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   死刑再審無罪者に対し国民年金の給付等を行うための国民年金の保険料の納付の特例等に関する法律案要綱


第一 趣旨(第一条関係)
  この法律は、死刑に処せられた罪について再審において無罪の言渡しを受けてその判決が確定した者(以下「死刑再審無罪者」という。)については、死刑の判決が確定した後は、仮釈放もなく社会復帰への希望を持つことが著しく困難であるため国民年金の保険料の納付等の手続をとらなかったことがやむを得ないと認められることに鑑み、死刑再審無罪者に対し国民年金の給付等を行うための国民年金の保険料の納付の特例等に関し必要な事項を定めるものとすること。
第二 国民年金の給付を行うための国民年金の保険料の納付の特例(第二条関係)
一 死刑再審無罪者は、死刑判決確定日から無罪判決確定日の前日までの期間(第三において「対象期間」という。)のうち国民年金法等の被保険者期間であるもの(保険料納付済期間等を除く。)に係る保険料を納付することができるものとすること。
二 一の納付は、無罪判決確定日から起算して一年を経過する日までの間において、一括して行わなければならないものとすること。
三 一により保険料が納付されたときは、無罪判決確定日に、当該納付に係る期間の各月の当該死刑再審無罪者の国民年金の保険料が納付されたものとみなすものとすること。
第三 特別給付金の支給(第三条関係)
国は、第二の一により保険料が納付された場合には、国民年金法の規定による老齢基礎年金等の支給開始年齢に達した日の属する月の翌月以後に死刑再審無罪者となった者に対し、当該者の請求により、六十歳に達した日に対象期間のうち被保険者期間であるものに係る保険料が納付されたものとみなして計算された老齢基礎年金等が支給開始年齢に達した日の属する月の翌月から無罪判決確定日の属する月まで支給されたとした場合における当該老齢基礎年金等の額に相当する額として政令で定めるところにより計算した額の特別給付金を支給するものとすること。
第四 譲渡等の禁止等(第四条関係)
一 第三の特別給付金の支給を受ける権利は、譲渡し、担保に供し、又は差し押さえることができないものとすること。
二 租税その他の公課は、第三の特別給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができないものとすること。
第五 情報の提供(第五条関係)
厚生労働大臣及び日本年金機構並びに法務大臣は、法務省令・厚生労働省令で定めるところにより、第二の一の保険料の納付及び第三の特別給付金の支給に関し、相互に必要な情報の提供を行うものとすること。
第六 施行期日等(附則関係)
一 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。
二 第二から第五までは、この法律の施行の日前に死刑再審無罪者となった者についても適用するものとすること。
三 政府は、矯正施設に収容中の者に対し、国民年金の保険料の免除の申請その他の国民年金の保険料の納付等の手続に関し、必要な指導を行うものとすること。

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