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   安倍内閣不信任決議案(第一九二回国会、決議第八号)


 本院は、安倍内閣を信任せず。
  右決議する。

     理 由
 第一に、安倍政権の強権的な国会運営は、まさに数の驕りの極致と言うほかない。わずかひと月ほどの間に、TPP協定、年金カット法案、カジノ法案と三度も強行採決を繰り返したことは、国会軽視も甚だしい。のみならず、政府与党幹部は国会審議を軽んじる発言を連発、安倍総理に至っては、何時間審議しても同じと、国会審議を否定するかのごとき暴言を言い放った。国権の最高機関である立法府を、内閣の下請け機関としか見ない安倍政権の驕り高ぶった姿勢は、断じて容認することはできない。
 第二に、安倍政権の恣意的な憲法解釈の変更や安全保障法制の強引な制定は、立憲主義を否定するものと言うほかない。武力衝突が頻発する南スーダンでの自衛隊のPKO活動に、駆け付け警護等の新任務を付与したことは、自衛隊の安全確保、ひいてはわが国の平和と安全に大きな脅威をもたらしかねない。
 第三に、安倍政権の政策は支離滅裂であり、アベノミクスはもはや破綻したと言うほかない。事実上発効しないことが確定したTPP協定を強行的に成立させる一方で、パリ協定については国際情勢を完全に見誤り、発効に間に合わないという大失態を演じた。また、物価が上昇しても年金支給額を減額することを可能にする年金カット法案の審議も強行的に進めた。さらには、ギャンブル依存症など深刻な問題が懸念されるカジノ解禁を、十分な審議も尽くさず拙速に成長戦略の柱として推進しようとするに至っては、完全に常軌を逸している。一方で、過労死や過労自殺の原因ともなっている長時間労働の是正や保育士の待遇改善など、喫緊の課題には目を背け、野党提出の法案も黙殺している。何より問題なのは、いわゆるトリクルダウン理論に固執し、格差拡大を放置していることである。安倍政権の経済失政は今や誰の目にも明らかであり、今年度税収見込みが一・九兆円も下振れするのはその明白な証左である。
 以上のとおり、安倍内閣に政権を担う資格がないことは明白である。
 これが本決議案を提出する理由である。

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