道路運送法の一部を改正する法律案要綱
第一 目的の改正
この法律の目的において、一般乗用旅客自動車運送事業の公正な競争を確保することを明示するものとすること。 (第一条関係)
第二 一般乗用旅客自動車運送事業の許可基準の追加
国土交通大臣は、一般乗用旅客自動車運送事業について、その許可をしようとするときは、道路運送法第六条第一項各号に掲げるもののほか、当該事業の開始が当該営業区域の輸送需要に対し適切なものであるかどうかを審査するものとすること。 (第六条第二項関係)
第三 緊急調整措置の廃止
緊急調整措置を廃止するものとすること。 (第八条関係)
第四 一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金の認可基準の見直し
一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金について、その認可基準を能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること及び他の一般旅客自動車運送事業者(一般乗用旅客自動車運送事業者を除く。)との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがないものであることとすること。
(第九条の三関係)
第五 事業計画の変更の届出の見直し
一般乗用旅客自動車運送事業者が営業所ごとに配置する事業用自動車の数に係る事業計画の変更は、国土交通大臣の認可を受けなければならないものとすること。 (第十五条第一項関係)
第六 事故の報告の対象の拡大
一般乗用旅客自動車は、その事業用自動車により人の死傷その他の事故を引き起こしたときは、遅滞なく事故の種類、原因その他の事項を国土交通大臣に届け出なければならないものとすること。
(第二十九条第二項関係)
第七 事業の休止及び廃止の届出の見直し
一 一般乗用旅客自動車運送事業者は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、国土交通大臣の許可を受けなければならないものとすること。
二 国土交通大臣は、当該休止又は廃止によつて公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除くほか、一の許可をしなければならないものとすること。
三 一の許可は、一年を超える期間についてすることができないものとすること。
四 一から三までは、道路又は橋梁(りょう)の損壊その他正当な事由に基づく事業の休止又は廃止については、適用しないものとすること。
五 一般乗用旅客自動車運送事業者は、事業の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、その旨を営業所その他の事業所において公衆に見やすいように掲示しなければならないものとすること。 (第三十九条関係)
第八 施行期日等
一 施行期日
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。 (附則第一条関係)
二 経過措置
1 一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金の認可基準の見直しについては、この法律による改正前の道路運送法第九条の三第一項の認可を受けている運賃及び料金は、この法律の施行の日から六月間はこの法律による改正後の道路運送法第九条の三第一項の認可を受けた運賃及び料金とみなすものとすること。
2 その他この法律の施行に関し経過措置に関する規定を設けるものとすること。
(附則第二条から第六条まで関係)
三 検討
政府は、一般乗用旅客自動車運送事業者が地域における公共交通機関の担い手としての重要な役割を有していることにかんがみ、一般乗用旅客自動車運送事業並びにその用に供する自動車の運転者の資格及び登録に関する制度の在り方について検討を加え、その結果に基づき、速やかに、必要な措置を講ずるものとすること。 (附則第七条関係)
四 その他
その他所要の規定を整備するものとすること。