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   特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法案要綱


第一 趣旨
この法律は、近年における我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、我が国の平和及び安全を維持するため、特定船舶の入港を禁止する措置について定めるものとすること。          (第一条関係)
第二 定義
一 この法律において「外国」とは、本邦以外の地域をいうものとすること。   (第二条第一項関係)
二 この法律において「特定船舶」とは、次に掲げる船舶のうち第三の一の閣議決定で定めるものをいうものとすること。                             (第二条第二項関係)
  1 第三の一の閣議決定で定める特定の外国(以下「特定の外国」という。)の国籍を有する船舶
  2 第三の一の閣議決定で定める入港が禁止される期間(以下「入港禁止の期間」という。)のうち当該閣議決定で定める日以後の期間に特定の外国の港に寄港した船舶(1に掲げるものを除く。)
  3 1及び2に掲げるもののほか、特定の外国と1又は2の関係に類する特定の関係を有する船舶
第三 入港禁止の決定
一 我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があると認めるときは、閣議において、期間を定めて、特定船舶について、本邦の港への入港を禁止することを決定することができるものとすること。
 (第三条第一項関係)
二 一の閣議決定においては、次に掲げる事項を定めなければならないものとすること。
                                      (第三条第二項関係)
  1 入港禁止の理由
 2 特定の外国
  3 特定船舶
  4 入港禁止の期間
 5 第二の二の2の船舶を特定船舶とする場合にあっては、第二の二の2に規定する日
  6 第六の一により特定船舶を出港させなければならない期日
  7 その他入港禁止の実施に関し必要な事項
三 一の閣議決定後、二に掲げる事項の変更(当該閣議決定に基づく入港禁止の一部の実施の終了を内容とする変更を除く。)の必要が生じたときは、閣議において、当該閣議決定の変更を決定することができるものとすること。                           (第三条第三項関係)
第四 告示
内閣総理大臣は、第三の一又は三の閣議決定があったときは、直ちに、その内容を告示しなければならないものとすること。                               (第四条関係)
第五 国会の承認
一 政府は、第四による告示があったときは、当該告示の日から二十日以内に国会に付議して、第三の一又は三の閣議決定に基づく入港禁止の実施につき国会の承認を求めなければならないものとすること。ただし、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会において、速やかに、その承認を求めなければならないものとすること。    (第五条第一項関係)
二 政府は、一の場合において不承認の議決があったときは、速やかに、当該議決に係る入港禁止の実施を終了させなければならないものとすること。この場合においては、内閣総理大臣は、直ちに、その旨を告示しなければならないものとすること。                 (第五条第二項関係)
第六 入港禁止の実施
一 第三の一又は三の閣議決定があったときは、当該閣議決定で定める特定船舶の船長(船長がその職務を行うことができない場合においては、船長に代わってその職務を行う者。以下同じ。)は、当該特定船舶に係る入港禁止の期間において、当該特定船舶を本邦の港に入港させてはならず、また、当該入港禁止の期間が開始された際現に当該閣議決定で定める特定船舶が本邦の港に入港している場合においては、当該特定船舶の船長は、当該閣議決定で定める期日までに、当該特定船舶を本邦の港から出港させなければならないものとすること。ただし、遭難又は人道上の配慮をする必要があることその他のやむを得ない特別の事情がある場合は、この限りでないものとすること。      (第六条第一項関係)
二 一の特別の事情は、閣議において、決定するものとすること。この場合においては、内閣総理大臣は、直ちに、その内容を告示しなければならないものとすること。          (第六条第二項関係)
第七 入港禁止の終了
第三の一又は三の閣議決定後、当該閣議決定に基づく入港禁止の全部若しくは一部を実施する必要がなくなったと認めるとき又は国会が当該閣議決定に基づく入港禁止の全部若しくは一部の実施を終了すべきことを議決したときは、速やかに、閣議において、当該入港禁止の全部又は一部の実施を終了することを決定しなければならないものとすること。この場合においては、内閣総理大臣は、直ちに、その旨を告示しなければならないものとすること。                        (第七条関係)
第八 国際約束の誠実な履行
この法律の施行に当たっては、我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることがないよう留意しなければならないものとすること。                   (第八条関係)
第九 罰則
第六の一に違反した船長は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。                                 (第九条関係)
第十 その他
一 この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行するものとすること。
(附則第一項関係)
二 国は、この法律の施行の状況、我が国を取り巻く国際情勢等にかんがみ、必要があると認めるときはこの法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて廃止を含め必要な措置を講ずるものとすること。                                    (附則第二項関係)

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