第二二一回
閣第四二号
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案
(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の一部改正)
第一条 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成二十五年法律第八十六号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「原動機付自転車」の下に「(次条第四号イにおいて単に「原動機付自転車」という。)」を加える。
第二条第一号を次のように改める。
一 アルコール影響正常運転困難状態(身体に血液一ミリリットルにつき一・〇ミリグラム以上又は呼気一リットルにつき〇・五ミリグラム以上のアルコールを保有する状態その他アルコールの影響により正常な運転が困難な状態をいう。次条第一項において同じ。)で自動車を走行させる行為
第二条中第八号を第十一号とし、第四号から第七号までを三号ずつ繰り下げ、第三号を第五号とし、同号の次に次の一号を加える。
六 殊更にタイヤを滑らせ又は浮かせることにより、その進行を制御することが困難な状態にさせて、自動車を走行させる行為
第二条中第二号を第三号とし、同号の次に次の一号を加える。
四 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ当該イ又はロに定める速度以上の高速度その他道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難な高速度(次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ当該イ又はロに定める速度に準ずるものに限る。)で自動車を運転する行為
イ 最高速度(道路交通法第二十二条第一項の規定によりこれを超える速度で進行してはならないこととされている最高速度(原動機付自転車を運転する場合にあっては、同法第三条に規定する普通自動二輪車の最高速度)をいう。以下この号において同じ。)が六十キロメートル毎時以下である場合 最高速度を五十キロメートル毎時超える速度
ロ 最高速度が六十キロメートル毎時を超える場合 最高速度を六十キロメートル毎時超える速度
第二条第一号の次に次の一号を加える。
二 薬物影響正常運転困難状態(薬物の影響により正常な運転が困難な状態をいう。次条第一項において同じ。)で自動車を走行させる行為
第三条第一項中「又は薬物の影響により、」を「の影響により、」に、「そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態」を「アルコール影響正常運転困難状態」に改め、同項に後段として次のように加える。
薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、薬物影響正常運転困難状態に陥り、人を死傷させた者も、同様とする。
第六条第一項中「第三号」を「第五号」に改める。
(道路交通法の一部改正)
第二条 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)の一部を次のように改正する。
第百十七条の二第一項第一号中「状態(」の下に「身体に血液一ミリリットルにつき一・〇ミリグラム以上又は呼気一リットルにつき〇・五ミリグラム以上のアルコールを保有する状態その他」を加える。
第百十七条の二の二第一項第三号中「身体に」の下に「血液一ミリリットルにつき一・〇ミリグラム未満の範囲内又は呼気一リットルにつき〇・五ミリグラム未満の範囲内において」を加える。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
2 この法律の施行前にした行為の処罰については、なお従前の例による。
(免許の拒否等に関する経過措置)
3 この法律の施行前にした行為を理由とする道路交通法第八十四条第一項に規定する免許の拒否、保留、取消し若しくは効力の停止又は同項に規定する自動車等の運転の禁止については、なお従前の例による。
理 由
自動車運転による死傷事犯の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするため、危険運転致死傷罪の対象となる行為の明確化及び追加を行うとともに、酒酔い運転を行った者等に対する罰則の対象となる行為の明確化を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

