法律第二百五十四号(昭二三・一二・二〇)
◎国立国語研究所設置法
(目的及び設置)
第一条 国語及び国民の言語生活に関する科学的調査研究を行い、あわせて国語の合理化の確実な基礎を築くために、国立国語研究所(以下研究所という。)を設置する。
2 研究所は、文部大臣の所轄とする。文部大臣は、人事及び予算に関する事項に係るものを除くほか、研究所の監督をしてはならない。
(事業)
第二条 研究所は、次の調査研究を行う。
一 現代の言語生活及び言語文化に関する調査研究
二 国語の歴史的発達に関する調査研究
三 国語教育の目的、方法及び結果に関する調査研究
四 新聞における言語、放送における言語等、同時に多人数が対象となる言語に関する調査研究
2 研究所は、前項の調査研究に基き、次の事業を行う。
一 国語政策の立案上参考となる資料の作成
二 国語研究資料の集成、保存及びその公表
三 現代語辞典、方言辞典、歴史的国語辞典その他研究成果の編集及び刊行
(調査研究の委託)
第三条 研究所の事業は、他の研究機関又は個人によつて既に行われ、又は現に行われている同種の調査研究と重複しないことを原則とする。
2 研究所は、前項の重複をさけるために、前条第一項各号の一に該当する調査研究が他の適当な研究機関又は個人によつて既に行われている場合には、研究所の事業として、その調査研究をその研究機関又は個人に委託することができる。
(所長)
第四条 研究所に所長を置く。
2 所長は、一級の文部教官又は文部事務官のうちから、文部大臣が命ずる。
3 所長は、他の政府職員と兼ねることができない。
(報告の公表)
第五条 所長は、毎年少くとも一回、調査研究の状況及びその成果に関する報告を公表しなければならない。
(評議員会)
第六条 研究所に評議員会を置く。
2 評議員会は、研究所の毎年の事業計画、調査研究の委託その他重要事項について審議し、所長に助言する。
3 所長は、前項の重要事項については、評議員会の助言を求めなければならない。
(評議員)
第七条 評議員会は、二十人の評議員で組織する。
2 評議員は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定めるところにより、学識経験のある者のうちから、文部大臣が命じ、又は委嘱する。
3 学校の教職員を除く政府職員は、評議員となることができない。
4 評議員の任期は、四年とし、二年ごとにその半数を改任又は改嘱する。但し、再任又は再委嘱を妨げない。
5 補欠の評議員の任期は、前任者の任期の残任期間とする。
(評議員会の会長及び副会長)
第八条 評議員会に評議員の互選による任期二年の会長及び副会長各一人を置く。
(評議員会の運営方法に関する事項)
第九条 この法律に定めるものを除くほか、評議員会の運営方法に関する事項は、評議員会の助言によつて、文部大臣が定める。
(研究所の運営)
第十条 研究所の部課等の編成、職員の選出及び配置その他研究所の運営について必要な事項は、所長が定める。
(定員)
第十一条 研究所に置かれる専任の文部教官又は文部事務官の定員は、次の通りとする。
級別 |
一級 |
二級 |
三級 |
計 |
備考 |
職員の種類 |
|||||
文部教官又は文部事務官 |
三人 |
一〇人 |
一二人 |
二五人 |
文部教官又は文部事務官の一級の定員は、所長の定員を含む。 |
2 文部教官又は文部事務官で現に二級又は三級の地位にあるものは、転任によつて、それぞれ前項の一級又は二級の文部教官又は文部事務官となることができない。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律施行の後、最初に命ぜられ、又は委嘱される評議員のうち、半数の者の任期は、第七条第四項の規定にかかわらず、二年とする。
(文部・内閣総理大臣署名)