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行政改革の総合的かつ集中的な実行に関する法律案要綱

第一 総則
 一 目的
   この法律は、真に国民のために必要な行政サービスを提供することができ、かつ、国民に信頼される行政構造を構築するとともに、現下の厳しい経済財政状況に的確に対処することが喫緊の課題であることに鑑み、平成27年度末までの期間(以下「集中改革期間」という。)における行政改革について、その基本理念、国及び地方公共団体の責務、基本方針、工程表その他の重要事項を定めるとともに、行政改革実行本部及び行政構造改革会議を設置することにより、集中改革期間以後においても行政構造が社会経済情勢の変化等に対応して自律的かつ持続的に改善され又は刷新されていく体制を構築することを目指して、総合的かつ集中的に実行し、もって国民が安心して生活することができる豊かな社会及び活力ある経済を実現することを目的とすること。         (第1条関係)

 二 基本理念
   集中改革期間における行政改革は、次に掲げる事項を基本理念として、集中改革期間以後においても行政構造が社会経済情勢の変化等に対応して自律的かつ持続的に改善され又は刷新されていく体制を構築することを目指して、総合的かつ集中的に実行されるものとすること。
  1 国民本位の行政の実現
    行政機関の保有する情報の公開を基本として、行政運営の透明性の一層の向上及び行政機関の違法又は不当な行為を是正する手段の改善等を図り、国民に分かりやすく、かつ、親しみやすい国民本位の行政を実現すること。
  2 行政に係る資源配分の最適化
    行政の事務及び事業に係る経費がその便益と比較して過大となっていること等の行政の組織及び運営の無駄及び非効率の排除を徹底し、行政機関が担う分野を縮小するとともに、提供されるべき行政サービスの重点化及びその優先順位の明確化を図ることにより、行政に係る資源を最も適切に配分し、効果的かつ効率的な行政サービスを国民に提供できる体制を構築すること。
  3 新しい公共の構築
    公共に関する事務及び事業の分野のうち市民、非営利活動を行う団体、民間事業者その他民間の主体が担う分野を拡大するとともに、行政サービスその他の公共サービスの質を維持向上させつつ、公共サービスの担い手の多様化を図ること(以下「新しい公共の構築」という。)。       (第2条関係)
 
三 国及び地方公共団体の責務
  1 国の責務
    国は、二の基本理念にのっとり、集中改革期間における行政改革を総合的かつ集中的に実行する責務を有すること。          (第3条関係)
  2 地方公共団体の責務
    地方公共団体は、二の基本理念にのっとり、集中改革期間における行政改革を実行するよう努めなければならないこと。        (第4条関係)

第二 行政改革の基本方針
 一 通則
  1 政府による講ずべき措置の実施
    政府は、集中改革期間において、二に掲げる重点分野について、当該重点分野ごとに定める行政改革の基本方針に基づき、必要な措置を講ずるものとすること。                         (第5条関係)
  2 行政構造改革会議による政府の講ずべき措置の調査審議及び提言
   @ 行政構造改革会議は、三に掲げる重点分野について、当該重点分野ごとに定める行政改革の基本方針に基づき、政府の講ずべき措置を調査審議し、内閣総理大臣に提言するものとすること。
A @の提言には、数値目標等を定めることが客観的に困難であると認められる場合を除き、@の措置に係る数値目標等を含めるものとすること。
                      (第6条関係)
 
二 政府の講ずべき措置に係る重点分野及び各重点分野における行政改革の基本方針
  1 国家公務員の総人件費に係る行政その他人事行政に関する分野
   (1) 国家公務員の総人件費改革の推進
     国家公務員の総人件費改革については、行政改革実行本部が、その在り方を総合的に検討し、必要な措置を講ずるものとすること。  (第7条関係)
   (2) 国家公務員であった者の独立行政法人への再就職に係る適正化のための措置
     国家公務員であった者が独立行政法人の役員に再就職する場合においては、次に掲げる措置が講ぜられるよう、必要な法制上の措置を講ずるものとすること。
    @ 公募の方法による選考を経ること。
    A 独立行政法人の理事長の任命に当たっては、当該独立行政法人を所管する大臣は、当該独立行政法人の役員の地位に就いていた国家公務員であった者の人数並びに所属していた府省及び役職等を考慮すること。
    B 独立行政法人の理事の任命に当たっては、当該独立行政法人を所管する大臣が、当該独立行政法人の理事長に対して、Aの措置に準じた措置を講ずるよう指示すること。               (第8条関係)
   (3) 国家公務員であった者の独立行政法人への再就職に関する情報の公表等のための措置
     国家公務員であった者がその役員の地位に就いている独立行政法人は、次に掲げる事項をインターネットその他適切な方法により公表するとともに、当該独立行政法人を所管する大臣に報告するものとすること。
    @ 当該役員の氏名、年齢、経歴その他政令で定める事項
    A 当該役員が所属していた府省と当該独立行政法人との予算上又は法律上の結び付きを示すものとして政令で定める事項    (第9条関係)
   (4) 独立行政法人の役員の定年制等に係る措置
     独立行政法人の役員については、定年制を設けるとともに、その報酬の額の上限を定めるものとすること。           (第10条関係)
   (5) 国家公務員であった者の特殊法人及び認可法人への再就職等に係る適正化並びにこれに関する情報の公表等のための措置
     特殊法人及び認可法人のうち、これらの法人を所管する大臣にその役員の任命権その他の人事に係る権限があるものについては、(2)から(4)までに準じた措置を講ずる等これらの法人の性質を踏まえた適切な措置を講ずるものとすること。                    (第11条関係)
  2 予算の執行等に関する分野
   (1) 予算及び決算の透明性の一層の確保に係る措置
     予算及び決算については、その透明性の一層の確保を図るため、予算及び決算に係る情報、両者の関係その他適切な情報を、国民に分かりやすい形で、かつ、国民が利用し又は活用しやすい方法により提供するための方策を検討し、必要な措置を講ずるものとすること。        (第12条関係)
   (2) 行政事業レビューによる各府省が所掌する事務及び事業の見直しに係る措置
    @ 各府省が所掌する事務及び事業については、次に掲げる取組(以下「行政事業レビュー」という。)を実施し、定期的に、その事務及び事業の見直しを行うものとすること。
     ア 各府省が所掌する事務及び事業に係る予算の執行状況等について、個別の事務及び事業ごとに整理した上で、毎会計年度終了後速やかに必要性並びに経済性、効率性及び有効性の観点その他必要な観点から検証して当該事務及び事業の見直しを行い、その結果を予算の概算要求及び執行に反映させるとともに、それらの結果を公表すること。
     イ アの検証を行うに当たっては、各府省が所掌する事務及び事業に係る予算の執行状況等を分かりやすい形で公表するとともに、学識経験者の意見を聴くこと。この場合において、一定以上の規模の事務及び事業その他の事務及び事業のうち適当と認められるものについては、学識経験者を参画させた公開の会合における評価を求めること。
    A 行政事業レビューの実施に当たっては、@アの公表、@イの評価その他の関連する手続について、各府省に共通する手続を定め、これを統一的に実施するものとすること。             (第13条関係)
   (3) 人事評価における歳出の無駄の排除等に関する目標の設定等に係る措置
     各府省が行う人事評価については、行政の事務及び事業に係る経費と便益との均衡に係る意識の向上及び歳出の無駄の排除を徹底するため、当該人事評価において、当該意識の向上及び無駄の排除に関する目標の設定を指示する取組を普及させることその他必要な措置を講ずるものとすること。               
(第14条関係)
   (4) 共通事務の集約による効率化等に係る措置
     物品及び役務の調達(以下単に「調達」という。)並びに旅費の管理に関する事務その他の各行政機関に共通する事務に関しては、当該事務の集約による効率化及び民間事業者への委託による減量の在り方について、平成25年度末までを目途に検討し、必要な措置を講ずるものとすること。                 
(第15条関係)
   (5) 調達に係る制度の改善に係る措置
    @ 政府全体としての調達の効率化の推進に係る措置
      調達については、政府全体としてその効率化を推進するため、次に掲げる措置を講ずるものとすること。
     ア 調達の効率化の推進に関する中期目標(物品及び役務の種類ごとのものを含む。)の設定について検討すること。
     イ 個別の調達について、経済性、効率性及び有効性の観点その他必要な観点から検証するための事後評価の実施に関する基本的な事項を定めること。
     ウ 調達に関するデータベースについて検討し、必要な措置を講ずること。                  
(第16条関係)
    A 各府省における調達に関する目標及び計画の作成等に係る措置
     ア 各府省は、調達に関し、その実施の結果を評価し、その評価を企画及び立案に反映させる手続を確立することを通じて、調達の効率化を図るため、@アの中期目標その他の政府の調達の効率化の推進に関する方針を踏まえて具体的な目標を定めるとともに、調達改善計画を作成するものとすること。
     イ 調達改善計画には、随意契約の見直し、各府省が共同して行う調達の推進、支払におけるクレジットカードの活用、競り下げの方法を用いる調達等におけるインターネットの積極的な活用その他調達の効率化に関する取組について記載するものとすること。
     ウ 調達改善計画の内容及び実施の状況については、定期的に検証し、その検証の結果を公開するとともに、当該結果に基づき、調達の改善のために必要な措置を講ずるものとすること。      (第17条関係)
    B 調達における競争性及び透明性の確保に係る措置
     ア 随意契約については、その実態を把握し、その結果を公表すること等により透明性の確保に努めるとともに、当該結果に基づき、一般競争入札への移行に努めるものとすること。
     イ 随意契約による支出その他国の契約については、各行政機関共通のシステムの見直し等を通じて、その情報を開示し、検証が可能となる仕組みを検討し、その効率化を目指すものとすること。
     ウ 入札に参加した者の数が一であるものその他の実質的に競争性が確保されていないおそれがある入札については、その実態を検証した上で、入札への参加に係る条件及び仕様書の見直し等により、入札に参加する者が増加するような環境を整備し、入札における公正な競争の確保に努めるものとすること。
     エ 価格及びその他の条件を総合的に評価して落札者を決定する方法による入札については、その透明性、中立性及び公正性を確保するため、その評価の在り方について検討し、各行政機関共通の指針を作成する等必要な措置を講ずるものとすること。
     オ 入札に関する規制の在り方については、入札の一層の適正化を図るため、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律(平成14年法律第101号)に規定する職員その他の者に対する罰則に関して検討し、必要な措置を講ずるものとすること。               (第18条関係)
    C 競り下げの方法を活用した調達の実施に係る措置
      競り下げの方法を活用した調達については、経費の削減が見込まれる品目等を対象として、その対象となる範囲を試験的に拡大するとともに、調達価格の適正を確保することに留意しつつ、調達に係る経費の削減の効果等につき十分な検証を行った上で、円滑かつ適正に実施するために必要な措置を講ずるものとすること。            (第19条関係)
    D 新たな契約者選定方式の導入に係る措置
      調達における契約の相手方の選定の方法については、民間事業者の創意工夫を引き出すため、複数の事業者に提案を行わせ、個別の交渉を通じて契約者を選定する方式の導入について検討し、その実施のための指針を作成するものとすること。              (第20条関係)
   (6) 旅費に関する事務の効率化に係る措置
     旅費に関する事務については、その効率化を図るため、その管理に関する各行政機関共通のシステムの導入を踏まえ、旅費の支給に関する指針を見直すとともに、民間事業者への事務の委託の推進、仕様書の見直し等を検討し、必要な措置を講ずるものとすること。          (第21条関係)
  3 国有資産等に関する分野
   (1) 未利用又は利用の程度が低い国有地等の売却等及び国庫納付の活用に係る措置
     未利用又は利用の程度が低い国有地(国家公務員の宿舎の削減に伴うその跡地を含む。)その他の国の保有する資産(株式を除く。)及び独立行政法人の保有する資産については、平成28年度末までの間に、売却等による収入の合計額が5,000億円以上となることを目安として、不動産市場の動向等を踏まえつつ、必要な措置を講ずるほか、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)の規定による国庫への納付を活用するものとすること。       
(第22条関係)
   (2) 施設命名権の活用に係る措置
     国及び独立行政法人の保有する施設については、施設命名権の活用に努めるものとすること。                 (第23条関係)
   (3) 国の保有する株式の売却の促進に係る措置
    @ 国の保有する株式については、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律第117号)の規定に基づき、日本たばこ産業株式会社の株式、エネルギー対策特別会計に所属する株式及び日本郵政株式会社の株式の売却を検討し、必要な措置を講ずるものとすること。
    A @に定めるもののほか、国が法律によりその保有を義務付けられている株式以外の株式については、株式市場の動向及び当該株式に係る会社の事情等を踏まえつつ、できる限り、その売却に努めるものとすること。                
(第24条関係)
   (4) 未利用又は利用の程度が低い国立大学法人の保有する資産の売却等の促進
     国立大学法人の保有する未利用又は利用の程度が低い資産については、当該資産の売却等の促進について必要な措置を講ずるものとすること。                     
(第25条関係)
  4 公益法人に関する分野
   (1) 公益法人に対する予算の交付及び権限の付与の在り方の見直しに係る措置
     国又は独立行政法人と内閣総理大臣が定める一定の関係を有する公益法人については、国家公務員であった者又は当該独立行政法人の役員若しくは職員であった者が当該公益法人の役員に再就職する場合に関し、公募その他の方法による選考の実施及びその方法に関する適切な基準の設定をするとともに、不適切な会費の授受、内部留保の水準の設定、役員等の待遇、国からの委託事業に係る成果の公開等について検討し必要な措置を講ずるものとし、当該公益法人に対する予算の交付等の在り方を見直すものとすること。
(第26条関係)
   (2) 一般社団法人又は一般財団法人への移行に当たっての厳格な審査の実施等に係る措置
     国と内閣総理大臣が定める一定の関係を有する特例民法法人については、一般社団法人又は一般財団法人への移行に当たり、内閣総理大臣が法令に基づき公益目的支出計画の適正性について厳格な審査を行うとともに、その移行後においても、これらの法人に対する予算の交付等に関する事務を所管する大臣は、国とこれらの法人との関係について必要な見直しを行うものとすること。                      (第27条関係)
   (3) 検査事務等実施法人に関する適正化等に係る措置
     検査事務等実施法人については、検査事務等に係る手数料の適正化及び透明化並びに適切な区分経理の徹底並びにこれらに係る情報の公表等検査事務等実施法人を利用する国民の利便性の向上、検査事務等を所管する大臣による監督の強化等について必要な措置を講ずるものとすること。
(第28条関係)
  5 規制改革に関する分野
    規制改革については、次に掲げる基本方針に基づき、あらゆる分野における規制の徹底した見直しを行い、必要な措置を講ずるものとすること。
   @ 一定の期間が経過した規制について、その見直しを行うことを義務付けること。
   A @の期間は、規制の目的等に照らしてできるだけ短い期間となるようにすること。
   B 規制の見直しを行うに当たっては、その見直しを行おうとするに至った経緯を公表すること。
   C 規制の見直しを行うに当たっては、専門家、利害関係人その他広く国民の意見を求め、これを反映させること。
   D 規制の特例措置については、その実施状況等を十分に検証し、その結果を踏まえ、必要に応じて全国に及ぼすようにすること。
   E 規制の見直しを行うに当たっては、法令の解釈、当該見直しの基礎となる統計その他の資料及び当該見直しによる経済的社会的な影響について、十分に検討すること。                  (第29条関係)
  6 行政の事務及び事業の実施主体に関する分野
   (1) 新しい公共の構築に係る措置
    @ 公共サービスの担い手の在り方については、行政機関と市民、非営利活動を行う団体、民間事業者その他民間における多様な主体との交流及び民間の主体相互の交流その他の連携を図ることにより、新しい公共の構築に資する取組を強化するものとすること。
    A @の取組を強化するに当たっては、認定特定非営利活動法人等に対する寄附に係る税制上の措置及び特定非営利活動法人の認定等に係る制度の普及及び実施状況の公表の促進等を図るとともに、当該税制上の措置の活用状況及び公共サービスの担い手の活動の広がりの状況を踏まえつつ、公共サービスその他の非営利活動を行う団体等に対する支援について、必要な見直しを行うものとすること。          (第30条関係)
   (2) 民間資金等の活用による公共施設等の整備等に関する事業の実施の促進に係る措置
     民間資金等の活用による公共施設等の整備等に関する事業については、当該事業により生ずる収益等をもってこれに要する費用を賄うことが可能であること等の理由により当該公共施設等の運営を民間事業者に委ねることが適当であるときは、その実施を積極的に促進するものとすること。                 
(第31条関係)
 
三 行政構造改革会議の調査審議及び提言に係る重点分野及び各重点分野における行政改革の基本方針
  1 国家公務員の総人件費に係る行政に関する分野
    国家公務員の総人件費については、平成21年度の当初予算における額からその100分の20に相当する額を減少させることを目標とするものとし、次に掲げる事項に留意して、その具体的な目標額、手法、期間等について、速やかに検討するものとすること。
   @ 労使協議及び被用者年金制度の一元化の動向を踏まえた上での国家公務員共済組合法(昭和33年法律第128号)に規定する退職共済年金の職域加算額及び国家公務員の退職給付の給付水準の見直し等のための国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律(平成24年法律第96号)第5条の規定による改正後の国家公務員共済組合法に規定する退職年金等の扱い並びに国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法(昭和33年法律第129号)に規定する追加費用であって国の負担に係るものの一部の削減
   A 労使協議を踏まえた上での退職金の一部の分割払への変更その他の支払方法の変更、超過勤務時間の短縮及び職員に対する各種の手当の削減
   B 労使協議を踏まえた上での国家公務員の総人件費の管理に関する計画の策定、職員の採用及び昇格の抑制並びに国家公務員の総人件費の管理に係る責任体制の確立
   C 実効性のある希望退職制度及び役職に応じ定年を定める制度の導入並びにその設置に係る財源を確保した上での専門スタッフ職の設置
                              (第32条関係)
  2 行政改革を恒常的かつ強力に推進するための組織に関する分野
    行政構造が社会経済情勢の変化等に対応して自律的かつ持続的に改善され又は刷新されることを目指して、行政刷新及び行政監視に係る機能を一元的に担いつつ、行政改革を恒常的かつ強力に推進する組織の在り方については、次に掲げる基本方針により検討するものとすること。
   @ 行政刷新及び行政監視に係る機能を集約し、及び強化すること。
   A 政策評価その他の行政改革に資するための施策との整理を行うこと。
   B 政府の国家戦略に基づく府省横断的な一体的かつ効率的な事務及び事業の運営を確保する観点から監視する体制を構築すること。
   C 行政の事務及び事業に関し、その実施の結果を評価し、その評価を企画及び立案に反映させる手続を確立すること。この場合において、国会における決算の審査その他の行政監視の結果が予算に反映される等当該行政機関以外の国の機関その他の者の評価にも留意すること。    (第33条関係)
  3 行政機関の情報システム等に関する分野
   (1) 行政機関の情報システムの改善又は刷新等に関する検討
     行政機関の情報システムに関しては、その現況並びに短期及び中長期の見通しを踏まえ、その統廃合等を含めた改善又は刷新について検討するとともに、国民の利便性向上等の観点を踏まえて、当該改善又は刷新に係る効果の定量的な評価及び公表の在り方について検討するものとすること。                
(第34条関係)
   (2) 行政の情報化の推進に関する検討
     行政の情報化の一層の推進に関しては、その効果を分かりやすい形で公表し、国民の理解に資するため、国民の利便性向上等の観点を踏まえて、当該効果の定量的な評価及び公表の在り方について検討するものとすること。                
(第35条関係)
  4 国有資産に関する分野
   (1) 国の保有する株式の売却の可能性に関する検討
     二3(3)に定めるもののほか、国の保有する株式については、その売却の可能性に関し、必要な検討をするものとすること。    (第36条関係)
   (2) 公共用財産の売却等の可能性に関する検討
     治水施設、道路その他の公共用財産のうち、未利用又は利用の程度が低いものについては、その売却等の可能性に関し、必要な検討をするものとすること。                       (第37条関係)

第三 集中改革期間における行政改革の工程表等
 一 工程表
  1 工程表の策定
   (1) 政府は、集中改革期間における行政改革のために必要な措置を確実に実施するため、集中改革期間における行政改革の工程表(以下「工程表」という。)を策定するものとすること。
   (2) 工程表の策定に当たっては、関係行政機関の長において、その所掌事務に係る行政改革について、第二の二に規定する基本方針に基づいて検討した上で講ずべき必要な措置に係る草案を取りまとめ、これを行政改革実行本部に提出するものとし、行政改革実行本部においては、政府全体として行政改革の円滑かつ確実な実行を図る観点から、その草案について必要な調整を行った上で工程表の案を作成する等行政改革実行本部及び関係行政機関の長が相互に密接な連携を図りながら協力するものとすること。
   (3) 工程表の策定は、この法律の施行後3月以内を目途として行われるものとすること。                     (第38条関係)
  2 工程表に定めるべき事項
   (1) 第二の二に掲げる重点分野については、集中改革期間において、重点分野ごとに定める行政改革の基本方針に基づいて講ずべき具体的な措置の内容及びその講ずる時期その他必要な事項を工程表に定めるものとすること。
   (2) 第二の三1に掲げる国家公務員の総人件費に係る行政に関する分野その他第二の三に掲げる重点分野については、行政構造改革会議の提言を踏まえ、(1)に規定する事項に準じて必要な事項を、随時、工程表に追加するものとすること。                      (第39条関係)
 
二 国会報告
   政府は、国会に対し、集中改革期間において、工程表に基づいて講じた措置の状況を報告しなければならないこと。           (第40条関係)

第四 集中改革期間における行政改革の実施体制等
一 行政改革実行本部
  1 設置
    集中改革期間における行政改革を総合的かつ集中的に実行するため、内閣に、行政改革実行本部(以下「本部」という。)を置くこと。  (第41条関係)
  2 所掌事務
    本部は、次に掲げる事務をつかさどること。
   @ 工程表に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務
   A 工程表に基づき関係行政機関が講ずる施策その他関係行政機関が講ずる集中改革期間における行政改革のための施策に関し、その推進に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務
   B @及びAに掲げるもののほか、法令の規定により本部に属させられた事務                     
(第42条関係)
  3 組織等
   (1) 本部は、行政改革実行本部長、行政改革実行副本部長及び行政改革実行本部員をもって組織すること。
   (2) 行政改革実行本部長は、本部の事務を統括し、所部の職員を指揮監督すること。
   (3) 本部に、行政改革実行副本部長を置き、国務大臣をもって充てること。
   (4) 本部に、行政改革実行本部員を置き、行政改革実行本部長及び行政改革実行副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てること。
                      (第43条から第46条まで関係)
  4 資料の提出その他の協力
   (1) 本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、国の行政機関、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人等の長並びに特殊法人及び認可法人の代表者に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができること。
   (2) 本部は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、(1)に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができること。                   
(第47条関係)
  5 設置期限
    本部は、平成28年3月31日まで置かれるものとすること。
                              (第49条関係)
 
二 行政構造改革会議
  1 設置
    集中改革期間における行政改革が総合的かつ集中的に実行され行政構造が社会経済情勢の変化等に対応して自律的かつ持続的に改善され又は刷新されていく体制の構築に資するため、内閣府に、行政構造改革会議(以下「会議」という。)を置くこと。                 (第52条関係)
  2 所掌事務
    会議は、次に掲げる事務をつかさどること。
   @ この法律によりその権限に属させられた事項を調査審議し、内閣総理大臣に提言すること。
   A 内閣総理大臣の諮問に応じて、第二の二に掲げる事項その他の行政改革に関する重要事項について調査審議し、内閣総理大臣に答申すること。
   B Aに規定する重要事項に関し、内閣総理大臣に提言すること。
                              (第53条関係)
  3 提言及び答申を踏まえた政府の措置
    政府は、内閣総理大臣に対する会議の提言及び答申に盛り込まれた内容及びその趣旨を踏まえ、必要な措置を講ずるものとすること。
                              (第54条関係)
  4 組織等
   (1) 会議は、議長及び委員6人以内をもって組織すること。
   (2) 議長及び委員は、優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命すること。
   (3) 一4は、会議について準用すること。   (第55条及び第56条関係)
  5 設置期限
    会議は、その設置の日から起算して2年を経過する日まで置かれるものとすること。                       (第58条関係)

第五 その他
 一 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行すること。
(附則第1項関係)
二 その他
   その他所要の規定を整備すること。

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