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法律第百七号(昭二四・五・二六)

◎道路交通取締法の一部を改正する法律

道路交通取締法(昭和二十二年法律第百三十号)の一部を次のように改正する。

第三条を次のように改める。

第三条 道路を通行する歩行者は、右側に、車馬は、左側によらなければならない。

歩道と車道の区別のある道路においては、歩行者は、道路の左側の歩道を通行することができる。

第四条第一項中「葬列その他の行列」の下に「及び他の歩行者の通行を妨害する虞のある者で、命令で定めるもの」を加える。

第七条第二項第一号中「車馬」の下に「又は軌道車」を加え、同条第三項を削る。

第八条第一項中「法令に定められた速度の範囲内で、」を削る。

第九条第一項を次のように改める。

自動車は、公安委員会の運転免許を受けた者でなければ、これを運転してはならない。

第九条第二項を第四項とし、以下順次二項ずつ繰り下げ、第一項の次に次の二項を加える。

前項の規定による運転免許は、自動車運転者試験に合格した者に対し、運転免許証を交付して、これを行う。

自動車の運転者は、運転中、運転免許証を携帯していなければならない。

第十二条に次の一項を加える。

公安委員会は、危険防止及びその他の交通の安全のために特に必要があると認めるときは、区域を限り、併進、後退又は転回について、必要な制限を定めることができる。

第十四条を次のように改める。

第十四条 車馬は、左折しようとするときは、あらかじめその前から、できる限り道路の左側によつて徐行して回らなければならない。

自動車は、右折しようとするときは、あらかじめその前から、できる限り道路の中央によつて交さ点の中心の直近の外側を徐行して回らなければならない。

自動車以外の車馬が、右折しようとするときは、あらかじめその前から、できる限り道路の左側によつて交さ点の中心から離れた外側を徐行して回らなければならない。

交さ点の意義については、命令でこれを定める。

第十六条第一項第二号中「緊急自動車以外の自動車及び軌道車」を「軌道車」に改め、第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

三 緊急自動車以外の自動車

同条第二項中「前項」を「前二項」に、同条第三項中「緊急自動車」を「第一項に定める通行の順位による通行の区分、進路を譲る方法その他必要な事項及び緊急自動車」に改め、同条第二項を第三項とし、同条第三項を第四項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

前項第三号の自動車相互の間の通行についての順位は、第十条第一項に規定する命令で定める最高速度の順序による。

第十七条を次のように改める。

第十七条 車馬又は軌道車は、交通整理の行われていない交さ点に入ろうとするときは、第十六条第三項の規定にかかわらず、他の道路から既に交さ点に入つている車馬又は軌道車の進行を妨げてはならない。

順位の同じ車馬が、交通整理の行われていない交さ点に異なつた方向から同時に入ろうとする場合においては、右方のものは、左方のものに進路を譲らなければならない。

第十八条第二項を次のように改める。

公安委員会は、交さ点の状況により特に必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、常に一時停車すべき場所を定めることができる。

第十八条の次に次の一条を加える。

第十八条の二 手信号による交通整理の行われていない交さ点で右折しようとする車馬又は軌道車は、直進し、又は左折しようとする車馬又は軌道車があるときは、第十六条第三項又は第十七条第一項の規定にかかわらず、これに進路を譲つて、一時停車するか又は徐行しなければならない。但し、直進し、又は左折しようとする車馬又は軌道車の進行している地点、速度、進行の方向等から安全に通行できると合理的に判断される場合においては、一時停車することを要しない。

前項但書の場合においては、直進し、又は左折しようとする車馬又は軌道車は、既に右折している車馬又は軌道車に進路を譲らなければならない。

前二項の場合において、右折しようとする車馬又は軌道車が、回る地点に達するまでは、これを直進するものとみなす。

第十九条第一項中「接近して来たときは、」の下に「第十七条及び第十八条の二の規定にかかわらず、」を加え、同条第二項の次に次の一項を加える。

第十四条第一項及び第二項、第十七条第一項、第十八条並びに第十八条の二の規定は、緊急自動車については、これを適用しない。

第十九条の次に次の一条を加える。

第十九条の二 交通整理の行われている交さ点で左折し、又は右折しようとする車馬又は軌道車は、横断歩道において信号に従つて車馬又は軌道車の進路を通行している歩行者の通行を妨げてはならない。

車馬又は軌道車は、交通整理の行われていない交さ点においては、横断歩道を通行する歩行者の安全を確認してから、徐行して進まなければならない。この場合においては、歩行者は、当然すべき注意をしないで車道に入り、又は車馬若しくは軌道車の進路に接近してはならない。

第二十三条第二項中「停止することができる。」を「停止し、運転者に対し、そのために必要な応急の措置を指示することができる。」に改める。

第二十三条の次に次の一条を加える。

第二十三条の二 道路を通行する諸車又は軌道車は、命令の定めるところにより、法令で定められた危険防止及びその他の交通の安全のために必要な構造及び装置を備えていなければならず、且つ、これらは、調整されていなければならない。

当該警察官又は警察吏員は、車馬又は軌道車が、第七条第二項各号の一に該当し、又は前項の規定に違反していると疑うに足りる相当の理由があるときは、一時車馬又は軌道車の操縦を停止し、運転免許証及び車両検査証の呈示を求め、並びに構造及び装置を検査することができる。

当該警察官又は警察吏員は、第七条第二項各号の一に該当し、又は第一項の規定に違反する車馬又は軌道車の操縦者に対し、交通の安全のために必要と認める応急の措置を指示し、並びにこれらの使用主又は操縦者に対し、命令で定める様式により、必要な構造若しくは装置を備え、又は必要な調整をすべき旨の警告書を交付することができる。

前項の規定による警告書の交付を受けた者は、警告書に記載された期間内に、命令で定めるところにより、必要な構造若しくは装置を備え、又は必要な調整をしたことについて、警察署長又は当該行政庁の証明を受けなければならない。

第二十四条第一項中「車馬」の下に「又は軌道車」を加える。

第二十六条第二項を第三項とし、以下順次繰り下げ、同条第一項の次に次の一項を加える。

警察署長は、前項の許可をしたときは、命令の定めるところにより、許可証を交付しなければならない。

第二十六条の次に次の二条を加える。

第二十六条の二 第九条の規定により、都道府県公安委員会の行う自動車運転者試験を受け、又は都道府県公安委員会から運転免許証の交付若しくは再交付を受けようとする者は、命令の定めるところにより、それぞれ、自動車運転者試験手数料、運転免許証交付手数料又は運転免許証再交付手数料を国庫に納めなければならない。

前条の規定により、都道府県公安委員会の管轄区域内の警察署長から許可証の交付又は再交付を受けようとする者は、命令の定めるところにより、それぞれ、当該許可証の交付手数料又は再交付手数料を国庫に納めなければならない。

前二項の手数料の額は、千円以下の範囲内において、命令でこれを定める。

第二十六条の三 第九条の規定により、市町村若しくは都が、市町村公安委員会若しくは特別区公安委員会の行う自動車運転者試験を受け、若しくは市町村公安委員会若しくは特別区公安委員会から運転免許証の交付若しくは再交付を受けようとする者から、それぞれ、自動車運転者試験手数料、運転免許証交付手数料若しくは運転免許証再交付手数料を徴収する場合、又は第二十六条の規定により、市町村若しくは都が、市町村公安委員会若しくは特別区公安委員会の管轄区域内の警察署長から許可証の交付若しくは再交付を受けようとする者から、それぞれ、当該許可証の交付手数料若しくは再交付手数料を徴収する場合においては、その額は、千円をこえることができない。

第二十七条第一項中「五千円」を「五万円」に、同条第二項中「三千円」を「一万円」に改める。

第二十八条を次のように改める。

第二十八条 左の各号の一に該当する者は、これを三箇月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。

一 第七条第一項又は第二十四条第一項の規定に違反した者

二 第二十三条第二項の規定による当該警察官又は警察吏員の停止又は指示に従わなかつた者

三 第二十三条の二第二項の規定による当該警察官若しくは警察吏員の停止に従わず、又は呈示若しくは検査を拒み、若しくは妨げた者

四 第二十三条の二第三項の規定による当該警察官又は警察吏員の指示に従わなかつた者

五 第二十三条の二第四項の規定による警察署長又は当該行政庁の証明を受けなかつた者

六 第二十六条第三項又は第四項の規定による処分に違反した者

第二十九条中「千円」を「三千円」に、同条第一号中「第九条第五項」を「第九条第三項若しくは第七項」に、同条第二号中「第十二条」を「第十二条第一項」に、「第十四条」を「第十四条第一項乃至第三項」に、「第十六条第二項」を「第十六条第三項」に、「第十八条第一項又は第十九条第一項」を「第十八条、第十八条の二第一項若しくは第二項、第十九条第一項又は第十九条の二」に改め、同条第四号中「第六条」の下に「、第十二条第二項」を加える。

第三十条中「第九条第六項」を「第九条第八項」に改め、「第十三条、」の下に「第十六条第四項、」を加え、「又は第二十三条第一項」を「、第二十三条第一項又は第二十三条の二第一項若しくは第四項」に、「千円」を「三千円」に改める。

第三十一条中「第二十六条第一項の規定又は同条第二項若しくは第三項の規定による処分に違反したときは、行為者を」を「第二十三条の二第四項の規定に違反して証明を受けなかつたときは、同条第三項の規定による警告書の交付を受けた者を、第二十六条第一項の規定又は同条第三項若しくは第四項の規定による処分に違反したときは、行為者を、」に改める。

附 則

1 この法律は、昭和二十四年十一月一日から施行する。

2 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお、従前の例による。

(内閣総理・運輸大臣署名)

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