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防災・減災等に資する国土強靱化基本法案に対する修正案

   防災・減災等に資する国土強靱化基本法案に対する修正案
 防災・減災等に資する国土強靱化基本法案の一部を次のように修正する。
 題名を次のように改める。
   強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法
                      「前文
 目次中「第一章 総則(第一条―第七条)」を                 に改める。
                       第一章 総則(第一条―第七条)」
目次の次に前文として次のように加える。
 我が国は、地理的及び自然的な特性から、多くの大規模自然災害等による被害を受け、自然の猛威は想像を超える悲惨な結果をもたらしてきた。我々は、東日本大震災の際、改めて自然の猛威の前に立ち尽くすとともに、その猛威からは逃れることができないことを思い知らされた。
 我が国においては、二十一世紀前半に南海トラフ沿いで大規模な地震が発生することが懸念されており、加えて、首都直下地震、火山の噴火等による大規模自然災害等が発生するおそれも指摘されている。さらに、地震、火山の噴火等による大規模自然災害等が連続して発生する可能性も想定する必要がある。これらの大規模自然災害等が想定される最大の規模で発生した場合、東日本大震災を超える甚大な被害が発生し、まさに国難ともいえる状況となるおそれがある。我々は、このような自然の猛威から目をそらしてはならず、その猛威に正面から向き合わなければならない。このような大規模自然災害等から国民の生命、身体及び財産を保護し、並びに国民生活及び国民経済を守ることは、国が果たすべき基本的な責任の一つである。
 もっとも、様々な災害が多発する我が国において、求められる事前防災及び減災に係る施策には限りがなく、他方、当該施策を実施するための財源は限られている。今すぐにでも発生し得る大規模自然災害等に備えて早急に事前防災及び減災に係る施策を進めるためには、大規模自然災害等に対する脆(ぜい)弱性を評価し、優先順位を定め、事前に的確な施策を実施して大規模自然災害等に強い国土及び地域を作るとともに、自らの生命及び生活を守ることができるよう地域住民の力を向上させることが必要である。また、大規模自然災害等から国及び国民を守るためには、大規模自然災害等の発生から七十二時間を経過するまでの間において、人員、物資、資金等の資源を、優先順位を付けて大規模かつ集中的に投入することができるよう、事前に備えておくことが必要である。このためには、国や地方公共団体だけではなく、地域住民、企業、関係団体等も含めて被災状況等の情報を共有すること、平時から大規模自然災害等に備えておくこと及び新たな技術革新に基づく最先端の技術や装置を活用することが不可欠である。加えて、東日本大震災により甚大な被害を受けた地域の復旧復興に国を挙げて取り組み、災害に強くしなやかな地域社会を再構築することを通じて被災地に希望を与えることも重要である。
 さらに、我が国のこのような大規模自然災害等に備える取組を諸外国に発信することにより、国際競争力の向上に資するとともに災害対策の国際的な水準の向上に寄与することも、東日本大震災を経験した我が国が果たすべき使命の一つである。
 ここに、強くしなやかな国民生活の実現を図る国土強靱(じん)化の取組を推進するため、この法律を制定する。
 第一条中「、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある大規模災害等(以下単に「大規模災害等」という。)から国民の生命、身体及び財産を保護し、並びに大規模災害等の国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることの重要性に鑑み」を削り、「大規模災害等に」を「国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある大規模自然災害等(以下単に「大規模自然災害等」という。)に」に、「強靱(じん)な」を「強靱な」に改める。
 第二条中「大規模災害等」を「大規模自然災害等」に改める。
 第八条第一号中「整備」の下に「、防災又は減災に関する専門的な知識又は技術を有する人材の育成及び確保」を、「防災教育の推進」の下に「、災害から得られた教訓及び知識を伝承する活動の推進」を加え、「大規模災害等」を「大規模自然災害等」に改め、同条第二号から第四号までの規定中「大規模災害等」を「大規模自然災害等」に改め、同条に次の三号を加える。
 五 予測することができない大規模自然災害等が発生し得ることを踏まえ、施設等の整備に関しない施策と施設等の整備に関する施策を組み合わせた国土強靱化を推進するための体制を早急に整備すること。
 六 事前防災及び減災のための取組は、自助、共助及び公助が適切に組み合わされることにより行われることを基本としつつ、特に重大性又は緊急性が高い場合には、国が中核的な役割を果たすこと。
 七 現在のみならず将来の国民の生命、身体及び財産を保護し、並びに国民生活及び国民経済を守るために実施されるべき施策については、人口の減少等に起因する国民の需要の変化、社会資本の老朽化等を踏まえるとともに、財政資金の効率的な使用による当該施策の持続的な実施に配慮して、その重点化を図ること。
 第九条第四号を削り、同条第五号を同条第四号とし、同条に次の三号を加える。
 五 国土強靱化の推進を図る上で必要な事項を明らかにするため、大規模自然災害等に対する脆弱性の評価(以下「脆弱性評価」という。)を行うこと。
 六 人命を保護する観点から、土地の合理的な利用を促進すること。
 七 科学的知見に基づく研究開発の推進及びその成果の普及を図ること。
 第十七条第一項中「大規模災害等に対する脆(ぜい)弱性の評価(以下「脆弱性評価」という。)」を「脆弱性評価」に改め、同条第六項を同条第八項とし、同条第五項を同条第七項とし、同条第四項を同条第五項とし、同項の次に次の一項を加える。
6 本部は、国土強靱化基本計画の案の作成に当たっては、脆弱性評価の結果の検証を受け、作成手続における透明性を確保しつつ、公共性、客観性、公平性及び合理性を勘案して、実施されるべき国土強靱化に関する施策の優先順位を定め、その重点化を図らなければならない。
 第十七条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 脆弱性評価は、起きてはならない最悪の事態を想定した上で、科学的知見に基づき、総合的かつ客観的に行うものとする。
 第二十六条中「政府は、」の下に「大規模自然災害等への対処に係る事務の総括及び情報の集約に関する機能の強化の在り方その他の」を加える。

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