全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るための高額療養費等の制度の在り方に係る措置に関する法律案
(趣旨)
第一条 この法律は、医療保険各法等(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第七条第一項に規定する医療保険各法及び高齢者の医療の確保に関する法律をいう。次条及び第三条第一号において同じ。)に基づく医療保険制度において、高額療養費等の制度が国民の生命及び生活を守る上で欠くことのできない中核的な役割を果たしていることに鑑み、全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るための高額療養費等の制度の在り方に係る措置について定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「高額療養費等」とは、医療保険各法等の規定により支給される高額療養費及び高額介護合算療養費をいう。
(基本方針)
第三条 全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るための高額療養費等の制度の在り方に係る措置は、次に掲げる基本方針に基づき、講じられるものとする。
一 医療保険各法等に規定するもののほか、高額療養費等の支給を受ける者が療養等に必要な費用の負担により生活に困窮することのないよう、高額療養費等の支給要件、支給額その他高額療養費等の支給に関する事項は、次に掲げる影響を考慮して定めること。
イ 高額療養費等の支給を受ける者の療養等に必要な費用の負担がその家計に与える影響
ロ 高額療養費等の支給を受ける者の必要かつ適切な受診に与える影響
二 前号イ及びロに掲げる影響を把握するため、次に掲げる事項についての調査を行うこと。
イ 高額療養費等の支給を受ける者の給与その他の収入の状況及び当該収入の変動状況
ロ 高額療養費等の支給を受ける者の子等の扶養に係る支出、とりわけ教育費に係る支出その他の支出の状況
ハ 高額療養費等の支給を受ける者の療養等の状況その他の生活の実態
三 高額療養費等の支給を受ける者の収入の状況その他の状況に応じ、きめ細かく、かつ、高額療養費等の支給を受ける者の利便性に配慮した支給要件とすること。
四 高額療養費等の支給要件、支給額その他高額療養費等の支給に関する事項を定めるに当たっては、次に掲げる手続を確保するための措置を講じること。
イ 社会保障審議会の意見を聴くこと。
ロ イの手続において、あらかじめ高額療養費等の支給額の算定に関する資料その他の必要な資料を提示して、高額療養費等の支給を受ける者その他関係者の意見を聴くための措置を講じること。
(法制上の措置等)
第四条 政府は、速やかに、前条の基本方針に基づき、必要な法制上の措置その他の措置を講じなければならない。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
理 由
医療保険各法等に基づく医療保険制度において、高額療養費等の制度が国民の生命及び生活を守る上で欠くことのできない中核的な役割を果たしていることに鑑み、全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るための高額療養費等の制度の在り方に係る措置について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

