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法律第百十一号(昭二四・五・二八)

◎たばこ専売法

煙草専売法(明治三十七年法律第十四号)の全部を改正する。

目次

第一章 総則(第一条―第三条)

第二章 耕作(第四条―第二十六条)

第三章 製造(第二十七条)

第四章 輸入(第二十八条)

第五章 販売(第二十九条―第四十五条)

第六章 輸出(第四十六条―第五十条)

第七章 製造たばこ用巻紙(第五十一条―第六十一条)

第八章 雑則(第六十二条―第七十条)

第九章 罰則(第七十一条―第七十九条)

附則

第一章 総則

 (定義)

第一条 この法律において「たばこ」とは、たばこ属の植物をいう。

2 この法律において「葉たばこ」とは、たばこの葉をいう。

3 この法律において「製造たばこ」とは、葉たばこを主原料とし、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供しうる状態に製造したものをいう。

4 この法律において「製造たばこ用巻紙」とは、製造たばこのさや紙用に製造された紙をいう。

 (専売権)

第二条 たばこ種子の輸入、葉たばこの一手買取、輸入及び売渡、製造たばこの製造、輸入及び販売並びに製造たばこ用巻紙の一手買取、輸入及び販売の権能は、国に専属する。

 (専売権の実施)

第三条 前条の規定により国に専属する権能及びこれに伴う必要な事項は、この法律及び日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)の定めるところにより、日本専売公社(以下「公社」という。)に行わせる。

第二章 耕作

 (耕作の許可)

第四条 たばこは、公社又は第八条第一項若しくは第二十六条第一項の許可を受けた者でなければ耕作し、又は試作してはならない。

 (収納)

第五条 公社は、第十八条第三項の規定により廃棄するものを除き、公社の許可を受けてたばこの耕作をする者(以下「耕作者」という。)の収穫したすべての葉たばこを収納する。

2 前項の収納の価格は、毎年公社が定めて、あらかじめ公告する。

 (耕作区域)

第六条 公社は、たばこの耕作区域を定めて公告する。

 (耕作計画)

第七条 公社は、毎年耕作するたばこの種類及び耕作面積を定めて、あらかじめ公告する。

 (許可の申請)

第八条 たばこを耕作しようとする者は、毎年耕作地の位置及び面積、たばこの種類並びに乾燥場及び蔵置場の位置を定め、公社に申請して、その許可を受けなければならない。

2 耕作者が前項に規定する事項を変更し、又はその耕作を廃止しようとするときは、公社に申請して、その許可を受けなければならない。

3 前項の耕作廃止の許可申請が正当の事由に基いてなされたときは、公社は、葉たばこの生産確保上著しい支障がない限り、その許可を拒むことができない。

 (許可の制限)

第九条 公社は、左の各号の一に該当する場合においては、たばこの耕作を許可しないことができる。

一 申請者がこの法律に基いて処罰(第七十九条において準用する国税犯則取締法(明治三十三年法律第六十七号)に基いてされる通告の処分を含む。以下同じ。)され、その処罰の日から二年を経ない者である場合。但し、懲役に処せられた者については、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経ない者である場合。

二 申請者がこの法律に基いてたばこの耕作の許可を取り消され、取消の日から二年を経ない者である場合。

三 申請者の耕作の成績が不良であつた場合。

四 たばこ耕作上又は取締上不適当と認める場所に耕作しようとする場合。

五 申請面積の著しく少い場合。

六 たばこ耕作上必要な経営的及び技術的能力を有しないと認める場合。

2 法人が申請者である場合においては、前項第一号及び第二号の規定の適用については、法人の代表者もまた申請者とみなす。

3 未成年者又は禁治産者が申請者である場合においては、第一項第一号及び第二号の規定の適用については、その法定代理人もまた申請者とみなす。但し、営業に関し成年者と同一の能力を有する未成年者の場合においては、この限りでない。

 (耕作の引継)

第十条 耕作者が死亡した場合において、引き続いてたばこを耕作しようとする相続人は、遅滞なくその旨を公社に届け出なければならない。

2 前項の外、耕作者のたばこの耕作を引き継ごうとする者は、公社の許可を受けなければならない。

3 前条第一項第一号から第三号まで、第二項及び第三項の規定は、前項の許可について準用する。

 (たばこ種子)

第十一条 公社又は耕作者でなければ、たばこ種子を所有してはならない。

2 公社は、必要があると認めるときは、耕作者に対してたばこ種子を交付することができる。

 (たばこ苗)

第十二条 公社又は耕作者でなければ、たばこ苗を育成してはならない。

2 たばこ苗を育成しようとする者は、毎年苗床の位置及び坪数を定めて、公社に申請して、その許可を受けなければならない。

3 第八条第二項及び第三項の規定は、前項に規定する事項を変更し、又はたばこ苗の育成を廃止しようとする場合に準用する。

4 たばこ苗を譲り渡し、又は譲り受けようとする者は、公社の許可を受けなければならない。

 (耕作及び収穫義務)

第十三条 耕作者は、公社の定める方法により耕作し収穫しなければならない。

 (査定)

第十四条 公社は、収穫前に、葉たばこの収穫量目又は葉数を査定する。但し、査定の必要がないと認めたときは、これを省略することができる。

2 公社は、前項の規定により査定をしようとする場合には、耕作者に対してあらかじめその旨を通知し、又は公告しなければならない。前項但書の規定により査定を省略しようとする場合も、同様とする。

3 耕作者は、第一項の査定の場合に、立ち合わなければならない。若し、正当の事由がなくて立ち合わないときは、その査定に対して、第十五条の再査定の申立をすることができない。

 (再査定)

第十五条 耕作者は、前条の量目又は葉数の査定に不服があるときは、公社に対して再査定の申立をすることができる。

2 前項の再査定の申立は、正当の事由に因り査定に立ち合わなかつた場合を除いては、査定の際にしなければならない。

3 第一項の再査定の申立があつたときは、公社は、二人以上の査定人を選定し、再査定を行わせて、その量目又は葉数を決定する。この場合において、査定人は、少くともその半数を公社の職員でない者から選定しなければならない。

4 再査定の申立人の主張する葉たばこの量目又は葉数と前項の規定による決定額との差が前条の規定による査定額と前項の規定による決定額との差より大であるときは、再査定に要した費用は、その申立人の負担とする。

 (査定前の葉たばこ採取又は幹根抜除)

第十六条 耕作者は、第十四条第一項の規定による査定を受けた後又は同条第二項の規定による査定の省略の通知を受け、又は公告のあつた後でなければ公社の許可を受けないで葉たばこを採取し、又はたばこの幹根を抜き取つてはならない。前条の規定により再査定の申立をした者について、その決定前においても、同様とする。

 (収穫後の処置)

第十七条 耕作者は、第二項の規定による許可を受けた場合を除き、一番葉の収穫を終つたときは、直ちにたばこの幹根を抜き取り、その幹に着いている葉たばこを廃棄しなければならない。

2 耕作者は、たばこ種子の採取又は二番葉の収穫をしようとする場合においては、公社の許可を受けなければならない。

3 前項の場合において、採取又は収穫を終つたときは、第一項の処置をしなければならない。

 (納付)

第十八条 耕作者は、その収穫した葉たばこを、公社の定める方法により乾燥調理した後、すべて公社に納付しなければならない。

2 前項の納付の期日及び場所は、公社が定める。

3 耕作者は、その収穫した葉たばこで公社へ納付するに適しないものを、公社の承認を受けて廃棄しなければならない。

 (鑑定及び再鑑定)

第十九条 公社は、耕作者の納付した葉たばこの等級を鑑定し、その等級に相当する収納代金を支払う。

2 耕作者は、前項の鑑定に不服があるときは、公社に対して再鑑定を求めることができる。

3 前項の再鑑定の申立は、収納代金の請求前にしなければならない。

4 第十五条第三項の規定は、第二項の規定による再鑑定の申立に準用する。

5 再鑑定による葉たばこの等級が第一項の鑑定による等級より上位の等級とならないときは、再鑑定に要した費用は、その申立人の負担とする。

6 公社は、第二項の規定による再鑑定の申立があつた場合においては、その決定があるまで収納代金を支払わないことができる。

 (納付数量の不足)

第二十条 耕作者が納付した葉たばこの量目又は葉数が正当の事由がなくて公社の査定し、又は決定した量目又は葉数に達しないときは、公社は、その不足額に対して、第二十一条第二項の規定に準じて算定した額の十倍以下に相当する金額を納付させることができる。

 (耕作面積の減少又は耕作廃止)

第二十一条 耕作者が公社の許可を受けないで耕作面積を減少し、又は耕作を廃止したときは、公社は、その減作地又は廃作地において生産すべきであつた葉たばこの価格に相当する金額を納付させることができる。

2 前項の葉たばこの価格は、その年における近傍の類似耕作地における類似葉たばこの収納代金を標準として算定する。

第二十二条 耕作者がその耕作面積を減少し、又は耕作を廃止した場合において、その耕作を引き継ぐ者がないときは、公社は、現存するたばこ又はたばこ苗を廃棄させることができる。

 (葉たばこの運送)

第二十三条 耕作者の葉たばこは、その耕作地、乾燥場、蔵置場又は公社の定める納付場所へ運送する外、他へ運送してはならない。

2 公社は、必要と認めるときは、耕作者に対して、葉たばこの運送の通路及び時間を指示することができる。

 (災害補償)

第二十四条 耕作者の耕作したたばこ又は収穫した葉たばこが風害、水害、震害、ひよう害、干害、病害その他の災害にかかり、著しい損害を受けたときは、公社は、その耕作者にその損害の二分の一に相当する金額の範囲内で大蔵省令で定める額の補償金を交付することができる。

 (耕作者の団体)

第二十五条 耕作者が左に掲げる事業を行うことを目的とする団体又はその連合体を組織したときは、その規約を添附して遅滞なくその旨を公社に届け出なければならない。

一 たばこの耕作並びに葉たばこの乾燥及び調理の方法の改良

二 たばこの耕作の経営及び技術の向上に関する指導及び宣伝

三 肥料その他葉たばこの生産上必要な資材の共同購入

四 災害に因り耕作者の受けた損害に対する共済

五 葉たばこの生産上必要な試験その他の共同事業

六 たばこ種子の配布のあつ旋

七 葉たばこに関する公社の査定及び収納に伴う事務に対する助力

八 公社の耕作者に対して発する指示等の伝達

九 この法律の違反の自発的予防

2 前項に掲げる事業を行うことを目的とする団体又はその連合体は、左に掲げる要件を備えなければならない。

一 耕作者(法人である場合を除く。)の相互扶助を目的とすること。

二 団体員が任意に加入し、又は脱退することができること。

三 各団体員が平等の議決権を有すること。

3 公社は、第一項に規定する団体又はその連合体に対し、第一項第五号から第九号に掲げる事業に関し必要な指示をすることができる。

4 公社は、前項の規定による指示を受けた団体又はその連合体に対し、当該年度の予算の範囲内で、その指示された事業に要した費用の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。

 (試作)

第二十六条 たばこを試作しようとする者は、その試作ごとに試作地の位置及び面積、たばこの種類並びに乾燥場及び蔵置場の位置を定め、公社に申請して、その許可を受けなければならない。

2 第五条、第八条第二項及び第三項、第九条(第一項第五号を除く。)、第十条から第十二条まで、第十八条、第十九条第一項、第二十二条並びに第二十三条の規定は、前項の場合に準用する。

第三章 製造

 (製造)

第二十七条 製造たばこは、公社でなければ、製造してはならない。

第四章 輸入

 (輸入)

第二十八条 たばこ種子、葉たばこ又は製造たばこは、公社又は公社の委託を受けた者でなければ輸入してはならない。但し、健康上又は習慣上欠くことのできない製造たばこについては、その自用者は、公社の許可を受けて、その輸入をすることができる。

第五章 販売

 (小売人)

第二十九条 公社は、その指定した製造たばこの小売人(以下「小売人」という。)に製造たばこを販売させることができる。

2 公社又は小売人でなければ、製造たばこを販売してはならない。

 (指定の申請)

第三十条 小売人となろうとする者は、営業所の位置を定め、公社に申請して、営業所ごとにその指定を受けなければならない。

2 前項の申請書には、左に掲げる事項を記載しなければならない。

一 営業所の設備の構造及びその附近の略図

二 製造たばこの取扱の予定高及びこれに充てることができる資金の総額

三 現に他の事業を営んでいる場合には、その種類

四 法人である場合には、その資本金額及び役員の氏名

3 小売人が営業所の位置を変更しようとするときは、公社に申請して、その許可を受けなければならない。

4 小売人が営業所以外の場所に出張して製造たばこを販売しようとするときは、その販売をする場所及び期間を定め、公社に申請して、その許可を受けなければならない。

 (指定の制限)

第三十一条 公社は、左の各号の一に該当する場合においては、小売人の指定をしないことができる。

一 申請者がこの法律に基いて処罰され、その処罰の日から二年を経ない者である場合。但し、懲役に処せられた者については、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経ない者である場合。

二 申請者がこの法律に基いて小売人の指定を取り消され、その取消の日から二年を経ない者である場合。

三 営業所の位置又は設備が製造たばこの小売業を営むのに不適当と認められる場合。

四 製造たばこの取扱の予定高が公社の定める標準に達せず、その他著しく不適当と認められる場合。

五 営業所で事業として製造たばこの品質保持上不適当な物品を取り扱つている場合。

六 申請者が破産者で復権を得ていない場合その他その経営の基礎が著しく薄弱であると認められる場合。

2 第九条第二項及び第三項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において「前項第一号及び第二号」及び「第一項第一号及び第二号」とあるのは、それぞれ「第三十一条第一項第一号、第二号及び第六号」と読み替えるものとする。

 (指定の期間及び指定書の交付)

第三十二条 小売人の指定は、営業所ごとに三年以内の期間を定めて行う。

2 公社は、小売人の指定をした場合には、これに対し指定書を交付する。

3 公社は、第一項の期間が満了した場合において引き続き指定することを適当と認めるときは、第三十条の申請をまたないで、その指定をすることができる。

 (小売人の相続)

第三十三条 小売人が死亡した場合において、引き続いてその営業所で小売人となろうとする相続人は、遅滞なくその旨を公社に届け出なければならない。

 (定価)

第三十四条 公社は、大蔵大臣の認可を受け、製造たばこの小売定価を定めて公告する。

2 前項の規定は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三条の規定の適用を妨げるものではない。

3 小売人は、第一項の小売定価によらなければ、製造たばこを販売してはならない。

 (掲示義務)

第三十五条 小売人は、その営業所に、製造たばこの小売定価表を掲げなければならない。

 (帳簿、報告及び届出)

第三十六条 小売人は、帳簿を作製し、公社の定める事項を記載しなければならない。

2 小売人は、公社の指示するところにより、業務に関する報告を公社に提出しなければならない。

3 小売人は、住所、氏名若しくは名称又は第三十条第二項に記載した事項に変更があつたときは、遅滞なくその旨を公社に届け出なければならない。

 (買受販売制限)

第三十七条 小売人は、販売のために公社以外の者から製造たばこを譲り受けてはならない。但し、左の各号の一に該当するときは、この限りでない。

一 廃業その他の事由により、営業を継続することのできなくなつた小売人から譲り受けるとき。

二 競落により取得するとき。

2 小売人は、前項各号の場合においては、遅滞なくその旨を公社に報告しなければならない。

 (販売禁止)

第三十八条 小売人は、製造たばこの包装若しくはその内容を改変し、又は包装の破損し、若しくは汚染した製造たばこを販売してはならない。

 (指示)

第三十九条 公社は、小売人に対し、小売人の営業所の設備、営業所に備えて置くべき製造たばこの品種別数量、製造たばこの保存及び販売の方法その他販売に関する事項について指示することができる。

2 公社は、小売人の組織する団体又はその連合体に対し、製造たばこ小売業の健全な発達を図るために必要な事項を指示することができる。

 (差益及び差損)

第四十条 公社は、製造たばこの小売定価を改定した場合において、現に小売人の所有する製造たばこから生ずる差益又は差損の全部又は一部を小売人に納付させ、又は小売人に対し払い戻すことができる。

2 小売人は、小売定価の改定があつた場合においては、遅滞なくその改定があつたときにおいて所有する製造たばこの品種別数量を公社に届け出なければならない。

 (引換)

第四十一条 公社は、製造たばこが左の各号の一に該当するときは、小売人の請求により、これを引き換えなければならない。

一 品質が悪変したとき。

二 包装が破損し、又は汚染したとき。

三 前各号の外、公社が販売に適しないと認めたとき。

2 前項の規定による引換の原因が公社の責に帰すべき場合又は不可抗力による場合を除き、小売人は、製造たばこの減価に相当する金額を納付しなければならない。

 (営業の廃止)

第四十二条 小売人は、その営業所における営業を廃止しようとするときは、その旨を公社に届け出なければならない。

 (指定の取消及び販売の禁止)

第四十三条 公社は、小売人が左の各号の一に該当するときは、小売人の指定を取り消すことができる。

一 この法律の規定に違反したとき。

二 この法律に基いて公社の指示した事項に従わないとき。

三 第三十一条第一項第五号に該当するに至つたとき。

四 第三十一条第一項第六号に該当するに至つたとき。

五 正当の事由がなくて、引き続き一月以上営業せず、又は製造たばこの買受高が引き続き三月以上公社の定める標準に達しないとき。

六 第三十六条の帳簿又は報告に虚偽の記載があつたとき。

2 公社は、小売人が前項第一号又は第二号の規定に該当する場合においては、指定の取消に代え、一月以内の期間を定めて、製造たばこの販売を差し止めることができる。

3 第九条第二項又は第三項の規定は、前二項の場合に準用する。この場合において「前項第一号及び第二号」及び「第一項第一号及び第二号」とあるのは、それぞれ「第四十三条第一項第一号、第二号及び第四号」と、「申請者」とあるのは「小売人」と読み替えるものとする。

第四十四条 公社は、前条の規定により小売人の指定の取消又は販売の差止をしようとするきは、あらかじめ本人にその旨を通知し、小売人又はその代理人の出頭を求め、釈明のための証拠を提出する機会を与えるため、公社の指定する職員をして聴聞をさせなければならない。

 (買戻)

第四十五条 小売人は、廃業その他の事由により営業を継続することができない事情が生じたときは、その事実の発生後三十日以内に、現存する製造たばこの買戻を公社に請求することができる。

2 公社は、前項の規定により買戻を請求した製造たばこが公社の責に帰すべき事由又は不可抗力によらないで第四十一条第一項第一号又は第二号に該当するものであるときは、払い戻すべき金額から減価に相当する金額を控除する。

第六章 輸出

 (輸出)

第四十六条 公社は、葉たばこ若しくは製造たばこを輸出し、又は輸出のためこれを売り渡すことができる。

2 公社は、葉たばこ又は製造たばこの輸出のための売渡価格を定める。

3 第三十四条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

 (帳簿及び証明書類)

第四十七条 前条の規定により、輸出のため、葉たばこ又は製造たばこを買い受けた者は、帳簿を作製し、公社の定める事項を記載しなければならない。

2 前条の規定により、輸出のため、葉たばこ又は製造たばこを買い受けた者は、公社の指示した期間内に、輸出免状及び外国仕向港に陸揚をしたことを証する書類を公社に提出しなければならない。

3 正当の事由がなくて、前項の免状及び書類を提出しない場合においては、その葉たばこ又は製造たばこは、正当の事由がなくて不足したものとみなして第五十条の規定を適用する。

 (輸出前の制限)

第四十八条 輸出のため公社から買い受けた葉たばこ又は製造たばこは、輸出前に他に譲り渡し、又は消費してはならない。但し、公社の許可を受けて輸出のため他に譲り渡す場合は、この限りでない。この場合においては、輸出のため公社から葉たばこ又は製造たばこを買い受けたものとみなす。

2 輸出のため公社から買い受けた葉たばこ又は製造たばこで使用に適しなくなつたものは、公社の許可を受けなければ廃棄してはならない。

 (輸出の取止)

第四十九条 輸出のため葉たばこ又は製造たばこを買い受けた者が輸出を取り止めたときは、買い受けた者の申請に基き、公社は、その使用に適するものを買い戻し、その他のものを廃棄させなければならない。

2 輸出のため公社から買い受けた葉たばこ又は製造たばこをその買受の日から一年を過ぎても輸出しないときは、公社は、その使用に適するものを買い戻し、その他のものを廃棄させることができる。

3 第四十五条第二項の規定は、前二項の規定による買戻に準用する。

 (不足額に対する追徴)

第五十条 この章の規定により、輸出し、買い戻され、及び廃棄した葉たばこ並びに現存する葉たばこの総量目が、輸出のため公社から買い受けた葉たばこの総量目に比し、正当の事由がなくて不足したときは、公社は、買い受けた者に対して、その不足量目の葉たばこの売渡価格に相当する額の四倍以下に相当する金額を納付させることができる。公社から輸出のため買い受けた製造たばこの総量目についても、同様とする。

第七章 製造たばこ用巻紙

 (製造の許可)

第五十一条 製造たばこ用巻紙(以下「巻紙」という。)は、公社又は公社の許可を受けた者でなければ製造してはならない。

2 巻紙を製造しようとする者は、製造場及び蔵置場の位置を定め、公社に申請して、製造場ごとにその許可を受けなければならない。

3 前項の許可申請書には、左に掲げる事項を記載しなければならない。

一 製造場及び蔵置場の設備の構造並びに一箇年の製造能力

二 巻紙の製法に充てることができる資金の総額

三 法人である場合には、その資本金額及び役員の氏名

4 巻紙を製造する者が第二項に規定する事項を変更しようとするときは、公社に申請して、その許可を受けなければならない。

 (製造許可の制限)

第五十二条 公社は、左の各号の一に該当する場合においては、巻紙の製造を許可しないことができる。

一 申請者がこの法律に基いて処罰され、その処罰の日から二年を経ない者である場合。但し、懲役に処せられた者については、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経ない者である場合。

二 申請者がこの法律に基いて巻紙製造の許可を取り消され、取消の日から二年を経ない者である場合。

三 製造場又は蔵置場の設備が巻紙を製造するのに不適当と認められる場合。

四 巻紙の製造予定高が公社の定める標準に達しない場合。

五 申請者が破産者で復権を得ていない場合その他その経営の基礎が著しく薄弱であると認められる場合。

2 第九条第二項及び第三項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において「前項第一号及び第二号」及び「第一項第一号及び第二号」とあるのはそれぞれ「第五十二条第一項第一号、第二号及び第五号」と読み替えるものとする。

 (製造)

第五十三条 公社は、その許可を受けて巻紙を製造する者(以下「巻紙製造者」という。)に対し、製造場ごとに毎年その製造予定高を定めて通知しなければならない。

2 巻紙製造者は、公社の定める方法により、巻紙の製造をしなければならない。

 (収納)

第五十四条 公社は、巻紙製造者の製造したすべての巻紙を収納する。但し、第五十五条第三項の規定により処理するものについては、この限りでない。

2 公社は、巻紙の品質、規格及び収納価格を定める。

 (納付)

第五十五条 巻紙製造者は、その製造した巻紙を、すべて公社に納付しなければならない。

2 前項の納付の期日及び場所は、公社が定める。

3 巻紙製造者は、その製造した巻紙で公社へ納付するに適しないものを、公社の指示するところにより、処理しなければならない。

 (検査)

第五十六条 公社は、巻紙製造者の納付した巻紙の品質及び規格を検査し、その品質及び規格に相当する収納代金を支払う。

 (帳簿及び届出)

第五十七条 巻紙製造者は、帳簿を作製し、公社の定める事項を記載しなければならない。

2 巻紙製造者は、住所、氏名若しくは名称又は第五十一条第三項に記載した事項に変更があつたときは、遅滞なくその旨を公社に届け出なければならない。

 (製造の休止及び廃止)

第五十八条 巻紙製造者は、巻紙の製造を休止し、又は廃止しようとするときは、公社に申請して、その許可を受けなければならない。

2 前項の製造の休止又は廃止の許可申請が正当の事由に基いてなされたときは、公社は、巻紙の生産確保上著しい支障がない限り、その許可を拒むことができない。

3 巻紙製造者は、巻紙の製造を休止し、若しくは廃止したとき、又は製造の許可を取り消されたときは、公社の承認を受けなければ、現存する巻紙の原料、原質又はその半製品を処分してはならない。

 (許可の取消)

第五十九条 公社は、巻紙製造者が左の各号の一に該当するときは、製造の許可を取り消すことができる。

一 この法律の規定に違反したとき。

二 正当の事由がなくて、巻紙の製造について公社の定めた方法によらないとき。

三 第五十二条第一項第五号に該当するに至つたとき。

四 正当の事由がなくて、引き続き六月以上巻紙の製造を休止したとき又は製造高が公社の定める予定高に比し著しく不足するとき。

五 第五十七条の帳簿又は届出に虚偽の記載があつたとき。

2 第九条第二項及び第三項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において「前項第一号及び第二号」及び「第一項第一号及び第二号」とあるのはそれぞれ「第五十九条第一項第一号から第三号まで」と、「申請者」とあるのは「巻紙製造者」と読み替えるものとする。

3 第一項の規定により許可を取り消した場合においては、公社は、必要と認めるときは、巻紙製造者であつた者に一定の期間内製造その他の行為を継続させることができる。この場合においては、その継続の期間内は、巻紙製造者とみなす。

4 第四十四条の規定は、第一項の規定による許可の取消に準用する。

 (販売)

第六十条 巻紙は、公社又は小売人でなければ販売してはならない。

2 第三十四条から第四十一条までの規定は、巻紙の販売に準用する。

 (輸出入)

第六十一条 公社は、巻紙を輸出し、又は輸出のため、これを売り渡すことができる。

2 第四十六条第二項から第五十条までの規定は、前項の場合に準用す。

3 巻紙は、公社又は公社の委託を受けた者でなければ輸入してはならない。

第八章 雑則

 (特別売渡)

第六十二条 公社は、農薬の製造の用に供する目的その他の目的に充てるため、葉たばこ、製造たばこ又は葉たばこ若しくは製造たばこのくずを売り渡すことができる。

2 前項の規定により買い受けた者は、その買い受けた葉たばこ、製造たばこ又は葉たばこ若しくは製造たばこのくずを買受の際公社の定めた目的以外の目的に充ててはならない。

3 第一項の規定により、葉たばこ、製造たばこ又は葉たばこ若しくは製造たばこのくずを買い受けた者は、公社の定めるところにより、帳簿を作製し、農薬の製造又は製品の処分等に関する事項を記載しなければならない。

 (売渡代金の延納許可)

第六十三条 公社は、葉たばこ、製造たばこ、葉たばこ若しくは製造たばこのくず又は巻紙を売り渡す場合において、特に必要があると認めたときは、その代金の延納を許可することができる。

2 前項の規定により代金の延納を許可する場合においては、公社は、大蔵大臣の承認を受けなければならない。

 (見本及び標本)

第六十四条 公社は、見本又は標本に供する場合においては、たばこ種子、葉たばこ、製造たばこ又は巻紙を交付し、又はその輸入を許可することができる。

2 前項の規定により、交付又は輸入の許可を受けたたばこ種子、葉たばこ、製造たばこ又は巻紙は、見本又は標本に供する場合の外、公社の許可を受けなければ処分してはならない。

 (器具機械の製作等の制限)

第六十五条 製造たばこの製造用器具機械は、公社又は公社の許可を受けた者でなければ、製作し、販売し、輸出し、又は輸入してはならない。

2 前項の規定により許可を受けた者は、製造用器具機械を蔵置する場所を公社に届け出なければならない。これを変更しようとする場合も、同様とする。

 (所有等の制限)

第六十六条 何人も、この法律の規定により認められた場合を除く外、たばこ種子、たばこ苗、たばこ、葉たばこ、公社の売り渡さない製造たばこ若しくは巻紙又は製造たばこの製造用器具機械を所有し、所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。但し、正当の事由により、これを所有し、又は所持する場合は、この限りでない。

2 この法律により没収する場合を除く外、公社は、前項に該当する物件を廃棄させ、又は自ら廃棄しその他必要な処分をすることができる。

 (代用品の製造及び販売禁止)

第六十七条 何人も、営業の目的をもつて、製造たばこに代用する物品を製造し、又は販売してはならない。

 (法律違反者に対する許可取消)

第六十八条 耕作者、公社の許可を受けてたばこの試作をする者(以下「試作者」という。)又は製造たばこの製造用器具機械の製作者、販売者、輸出者若しくは輸入者がこの法律の規定に違反したときは、公社は、その耕作、試作、製作、販売、輸出又は輸入の許可を取り消すことができる。

2 第四十四条の規定は、前項の規定による許可の取消に準用する。

 (立入検査)

第六十九条 公社は、その職員をして左に掲げる場所に立ち入り、たばこ種子、たばこ苗、たばこ、葉たばこ、製造たばこ、巻紙、製造たばこの製造用器具機械、帳簿又は書類を検査させることができる。

一 たばこの苗床、耕作地若しくは試作地、葉たばこの乾燥場若しくは蔵置場又は耕作者若しくは試作者の住所、事務所若しくは営業所

二 たばこ種子、葉たばこ、製造たばこ、巻紙若しくは製造たばこの製造用器具機械の輸入者、小売人、輸出のため葉たばこ、製造たばこ若しくは巻紙を買い受けた者、巻紙製造者、第六十二条の規定により葉たばこ、製造たばこ若しくはこれらのくずを買い受けた者又は製造たばこの製造用器具機械の製造者、販売者若しくは輸出者の事務所、営業所、工場、事業場又は倉庫(製造たばこの製造用器具機械の蔵置場を含む。)

2 当該職員は、前項の規定による立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。

 (強制徴収)

第七十条 第十五条第四項、第十九条第五項、第二十条、第二十一条第一項、第四十条第一項(第六十条第二項において準用する場合を含む。)及び第五十条(第六十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により、公社に納付すべき金額は、国税滞納処分の例により徴収することができる。但し、先取特権の順位は、国税に次ぐものとする。

第九章 罰則

第七十一条 左の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

一 第四条、第十二条第一項(第二十六条第二項において準用する場合を含む。)、第三十七条第一項(第六十条第二項において準用する場合を含む。)、第四十八条第一項(第六十一条第二項において準用する場合を含む。)、第六十二条第二項、第六十五条第一項、第六十六条第一項又は第六十七条の規定に違反した者

二 許可を受けた耕作地若しくは試作地の位置以外の場所で、又は許可を受けた面積をこえてたばこを耕作し、又は試作した耕作者又は試作者

三 公社に納付しなければならない葉たばこ又は巻紙を消費し、又は隠した者

四 第二十七条又は第五十一条第一項の規定に違反して、製造たばこ若しくは巻紙を製造し、又はこれらの製造の準備をした者

五 第二十九条第二項又は第六十条第一項の規定に違反して、製造たばこ若しくは巻紙を販売し、又はこれらの販売の準備をした者

六 第四十八条第一項(第六十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して譲り渡された葉たばこ又は製造たばこ(第六十一条第二項において準用する場合は、巻紙)を譲り受けた者

七 第六十二条第二項の規定に違反して譲り渡された葉たばこ、製造たばこ又は葉たばこ若しくは製造たばこのくずを譲り受けた者

第七十二条 公社の委託又は許可を受けないで、たばこ種子、葉たばこ、製造たばこ又は巻紙の輸入をした者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。但し、輸入したたばこ種子、葉たばこ、製造たばこ又は巻紙の価額の十倍が三十万円をこえるときは、罰金は、当該価額の十倍以下とする。

2 前項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者又は同項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者は、同項の例による。

3 第一項の価額は、そのたばこ種子、葉たばこ、製造たばこ又は巻紙の生産地又は仕入地における原価に、荷造費、運送費、保険料その他輸入地に到着するまでの諸費及び輸入税に相当する金額を加えたものとする。

第七十三条 左の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。

一 第十六条、第三十四条第三項(第六十条第二項において準用する場合を含む。)、第三十八条(第六十条第二項において準用する場合を含む。)、第四十八条第二項(第六十一条第二項において準用する場合を含む。)、第五十五条第三項又は第五十八条第三項の規定に違反した者

二 許可を受けない種類のたばこを耕作し又は試作した耕作者又は試作者

三 第十条第二項(第二十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反してたばこの耕作又は試作を引き継いだ者

四 許可を受けないでたばこ苗を育成し、又は許可を受けた苗床の位置以外の場所で、若しくは許可を受けた坪数をこえてたばこ苗を育成した耕作者又は試作者

五 許可を受けた乾燥場又は蔵置場以外の場所で葉たばこを乾燥し、又は蔵置した耕作者又は試作者

六 第十七条第二項の規定に違反して、たばこ種子を採取し、又は二番葉を収穫した者

七 第二十三条(第二十六条第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)第一項の規定に違反し、又は第二十三条第二項の規定による公社の指示に違反して葉たばこを運送した者

八 第三十条第三項又は第四項の規定に違反して、営業所の位置を変更し、又は製造たばこの出張販売をした者

九 正当の事由がなくて第三十九条第一項(第六十条第二項において準用する場合を含む。)の規定による公社の指示に違反した者

十 第五十一条第四項の規定に違反して、同条第二項に規定する事項を変更した者

十一 第五十八条第一項の規定に違反して、巻紙の製造を休止し、又は廃止した者

第七十四条 左の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。

一 第十条第一項(第二十六条第二項において準用する場合を含む。)、第三十三条、第三十五条(第六十条第二項において準用する場合を含む。)又は第三十七条第二項(第六十条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

二 正当の事由がなくて公社の定めた納付期日に葉たばこ又は巻紙を納付しなかつた耕作者、試作者又は巻紙製造者

三 第三十六条第一項(第六十条第二項において準用する場合を含む。)、第四十七条第一項(第六十一条第二項において準用する場合を含む。)、第五十七条第一項又は第六十二条第三項の規定による帳簿を作製せず、又は所定の事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をした者

四 第三十六条第二項(第六十条第二項において準用する場合を含む。)又は第四十条第二項(第六十条第二項において準用する場合を含む。)の規定による報告若しくは届出をせず、又は虚偽の報告若しくは届出をした者

五 第四十二条の規定に違反して、営業を廃止した者

六 第六十四条第二項の規定に違反して、たばこ種子、葉たばこ、製造たばこ又は巻紙を消費し、又は廃棄した者

七 第六十九条の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

第七十五条 第七十一条、第七十二条第一項若しくは第二項又は第七十三条第四号から第七号までの犯罪に係るたばこ、たばこ種子、たばこ苗、葉たばこ、製造たばこ、葉たばこ若しくは製造たばこのくず、巻紙、製造たばこの代用品、その原料又は製造たばこ、巻紙若しくは製造たばこの代用品の製造用器具機械は、没収する。

2 前項の物件を他に譲り渡し、若しくは消費したとき又は他にその物件の所有者があつて没収することのできないときは、その価額を追徴する。

第七十六条 第七十一条又は第七十二条第一項若しくは第二項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。

第七十七条 法人の代表者、法人又は人の代理人、使用人その他の従業者が法人又は人の業務又は財産に関して第七十一条から第七十四条までの違反行為をしたときは、行為者を罰する外その法人又は人に対し各本条の罰金刑を科する。

第七十八条 第七十一条から第七十四条まで(第七十四条第三号及び第七号を除く。)の罪を犯した者には、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十八条第三項但書、第三十九条第二項、第四十条、第四十一条、第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。

第七十九条 国税犯則取締法の規定は、この法律の違反事件に準用する。この場合においては、この法律の違反事件は、間接国税の犯則事件とする。

2 前項の場合において、国税犯則取締法に規定する財務局長又は税務署長の職務は、公社の総裁の推薦に基き、その管轄区域を定めて大蔵大臣が指定する公社の役員又は職員が行う。

3 第一項の場合において、国税犯則取締法に規定する収税官吏の職務は、前項の規定により大蔵大臣が指定する公社の役員又は職員の管轄区域に応じ公社の総裁の推薦に基き大蔵大臣が指定する公社の職員並びに左に掲げる司法警察職員及び国家公務員(以下「司法警察職員等」という。)が行う。この場合において、財務局長の職務を行う公社の役員又は職員の管轄区域に応じて指定された公社の職員は、財務局の収税官吏と、税務署長の職務を行う公社の役員又は職員の管轄区域に応じて指定された公社の職員並びに司法警察職員等は、税務署の収税官吏とする。

一 警察官及び警察吏員

二 海上保安官

三 司法警察職員として職務を行う日本国有鉄道の役員及び職員

四 森林官吏

五 税関官吏

六 収税官吏

4 公社の総裁は、候補者を定めて前二項の規定による推薦をしなければならない。

5 第二項又は第三項に規定する役員又は職員が国税犯則取締法に規定する財務局長、税務署長又は収税官吏の職務を行う場合においては、大蔵大臣がこれを監督する。

6 大蔵大臣は、必要があると認めるときは、第二項又は第三項の規定による指定を解除することができる。

7 大蔵大臣は、第二項又は第三項に規定する役員又は職員が国税犯則取締法に規定する財務局長、税務署長又は収税官吏の職務を行う場合において同法若しくは同法に基く命令若しくは第五項の規定による大蔵大臣の監督上の命令に違反したとき又はその職務を怠つたときは、役員については、自ら解任し、職員については、公社の総裁に懲戒すべきことを命ずることができる。日本専売公社法第二十四条及び第四十五条の規定は、この場合に準用する。

8 第一項において準用する国税犯則取締法第十四条第一項の規定による通告により納付された金銭その他の物品は、国庫に帰属する。

9 第二項又は第三項に規定する役員又は職員が国税犯則取締法に規定する財務局長、税務署長又は収税官吏の職務を行う場合における国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)の規定の適用については、当該職務の遂行を国の公権力の行使とし、当該役員又は職員を国の公務員とする。

10 第一項において準用する国税犯則取締法による公社の役員及び職員の職務の遂行に要する経費は、公社の負担とする。

附 則

1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。

2 改正前の煙草専売法(以下「旧法」という。)又はこれに基く命令により政府がした許可、指定、これらの取消、命令、指示、決定その他の処分は、それらの処分のあつた日において、この法律に基いて公社がしたものとみなす。

3 旧法又はこれに基く命令による申請、異議若しくは再鑑定の申立、申告、報告、届出又は書類の提出は、この法律に基いて公社にされたものとみなす。

4 旧法若しくはこれに基く命令に基き、又は旧法若しくはこれに基く命令に基く政府の処分に因り、この法律施行の日以後において政府に納付すべき、又は政府から受領すべき代金、葉たばこ、巻紙その他の物は、それぞれ公社に納付し、又は公社から受領するものとする。この法律施行前に政府に納付すべきであつた、又は政府から受領すべきであつた物についても、同様とする。

5 この法律施行前に旧法第三十七条ノ三第一項の規定に基いて通知をし、まだ許可の取消をしていない場合においては、当該許可の取消については、同条の規定は、なお効力を有する。

6 旧法又はこれに基く命令に基いて処罰された者は、この法律に基いて処罰された者とみなす。

7 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

8 旧法の違反事件については、第七十九条の例による。

9 旧法第六十七条において準用する国税犯則取締法に基いてした処分は、この法律に基いて権限を有する公社の役員又は職員がしたものとみなす。

10 この法律施行の際における第七十九条第二項又は第三項の規定による公社の役員又は職員の指定は、公社の総裁の推薦によらないですることができる。

11 前項の規定による指定は、この法律施行の日から一月を経過した日又は公社の総裁の推薦に基いて第七十九条第二項若しくは第三項の規定による指定のあつた日において効力を失う。

12 この法律施行前に政府の売り渡した葉たばこ、製造たばこ及び巻紙は、この法律により公社の売り渡したものとみなす。

13 第三十四条第二項(第四十六条第三項及び第六十条第二項において準用する場合を含む。)の財政法第三条には、財政法第三条の特例に関する法律(昭和二十三年法律第二十七号)が効力を有する間は、同法を含むものとする。

14 事業者団体法(昭和二十三年法律第百九十一号)の一部を次のように改正する。

第六条第一項第四号二の次に次のように加える。

ホ たばこ専売法(昭和二十四年法律第百十一号)第二十五条第一項の規定により届け出たたばこ耕作者の団体及びその連合体

第七条第三号を次のように改める。

三 削除

15 日本専売公社法の一部を次のように改正する。

第一条中「煙草専売法(明治三十七年法律第十四号)、塩専売法(明治三十八年法律第十一号)及び粗製樟脳、樟脳油専売法(明治三十六年法律第五号)」を「たばこ専売法(昭和二十四年法律第百十一号)、塩専売法(昭和二十四年法律第百十二号)及びしよう脳専売法(昭和二十四年法律第百十三号)」に改める。

第二十七条第一号から第七号までを次のように改める。

一 葉たばこ、製造たばこ用巻紙、塩、にがり、粗製しよう脳及びしよう脳原油を買い入れること。

二 製造たばこ、塩、にがり、粗製しよう脳及びしよう脳原油を製造すること。

三 製造たばこ、製造たばこ用巻紙、塩、にがり、粗製しよう脳及びしよう脳原油を販売すること。

四 葉たばこ、製造たばこ用巻紙、塩、にがり、粗製しよう脳及びしよう脳原油の生産者の指導及び助成に関すること。

五 製造たばこ、製造たばこ用巻紙及び塩の販売者の指導及び助成に関すること。

六 葉たばこ、製造たばこ、製造たばこ用巻紙、塩、にがり、粗製しよう脳及びしよう脳原油の輸出及び輸入を行うこと。

七 前各号に掲げる事務の外たばこ専売法、塩専売法及びしよう脳専売法に定められた事項の実施に関すること。

第四十五条第一項第一号中「煙草専売法、塩専売法及び粗製樟脳、樟脳油専売法」を「たばこ専売法、塩専売法及びしよう脳専売法」に改める。

(大蔵・内閣総理大臣署名)

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