公職選挙法及び特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律の一部を改正する法律案
(公職選挙法の一部改正)
第一条 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第百四十二条の三の見出し中「ウェブサイト等を利用する方法」を「インターネット等を利用する方法」に改め、同条第一項中「ウェブサイト等を利用する方法(」及び「。)のうち電子メール(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成十四年法律第二十六号)第二条第一号に規定する電子メールをいう。以下同じ。)を利用する方法を除いたものをいう。以下同じ」を削り、同条第二項中「ウェブサイト等を利用する方法」を「インターネット等を利用する方法」に改め、同条第三項中「ウェブサイト等を利用する方法」を「インターネット等を利用する方法」に改め、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」の下に「(平成十四年法律第二十六号)」を加え、「。以下同じ」を削り、「(以下」を「(次条において」に改める。
第百四十二条の四を削る。
第百四十二条の五第一項中「ウェブサイト等を利用する方法」を「インターネット等を利用する方法」に改め、同条第二項を削り、同条を第百四十二条の四とし、同条の次に次の一条を加える。
(インターネット等を利用する方法により人工知能関連技術を利用して作成された画像等が掲載された文書図画を頒布する者の表示義務)
第百四十二条の五 人工知能関連技術(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(令和七年法律第五十三号)第二条に規定する人工知能関連技術をいう。以下この条において同じ。)を利用して作成され又は改変された画像又は映像(その改変の内容が社会通念に照らして軽微であるもの又は実際に撮影されたものと誤認されるおそれのないものを除く。)が掲載された次に掲げる文書図画をインターネット等を利用する方法により頒布する者は、当該画像又は映像が人工知能関連技術を利用して作成され又は改変されたものである旨が、当該文書図画に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に正しく表示されるようにしなければならない。
一 選挙運動のために使用する文書図画
二 当選を得させないための活動に使用する文書図画であつて、選挙の期日の公示又は告示の日からその選挙の当日までの間に頒布されるもの
第百四十二条の六第三項及び第四項中「ウェブサイト等を利用する方法」を「インターネット等を利用する方法」に改める。
第百四十二条の七の見出しを「(選挙に関しインターネット等を利用する者の責務)」に改め、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
選挙に関しインターネット等を利用する者は、公職の候補者に関し虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にして選挙の公正を害することがないようにしなければならない。
第百九十七条の二第二項及び第二百一条の四第六項中「ウェブサイト等を利用する方法」を「インターネット等を利用する方法」に改める。
第二百四十三条第一項中第三号の二を削り、第三号の三を第三号の二とする。
第二百四十四条第一項第二号の二及び第二号の三を削る。
(特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律の一部改正)
第二条 特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)の一部を次のように改正する。
第一条中「権利の侵害等があった場合について」を「発生する権利の侵害等への対処のため」に改め、「図る」の下に「等の」を加える。
第四条第二号中「第百四十二条の五第一項」を「第百四十二条の四」に改める。
第二十条第一項中「必要性」の下に「その他この章の規定に基づく措置を講ずる必要性」を加え、同項第三号中「侵害」の下に「等」を加える。
第二十七条中「次条第三号」を「第二十八条第三号」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(選挙の公正に対する悪影響を軽減するための措置)
第二十七条の二 大規模特定電気通信役務提供者は、その提供する大規模特定電気通信役務を利用して行われる特定電気通信による情報の流通のうち、法令に違反する情報の流通、虚偽の情報の流通、事実をゆがめた情報の流通その他の選挙の公正を害するおそれのある情報の流通による悪影響を軽減するため、当該大規模特定電気通信役務の特性に応じ、必要な措置を講じなければならない。
2 総務大臣は、前項の規定に基づき大規模特定電気通信役務提供者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施に資するために必要な指針を定めるものとする。
3 総務大臣は、前項の指針を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第二十八条第三号中「前条」を「第二十七条」に改め、同条中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号の次に次の一号を加える。
五 前条第一項の規定による措置の実施状況
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、令和九年三月一日から施行する。ただし、附則第四条、第六条及び第八条の規定は、公布の日から施行する。
(適用区分)
第二条 第一条の規定による改正後の公職選挙法の規定は、この法律の施行の日(以下この条及び附則第四条において「施行日」という。)以後その期日を公示され又は告示される選挙について適用し、施行日の前日までにその期日を公示され又は告示された選挙については、なお従前の例による。
(大規模特定電気通信役務提供者の指定に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に第二条の規定による改正前の特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律第二十条第一項の規定による指定を受けている大規模特定電気通信役務提供者に係る当該指定は、第二条の規定による改正後の同法(次条において「新法」という。)第二十条第一項の規定による指定とみなす。
(指針に関する経過措置)
第四条 総務大臣は、施行日前においても、新法第二十七条の二の規定の例により、大規模特定電気通信役務提供者が講ずべき措置に関してその適切かつ有効な実施に資するために必要な指針を定め、これを公表することができる。
2 前項の規定により定められ、公表された指針は、施行日において、新法第二十七条の二の規定により定められ、公表された指針とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為及び附則第二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の一部改正)
第七条 民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和五年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。
第百九十九条のうち特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律第二十八条第二号の改正規定中「改め」の下に「、同条第三号中「第二十七条」を「第二十八条」に改め」を加え、同法第二十七条を同法第二十八条とし、同法第二十六条を同法第二十七条とする改正規定中「第二十七条を第二十八条とし、第二十六条を第二十七条」を「第二十七条の二を第二十八条の二」に改める。
第百九十九条のうち特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律第二十五条の改正規定の前に次のように加える。
第二十七条中「第二十八条第三号」を「第二十九条第三号」に改め、同条を第二十八条とし、第二十六条を第二十七条とする。
(検討)
第八条 在外選挙人名簿に登録されている選挙人の衆議院議員又は参議院議員の選挙におけるインターネットを利用する方法による投票の導入については、公職選挙法第四十九条の二第一項第二号の規定による投票の状況を踏まえつつ、選挙の公正を確保する観点から、投票をしようとする選挙人が本人であるかどうかの確認を確実に行うための手段に係る事項、選挙人が投票に用いる電子計算機の映像面において公職の候補者に関し表示すべき事項及びその表示の方法その他の必要な事項について、この法律の公布後一年を目途として検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講じられるものとする。
2 選挙運動のためにする街頭演説その他公職の候補者等(公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)をいう。)が実施する演説を妨げる行為に対応するための施策の在り方については、政治活動の自由に配慮しつつ、当該演説が選挙人の意思決定等のための重要な機会であることに鑑み、その機会を保障する観点から、引き続き検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講じられるものとする。
理 由
選挙に関するインターネット等の利用の状況に対応するため、電子メールを利用する方法による文書図画の頒布に係る規制の廃止、インターネット等を利用する方法により人工知能関連技術を利用して作成された画像等が掲載された文書図画を頒布する者の表示義務及び選挙に関しインターネット等を利用する者の責務並びに大規模特定電気通信役務提供者が講ずべき選挙の公正に対する悪影響を軽減するための措置について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

