び第六条」に改める。
第五条第一項第二号中「いう。)」を「いう。以下この号において同じ。)及び法人税関係特別措置(租税特別措置法第四十二条の三の二の規定による法人税関係特別措置を除く。)ごとの高額適用額に係る法人の名称」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(租税特別措置の見直し)
第五条の二 政府は、毎会計年度、租税特別措置(租税特別措置法第四十二条の三の二の規定による法人税関係特別措置を除く。以下この条において同じ。)のうち期限の定めのある措置(以下この項において「期限の定めのある租税特別措置」という。)については、その期限の到来時に廃止するものとする。ただし、次に掲げる事項を総合的に勘案して見直しを行い、その結果、これを存続させる必要性があると認められる場合には、相当の期限を定めて存続させるものとする。
一 期限の定めのある租税特別措置の背景にある政策評価法第二条第二項に規定する政策(イ及びロにおいて単に「政策」という。)の合理性に関する事項で次に掲げるもの
イ 期限の定めのある租税特別措置を所管する行政機関の政策の体系において、期限の定めのある租税特別措置の背景にある政策が優先的に実施する必要性の特に高いものとして定められていること。
ロ 期限の定めのある租税特別措置の背景にある政策に係る目標が達成されておらず、引き続き期限の定めのある租税特別措置を講ずることにより、当該目標が達成されると見込まれること。
二 行政目的の実現に向けた手段としての期限の定めのある租税特別措置の有効性に関する事項で次に掲げるもの
イ 期限の定めのある租税特別措置の適用を受けた納税者の数が著しく僅少でないこと及び当該納税者の範囲に著しい偏りが生じていないこと。
ロ 行政機関が行う政策評価法第三条第二項に規定する政策評価又は総務省が行う政策評価法第十二条第一項若しくは第二項の規定による評価において、期限の定めのある租税特別措置による減収額に比してその効果が高いものであることが確認されていること。
三 期限の定めのある租税特別措置以外の手段と比較した場合の相当性に関する事項で次に掲げるもの
イ 期限の定めのある租税特別措置に係る行政目的に関し補助金の交付その他の支援措置が併せて講ぜられている場合に、期限の定めのある租税特別措置と当該支援措置との間において適切かつ明確な役割分担がなされていること。
ロ 適用実態調査の結果(次条第一項に規定する適用実態調査情報を含む。)及び前号ロの政策評価又は評価を踏まえ、期限の定めのある租税特別措置が行政目的を実現するための手段として的確であり、かつ、税負担の公平の原則に照らして国民が納得できる必要最小限のものであること。
四 期限の定めのある租税特別措置による減収額を埋めるための財源の確保が見込まれていること。
2 政府は、毎会計年度、租税特別措置のうち期限の定めのない措置について、前項各号に掲げる事項を総合的に勘案して見直しを行い、その結果、これを存続させる必要性があると認められる場合には、相当の期限を定めて又は期限の定めのないものとして存続させるものとする。
3 政府は、毎会計年度、租税特別措置を新設し又は拡充する場合には、第一項各号に掲げる事項を総合的に勘案してその必要性を判断し、その必要性があると認められる場合であっても、当該租税特別措置に相当の期限を定めるものとする。
第八条第一項中「第六条」を「第五条の二及び第六条」に改める。
(地方税法の一部改正)
第二条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七百五十八条第一項第二号中「次条」を「第七百五十九条」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(地方税における税負担軽減措置等の見直し)
第七百五十八条の二 政府は、毎年度、税負担軽減措置等(第二十三条第一項(第三号に係る部分に限る。)及び第二百九十二条第一項(第三号に係る部分に限る。)の規定による税負担軽減措置等を除く。以下この条において同じ。)のうち期限の定めのある措置等(以下この項において「期限の定めのある税負担軽減措置等」という。)については、その期限の到来時に廃止するものとする。ただし、次に掲げる事項を総合的に勘案して見直しを行い、その結果、これを存続させる必要性があると認められる場合には、相当の期限を定めて存続させるものとする。
一 期限の定めのある税負担軽減措置等の背景にある行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成十三年法律第八十六号。イ及び次号ロにおいて「政策評価法」という。)第二条第二項に規定する政策(イ及びロにおいて単に「政策」という。)の合理性に関する事項で次に掲げるもの
イ 期限の定めのある税負担軽減措置等を所管する政策評価法第二条第一項に規定する行政機関(次号ロにおいて単に「行政機関」という。)の政策の体系において、期限の定めのある税負担軽減措置等の背景にある政策が優先的に実施する必要性の特に高いものとして定められていること。
ロ 期限の定めのある税負担軽減措置等の背景にある政策に係る目標が達成されておらず、引き続き期限の定めのある税負担軽減措置等を講ずることにより、当該目標が達成されると見込まれること。
二 行政目的の実現に向けた手段としての期限の定めのある税負担軽減措置等の有効性に関する事項で次に掲げるもの
イ 期限の定めのある税負担軽減措置等の適用を受けた納税者の数が著しく僅少でないこと及び当該納税者の範囲に著しい偏りが生じていないこと。
ロ 行政機関が行う政策評価法第三条第二項に規定する政策評価又は総務省が行う政策評価法第十二条第一項若しくは第二項の規定による評価において、期限の定めのある税負担軽減措置等による減収額に比してその効果が高いものであることが確認されていること。
三 期限の定めのある税負担軽減措置等以外の手段と比較した場合の相当性に関する事項で次に掲げるもの
イ 期限の定めのある税負担軽減措置等に係る行政目的に関し補助金の交付その他の支援措置が併せて講ぜられている場合に、期限の定めのある税負担軽減措置等と当該支援措置との間において適切かつ明確な役割分担がなされていること。
ロ 前条第一項の報告書及び次条第一項に規定する適用実態調査情報等並びに前号ロの政策評価又は評価を踏まえ、期限の定めのある税負担軽減措置等が行政目的を実現するための手段として的確であり、かつ、税負担の公平の原則に照らして国民が納得できる必要最小限のものであること。
四 期限の定めのある税負担軽減措置等による減収額を埋めるための財源の確保が見込まれていること。
2 政府は、毎年度、税負担軽減措置等のうち期限の定めのない措置等について、前項各号に掲げる事項を総合的に勘案して見直しを行い、その結果、これを存続させる必要性があると認められる場合には、相当の期限を定めて又は期限の定めのないものとして存続させるものとする。
3 政府は、毎年度、税負担軽減措置等を新設し又は拡充する場合には、第一項各号に掲げる事項を総合的に勘案してその必要性を判断し、その必要性があると認められる場合であっても、当該税負担軽減措置等に相当の期限を定めるものとする。
第七百五十九条第一項中「前条第一項」を「第七百五十八条第一項」に改め、同条第四項中「前条第一項」を「前条第一項及び第二項の見直し並びに同条第三項の判断を行う目的並びに第七百五十八条第一項」に改める。
第七百六十条中「前三条」を「第七百五十七条から前条まで」に改める。
附 則
この法律は、令和八年四月一日から施行する。
理 由
租税特別措置の適用の状況の一層の透明化を図るため、法人税関係特別措置ごとの高額適用額に係る法人の名称を適用実態調査の結果に関する報告書の記載事項とするとともに、租税特別措置及び地方税における税負担軽減措置等の適正化を図るため、これらの見直しに関する規定を整備する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。