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日本放送協会改革推進法案要綱


一 目的
  この法律は、通信・放送技術の進展その他の内外の諸情勢の変化に伴い日本放送協会(以下「協会」という。)の果たすべき役割を見直す必要があること、近年、協会の各事業年度の収支予算に計上される金額が高い水準で推移している状況にあり、協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者の当該放送の受信に係る負担が過大となっていること等に鑑み、公共放送を担う者としての協会の適切な機能の確保を図るため、日本放送協会改革について、その基本理念その他の基本となる事項を定めること等により、これを総合的かつ集中的に推進することを目的とすること。
                            (第一条関係)

二 定義
  この法律において「日本放送協会改革」とは、協会の業務及び組織並びに協会の放送の受信に係る国民の負担に関する改革をいうこと。
                            (第二条関係)

三 基本理念
  日本放送協会改革は、協会の放送番組の編集の自由に配慮しつつ、協会の放送について、国民が日常生活及び社会生活を円滑に営むために必要な基本的な需要を満たすために提供されるサービスとしての機能を一層重視したものに転換する観点から、次に掲げる事項を基本として行われるものとすること。
 @ 協会の業務の全般にわたる不断の見直しを行い、協会の業務の重点化を図るとともに、協会の組織の合理化を図ること。
 A 協会の放送の受信に係る国民の負担の適正化を図ること。
                            (第三条関係)

四 国等の責務
  国は、三の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、日本放送協会改革に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有すること。
  協会は、基本理念にのっとり、日本放送協会改革の実現のため必要な取組を行うよう努めるとともに、国が実施する日本放送協会改革に関する施策に協力するよう努めるものとすること。
                            (第四条関係)

五 改革の実施及び目標時期
  政府は、六に定める基本方針に基づき、日本放送協会改革を行うものとし、このために必要な法制上の措置については、この法律の施行後3年以内に、七の日本放送協会改革推進会議における審議の結果等を踏まえて講ずるものとすること。                    (第五条関係)

六 日本放送協会改革の基本方針
 1 国内基幹放送等の放送番組の重点化等
   政府は、協会の国内基幹放送、国際放送及び協会国際衛星放送(以下「国内基幹放送等」という。)が、報道番組、教育番組、福祉番組等に重点を置いたものとなるよう必要な措置を講ずるものとすること。
   政府は、により重点を置いた放送番組以外の放送番組による国内基幹放送等に係る協会の業務及び組織について、協会が有する機能を分割して当該業務に係る事業を承継する法人の設立を支援する等協会以外の事業者に委ね、協会の組織の整理が図られるよう必要な措置を講ずるものとすること。               (第六条関係)
 2 協会の放送の受信に係る国民の負担の適正化
   政府は、1の措置に伴い協会の支出が大幅に削減されることになることを踏まえ、協会の放送の受信に係る国民の負担を適正化するための方策について、協会の放送番組を視聴した分量に応じて受信料の額を定める仕組みを構築すること又は現行の受信契約及び受信料に係る制度を廃止し、協会の放送を受信することのできる受信設備の設置の有無にかかわらず協会の運営に要する費用を国民が負担する制度を導入することを含めて検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。                      (第七条関係)

七 日本放送協会改革推進会議
  基本理念にのっとり、かつ、六に定める基本方針に基づき日本放送協会改革を行うために必要な事項を審議するため、別に法律で定めるところにより、内閣に、優れた識見を有する者により構成される日本放送協会改革推進会議を置くこと。                   (第八条関係)

八 施行期日
  この法律は、公布の日から施行すること。        (附則関係)

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