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     電波法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案要綱


第一 電波法の一部改正関係
一 競争による免許の付与等
1 総務大臣は、電波の需給のひっ迫の程度、公益上の必要性等を勘案して適当と認める場合には、競争により、無線局の免許又は包括免許の申請を行うことができる者を選定することができることとし、この場合においては、総務大臣は、競争に付する無線局及びその使用する周波数を公示することとすること。
2 1の競争への参加の申請は、総務大臣が公示する期間内に行わなければならないこととすること。
3 1の競争は、無線局の免許を受けた場合において利用できる電波の経済的価値に相当する金額について、競りの方法をもって行うこととすること。
4 競争を経て与えられる免許(義務船舶局及び義務航空機局の免許を除く。)の有効期間は、十五年を超えない範囲内において総務大臣が定める期間とすること。
5 総務大臣は、1による競争に付そうとするときには、電波監理審議会に諮問しなければならないこととすること。
6 その他競争による免許の付与等について所要の規定の整備をすること。
二 電波利用料の徴収等
1 免許人は、電波利用料として、総務省令で定める算定基準に従い総務大臣が決定する金額を国に納めなければならないこととすること。
2 1の総務省令は、周波数の帯域、空中線電力、地理的条件等を勘案し、電波利用料の金額に電波の経済的価値が適切に反映されるように定められなければならないこととすること。
3 一の1の競争を経て免許を受けた無線局の免許人については、最初の免許の有効期間については、1の電波利用料は徴収しないこととすること。
4 一の1の競争により選定された者が免許を受けるときは、政令で定めるところにより、当該競争に係る競落額に相当する金額を国に納めなければならないこととすること。
5 その他電波利用料の徴収等について所要の規定の整備をすること。
三 特定周波数終了対策業務
1 総務大臣は、その公示する無線局(以下「特定公示局」という。)の円滑な開設を図るため、電波の有効利用の程度の評価の結果に基づき周波数割当計画を変更して、一定の期間に満たない範囲内で当該特定公示局以外の無線局に割り当てることが可能である周波数について使用の期限を定める場合に、予算の範囲内で、当該期限の満了日までに無線局の周波数の指定の変更を申請等しようとする免許人に対して、当該期限が定められたことにより通常生ずる費用に充てるための給付金の支給等の援助(以下「特定周波数終了対策業務」という。)を行うことができることとすること。
2 総務大臣は、その登録を受けた者に、特定周波数終了対策業務を行わせることができることとすること。
3 総務大臣は、電波の有効利用の程度の評価の結果に基づき周波数割当計画を変更して特定の無線局区分に割り当てることが可能な周波数に使用の期限を定めたときは、当該期限の到来後に、当該期限に係る周波数の電波を使用している無線局の周波数の指定を変更等することができることとすること。
4 特定周波数終了対策業務に係る特定公示局が第四条第三号の無線局のみである場合における当該特定公示局(以下「特定免許不要局」という。)のうち電気通信業務等の用に供する無線局に専ら使用される無線設備を使用するものを開設した者は、十年以内で政令で定める期間を経過する日までの間は、毎年開設している当該無線局の数等を総務大臣に届け出て、電波利用料として、総務省令で定める金額を国に納めなければならないこととすること。
5 特定免許不要局に使用される無線設備(電気通信業務等の用に供する無線局に専ら使用されるものを除く。)に、十年以内で政令で定める期間を経過する日までの間に技術基準に係る表示を付した者(以下「表示者」という。)は、毎年一年間に表示を付した無線設備の数等を届け出て、電波利用料として、総務省令で定める金額を国に納めなければならないこととすること。
6 4及び5の総務省令で定める金額は、特定周波数終了対策業務に係る特定免許不要局を開設する者が受ける利益を勘案して定めなければならないこととすること。
7 表示者は総務大臣の承認を受けて、5により納付すべき電波利用料の見込み額を予納することができることとし、その予納した見込額の還付について所要の規定を設けることとすること。
四 電波伝搬障害防止制度
電気通信業務用無線局に係る伝搬障害防止区域内において建築する一定の高層建築物等の建築主に対する工事制限期間を三年間から二年間に短縮することとすること。
五 暗号通信復元罪
1 暗号通信(通信の当事者以外の者がその内容を復元できないようにするための措置が行われた無線通信をいう。)の傍受等をした者が、その秘密を漏らし、又は窃用する目的で、その内容を復元したときは、処罰されるものとすること。
2 1の罪は、刑法第四条の二の例に従うものとすること。
六 その他
五に掲げるもののほか罰則について所要の規定を設けることその他規定の整備をすること。
第二 電波法の一部改正関係
一 無線局の登録制度
1 電波を発射しようとする場合において当該電波と周波数を同じくする電波を受信することにより一定の時間自己の電波を発射しないことを確保する機能を有する無線局その他無線設備の規格を同じくする他の無線局の運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないように運用することのできる無線局であって、適合表示無線設備のみを使用するものを総務省令で定める区域内に開設しようとする者は、総務大臣の登録を受けなければならないこととすること。
2 登録を受けなければならない無線局を二以上開設しようとする者は、その無線局が周波数及び無線設備の規格を同じくするものである限りにおいて、これらの無線局を包括して対象とする登録を受けることができることとすること。
3 2の登録を受けた者は、その登録に係る無線局を開設したときは、当該無線局に係る運用開始の期日等を総務大臣に届け出なければならないこととすること。
4 総務大臣は、申請に係る無線設備の設置場所が総務省令で定める区域以外である場合等には、登録を拒否しなければならないこととし、申請者が電波法等に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられた日から二年を経過しない者等に該当する場合等には、登録を拒否することができることとすること。
5 登録を受けた者(以下「登録人」という。)が電波法等に違反したとき、又は技術基準に適合しない無線設備を使用することにより他の登録を受けて開設する無線局(以下「登録局」という。)の運用に悪影響を及ぼすおそれがあるときその他登録局の運用が適正を欠くため電波の能率的な利用を阻害するおそれが著しいときは、三箇月以内の期間を定めて、その登録の全部又は一部の効力を停止することができることとすること。
6 総務大臣は、登録人が不正な手段により登録を受けたとき等に該当するときは、その登録を取り消すことができることとすること。
7 総務大臣は、登録局のうち特定の周波数の電波を使用するものが著しく多数であり、その登録局が更に増加することにより他の無線局の運用に重大な影響を与えるおそれがある場合で必要と認めるときは、登録局の登録人に対し、登録に係る無線局の開設を禁止等することができることとすること。
二 その他
罰則について所要の規定を設けることその他規定の整備をすること。
第三 有線電気通信法の一部改正関係
一 第十四条の罪及びその未遂罪は、刑法第四条の二の例に従うものとすること。
二 その他規定の整備をすること。
第四 施行期日等
一 この法律の施行期日、経過措置等について定めること。
二 その他関係法律について所要の改正を行うこと。

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