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   環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律の一部を改正する法律案要綱


第一 題名の改正
  法律の題名を、「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」に改めること。(題名関係)
第二 目的規定及び責務規定の改正
  目的規定及び責務規定において、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育を効果的に進める上で協働取組の推進が重要であることを明確化すること。  (第一条及び第四条から第六条まで関係)
第三 定義の追加等
 一 この法律において「環境保全活動」とは、地球環境保全、公害の防止、生物の多様性の保全等の自然環境の保護及び整備、循環型社会の形成その他の環境の保全(良好な環境の創出を含む。)を主たる目的として自発的に行われる活動をいうこと。                (第二条第一項関係)
 二 この法律において「環境教育」とは、持続可能な社会の構築を目指して、家庭、学校、職場、地域その他のあらゆる場において、環境と社会、経済及び文化とのつながりその他環境の保全についての理解を深めるために行われる環境の保全に関する教育及び学習をいうこと。    (第二条第三項関係)
 三 この法律において「協働取組」とは、国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割を分担しつつ対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組をいうこと。               (第二条第四項関係)
第四 基本理念の改正
  基本理念に、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育について、地球規模の視点に立って環境の保全と経済及び社会の発展を統合的に推進することの重要性を踏まえること並びに生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度が養われることを旨として行われること等を明記すること。
                                 (第三条第一項及び第二項関係)
第五 基本方針において定める事項の改正
 一 基本方針に、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関する事項を定めるものとすること。                   (第七条第一項及び第二項関係)
 二 基本方針を定めるに当たっては、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関する国際的な連携の確保並びに持続可能な社会の構築に資する経済的、社会的な取組の促進に配慮しなければならないこと。                     (第七条第三項関係)
第六 都道府県及び市町村の行動計画
 一 都道府県及び市町村は、基本方針を勘案して、その都道府県又は市町村の区域の自然的社会的条件に応じた環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関する行動計画を作成するよう努めるものとすること。                    (第八条第一項関係)
 二 都道府県及び市町村は、行動計画の作成に関する協議及び行動計画の実施に係る連絡調整を行うための環境教育等推進協議会を組織することができること。            (第八条の二関係)
 三 学校教育及び社会教育の関係者、国民、民間団体等、学識経験者等は、都道府県又は市町村に対して、行動計画の作成又は変更をすることを提案することができ、当該都道府県又は市町村は、当該提案に基づき行動計画の作成又は変更をするか否かについて、公表するよう努めるものとすること。
                          (第八条の三関係)
第七 学校教育等における環境教育に係る支援等に係る規定の改正
 一 国、都道府県及び市町村は、国民が、幼児期からその発達段階に応じ、あらゆる機会を通じて環境の保全についての理解と関心を深めることができるよう、学校教育及び社会教育における環境教育の推進に必要な施策を講ずるものとすること。                  (第九条第一項関係)
 二 国は、環境と人との関わりが総合的に理解できるよう、学校教育において各教科その他の教育活動を通じて発達段階に応じた体系的な環境教育を行うことを促進するため、環境の保全に関する体験学習等の学校教育における環境教育の充実のための措置、教育職員の研修の内容の充実その他の環境教育に係る教育職員の資質の向上のための措置、参考となる資料等の情報の提供、教材の開発その他の必要な措置を講ずるものとすること。                       (第九条第二項関係)
 三 国は、環境教育の教材として活用するとともに、環境への負荷を低減するため、校舎、運動場等の学校施設その他の施設の整備の際に適切な配慮を促進するとともに、当該施設を活用し、教育を通じた環境保全活動を促進するよう必要な措置を講ずるものとすること。       (第九条第三項関係)
 四 都道府県及び市町村は、二及び三の国の施策に準じて、学校教育及び社会教育における環境教育の促進に必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。            (第九条第四項関係)
第八 職場における環境保全の意欲の増進及び環境教育に係る規定の改正
  民間団体、事業者、国及び地方公共団体は、国民の環境の保全に関する知識及び技能を向上させるため、職場において学生の就業体験その他の必要な体験の機会の提供に努めるものとすること。
                                      (第十条第三項関係)
第九 環境教育等支援団体の指定等
  主務大臣は、環境保全活動、環境保全の意欲の増進若しくは環境教育又は協働取組を行う国民、民間団体等を支援するため、特定非営利活動法人その他の営利を目的としない民間の団体であって、一定の基準に適合すると認められるものを、その申請により、環境教育等支援団体として指定することができることとし、その指定等に係る所要の規定の整備を行うこと。             (第十条の二関係)
第十 人材認定等事業の登録対象範囲の追加
  人材認定等事業の登録対象範囲に、協働取組の促進に必要な能力を有する者を育成し、又は認定する事業並びに環境保全の意欲の増進又は環境教育に関する教材を開発し、及び提供する事業を追加すること。
(第十一条第一項関係)
第十一 体験の機会の場の認定等
  土地又は建物の所有者又は使用及び収益を目的とする権利を有する者(国民、民間団体等に限る。)は、当該土地又は建物を自然体験活動の場その他の多数の者を対象とするのにふさわしい環境保全の意欲の増進に係る体験の機会の場として提供する場合には、当該体験の機会の場で行う事業の内容等が一定の要件に適合している旨の都道府県知事(当該土地又は建物が二以上の都府県にわたる場合にあっては、主務大臣)の認定を受けることができることとし、その認定等に係る所要の規定の整備を行うこと。
                              (第二十条から第二十条の十まで関係)
第十二 政策形成への民意の反映等
  国及び地方公共団体は、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組に関する政策形成に民意を反映させるため、政策形成に関する情報を積極的に公表するとともに、国民、民間団体等その他の多様な主体の意見を求め、これを十分考慮した上で政策形成を行う仕組みの整備及び活用を図るよう努めるものとすること。                    (第二十一条の二第一項関係)
第十三 民間団体の公共サービスへの参入の機会の増大等
 一 国及び独立行政法人等は、環境の保全に関する公共サービスの実施に当たっては、民間団体がその専門的な知見又は地域の特性を生かすことができる分野において、当該民間団体の参入の機会の増大を図るよう努めるとともに、経済性に留意しつつ価格以外の多様な要素をも考慮して、協働取組による当該公共サービスの効果が十分に発揮される契約の推進に努めるものとすること。
                             (第二十一条の三第一項及び第二項関係)
 二 地方公共団体は、一の施策に準じて、民間団体の参入の機会の増大及び協働取組による公共サービスの実施の効果が十分に発揮される契約の推進に努めるものとすること。(第二十一条の三第四項関係)
第十四 環境保全に係る協定の締結等
 一 国又は地方公共団体及び国民、民間団体等は、協働取組を推進するための役割分担を定めた協定の締結並びに当該協定の作成に関する協議及び当該協定の実施に係る連絡調整を行うための協議会の設置を行うことができること。                     (第二十一条の四第一項関係)
 二 国は、協定の締結を行った場合には、インターネットの利用その他適切な方法により協定の内容等を公表するとともに、国及び国民、民間団体等は、当該協定に定める事項の実施の状況について評価を行い、その結果を公表すること。             (第二十一条の四第二項及び第三項関係)
 三 地方公共団体は、協定の締結を行った場合には、国の措置に準じて、必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。                        (第二十一条の四第四項関係)
第十五 国民、民間団体等による協定の届出等
  国民、民間団体等が協働取組の推進に関し協定を締結した場合には、当該国民、民間団体等は、都道府県知事(当該取組が二以上の都道府県にわたる場合にあっては、主務大臣)に対し、当該協定を届け出ることができるとともに、当該都道府県知事は、その協定の内容が、環境の保全上の効果を有するものであり、かつ、法令に違反しないと認めるときは、インターネットの利用その他適切な方法により協定の内容等を公表するよう努めるものとし、その届出等に係る所要の規定の整備を行うこと。      
(第二十一条の五関係)
第十六 経済的価値が付与される仕組みを通じた国民の環境の保全に配慮する行動の促進
  国及び地方公共団体は、国民の環境の保全に配慮する行動に対して経済的価値が付与される仕組みの普及を通じて、当該行動を促進するよう努めるものとすること。          (第二十二条関係)
第十七 財政上の措置等の対象の明記
  財政上又は税制上の措置その他の措置を講ずる対象として、認定体験の機会の場の提供、環境の保全に資する活動の事業化、環境の保全に関する人材の育成を明記すること。 (第二十二条の二第一項関係)
第十八 優れた環境教育等の取組に対する表彰
  主務大臣は、環境保全活動、環境保全の意欲の増進若しくは環境教育又は協働取組を行う国民、民間団体等で、持続可能な社会の構築に関し特に顕著な功績があると認められるものに対し、表彰を行うことができること。                           (第二十二条の二第二項関係)
第十九 環境教育等推進会議
 一 政府は、環境省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省その他の関係行政機関の職員をもって構成する環境教育等推進会議を設け、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の総合的、効果的かつ効率的な推進を図るための連絡調整を行うものとすること。
                                  (第二十四条の二第一項関係)
 二 環境教育等推進会議に、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関し専門的知識を有する者によって構成する環境教育等推進専門家会議を置き、環境教育等推進専門家会議は、環境教育等推進会議に必要な進言を行うこと。  (第二十四条の二第二項及び第三項関係)
第二十 その他
 一 この法律の施行期日について定めること。                 (附則第一条関係)
 二 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律(以下「新法」という。)の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。               (附則第二条第一項関係)
 三 学校教育における環境教育については、新法の目的を踏まえ、この法律の施行後における学校教育における環境教育の実施状況等を勘案し、教育職員を志望する者の育成の在り方を含め、環境教育の充実のための措置について検討が加えられ、その結果に基づき、必要な措置が講ぜられるものとすること。
                                    (附則第二条第二項関係)
 四 登録免許税法の一部を改正し、環境の保全に係る人材認定等事業の登録又は体験の機会の場の認定の登録免許税は、一件につき一万五千円とすること。              (附則第三条関係)
 五 その他所要の規定の整備を行うこと。

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