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   特定土砂等の管理に関する法律案要綱


第一 総則的事項
 一 目的                                    (第一条関係)
   この法律は、特定土砂等の管理に関する制度を設けることにより、特定土砂等の管理の適正化を図り、もって災害の防止及び生活環境の保全に資することを目的とすること。
 二 定義                                    (第二条関係)
  1 この法律において「土砂等」とは、土、砂利(砂及び玉石を含む。)、砕石その他これらに類する物として政令で定めるものをいうこと。ただし、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二条第一項に規定する廃棄物に該当するもの、土壌汚染対策法第十六条第一項に規定する汚染土壌に該当するもの及び放射性物質によって汚染されたものを除くこと。
  2 この法律において「大規模工事」とは、土砂等の発生を伴う工事であって、政令で定めるところにより算定した当該工事から発生する土砂等の見込量が五百万立方メートルを限度として工事の態様等を勘案して政令で定める体積を超えるものをいうこと。
  3 この法律において「特定土砂等」とは、大規模工事から発生した土砂等をいうこと。
第二 特定土砂等の管理に関する制度
 一 大規模工事の注文者による通知                        (第三条関係)
   大規模工事の全部又は一部(特定土砂等の発生を伴うものに限る。)の注文者は、当該大規模工事の全部又は一部を当該注文者から請け負う者に対し、国土交通省令で定めるところにより、国土交通省令で定める期限までに、請け負わせる工事が大規模工事の全部又は一部(特定土砂等の発生を伴うものに限る。)である旨、大規模工事の発注者(大規模工事の全部又は一部(他の者から請け負ったものを除く。)の注文者をいう。二1において同じ。)の氏名又は名称その他国土交通省令で定める事項を通知しなければならないこと。
 二 特定土砂等管理票及び特定土砂等最終管理票の交付等    (第四条第一項から第五項まで関係)
  1 大規模工事の発注者又は大規模工事の全部若しくは一部を請負契約によらないで自ら施工する者(以下二及び三3において「大規模工事の発注者等」という。)は、その大規模工事に係る特定土砂等の全部又は一部を他の者に引き渡す場合には、国土交通省令で定めるところにより、引き渡す特定土砂等の体積、大規模工事の発注者等の氏名又は名称、引渡しを受ける者の氏名又は名称その他国土交通省令で定める事項を記載した特定土砂等管理票を作成して、その引渡しと同時に、当該他の者に対し、これを交付しなければならないこと。
  2 次のいずれかに該当する者は、特定土砂等(Aに掲げる者にあっては、Aの特定土砂等管理票に係る特定土砂等に限る。)の全部又は一部を他の者に引き渡す場合には、国土交通省令で定めるところにより、1の事項を記載した特定土砂等管理票を作成して、その引渡しと同時に、当該他の者にこれを交付し、かつ、国土交通省令で定める期間内に、当該特定土砂等に係る大規模工事の発注者等に当該特定土砂等管理票の写しを送付しなければならないこと。
   @ 当該特定土砂等に係る大規模工事の全部又は一部を他の者から請け負った者
   A 1又は2による特定土砂等管理票の交付を受けた者(当該特定土砂等に係る大規模工事の発注者等及び@に掲げる者を除く。)
  3 1又は2による特定土砂等管理票の交付を受けた者は、当該特定土砂等管理票に係る特定土砂等の全部又は一部(当該交付を受けた後に他の者に引き渡したものを除く。)が付合、加工その他の事由により土砂等でなくなった場合には、国土交通省令で定めるところにより、土砂等でなくなった特定土砂等の体積その他国土交通省令で定める事項を記載した特定土砂等最終管理票を作成して、国土交通省令で定める期間内に、当該特定土砂等に係る大規模工事の発注者等に対し、これを送付しなければならないこと。
  4 大規模工事の発注者等は、管理対象特定土砂等(1により交付した特定土砂等管理票に係る特定土砂等及び2@に掲げる者から2による送付を受けた特定土砂等管理票の写しに係る特定土砂等をいう。以下4及び5において同じ。)の全部(国土交通省令で定める部分を除く。5において同じ。)について3による特定土砂等最終管理票の送付を受けるまでの間、国土交通省令で定める期間ごとに、管理対象特定土砂等の状況を把握し、その結果を国土交通大臣に届け出なければならないこと。
  5 大規模工事の発注者等は、管理対象特定土砂等の全部について3による特定土砂等最終管理票の送付を受けたときは、国土交通省令で定める期間内に、その旨その他国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならないこと。
 三 特定土砂等管理票及び特定土砂等最終管理票の保存     (第四条第六項から第八項まで関係)
  1 二1若しくは二2により特定土砂等管理票を交付し、又は二3により特定土砂等最終管理票を送付した者は、当該特定土砂等管理票の写し又は当該特定土砂等最終管理票の写しを国土交通省令で定める期間保存しなければならないこと。
  2 二1又は二2による特定土砂等管理票の交付を受けた者は、当該特定土砂等管理票を国土交通省令で定める期間保存しなければならないこと。
  3 大規模工事の発注者等は、二2による特定土砂等管理票の写しの送付を受け、又は二3による特定土砂等最終管理票の送付を受けたときは、当該特定土砂等管理票の写し又は当該特定土砂等最終管理票を国土交通省令で定める期間保存しなければならないこと。
 四 虚偽の特定土砂等管理票の交付等の禁止                    (第五条関係)
  1 何人も、二1又は二2の場合でないにもかかわらず、二1の事項について虚偽の記載をして特定土砂等管理票又はその写しを交付し、又は送付してはならないこと。
  2 何人も、二3の場合でないにもかかわらず、二3の事項について虚偽の記載をして特定土砂等最終管理票を送付してはならないこと。
第三 罰則
 一 第二に係る違反行為をした者は、三月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処すること。
(第六条関係)
 二 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、一の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、一の罰金刑を科すること。                                     (第七条関係)
第四 その他
 一 施行期日                                (附則第一項関係)
   この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。ただし、第一の二、第二の一、第三の一(第二の一に係る違反行為に係る部分に限る。)及び二(第二の一に係る違反行為に係る部分に限る。)並びに二1は、この法律の施行の日(二2において「施行日」という。)前の政令で定める日から施行すること。
 二 経過措置                           (附則第二項及び第三項関係)
  1 第二の一(これに係る罰則を含む。)は、第二の一の施行の際現に行われている大規模工事(政令で定めるところにより算定した第二の一の施行の日以後に当該大規模工事から発生する土砂等の見込量が第一の二2の政令で定める体積を超えるものに限る。)についても適用すること。
  2 第二の二から四まで(これらに係る罰則を含む。)は、この法律の施行の際現に行われている第二の一が適用される土砂等の発生を伴う工事(1により第二の一が適用される大規模工事を含む。)であって、政令で定めるところにより算定した施行日以後に発生する土砂等の見込量が第一の二2の政令で定める体積以下のもの及び当該工事から施行日以後に発生した土砂等についても適用すること。
 三 その他所要の規定を設けること。

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