法律第百二十四号(昭二二・一〇・二六)
◎刑法の一部を改正する法律
刑法の一部を次のように改正する。
目次中「第六章 時効」を「第六章 刑ノ時効及ヒ刑ノ消滅」に、「第一章 皇室ニ対スル罪」を「第一章 削除」に改め、「第七章ノ二 安寧秩序ニ対スル罪」を削る。
第一条第一項中「帝国内」を「日本国内」に、同条第二項中「帝国外」を「日本国外」に、「帝国船舶」を「日本船舶」に改める。
第二条中「帝国外」を「日本国外」に、同条第三号中「乃至第八十九条」を「、第八十二条、第八十七条及ヒ第八十八条」に改め、同条第一号を次のように改める。
一 削除
第三条第一項中「帝国外」を「日本国外」に、「帝国臣民」を「日本国民」に改め、同条第二項を削る。
第四条中「帝国外」を「日本国外」に、「帝国ノ」を「日本国ノ」に改める。
第五条中「免除スルコトヲ得」を「免除ス」に改める。
第二十条中「前条」を「第十九条」に改める。
第二十五条中「二年以下ノ懲役又ハ禁錮」を「三年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ五千円以下ノ罰金」に改める。
第二十六条に次の一項を加える。
猶予の期間内更ニ罪ヲ犯シ罰金ニ処セラレタルトキハ刑ノ執行猶予ノ言渡ヲ取消スコトヲ得
「第六章 時効」を「第六章 刑ノ時効及ヒ刑ノ消滅」に改める。
第一編第六章中第三十四条の次に次の一条を加える。
第三十四条ノ二 禁錮以上ノ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其執行ノ免除ヲ得タル者罰金以上ノ刑ニ処セラルルコトナクシテ十年ヲ経過シタルトキハ刑ノ言渡ハ其効力ヲ失フ罰金以下ノ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其執行ノ免除ヲ得タル者罰金以上ノ刑に処セラルルコトナクシテ五年ヲ経過シタルトキ亦同シ
刑ノ免除ノ言渡ヲ受ケタル者其言渡確定シタル後罰金以上ノ刑ニ処セラルルコトナクシテ二年ヲ経過シタルトキハ刑ノ免除ノ言渡ハ其効力ヲ失フ
第五十五条 削除
第五十八条 削除
「第一章 皇室ニ対スル罪」を「第一章 削除」に改める。
第七十三条乃至第七十六条 削除
第八十一条 外国ニ通謀シテ日本国ニ対シ武力ヲ行使スルニ至ラシメタル者ハ死刑ニ処ス
第八十二条 日本国ニ対シ外国ヨリ武力ノ行使アリタルトキ之ニ与シテ其軍務ニ服シ其他之ニ軍事上ノ利益ヲ与へタル者ハ死刑又ハ無期若クハ二年以上ノ懲役ニ処ス
第八十三条乃至第八十六条 削除
第八十七条中「前六条」を「第八十一条及ヒ第八十二条」に改める。
第八十八条中「乃至第八十六条」を「及ヒ第八十二条」に改める。
第八十九条 削除
第九十条及ヒ第九十一条 削除
第百五条中「之ヲ罰セス」を「其刑ヲ免除スルコトヲ得」に改める。
「第七章ノ二 安寧秩序ニ対スル罪」及び第百五条ノ二乃至第百五条ノ四を削る。
第百三十一条 削除
第百三十二条中「本章」を「第百三十条」に改める。
第百七十四条中「科料」を「六月以下ノ懲役若クハ五百円以下ノ罰金又ハ拘留若クハ科料」に改める。
第百七十五条中「五百円以下ノ罰金又ハ」を「二年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金若クハ」に改める。
第百八十三条 削除
第百九十三条中「六月以下」を「二年以下」に改める。
第百九十四条中「七年以下」を「十年以下」に改める。
第百九十五条第一項中「三年以下」を「七年以下」に改める。
第二百八条第一項中「一年以下」を「二年以下」に、「五十円以下」を「五百円以下」に改め、同条第二項を削る。
第二百十一条に後段として次のように加える。
重大ナル過失ニ因リ人ヲ死傷ニ致シタル者亦同シ
第二百二十二条第一項中「一年以下」を「二年以下」に、「百円以下」を「五百円以下」に改める。
第二百二十六条中「帝国外」を「日本国外」に改める。
第二百三十条第一項中「一年以下」を「三年以下」に、「五百円以下」を「千円以下」に改める。
第二百三十条ノ二 前条第一項ノ行為公共ノ利害ニ関スル事実ニ係リ其目的専ラ公益ヲ図ルニ出テタルモノト認ムルトキハ事実ノ真否ヲ判断シ真実ナルコトノ証明アリタルトキハ之ヲ罰セス
前項ノ規定ノ適用ニ付テハ未タ公訴ノ提起セラレサル人ノ犯罪行為ニ関スル事実ハ之ヲ公共ノ利害ニ関スル事実ト看作ス
前条第一項ノ行為公務員又ハ公選ニ依ル公務員ノ候補者ニ関スル事実ニ係ルトキハ事実ノ真否ヲ判断シ真実ナルコトノ証明アリタルトキハ之ヲ罰セス
第二百三十二条に次の一項を加える。
告訴ヲ為スコトヲ得可キ者カ天皇、皇后、太皇太后、皇太后又ハ皇嗣ナルトキハ内閣総理大臣、外国ノ君主又ハ大統領ナルトキハ其国ノ代表者代リテ之ヲ行フ
第二百四十四条及び第二百五十七条中「又ハ家族」を削る。
附 則
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から、これを施行する。
第二十六条第二項の改正規定は、刑の執行猶予の言渡を受けた者がこの法律施行前に更に罪を犯した場合については、これを適用しない。
第三十四条ノ二の改正規定は、この法律施行前に刑の言渡又は刑の免除の言渡を受けた者にもこれを適用する。
この法律施行前の行為については、刑法第五十五条、第二百八条第二項、第二百十一条後段、第二百四十四条及び第二百五十七条の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。
(司法・内閣総理大臣署名)