法務大臣金田勝年君不信任決議案(第一九三回国会、決議第三号)
本院は、法務大臣金田勝年君を信任せず。
右決議する。
理 由
法務大臣金田勝年君の国務大臣としての資質の欠如ぶりは、憲政史上例を見ないものと言っても過言ではない。
その第一は、国会審議に対する極めて無責任な姿勢である。憲法第六十三条に基づき、国務大臣は国会への出席義務と説明責任を負っているが、金田法務大臣はテロ等準備罪法案、いわゆる「共謀罪」法案をめぐり、報道機関に対し、国会審議と報道のあり方に注文をつけるかのごとき異例の文書を配布するなど、真摯に説明責任を果たそうという責任を放棄している。
第二に、自らの所管である法務行政に関する著しい無知・無理解である。とりわけ「共謀罪」法案をめぐって、一般人が対象となるかなど基本的・本質的事項についてさえ答弁できず、衆議院規則に反して政府参考人に答弁させるなど、国務大臣としてあるまじき醜態をさらし続けていることは、到底許されるものではない。
このような人物が、内心の自由を侵し、監視社会につながりかねないなど重大な問題が指摘される「共謀罪」法案の成立に血道を上げることは、国会審議を混乱に陥れ、国民の不安をかき立てるばかりである。「共謀罪」法案はテロ対策として必要であるという説明は論理が破綻しており、国民の理解は到底得られない。金田勝年君がもはや法務大臣の任に能わないことは明白である。
以上が本決議案を提出する理由である。