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   特別市の設置に係る制度の整備の推進に関する法律案
目次
 第一章 総則(第一条―第六条)
 第二章 基本方針(第七条―第十一条)
 附則
   第一章 総則
 (目的)
第一条 この法律は、我が国における急速な少子高齢化の進展、人口の減少その他の社会経済情勢の変化に対応するためには、指定都市と都道府県との役割分担等が不明確な状態が解消されて地方公共団体の効率的かつ効果的な行政運営が確保されるとともに、地方の発展の拠点となる地域における都市機能が増進されるよう、地域の実情に応じた新たな大都市制度を整備することが重要となっていることに鑑み、特別市の設置に係る制度の整備について、その基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めることにより、これを総合的かつ集中的に推進することを目的とする。
 (定義)
第二条 この法律において「関係指定都市等」とは、次に掲げる市町村をいう。
 一 指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市をいう。以下この項において同じ。)であって、その人口(同法第二百五十四条に規定する人口によるものとする。以下この項において同じ。)が百万以上のもの
 二 一の指定都市及び当該指定都市に隣接する一以上の市町村であって、その人口の合計が百万以上のもの
 三 一の指定都市、当該指定都市に隣接する一以上の市町村及び当該隣接する市町村に隣接する一以上の市町村であって、その人口の合計が百万以上のもの
2 この法律において「関係都道府県」とは、関係指定都市等を包括する都道府県をいう。
3 この法律において「特別市の設置」とは、関係指定都市等を廃止し、当該関係指定都市等の区域の全部をもって、都道府県に包括されない一の基礎的な地方公共団体(以下「特別市」という。)を置くことをいう。
 (基本理念)
第三条 特別市の設置に係る制度の整備の推進は、特別市の設置により特別市となる区域において都道府県及び市町村の事務を一元的に処理するための仕組みを整備し、これにより特別市における効率的かつ機動的な行政運営の実現を図り、もって住民の福祉の増進に寄与することを旨として、行われなければならない。
2 特別市の設置に係る制度の整備の推進は、特別市の設置により当該特別市の区域を包括しなくなった都道府県が、引き続き包括する市町村又は特別区の事務の補完又は支援に関する事務、当該都道府県の区域を超えた広域的な施策に関する事務等の処理に集中することで、特別市の区域以外の地域における持続可能な行政運営の確立を図り、もって住民の福祉の増進に寄与することを旨として、行われなければならない。
3 特別市の設置に係る制度の整備の推進は、国際競争力が高く個性豊かで魅力ある都市の形成を図るとともに、多極分散型社会(人口及び行政、経済、文化等に関する機能が特定の地域に過度に集中することなく国土の全域にわたり適正に配置され、それぞれの地域が有機的に連携しつつその特性を生かして発展している社会をいう。)の実現に資することを旨として、行われなければならない。
4 特別市の設置に係る制度の整備の推進に当たっては、特別市の設置により当該特別市の区域を包括しなくなった都道府県及び当該都道府県が引き続き包括する市町村又は特別区の事務の円滑な処理が確保されるよう配慮されなければならない。
5 特別市の設置に係る制度の整備の推進に当たっては、特別市の住民の意見がその行政運営に適切に反映されるよう配慮されなければならない。
 (国の責務等)
第四条 国は、前条に定める基本理念にのっとり、特別市の設置に係る制度の整備を推進する責務を有する。
2 国は、特別市の設置に係る制度の整備を推進するに当たっては、地方公共団体の意見に配慮しなければならない。
 (地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、第三条に定める基本理念にのっとり、特別市の設置に係る制度の整備の推進に協力する責務を有する。
 (法制上の措置等)
第六条 政府は、次章に定める基本方針に基づき、特別市の設置に係る制度の整備を推進するものとし、このために必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講ずるものとする。この場合において、必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内を目途として講ずるものとする。
   第二章 基本方針
 (特別市の地方公共団体としての区分)
第七条 特別市は、地方自治法第一条の三第一項の特別地方公共団体とするものとする。
 (特別市の設置の手続)
第八条 政府は、次に掲げるところに従い、特別市の設置の手続に関する制度を整備するものとする。
 一 特別市の設置は、当該特別市の設置に係る関係指定都市等及び関係都道府県が共同してする申請に基づき、内閣が国会の承認を経て定めるものとすること。
 二 前号の申請をしようとする関係指定都市等及び関係都道府県は、当該申請に当たっては、あらかじめ、次に掲げる手続を経るものとすること。
  イ 地方自治法第二百五十二条の二の二第一項の規定により、特別市の名称及び区域その他の特別市の設置に関し必要な事項を記載した協定書(ロにおいて「特別市設置協定書」という。)の作成その他特別市の設置に関する協議を行う協議会(ロにおいて「特別市設置協議会」という。)を設置すること。
  ロ 特別市設置協議会が作成した特別市設置協定書について、それぞれの議会の承認を得ること。
 三 全ての関係指定都市等及び関係都道府県の議会において前号ロの承認が得られた場合において、第一号の申請をしようとする関係指定都市等は、当該申請に当たっては、あらかじめ、特別市の設置についてそれぞれ選挙人の投票に付し、それぞれその有効投票の総数の過半数の賛成を得るものとすること。
 四 前号の選挙人の投票の手続については、特別の定めがある場合を除き、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)中普通地方公共団体の選挙に関する規定を準用するものとすること。ただし、同号の選挙人の投票の期日の告示の日から当該期日までの期間と、関係指定都市等及び関係都道府県の議会の議員の一般選挙及び長の選挙の期日の告示の日から当該期日までの期間とは、重複してはならないものとすること。
 (特別市の組織)
第九条 政府は、次に掲げるところに従い、特別市の組織に関する制度を整備するものとする。
 一 議会並びに市長及び副市長その他執行機関を置くものとすること。
 二 市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設けるものとすること。
 三 前号の区に、市長が議会の同意を得た上で選任する区長を置くものとすること。
 四 議会に、第二号の区ごとに当該区から選出された議員で構成される常任委員会を設けるものとすること。
 (特別市の事務等)
第十条 政府は、次に掲げるところに従い、特別市の事務に関する制度を整備するものとする。
 一 特別市は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により普通地方公共団体が処理することとされるもの(地方自治法第二条第五項において都道府県が処理するものとされている事務のうち市町村に関する連絡調整に関するものその他都道府県が包括する市町村又は特別区に関して行うものを除く。)を処理することを原則とするものとすること。
 二 特別市は、その事務で広域にわたり処理することが適当であると認めるものの処理に当たっては、都道府県と必要な連携及び調整を図るものとし、必要に応じて、都道府県と共同して処理することができるものとすること。
 三 特別市は、その周辺の市町村又は特別区を含む地域全体の活性化を図るための事務の処理に当たっては、当該市町村又は特別区との広域的な連携を推進するものとすること。
 (特別市の設置に当たって必要となる措置)
第十一条 政府は、次に掲げるところに従い、特別市の設置に当たって必要となる措置を講ずるものとする。
 一 都道府県の区域を超えた広域的な施策に関する行政を推進するため、国及び都道府県が相互に連携及び調整を図るための仕組みの整備その他の必要な措置を講ずるものとすること。
 二 特別市及び当該特別市の設置により当該特別市の区域を包括しなくなった都道府県相互間の財源の均衡化を図るための財政の調整に関する制度その他の財政上又は税制上の措置について検討を加え、必要な措置を講ずるものとすること。
   附 則
 この法律は、公布の日から施行する。

     理 由
 我が国における急速な少子高齢化の進展、人口の減少その他の社会経済情勢の変化に対応するためには、指定都市と都道府県との役割分担等が不明確な状態が解消されて地方公共団体の効率的かつ効果的な行政運営が確保されるとともに、地方の発展の拠点となる地域における都市機能が増進されるよう、地域の実情に応じた新たな大都市制度を整備することが重要となっていることに鑑み、特別市の設置に係る制度の整備について、その基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めることにより、これを総合的かつ集中的に推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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