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   浄化槽法の一部を改正する法律案要綱


第一 浄化槽の管理に関する事項
 一 使用の休止の届出等(第十条、第十一条及び新第十一条の二関係)
  1 浄化槽管理者は、当該浄化槽の使用の休止に当たって当該浄化槽の清掃をしたときは、当該浄化槽の使用の休止について都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長とする。第二の一の2及び第四の一を除き、以下同じ。)に届け出ることができること。
  2 浄化槽管理者は、1による使用の休止の届出に係る浄化槽の使用を再開したときは、当該浄化槽の使用を再開した日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならないこと。
  3 1による使用の休止の届出に係る浄化槽について、当該浄化槽の使用の再開までの間は、保守点検、清掃及び定期検査の義務を免除すること。
 二 環境大臣の責務(第十二条の三関係)
   環境大臣は、都道府県知事に対して、水質に関する検査に関する事務その他浄化槽の管理に関する事務の実施に関し必要な助言、情報の提供その他の支援を行うように努めなければならないこと。
第二 浄化槽処理促進区域(第三章の二関係)
 一 浄化槽処理促進区域の指定
  1 市町村は、当該市町村の区域(下水道法に規定する処理区域及び予定処理区域を除く。)のうち自然的経済的社会的諸条件からみて浄化槽によるし尿及び雑排水(以下「汚水」という。)の適正な処理を特に促進する必要があると認められる区域を、浄化槽処理促進区域として指定することができること。
  2 市町村は、1により浄化槽処理促進区域を指定しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事と協議しなければならないこと。
 二 公共浄化槽
  1 定義
    この法律において「公共浄化槽」とは、浄化槽処理促進区域内に存する浄化槽のうち、2の(1)の設置計画に基づき設置された浄化槽であって市町村が管理するもの及び2の(5)により市町村が管理する浄化槽をいうこと。
  2 設置等
   (1) 市町村は、浄化槽処理促進区域内に存する建築物(国又は地方公共団体が所有する建築物を除く。)に居住する者の日常生活に伴い生ずる汚水を処理するために浄化槽を設置しようとするときは、浄化槽の設置に関する計画(以下「設置計画」という。)を作成するものとすること。
   (2) 設置計画においては、の浄化槽ごとに、設置場所、種類、規模及び能力、設置の予定年月日等を定めるものとすること。
   (3) 市町村は、設置計画を作成しようとするときは、あらかじめ、浄化槽を設置することについて、当該浄化槽が設置される土地の所有者及び当該浄化槽で汚水を処理させる建築物の所有者の同意を得なければならないこと。
   (4) 市町村は、設置計画を作成しようとする場合において、あらかじめ、都道府県知事及び特定行政庁に協議し、その同意を得たときは、当該同意の日において、(1)の浄化槽の設置について、第五条第一項の規定による届出及び同条第四項ただし書に規定する通知があったものとみなすこと。
   (5) 市町村は、浄化槽処理促進区域内に存する浄化槽(地方公共団体が管理するものを除く。)について、自ら管理することができること。
  3 設置の完了の通知等
   (1) 市町村は、設置計画に基づき浄化槽の設置が完了したときは、当該浄化槽で汚水を処理させることとなる建築物の所有者に対し、その旨を通知しなければならないこと。
   (2) (1)による通知は、公告をもってこれに代えることができること。
  4 排水設備の設置等
   (1) 2の(3)による同意をした建築物の所有者及びその相続人その他の一般承継人は、3の通知を受けたとき又は公告があったときは、遅滞なく、当該建築物の汚水を公共浄化槽に流入させるために必要な汚水管その他の排水施設(以下「排水設備」という。)を設置しなければならないこと。この場合において、当該建築物にくみ取便所が設けられているときは、遅滞なく、そのくみ取便所を水洗便所(汚水管が公共浄化槽に連結されたものに限る。以下同じ。)に改造しなければならないこと。
   (2) (1)により設置された排水設備の改築又は修繕は、(1)によりこれを設置すべき者が行うものとし、その清掃その他の維持は、当該建築物の占有者が行うものとすること。
   (3) 市町村は、(1)に違反している者に対し、相当の期限を定めて、排水設備を設置し、又はくみ取便所を水洗便所に改造すべきことを命ずることができること。ただし、当該建築物が近く除却され又は移転される予定のものである場合、必要な資金の調達が困難な事情がある場合等相当の理由があると認められる場合は、この限りでないこと。
   (4) 市町村は、排水設備を設置し、又はくみ取便所を水洗便所に改造しようとする者に対し、必要な資金の融通又はそのあっせん、その設置又は改造に関し利害関係を有する者との間に紛争が生じた場合における和解の仲介その他の援助に努めるものとすること。
   (5) 国は、市町村が(4)の資金の融通を行う場合には、これに必要な資金の融通又はそのあっせんに努めるものとすること。
  5 排水設備の設置の承認
    汚水を公共浄化槽に流入させるために必要な排水設備を2の(3)による同意に係る建築物以外の建築物に設置しようとする者は、あらかじめ、市町村長の承認を受けなければならないこと。
  6 使用の開始の届出
    汚水を公共浄化槽に流入させるために必要な排水設備が設置されている建築物の占有者は、当該建築物に係る公共浄化槽の使用を開始したときは、当該公共浄化槽の使用を開始した日から三十日以内に、その旨を市町村に届け出なければならないこと。
  7 排水設備の使用の廃止
   (1) 汚水を公共浄化槽に流入させるために必要な排水設備が設置されている建築物の所有者は、当該排水設備の使用を廃止してはならないこと。ただし、当該建築物を撤去する場合等は、この限りでないこと。
   (2) 汚水を公共浄化槽に流入させるために必要な排水設備が設置されている建築物の所有者は、当該建築物を撤去する場合等において、排水設備の使用を廃止しようとするときは、あらかじめ、その旨を市町村に届け出なければならないこと。
第三 浄化槽管理士に対する研修の機会の確保(第四十八条関係)
   保守点検を業とする者の登録に関し、条例で定める事項として、浄化槽管理士に対する研修の機会の確保に関する事項を追加すること。
第四 浄化槽台帳の作成(第四十九条関係)
 一 都道府県知事は当該都道府県の区域(保健所を設置する市及び特別区の区域を除く。)に存する浄化槽ごとに、保健所を設置する市又は特別区の長は当該市又は特別区の区域に存する浄化槽ごとに、次に掲げる事項等を記載した浄化槽台帳を作成するものとすること。
  1 その浄化槽の存する土地の所在及び地番並びに浄化槽管理者の氏名又は名称
  2 水質に関する検査の実施状況
 二 都道府県知事は、浄化槽台帳の作成のため必要があると認めるときは、関係地方公共団体の長その他の者に対し、浄化槽に関する情報の提供を求めることができること。
第五 協議会(第五十四条関係)
 一 都道府県及び市町村は、浄化槽管理者に対する支援、公共浄化槽の設置等、浄化槽台帳の作成その他のその都道府県又は市町村の区域における浄化槽による汚水の適正な処理の促進に関し必要な協議を行うため、当該都道府県又は市町村、関係地方公共団体及び浄化槽管理者、浄化槽工事業者、浄化槽清掃業者、浄化槽の保守点検を業とする者、指定検査機関その他の当該都道府県又は市町村が必要と認める者により構成される協議会(2において単に「協議会」という。)を組織することができること。
 二 協議会において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならないこと。
第六 特定既存単独処理浄化槽に対する措置(附則第十一条関係)
 一 都道府県知事は、既存の単独処理浄化槽であって、水質に関する検査の結果の報告その他の情報から判断してそのまま放置すれば生活環境の保全及び公衆衛生上重大な支障が生ずるおそれのある状態にあると認められるもの(以下「特定既存単独処理浄化槽」という。)に係る浄化槽管理者に対し、当該特定既存単独処理浄化槽に関し、除却その他生活環境の保全及び公衆衛生上必要な措置をとるよう助言又は指導をすることができること。
 二 都道府県知事は、一による助言又は指導をした場合において、なお当該特定既存単独処理浄化槽の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の期限を定めて、除却その他生活環境の保全及び公衆衛生上必要な措置をとることを勧告することができること。
 三 都道府県知事は、二による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の期限を定めて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができること。
 四 三の命令に違反した者は、三十万円以下の罰金に処することとし、両罰規定を設けること。
第七 その他
 一 施行期日
   この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
 二 みなし公共浄化槽
   第二の一の1により指定された浄化槽処理促進区域内に存する浄化槽のうち、公共浄化槽以外の浄化槽であって当該浄化槽処理促進区域内に存する建築物(国又は地方公共団体が所有する建築物を除く。)に居住する者の日常生活に伴い生ずるし尿及び雑排水を処理するために市町村が管理しているものは、第二の二の5から7までの適用については、公共浄化槽とみなすこと。
 三 その他
   その他所要の規定を整備すること。

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