国家公務員法の一部を改正する法律案要綱
第一 職員であった者を介した再就職あっせん行為等の規制の新設(第百六条の二関係)
一 職員による職員であった者に対する行為の規制
職員は、職員であった者に対し、次に掲げる行為をしてはならないこと。
1 他の役職員をその離職後に、又は役職員であった者を、営利企業等(営利企業及び営利企業以外の法人その他の団体をいう。以下同じ。)又はその子法人の地位に就かせることを目的として、次に掲げる行為をすること。
当該役職員又は役職員であった者に関する情報を提供すること。
当該営利企業等に対し、当該役職員又は役職員であった者に関する情報を提供するよう、依頼すること。
当該地位に関する情報の提供を依頼すること。
当該地位に関する情報を提供すること。
2 営利企業等に対し、他の役職員をその離職後に、又は役職員であった者を、当該営利企業等又はその子法人の地位に就かせることを要求し又は依頼するよう、依頼すること。
二 職員であった者による営利企業等に対する行為の規制
1 職員であった者は、一に違反する職員の行為を受けて、営利企業等に対し、次に掲げる行為をしてはならないこと。
他の役職員をその離職後に、又は役職員であった者を、当該営利企業等又はその子法人の地位に就かせることを目的として、次に掲げる行為をすること。
当該役職員又は役職員であった者に関する情報を提供すること。
当該地位に関する情報の提供を依頼すること。
他の役職員をその離職後に、又は役職員であった者を、当該営利企業等又はその子法人の地位に就かせることを要求し、又は依頼すること。
2 職員であった者であって、他の役職員をその離職後に、又は役職員であった者を、営利企業等又はその子法人の地位に就かせることに関し職員との間で情報の共有又は連絡調整を行うことが常態であるものは、営利企業等に対し、1の又はの行為をしてはならないこと。
第二 離職後の就職の承諾等の規制の新設(第百六条の三の二関係)
一 職員は、離職後二年間は、営利企業等の地位で、その離職前五年間に在職していた政令で定める国の機関、行政執行法人又は都道府県警察と密接な関係にあるものに就くことを承諾し、又は就いてはならないこと。
二 一は、一の地位に就くことを承諾し、又は就くことにより公務の公正性の確保に支障が生じないと認められる場合として政令で定める場合において、政令で定める手続により内閣総理大臣の承認を得たときは、これを適用しないこと。
三 二による内閣総理大臣が承認する権限は、再就職等監視委員会に委任すること。
第三 再就職あっせん行為等の規制等の違反に係る罰則の整備
一 第二に違反して営利企業等の地位に就いた者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処すること。(第百九条関係)
二 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処すること。(第百十一条の二関係)
1 第百六条の二第一項(他の役職員についての依頼等の規制)の規定に違反した職員
2 第一の一に違反した職員(第一の一に違反する行為の相手方である職員であった者が第一の二の1に違反した場合に限る。)
3 第一の二の1に違反した職員であった者
4 第一の二の2に違反した職員であった者
5 第百六条の三(在職中の求職の規制)の規定に違反した職員
第四 施行期日等(附則関係)
一 この法律は、一部を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
二 この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、所要の規定の整備を行うこと。
三 政府は、国家公務員の退職管理の一層の適正化を図る観点から、国家公務員の退職管理に関する制度の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。