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第二一七回

参第一〇号

   出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案

 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)の一部を次のように改正する。

 第五十条第一項中第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

 三 未成年者であつて次のイ若しくはロのいずれかに該当するもの又は当該未成年者と同一の世帯に属する家族の構成員であるとき。

  イ 本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者

  ロ 本国に居住していた期間より長い期間本邦に在留している者その他本邦に在留している期間が長期間に及び、本邦に定着していると認められる者

 第五十条第五項に後段として次のように加える。

  この場合において、当該外国人が未成年者であるときは、児童の権利に関する条約に係る児童の権利に関する委員会その他の国際機関による見解を踏まえ、同条約第三条1の規定に基づき児童の最善の利益を主として考慮するとともに、当該未成年者に家族があるときは、当該未成年者及びその家族が我が国に在留できるよう特に配慮するものとする。

 第六十一条の二の五第二項に後段として次のように加える。

  この場合においては、第五十条第五項後段の規定を準用する。

 第六十一条の二の九第四項を次のように改める。

4 前項の規定は、同項の在留資格未取得外国人が無期若しくは三年以上の拘禁刑に処せられた者(刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者又は刑の一部の執行猶予の言渡しを受けた者を除く。)又は第二十四条第三号の二、第三号の三若しくは第四号オからカまでのいずれかに該当する者若しくはこれらのいずれかに該当すると疑うに足りる相当の理由がある者であるときは、適用しない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第五十条第一項の改正規定、同条第五項の改正規定及び第六十一条の二の五第二項の改正規定は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (難民等に関する制度等の見直し)

第二条 出入国管理及び難民認定法(以下この条及び次条において「入管法」という。)第六十一条の二第一項に規定する難民の認定及び同条第二項に規定する補完的保護対象者の認定(以下この項及び次条において「難民の認定等」という。)その他難民等に関する制度については、国際連合難民高等弁務官事務所その他の国際機関による見解を踏まえ本来保護されるべき者が適正に保護されるようにする観点から、難民の認定等を独立行政委員会が行う仕組みの導入を含めた抜本的な見直しが行われるものとする。この場合においては、この法律による改正後の入管法第六十一条の二の九第四項に規定する者の範囲についても、更なる見直しが行われるものとする。

2 前項に定めるもののほか、外国人の出入国の管理に関する制度については、その適正化を図る観点から、入管法による収容に当たり裁判官の発付する許可状を必要とする仕組みの導入、この法律による改正後の入管法第五十条の在留特別許可の在り方の更なる見直しその他の見直しが行われるものとする。

 (政府による当面の措置等)

第三条 政府は、前条第一項の見直しが行われるまでの間の措置として、難民の認定等及び入管法第六十一条の二の十二第一項の審査請求に対する裁決の適正化に関し、難民の認定等の申請者が所在していた領域の状況に関する調査の充実、難民審査参与員に係る制度の運用の改善その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 政府は、難民の認定等の申請者が置かれている状況に鑑み、速やかに、次に掲げる措置を講ずるものとする。

 一 住居の確保に係る支援、保健医療サービスの利用に係る支援その他の難民の認定等の申請者(次号に規定する者を除く。)に係る生活上の支援に関する必要な措置

 二 難民の認定等の申請者その他の者で入管法により収容されているものの処遇の改善に関し、医療上の措置に係る体制の強化その他の必要な措置

 (出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律の一部改正)

第四条 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律(令和五年法律第五十六号)の一部を次のように改正する。

  附則第十九条第二項中「第六十一条の二の九第四項第二号」を「第六十一条の二の九第四項」に改める。


     理 由

 難民等に関する制度その他外国人の出入国の管理に関する制度をめぐる諸課題に鑑み、緊急の対応として、難民の認定等に係る手続中の送還停止の例外となる者の範囲に係る改正並びに未成年者及びその家族の在留特別許可に関する規定の整備を行うほか、それらの制度の抜本的な見直し等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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