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   小泉内閣不信任決議案(第一五九回国会、決議第二号)


 本院は、小泉内閣を信任せず。
  右決議する。

     理 由
 小泉内閣が発足してから三年余、その内政、外交上の失政はいよいよ重大である。
 小泉内閣は過日、「国民年金法等の一部を改正する法律案」他二案、いわゆる「年金関連法案」を与党の数の力で強引に成立させた。これは、年金保険料を十四年連続で引き上げ、年金給付を大幅に引き下げようというものである。給付と負担のバランスをはかると言いながら、法案の中身は徹底して国民に負担増を強いるものであり、改革の名に値しない。だからこそ国民の多くが本法案に反対の声をあげていたのである。にもかかわらず、小泉内閣と与党=自民・公明=は、この国民の声を足蹴にしたのである。
 しかも、小泉内閣閣僚、副大臣などの国民年金未納・未加入が相次いで明らかになるなど、法案提出者である小泉内閣の無責任ぶりに国民の批判が一段と厳しくなる中での暴挙である。自民党は、所属国会議員の年金加入・納付状況を党としてはついに明らかにしなかった。その総裁である小泉総理に国民の立場に立ったまともな年金改革など語れようはずがない。年金関連法の破綻を裏付けるがごとく、先日、合計特殊出生率一・二九という衝撃が走った。法案の前提を崩す数字である。加えて法案の成立を見てから明らかにするというやり方は、「保険料の上限固定」「現役世代の五割給付確保」という法案の看板が実はごまかしだったこととあわせ、国民への説明責任をないがしろにする小泉内閣の姑息な姿を重ねて示すものである。まさに「小泉政治に信なし」である。
 小泉内閣のこうした姿勢は、最近の閣僚の相次ぐ「失言」にもつながっている。明らかに国民を愚弄し、国権の最高機関たる国会を甚だしく軽視するもので、遺憾極まりない。小泉内閣は即刻退陣すべきである。
 さて、今年二月、自衛隊のイラクへの派遣が与党の賛成多数で承認されたが、現地イラクの情勢は、イラク全土のどこにイラク特措法に基づく非戦闘地域があるのかと問われれば誰も答えられない状況にある。自衛隊の宿営地であるサマーワも例外ではない。新たな国連決議によりイラクの治安維持のため、新たな多国籍軍を編成する動きもあるが、イラク特措法に基づく自衛隊の派遣は一旦中止し、速やかに撤退すべきである。また、国会できちんとした議論も行なわず、イラク特措法に基づき、「復興支援」を名目にイラク現地に派遣されている自衛隊をそのまま多国籍軍に参加させることは憲法上の疑義もあり容認できない。小泉内閣の責任は極めて重大である。
 最早、小泉内閣に残された役割はただ一つ。速やかに退陣することである。
 以上が本決議案を提出する理由である。

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