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   公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案要綱


第一 題名及び総則の改正
 一 題名及び目的規定の改正                       (題名及び第一条関係)
  1 題名を「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に改めること。
  2 目的規定について、本法において木材の利用を促進する主な対象を公共建築物から建築物一般に拡大するとともに、本法の目的に脱炭素社会の実現に資することを追加する等の改正を行うこと。
 二 基本理念の新設                              (新第三条関係)
  1 木材の利用の促進は、地球温暖化を防止することが人類共通の課題であり、そのための脱炭素社会の実現が我が国の緊要な課題となっていることに鑑み、森林における造林、保育及び伐採、木材の製造、建築物等における木材の利用並びに森林における伐採後の造林という循環が安定的かつ持続的に行われることにより、森林による二酸化炭素の吸収作用の保全及び強化が十分に図られることを旨として行われなければならないものとすること。
  2 木材の利用の促進は、製造過程における多量の二酸化炭素の排出等による環境への負荷の程度が高い資材又は化石資源に代替して、森林から再生産することが可能である木材を利用することにより、二酸化炭素の排出の抑制その他の環境への負荷の低減が図られることを旨として行われなければならないものとすること。
  3 木材の利用の促進は、森林の有する国土の保全、水源の涵養その他の多面的機能が持続的に発揮されるとともに、林業及び木材産業の持続的かつ健全な発展を通じて山村その他の地域の経済の活性化に資することを旨として行われなければならないものとすること。
 三 責務規定の改正等              (新第四条第四項、第六条第二項及び第八条関係)
  1 国は、建築用木材等の適切かつ安定的な供給の確保のために必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとすること。
  2 林業及び木材産業の事業者は、二の基本理念にのっとり、建築用木材等の適切かつ安定的な供給に努めるものとすること。
  3 国、地方公共団体、事業者その他の関係者は、二の基本理念にのっとり、木材の利用の促進のため、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとすること。
 四 木材利用促進の日及び木材利用促進月間の新設                (新第九条関係)
  1 国民の間に広く木材の利用の促進についての関心と理解を深めるため、木材利用促進の日(十月八日)及び木材利用促進月間(十月一日から同月三十一日まで)を設けるものとすること。
  2 国及び地方公共団体は、木材利用促進の日をはじめ木材利用促進月間において、その趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努めるものとすること。
第二 建築物における木材の利用の促進に関する施策の拡充等
 一 基本方針等                        (新第十条から第十二条まで関係)
   基本方針、都道府県方針及び市町村方針の対象を公共建築物から建築物一般に拡大するとともに、基本方針の策定主体を木材利用促進本部に変更すること。
 二 木造建築物の設計及び施工に係る先進的な技術の普及の促進等        (新第十三条関係)
   国及び地方公共団体は、建築物における木材の利用を促進するため、木造建築物の設計及び施工に係る先進的な技術の普及の促進、中高層の木造建築物又は大規模な木造建築物の設計及び施工に関する知識及び技能を有する人材の育成、建築用木材及び木造建築物の安全性に関する情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
 三 建築物木材利用促進協定                         (新第十五条関係)
  1 国又は地方公共団体及び事業者等(事業者又は事業者団体をいう。以下同じ。)は、事業者が建築主である建築物における木材の利用に関する構想その他の事業者等による建築物における木材の利用の促進に関する構想(以下「建築物木材利用促進構想」という。)及び国又は地方公共団体による建築物木材利用促進構想の達成に資するための情報の提供その他の支援に関する事項を定めた協定(以下「建築物木材利用促進協定」という。)を締結することができるものとすること。
  2 国、地方公共団体及び事業者等は、建築物木材利用促進協定を締結したときは、当該建築物木材利用促進協定に定められた事項を誠実に履行するものとすること。
  3 国は、その締結した建築物木材利用促進協定に係る建築物木材利用促進構想の達成のための事業者等の取組を促進するため、当該建築物木材利用促進協定に従って行われる建築物における木材の利用による環境の保全に対する寄与の程度の評価の実施及び公表、必要な財政上の配慮その他の必要な支援を行うものとすること。
  4 地方公共団体は、建築物木材利用促進協定を締結したときは、3の国の措置に準じて、必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
 四 強度等に優れた建築用木材の製造に係る技術の開発及び普及の促進等     (新第十六条関係)
   国及び地方公共団体は、建築用木材の適切かつ安定的な供給の確保を図るため、強度又は耐火性に優れた建築用木材として農林水産省令で定める建築用木材の製造に係る技術及びその製造に要する費用の低廉化に資する技術の開発及び普及の促進その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
 五 表彰                                 (新第三十一条関係)
   国及び地方公共団体は、木材の利用の促進に関し特に顕著な功績があると認められる者に対し、表彰を行うよう努めるものとすること。
第三 木材利用促進本部の設置
 一 設置及び所掌事務                           (新第二十五条関係)
  1 農林水産省に、特別の機関として、木材利用促進本部(以下「本部」という。)を置くものとすること。
  2 本部は、基本方針の策定及び実施の推進に関する事務その他木材の利用の促進に関する重要事項に関する審議及び木材の利用の促進に関する施策の実施の推進に関する事務をつかさどるものとすること。
 二 組織等                       (新第二十六条から第二十八条まで関係)
   本部は、木材利用促進本部長(農林水産大臣)及び木材利用促進本部員(総務大臣、文部科学大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、環境大臣等)をもって組織するものとすること。
第四 施行期日等
 一 施行期日                                (附則第一条関係)
   この法律は、令和三年十月一日から施行すること。
 二 その他
   その他所要の規定を整備すること。

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