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法律第二百三十九号(昭二五・八・五)

  ◎商品取引所法

目次

 第一章 総則(第一条―第八条)

 第二章 設立(第九条―第十八条)

 第三章 登録の変更、取消及びまつ消(第十九条―第二十二条)

 第四章 会員(第二十三条―第四十条)

 第五章 商品仲買人(第四十一条―第五十四条)

 第六章 機関(第五十五条―第七十一条)

 第七章 計算(第七十二条―第七十六条)

 第八章 商品市場における売買取引(第七十七条―第九十条)

 第九章 商品市場における売買取引の受託(第九十一条―第九十七条)

 第十章 解散及び清算(第九十八条―第百一条)

 第十一章 登記(第百二条―第百十八条)

 第十二章 監督(第百十九条―第百二十五条)

 第十三章 仲介(第百二十六条―第百三十四条)

 第十四章 商品取引所取引紛争審査会(第百三十五条・第百三十六条)

 第十五章 商品取引所審議会(第百三十七条―第百四十二条)

 第十六章 雑則(第百四十三条―第百五十一条)

 第十七章 罰則(第百五十二条―第百六十六条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、商品取引所の組織、商品市場における売買取引の管理等について定め、その健全な運営を確保することにより、商品の価格の形成及び売買その他の取引を公正にするとともに、商品の生産及び流通を円滑にし、もつて国民経済の適切な運営に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「商品取引所」とは、一種又は数種の商品の先物取引を行うために必要な市場のための施設を開設することを主たる目的としてこの法律に基いて設立されたものをいう。

2 この法律において「商品」とは、左に掲げるものをいう。

 一 綿花

 二 綿糸

 三 綿布

 四 乾繭

 五 生糸

 六 人造絹糸

 七 ステープルフアイバー糸

 八 毛糸

 九 ゴム

 十 その他品質が比較的均等であつて大量の取引に適し、且つ、耐久性を有する物品のうち取引の状況を考慮して政令で定めるもの

3 この法律において「商品市場」とは、主として決済を将来において行い、且つ、この法律の規定に従つてされる商品の売買取引のために商品取引所が一種の商品ごとに開設する市場をいう。

4 この法律において「先物取引」とは、売買の当事者が商品取引所が定める基準及び方法に従い、将来の一定の時期において、当該売買の目的物となつている商品及びその対価を現に授受するように制約される取引であつて、現に当該商品の転売又は買戻をしたときは、差金の授受によつて決済をすることができるものをいう。

5 この法律において「上場」とは、商品市場において売買取引の目的物とすることをいう。

6 この法律において「商品仲買人」とは、商品取引所の会員でこの法律により他人の委託を受けて商品市場において売買取引することを認められるものをいう。

 (法人格及び組織)

第三条 商品取引所は、法人とする。

2 商品取引所は、会員組織とする。

3 商品取引所は、営利の目的をもつて業務を営んではならない。

 (業務の制限)

第四条 商品取引所は、その目的を達成するために直接必要な業務以外の業務を営んではならない。但し、主務大臣の承認を得た場合は、商品の品質の鑑定、刊行物の発行その他その業務に附帯する業務を営むことができる。

 (住所)

第五条 商品取引所の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

 (名称)

第六条 商品取引所は、その名称中に「取引所」という文字を用いなければならない。

2 商品取引所及び証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)に基いて設立された証券取引所以外の者は、その商号(名称を含む。以下同じ。)中に取引所又はこれに類似する文字を用いてはならない。

 (市場の開設の制限)

第七条 商品取引所(以下「取引所」という。)は、先物取引をする商品市場のための施設を開設することができる。

2 取引所は、当該取引所の上場商品として第九条第五項に規定する商品取引所登録簿に登録されている商品を売買取引する市場以外の市場を開設してはならない。

3 取引所は、一種の商品について二以上の商品市場を開設してはならない。

 (商品市場類似施設の開設の禁止)

第八条 何人も、先物取引をする商品市場に類似する施設(証券取引法第二条第十二項に規定する有価証券市場を除く。)を開設してはならない。

2 何人も、前項の施設において売買してはならない。

   第二章 設立

 (設立要件)

第九条 取引所を設立するには、上場すべき商品一種ごとに十人以上の者が発起人とならなければならない。

2 発起人は、この法律の施行地において一年以上継続して、その設立しようとする取引所の開設する商品市場に上場すべき商品の売買、売買の媒介、生産又は加工(以下「売買等」という。)を業として営んでいる者でなければならない。

3 取引所は、その上場すべき商品一種ごとに二十人以上の会員がなければ、設立することができない。

4 二種以上の上場商品の売買等を業として営んでいる者は、第一項、前項、第九十八条第一項第五号又は第九十九条に規定する発起人又は会員の数の計算については、当該商品の一種ごとに一人とみなす。

5 発起人が取引所を設立しようとするときは、主務省に備える商品取引所登録簿に登録を受けなければならない。

 (定款記載事項) 

第十条 発起人は、取引所の定款を作成し、これに左の事項を記載して署名しなければならない。

 一 事業

 二 名称

 三 事務所の所在地及び商品市場を開設する地

 四 会員たる資格に関する事項

 五 出資一口の金額並びにその払込の時期及び方法

 六 会員の加入及び脱退に関する事項

 七 会員信認金、仲買保証金及び売買証拠金に関する事項

 八 会員の経費の分担に関する事項

 九 会員に対する制裁に関する事項

 十 役員の定数、任期及び選挙に関する事項

 十一 会員総会(以下「総会」という。)に関する事項

 十二 商品市場外における会員間の契約に対する定款、業務規程及び受託契約準則の拘束力に関する事項

 十三 上場商品に関する事項

 十四 事業年度

 十五 剰余金の処分及び損失の処理に関する事項

 十六 公告の方法

 十七 取引所の負担に帰すべき設立費用及び発起人が受けるべき報酬の額

 (加入申込証)

第十一条 取引所の会員になろうとする者は、加入申込証に住所及びその引き受けるべき出資口数並びにその者が商品市場において売買取引しようとする商品を記載して、これに署名しなければならない。

2 設立の際の加入申込証は、発起人が作り、左の事項を記載しなければならない。

 一 定款に記載した事項

 二 発起人の氏名又は商号及び住所

 三 出資の払込の方法、期限及び場所

 四 一定の時期までに創立総会が終らなかつたときは、加入の申込を取り消すことができること。

3 取引所の成立後の加入申込証は、理事長が作り、左の事項を記載しなければならない。

 一 登録を受けた年月日

 二 定款に記載した事項

 三 役員の氏名及び住所

 四 出資の払込の方法、期限及び場所

 (創立総会)

第十二条 発起人は、定款作成後、会員になろうとする者を募り、出資の全額の払込が終了した者の数が第九条第三項に定める数以上に達したときは、前条第二項第三号に定める出資の払込の期限となつている日又は第九条第三項に定める数に達した日のうちいずれか遅い日後十日を経過した日から五日以内に、創立総会を開かなければならない。

2 定款の承認その他設立に必要な事項の決定は、創立総会の決議によらなければならない。

3 創立総会においては、定款を修正することができる。但し、会員たる資格に関する事項については、この限りでない。

4 創立総会における議事は、会員になろうとする者(その出資の全額の払込が終了した者に限る。以下第五項及び第六項において同じ。)の半数以上が出席し、その議決権の三分の二以上で決する。

5 会員になろうとする者は、創立総会において、出資口数にかかわらず、各自一箇の議決権を有する。

6 設立当時の役員は、定款で定めるところにより、創立総会において、会員になろうとする者が選挙する。この場合において、会員になろうとする者は、出資口数にかかわらず、各自一箇の選挙権を有する。

7 第六十六条第六項本文及び第七十条並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百三十九条第四項、第二百四十条(特別利害関係人の議決権)、第二百四十四条(株主総会の議事録)及び第二百四十七条から第二百五十三条まで(株主総会の決議の取消又は無効の訴)の規定は、創立総会について準用する。この場合において、商法第二百四十七条第一項中「第三百四十三条」とあるのは「商品取引所法第十二条第四項」と読み替えるものとする。

 (登録の申請)

第十三条 発起人は、第九条第五項の登録を受けようとするときは、創立総会終了後、遅滞なく、左に掲げる事項を記載した登録申請書を主務大臣に提出しなければならない。

 一 取引所の名称

 二 事務所

 三 上場商品

 四 商品市場の所在の場所

 五 役員の氏名

 六 会員の氏名又は商号及びその者が商品市場において売買取引する商品

2 前項の登録申請書には、左に掲げる書類を添附しなければならない。

 一 定款、業務規程及び受託契約準則

 二 役員の履歴書、戸籍抄本又は戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十条第一項に規定する証明書(以下「戸籍証明書」という。)及びその者が第二十四条第一項第一号から第六号までに掲げる者に該当しないことを誓約する書面

 三 会員の氏名又は商号並びに本店又は主たる事務所及び支店その他の従たる営業所又は事務所の名称及び所在の場所を記載した書面、その者が第二十四条第一項各号に掲げる者に該当しないことを誓約する書面並びに登録申請日前三十日以内の日の現在における第二十五条第一項の規定による会員の純資産額に関する調書

 四 発起人が第九条第二項の規定に該当する者であることを誓約する書面

 五 加入申込証

 六 出資の払込があつたことを証する書面

 七 創立総会の議事録

 (登録及びその通知)

第十四条 前条第一項の規定による登録の申請があつた場合においては、第十五条の規定により登録を拒否する場合を除くの外、主務大臣は、登録申請書を受理した日から六十日を経過した日までに、商品取引所登録簿に前条第一項各号に掲げる事項及び登録年月日を登録しなければならない。

2 主務大臣は、前項の規定による登録をした場合においては、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。

 (登録の拒否及び聴聞)

第十五条 主務大臣は、第十三条第一項の規定による登録の申請があつた場合において、左の各号の一に該当すると認めるときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 定款、業務規程若しくは受託契約準則の規定若しくは設立の手続が法令に違反しているとき、又は定款、業務規程若しくは受託契約準則に規定する売買取引の方法若しくは管理、会員の資格、商品市場の所在の場所その他の事項が不適当であつて、商品市場における売買取引の公正を確保するため若しくは委託者を保護するため充分でないとき。

 二 当該取引所がこの法律に適合するように組織されるものでないとき。

 三 登録申請書又は第十三条第二項各号に掲げる書類の記載事項のうちに、重要な事項について虚偽の記載があるとき、又は重要な事実の記載が欠けているとき。

 四 当該取引所の設立される地方における当該上場商品の取引高が当該上場商品の公正な相場を形成するには不充分であるため、又は既に設立されている取引所で当該商品を上場商品とするものの分布状況若しくは当該商品に係る統制の状況に照らし、当該取引所を設立することが適当でないとき。

2 主務大臣は、前項の規定により登録を拒否しようとするときは、あらかじめ登録申請者にその旨を通知し、登録申請者又はその代理人の出頭を求め、釈明のための証拠を提出する機会を与えるため、その職員をして聴聞させなければならない。

3 前項の場合において、主務大臣は、聴聞される者が正当な理由がないのに聴聞に応じないときは、聴聞を行わないで登録を拒否することができる。

4 主務大臣は、第二項の通知をする場合においては、聴聞の事項、場所及び期日を明らかにして、通知しなければならない。

5 第二項の聴聞は、すべて公開しなければならない。但し、聴聞される者の業務に関する秘密を保つため必要があると認めるとき、又は公益上必要があると認めるときは、この限りでない。

6 主務大臣は、第二項の聴聞を行うため必要があると認めるときは、参考人の出頭を求めてその意見を聴取し、若しくは参考人にその意見若しくは報告の提出を求め、又は鑑定人に出頭を求めて鑑定をさせることができる。

7 主務大臣は、第一項の規定により登録を拒否した場合においては、遅滞なく、理由を示し、その旨を登録申請者に通知しなければならない。

 (成立の時期)

第十六条 取引所は、その設立の登記をすることに因り成立する。

 (理事長への事務引継)

第十七条 発起人は、第十四条第一項の登録があつたときは、遅滞なく、その事務を理事長に引き継がなければならない。

 (商法の準用)

第十八条 商法第百九十三条、第百九十四条、第百九十六条(発起人の責任)及び第百九十七条(発起人に対する訴)の規定は、取引所の発起人について、同法第四百二十八条(設立の無効の訴)の規定は、取引所の設立について準用する。この場合において、商法第百九十六条中「第三百四十三条」とあるのは「商品取引所法第六十八条第一項」と、同法第百九十七条中「資本ノ十分ノ一以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「会員である五分の一以上の者」と読み替えるものとする。

   第三章 登録の変更、取消及びまつ消

 (届出により登録の変更)

第十九条 取引所は、第十三条第一項第一号、第二号、第五号又は第六号に掲げる事項について変更があつたときは、遅滞なく、その旨を記載した変更届出書を主務大臣に提出しなければならない。

2 前項の変更届出書には、その変更を証する書面及び左に掲げる書類を添附しなければならない。但し、その変更が第十三条第一項第二号に係るものであるときは、この限りでない。

 一 変更の届出が新たに会員となつたものに係るものであるときは、その者の氏名又は商号並びに本店又は主たる事務所及び支店その他の従たる営業所又は事務所の名称及び所在の場所を記載した書面並びにその者が第二十四条第一項各号に掲げる者に該当しないことを誓約する書面及び会員となつた日の現在における第二十五条第一項の規定による純資産額に関する調書

 二 変更の届出が会員の商品市場において売買取引する商品の追加に係るものであるときは、変更の届出日前三十日以内の日の現在における第二十五条第一項の規定による純資産額に関する調書

 三 変更の届出が新たに就任した役員に係るものであるときは、当該役員の履歴書、戸籍抄本又は戸籍証明書及びその者が第二十四条第一項第一号から第六号までに掲げる者に該当しないことを誓約する書面

3 第十四条並びに第十五条第一項第三号及び第二項から第七項までの規定は、第一項の規定による登録の変更の届出について準用する。この場合において、第十四条第一項及び第十五条第一項第三号中「登録申請書」とあるのは「変更届出書」と、第十四条第二項及び第十五条第七項中「登録申請者」とあるのは「変更届出者」と、第十五条第一項第三号中「第十三条第二項各号に掲げる書類」とあるのは「第十九条第二項の規定による添附書類」と、同条第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「変更届出者にその旨を通知し、変更届出者の役員」と読み替えるものとする。

 (申請による登録の変更)

第二十条 取引所は、第十三条第一項第三号及び第四号に掲げる事項について変更しようとするときは、その旨を記載した登録変更申請書を主務大臣に提出しなければならない。

2 前項の登録変更申請書には、左に掲げる書類を添附しなければならない。

 一 変更の申請が上場商品の追加に係るときは、新たに上場しようとする商品一種ごとについて、当該商品を商品市場において売買取引する資格を有する会員及び当該会員になろうとして、その引き受けた出資の全額の払込を終了した者の合計数が二十人以上であることを証する書面

 二 変更の申請が上場商品の一部の上場廃止に係るときは、その廃止の理由を記載した書面

 三 変更の申請が商品市場の所在の場所の変更に係るときは、その変更の理由を記載した書面

3 第十四条及び第十五条の規定は、第一項の規定による登録の変更の申請について準用する。この場合において、第十四条第一項及び第十五条第一項第三号中「登録申請書」とあるのは「登録変更申請書」と、第十四条第二項及び第十五条第七項中「登録申請者」とあるのは「登録変更申請者」と、第十五条第一項第三号中「第十三条第二項各号に掲げる書類」とあるのは「第二十条第二項各号に掲げる書類」と、同項第四号中「当該取引所を設立すること」とあるのは「当該上場商品を追加すること」と、同条第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「登録変更申請者にその旨を通知し、登録変更申請者の役員」と読み替えるものとする。

 (登録の取消等)

第二十一条 主務大臣は、第百二十一条第一項第一号の規定により取引所の登録を取り消す場合を除くの外、左の各号の一に該当するときは、取引所の登録を取り消し、又は登録に係る事項の一部の変更を命ずることができる。

 一 取引所が正当な理由がないのに商品市場を開設することができることとなつた日から三月以内に上場商品の全部若しくは一部について商品市場を開設しないとき、又は引き続き三月以上上場商品の全部若しくは一部について商品市場における売買取引を停止したとき。

 二 第十三条第一項の登録申請書、第十九条第一項の変更届出書若しくは前条第一項の登録変更申請書又はこれらの書面の添附書類の記載事項のうちに、重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けていることを発見したとき。

2 第十五条第二項から第七項までの規定は、前項の規定による登録の取消について準用する。この場合において、第十五条第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「当該取引所にその旨を通知し、当該取引所の役員」と、同条第七項中「登録申請者」とあるのは「当該取引所」と読み替えるものとする。

 (登録のまつ消)

第二十二条 主務大臣は、前条若しくは第百二十一条第一項第一号の規定により取引所の登録を取り消したとき、又は第九十八条第二項の規定による届出があつたときは、商品取引所登録簿につき、当該取引所に関する登録をまつ消しなければならない。

   第四章 会員

 (会員たる資格)

第二十三条 取引所の会員たる資格を有する者は、この法律の施行地において、当該取引所の上場商品(当該商品の主たる原料となつている物又は当該商品を主たる原料とする物で政令で定めるものを含む。以下第二項において同じ。)の売買等(証券業者がする売買等を含む。以下第二項において同じ。)を業として営んでいる者に限る。

2 会員が死亡した場合において、その相続人が被相続人の死亡の日から三月を経過する日までに、被相続人が商品市場において売買取引していた上場商品の売買等を業として営むこととなつたときは、その相続人は、被相続人の死亡の時から会員たる資格を有するものとみなす。

3 前項の場合において、相続人が数人あるときは、その相続人全員の同意をもつて選定された一人の相続人に対してのみ、同項の規定を適用する。

 (欠格条件)

第二十四条 左の各号の一に該当する者は、会員となることができない。

 一 破産者で復権を得ないもの

 二 禁こ以上の刑又はこの法律若しくは証券取引法第五章(第百十一条及び第百十八条を除く。)、第百八十七条第一項若しくは第百九十一条の規定に係る罰則の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終つた日又は執行を受けることがないこととなつた日から五年を経過するまでの者

 三 第五十二条第一項第二号若しくは第二項第二号又は第百二十三条の規定により商品仲買人の登録を取り消され、又は第百二十二条の規定による除名を命ぜられ、その処分の日から五年を経過するまでの者

 四 法人である商品仲買人が第五十二条第一項第二号若しくは第二項第二号又は第百二十三条の規定により登録を取り消され、又は法人である会員が第百二十二条の規定による除名を命ぜられた場合において、当該処分があつた日前三十日以内に当該法人を代表する役員であつた者で当該法人がその処分を受けた日から五年を経過するまでのもの

 五 第百二十二条若しくは第百二十三条又は第百三十二条第一項の規定により解任を命ぜられた役員でその処分を受けた日から五年を経過するまでのもの

 六 第百四十三条第一項又は証券取引法第百八十七条第一項の規定による裁判所の命令を受けた後一年を経過するまでの者

 七 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者又は禁治産者でその法定代理人が前各号の一に該当するもの

 八 法人でその役員のうちに第一号から第六号までの一に該当するもののあるもの

2 合併後存続する法人又は合併に因り設立された法人は、前項第二号、第三号及び第六号の規定の適用については、当該合併に因り消滅した法人と同一の法人とみなす。

 (資産上の要件)

第二十五条 取引所は、その定款をもつて、上場商品ごとに、商品市場において当該商品を売買取引する会員の純資産額の最低額を定めなければならない。但し、当該最低額は、商品の取引単位、取引高その他の取引事情を考慮して、商品ごとに政令で定める額を下つてはならない。

2 会員が二種以上の商品を商品市場において売買取引する場合においては、それぞれの商品についての前項の純資産額の最低額のうち最も多い額のものをその会員の純資産額の最低額とする。

3 会員の純資産額が前二項の規定による最低額を下ることとなつたときは、取引所は、遅滞なく、その者の商品市場における売買取引を停止し、且つ、その旨を主務大臣に報告しなければならない。

4 前項の場合において、当該会員が商品市場における売買取引の停止を命ぜられた日から六月以内にその者の純資産額が第一項又は第二項の規定による最低額以上に回復したときは、取引所は、遅滞なく、前項の規定による売買取引の停止を解除し、且つ、その旨を主務大臣に報告しなければならない。

5 二種以上の商品を商品市場において売買取引する会員で第三項の規定により売買取引を停止されたものの純資産額が第二項の規定による最低額には満たないが、停止前にその売買取引をしていた商品のいずれかについての第一項の規定による最低額以上である場合において、当該会員が前項に規定する期間内に当該最低額に係る商品のみを商品市場において売買取引をすることを取引所に申し出たときは、取引所は、遅滞なく、第三項の規定による売買取引の停止を当該商品について解除し、且つ、その旨を主務大臣に報告しなければならない。

6 第三項の場合において、会員の純資産額が第四項に規定する期間内に第一項の規定による最低額以上に回復しないとき、又は第四項に規定する期間内に第二項の規定による最低額以上に回復せず、且つ、会員が前項の規定による申出をしないときは、取引所は、遅滞なく、当該会員を除名しなければならない。

7 取引所は、第三項の規定によりその売買取引を停止したとき、又は前項の規定により会員を除名したときは、その理由を示し、遅滞なく、その旨を本人に通知しなければならない。

8 第一項の純資産額は、資産の合計金額から負債の合計金額を控除した額とし、主務省令で定めるところにより計算しなければならない。

 (出資)

第二十六条 会員は、出資一口以上を持たなければならない。

2 出資は、金銭以外の財産ですることができない。

3 出資一口の金額は、均一でなければならない。

4 会員は、出資口数にかかわらず、総会において各自一箇の議決権を有する。

5 取引所の債務に対する会員の責任は、第二十七条の規定による経費の負担及び第三十六条第三項の規定による損失額の負担の外、その出資額を限度とする。

6 会員は、出資の払込について、相殺をもつて取引所に対抗することができない。

 (経費の賦課)

第二十七条 取引所は、定款で定めるところにより、会員に経費を賦課することができる。

2 前条第六項の規定は、前項の経費の払込について準用する。

 (加入)

第二十八条 取引所の設立の際取引所に加入しようとする者でその引き受けた出資の全額の払込が終了したものは、その取引所成立の時に会員となる。

2 取引所の設立の際取引所に加入しようとする者で取引所成立の時までに前項に規定する払込の終了しない者については、取引所成立の時に加入の申込を取り消したものとみなす。

3 成立後の取引所に加入しようとする者は、定款で定めるところにより、加入につき取引所の承諾を得て、その引き受けた出資の全額の払込及び取引所が加入金を徴収することを定めた場合にはその支払を終了した時又は会員の持分の全部若しくは一部の譲受及び取引所が加入金を徴収することを定めた場合にはその支払を終了した時に会員となる。

4 取引所は、会員たる資格を有する者が取引所に加入しようとするときは、正当な理由がないのに、その加入を拒んではならない。

 (持分の譲渡)

第二十九条 会員は、定款で定めるところにより、会員又は会員たる資格を有する者に持分の全部又は一部を譲り渡すことができる。

2 会員たる資格を有する者が持分を譲り受けようとするときは、加入の例によらなければならない。

3 持分の譲受人は、その持分について、譲渡人の権利義務を承継する。

 (持分の承継)

第三十条 会員が死亡し、又は合併に因り解散した場合において、その相続人若しくは受遺者又は合併後存続する法人若しくは合併に因り設立された法人(以下本条において「相続人等」という。)が会員であるときは、その者は、被承継人の持分及びその持分についての被承継人の権利義務を承継する。この場合においては、承継人は、遅滞なく、その旨を取引所に通知しなければならない。

2 前項の場合において、相続人等が会員たる資格を有する者であるときは、その者は、加入につき、取引所の承諾を得て、被承継人の持分及びその持分についての被承継人の権利義務を承継することができる。

3 前項の場合において、相続人等が被承継人の持分及びその持分についての被承継人の権利義務を承継したときは、その者は、被承継人の死亡又は解散の時において会員になつたものとみなす。

4 第一項又は第二項の場合において、相続人又は受遺者が数人あるときは、その相続人若しくは受遺者全員の同意をもつて選定された一人の相続人又は受遺者に対してのみ、これらの項の規定を適用する。

 (持分の共有禁止)

第三十一条 会員は、持分を共有することができない。

 (任意脱退)

第三十二条 会員は、六十日前までに予告して、取引所を脱退することができる。

2 前項の予告期間は、定款で延長することができる。但し、その期間は、一年をこえることができない。

 (当然脱退)

第三十三条 会員は、前条及び第三十五条第一項に規定する場合の外、左の事由に因つて脱退する。

 一 会員たる資格の喪失

 二 その者が売買取引する商品市場のすべてが第九十九条の規定により閉鎖されたこと。

 三 持分全部の譲渡

 四 死亡又は解散

 五 除名

 (除名)

第三十四条 会員の除名は、第二十五条第六項の規定によつてする場合及び第百二十二条の規定による主務大臣の命令によつてする場合を除き、定款で定める事由のある会員につき、第六十八条第一項に定める総会の決議によつてするものとする。

2 前項の場合においては、取引所は、その総会の会日の十日前までに、その会員に対しその旨及び除名の理由を記載した書面を送付し、且つ、総会において弁明する機会を与えなければならない。

3 除名は、除名した会員にその旨を通知しなければ、これをもつてその者に対抗することができない。

 (持分の差押に因る脱退)

第三十五条 会員の持分を差し押えた債権者は、その会員を脱退させることができる。但し、取引所及び会員に対し六十日前までに予告しなければならない。

2 商法第九十条(持分差押の効力)及び第九十一条第二項(予告の失効)の規定は、前項の場合について準用する。

 (持分の払戻)

第三十六条 脱退した会員は、定款で定めるところにより、その持分の払戻を受けることができる。

2 前項の持分は、脱退した日の属する月の前月末日における取引所の財産によつて定める。

3 前項の持分を計算するに当り、取引所の財産をもつてその債務を完済するに足りないときは、取引所は、定款で定めるところにより、脱退した会員に対し、その負担に帰すべき損失額の払込を請求することができる。

4 第一項又は前項の規定による請求権は、脱退後二年間行わないときは、時効に因つて消滅する。

5 脱退した会員が取引所に対する債務を完済するまでは、取引所は、持分の払戻を停止することができる。

 (脱退前にした売買取引の決済の結了)

第三十七条 会員が脱退した場合において、その会員が商品市場における売買取引の決済を結了していないときは、取引所は、定款で定めるところにより、本人若しくはその一般承継人又は他の会員(当該商品市場において売買取引することができる他の会員に限る。以下本条において同じ。)をして当該売買取引の決済を結了させなければならない。

2 前項の場合においては、本人又はその一般承継人(会員たるものを除く。)は、当該売買取引の決済を結了する目的の範囲内において、会員とみなす。

3 第一項の規定により取引所が他の会員をして当該売買取引の決済を結了させるときは、本人又はその一般承継人と当該会員との間には委任契約が成立しているものとみなす。

4 第一項の規定により取引所が本人の一般承継人又は他の会員をして当該売買取引の決済を結了させる場合において、当該売買取引が委託に係るものであるときの当該一般承継人又は当該会員と当該売買取引の委託者との間についても、また前項と同様とする。

 (会員信認金)

第三十八条 会員は、定款で定めるところにより、取引所に対し、当該会員が商品市場において売買取引する商品ごとに会員信認金を預託しなければならない。

2 会員は、前項の会員信認金を預託した後でなければ、商品市場において売買取引をしてはならない。 

3 会員信認金は、有価証券(国債証券、地方債証券又は証券取引所の開設する市場において売買取引されている社債券若しくは株券のうち取引所が主務大臣の承認を受けて指定するものをいう。)をもつて、これに充てることができる。

4 前項の有価証券の充用価格は、時価を参しやくして政令で定めるところにより算出した価格をこえてはならない。

5 商品仲買人に対して商品市場における売買取引を委託した者は、その委託により生じた債権に関し、当該商品市場において売買取引する商品についての当該商品仲買人の会員信認金について、他の債権者に先だつて弁済を受ける権利を有する。

6 前項の優先弁済を受ける権利を互に競合するときは、会員でない委託者の有する権利は、会員たる委託者の有する権利に対し優先する。

 (帳簿の区分経理及び保存)

第三十九条 会員は、主務省令で定めるところにより、商品市場における売買取引と商品市場外における売買とを帳簿上区分して経理し、且つ、帳簿その他業務に関する書類を保存しておかなければならない。

 (制裁規程)

第四十条 取引所は、その定款において、会員が、この法律、この法律に基く命令、これらの法令に基いてする主務大臣の処分若しくは当該取引所の定款、業務規程、受託契約準則その他の規則に違反した場合、又は政令で取引の信義則に背反するものと指定する行為をした場合において、取引所の健全な運営を確保し、又は会員及び商品市場における売買取引の委託者の利益を確保するため必要があると認めるときは、当該会員に対し、十万円以下の過怠金を科し、若しくはその者の商品市場における売買取引の停止若しくは制限を命じ、又は当該会員を除名する旨を定めなければならない。

   第五章 商品仲買人

 (商品仲買人の要件)

第四十一条 商品市場において売買取引をすることができる商品仲買人は、当該商品市場において売買取引をすることができる会員であつて、取引所別に主務省に備える商品仲買人登録簿に登録を受けたものに限る。

 (資産上の要件)

第四十二条 取引所は、その定款をもつて、上場商品ごとに、商品市場において当該商品を売買取引する商品仲買人の純資産額の最低額を定めなければならない。但し、当該最低額は、商品の取引単位、取引高その他の取引事情及び委託者の保護を考慮して商品ごとに政令で定める額を下つてはならない。

2 商品仲買人が二種以上の商品を商品市場において売買取引する場合においては、それぞれの商品についての前項の純資産額の最低額のうち最も多い額のものをその商品仲買人の純資産額の最低額とする。

3 商品仲買人の純資産額が前二項の規定による最低額を下ることとなつたときは、主務大臣は、理由を示し、遅滞なく、当該商品仲買人に商品市場における売買取引の受託の停止を命じ、且つ、その旨をその者の所属する取引所に通知しなければならない。

4 前項の場合において、当該商品仲買人が受託の停止を命ぜられた日から六月以内にその者の純資産額が第一項又は第二項の規定による最低額以上に回復したときは、主務大臣は、前項の規定による受託の停止を解除しなければならない。

5 二種以上の商品について委託を受けて商品市場において売買取引する商品仲買人で第三項の規定により売買取引の受託を停止されたものの純資産額が第二項の規定による最低額には満たないが、停止前にその売買取引していた商品のいずれかについての第一項の規定による最低額以上である場合において、当該商品仲買人が前項に規定する期間内に当該最低額に係る商品のみを委託を受けて商品市場において売買取引することについての届出書を主務大臣に提出したときは、主務大臣は、第三項の規定による売買取引の受託の停止を当該商品について解除しなければならない。

6 第三項の場合において、商品仲買人の純資産額が第四項に規定する期間内に第一項の規定による最低額以上に回復しないとき、又は第四項に規定する期間内に第二項の規定による最低額以上に回復せず、且つ、商品仲買人が前項の規定による届出をしないときは、主務大臣は、当該商品仲買人の登録を取り消さなければならない。

7 第五項の場合において、第三項の規定による売買取引の受託の停止を解除されない商品については、主務大臣は、第四項に規定する期間経過後なるべくすみやかに当該商品仲買人に関する登録事項中当該商品に係る部分をまつ消しなければならない。

8 主務大臣は、第四項若しくは第五項の規定により受託の停止を解除したとき、第六項の規定により登録を取り消したとき、又は前項の規定により登録事項をまつ消したときは、理由を示し、遅滞なく、その旨を本人及びその者の所属する取引所に通知しなければならない。

9 第十五条第二項から第六項までの規定は、第三項から第七項までの規定により主務大臣が受託の停止を命じ、若しくは解除し、又は登録事項をまつ消する場合について、第二十五条第八項の規定は、第一項の純資産額の計算について準用する。この場合において、第十五条第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「当該商品仲買人にその旨を通知し、当該商品仲買人(法人である場合には、その役員)」と読み替えるものとする。

 (商品仲買人の特権)

第四十三条 商品仲買人以外の者は、商品市場における売買取引の委託を受けることができない。

 (登録の申請)

第四十四条 商品仲買人になろうとする者は、左に掲げる事項を記載した登録申請書をその者が商品仲買人として売買取引しようとする商品市場を開設する取引所ごとに作製し、その者の所属する当該取引所を経由して、これを主務大臣に提出しなければならない。

 一 商号

 二 本店又は主たる事務所及び商品市場における売買取引の受託を取り扱う支店その他の従たる営業所又は事務所の名称及び所在の場所

 三 その者が商品仲買人として商品市場において売買取引する商品及び当該商品市場を開設する取引所の名称

 四 法人であるときは、その資本金額(出資総額若しくは株金総額又は出資総額及び株金総額の合計額をいう。)及び役員の氏名

 五 個人であるときは、その者の氏名

2 前項の場合において、当該取引所は、登録申請者が前項第三号の商品を商品市場において売買取引することができる会員であるときは、これを受理し、遅滞なく、主務大臣に送付しなければならない。

3 第一項の登録申請書には、左に掲げる書類を添附しなければならない。

 一 法人であるときは、定款、当該法人の登録簿の謄本、役員の履歴書及び戸籍抄本又は戸籍証明書並びに当該法人が第二十四条第一項第一号から第三号まで、第六号及び第八号に掲げる者に該当しないことを誓約する書面、直前事業年度の貸借対照表及び損益計算書並びに第四十二条第一項に規定する純資産額に関する調書

 二 個人であるときは、その者(その者に法定代理人があるときは、その者及びその法定代理人。以下本号において同じ。)の履歴書及び戸籍抄本又は戸籍証明書、その者が第二十四条第一項第一号から第六号までに掲げる者に該当しないことを誓約する書面並びに第四十二条第一項に規定する純資産額に関する調書

4 前項各号の純資産額に関する調書は、登録申請日前三十日以内の日の現在において作製したものでなければならない。

 (登録及びその通知)

第四十五条 前条第一項の規定による登録の申請があつた場合においては、第四十八条の規定により登録を拒否する場合を除くの外、主務大臣は、登録申請書を受理した日から六十日を経過した日までに、商品仲買人登録簿に前条第一項各号に掲げる事項及び登録年月日を登録しなければならない。

2 主務大臣は、前項の規定による登録をした場合においては、遅滞なく、その旨を登録申請者及びその者の所属する取引所に通知しなければならない。

 (登録手数料及び仲買保証金)

第四十六条 前条第二項の通知を受けた登録申請者は、通知を受けた日から三十日以内に、政令で定めるところにより、登録手数料として三千円を納付しなければならない。

2 登録申請者は、前項の登録手数料を納付し、且つ、第四十七条第一項の仲買保証金を預託した後でなければ、商品市場における売買取引の委託を受けてはならない。

 (仲買保証金)

第四十七条 商品仲買人は、第四十五条第二項の通知を受けたときは、取引所の定款で定めるところにより、取引所に対し、第四十五条第一項の規定による登録がしてある商品ごとに、並びに本店又は主たる事務所及び同項の規定による登録がしてある支店その他従たる営業所又は事務所ごとに、第二項の規定により取引所の定款で定める仲買保証金を預託しなければならない。

2 前項及び第五十条第一項に規定する仲買保証金の額は、商品ごとに、当該商品仲買人の本店又は主たる事務所については三十万円、前項に規定する支店その他の従たる営業所又は事務所については一箇所につき五万円を下らない範囲内で取引所が定款で定める。

3 商品仲買人に対して商品市場における売買取引を委託した者は、その委託により生じた債権に関し、当該商品仲買人の当該商品市場において売買取引する商品についての仲買保証金について、他の債権者に先だつて弁済を受ける権利を有する。

4 第三十八条第三項、第四項及び第六項の規定は、仲買保証金について準用する。

 (登録の拒否)

第四十八条 主務大臣は、商品仲買人の登録を申請した者が左の各号の一に該当すると認めるときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 第二十四条第一項各号の一に該当するとき。

 二 純資産額が第四十二条第一項の規定により取引所の定める額に満たないとき。

 三 他の会員が現に使用する商号又は他の会員の営業若しくは事業と誤認される虞のある商号を当該会員の許諾を得ないで使用しようとするとき。

 四 登録申請者が提出した登録申請書又は第四十四条第三項各号に掲げる書類の記載事項のうちに、重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき。

2 第十五条第二項から第六項まで及び第四十五条第二項の規定は、前項の規定による登録の拒否について準用する。この場合において、第十五条第二項中「登録申請者又は」とあるのは「登録申請者(法人である場合には、その役員)又は」と読み替えるものとする。

 (登録の変更)

第四十九条 商品仲買人は、第四十四条第一項第一号、第二号、第四号又は第五号に掲げる事項について変更があつたときは、遅滞なく、その旨の変更届出書をその者の所属する取引所を経由して、主務大臣に提出しなければならない。

2 前項の変更届出書には、その変更を証する書面並びに変更の届出が新たに就任した役員に係るものであるときは、当該役員の履歴書、戸籍抄本又は戸籍証明書及びその者が第二十四条第一項第一号から第六号までに掲げる者に該当しないことを誓約する書面を添附しなければならない。但し、その変更が第四十四条第一項第二号に係るものであるときは、この限りでない。

3 商品仲買人は、第四十四条第一項第三号に掲げる事項について変更しようとするときは、その者の所属する取引所を経由して、主務大臣に登録変更申請書を提出しなければならない。

4 第十五条第二項から第六項まで、第四十四条第二項、第四十五条、第四十六条第二項及び前条第一項並びに同条第二項中第四十五条第二項の準用に関する部分の規定は、第一項の規定による変更の届出及び前項の規定による変更の申請について準用する。この場合において、第十五条第二項、第四十四条第二項、第四十五条第二項及び前条第一項第四号中「登録申請者」とあるのは「変更届出者又は登録変更申請者」と、第十五条第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「変更届出者又は登録変更申請者にその旨を通知し、変更届出者又は登録変更申請者(これらの者が法人である場合には、その役員)」と、第四十五条第一項及び前条第一項第四号中「登録申請書」とあるのは「変更届出書又は登録変更申請書」と、第四十五条第二項中「前項の規定による登録」とあるのは「第四十九条第四項において準用する前項又は第四十八条第一項の規定による登録の変更又は登録の変更の拒否」と、前条第一項中「商品仲買人の登録を申請した者」とあるのは「変更届出者又は登録変更申請者」と読み替えるものとする。

 (新営業所についての仲買保証金)

第五十条 商品仲買人は、新たに商品市場における売買取引の受託を取り扱う支店その他の従たる営業所又は事務所を設置する場合において、主務大臣からこれに関する登録変更をした旨の通知を受けたときは、取引所の定款で定めるところにより、当該営業所又は事務所についての仲買保証金を取引所に対し、預託しなければならない。

2 商品仲買人は、前項の仲買保証金を預託した後でなければ、当該支店その他の従たる営業所又は事務所において商品市場における売買取引の委託を受けてはならない。

 (届出事項)

第五十一条 商品仲買人は、第四十二条第五項及び第四十九条第一項の規定により届け出る場合の外、左の各号の一に該当するときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

 一 第二十四条第一項第一号、第二号、第六号から第八号まで若しくは第四十八条第一項第二号の一に掲げる者に該当することになつたとき、又は登録当時第二十四条第一項各号若しくは第四十八条第一項第二号の一に掲げる者に該当していたことが判明したとき。

 二 死亡又は解散以外の事由に因り取引所を脱退したとき。

 三 商品市場における売買取引の受託業務を廃止したとき。

 四 商品市場における売買取引の受託業務を開始し、休止し、又は再開したとき。

2 商品仲買人が左の各号に掲げる場合に該当することとなつたときは、当該各号に掲げる者は、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

 一 法人が合併に因り解散した場合においては、その業務を執行する役員であつた者

 二 法人が破産に因り解散し、又は個人が破産した場合においては、その破産管財人

 三 法人が合併又は破産以外の事由に因り解散した場合においては、その清算人

 四 個人が死亡した場合においては、その相続人

 (登録の取消)

第五十二条 主務大臣は、第四十二条第六項の規定により商品仲買人の登録を取り消す場合を除くの外、商品仲買人が左の各号の一に該当するときは、その登録を取り消さなければならない。

 一 第二十四条第一項第一号、第二号若しくは第六号から第八号までの一に掲げる者に該当することとなつたとき、又は登録当時第二十四条第一項各号の一に掲げる者に該当していたことが判明したとき。

 二 不正の手段により第四十五条第一項の規定による登録を受けていたとき。

2 主務大臣は、第百二十三条の規定により商品仲買人の登録を取り消す場合を除くの外、商品仲買人が左の各号の一に該当するときは、その登録を取り消すことができる。

 一 第四十六条第一項に規定する期間内に同項の規定による納付をしないとき。

 二 商品仲買人が正当な理由がないのに受託業務を開始することができることとなつた日から三月以内にその業務を開始しないとき、又は引き続き三月以上その業務を休止したとき。

3 第十五条第二項から第六項まで及び第四十五条第二項の規定は、前二項の規定による登録の取消について準用する。この場合において、第十五条第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「当該商品仲買人にその旨を通知し、当該商品仲買人(法人である場合には、その役員)」と、第四十五条第二項中「登録申請者」とあるのは「当該商品仲買人」と読み替えるものとする。

 (登録のまつ消)

第五十三条 主務大臣は、左の各号に掲げる場合においては、商品仲買人登録簿につき、当該商品仲買人に関する登録をまつ消しなければならない。

 一 第四十二条第六項、前条第一項若しくは第二項又は第百二十三条の規定により商品仲買人の登録を取り消したとき。

 二 第五十一条第一項第二号若しくは第三号又は同条第二項の規定による届出があつたとき。

 三 主務大臣が第五十一条第一項第二号若しくは第三号又は同条第二項各号に掲げる場合に該当するものと認めて商品仲買人又は同条第二項各号に掲げる者に通知して、その者又はその代理人の出頭を求め、釈明のため証拠を提出する機会を与えるためその職員をして聴聞させた後、その事実を確認したとき。

2 前項の規定による登録のまつ消は、同項の規定にかかわらず、左の各号の一に該当する場合において、主務大臣が当該各号に規定する日から三十日に満たない期間を定めて当該商品仲買人に通知したときは、その期間を経過するまでは、しないことができる。

 一 前項第二号に掲げる場合においては、主務大臣が当該届出を受理した日

 二 前項第三号に掲げる場合においては、主務大臣が当該事実を確認した日

3 第十五条第三項から第六項までの規定は、第一項第三号の規定により聴聞をする場合について、第四十五条第二項の規定は、第一項第二号及び第三号に規定する事由に因り登録をまつ消した場合について準用する。この場合において、第四十五条第二項中「登録申請者」とあるのは「当該商品仲買人」と読み替えるものとする。

 (帳簿の区分経理)

第五十四条 商品仲買人は、第三十九条の規定により区分経理する場合において、商品市場における売買取引についても、主務省令で定めるところにより、自己の計算による売買取引と委託者の計算による売買取引とを帳簿上区分して経理しなければならない。

   第六章 機関

 (役員)

第五十五条 取引所に、左の役員を置く。

 理事長    一人

 理事     二人以上

 監事     二人以上

 (役員の権限)

第五十六条 理事長は、取引所を代表し、その事務を総理する。

2 理事は、定款で定めるところにより、取引所を代表し、理事長を補佐して取引所の事務を掌理し、理事長に事故があるときにはその職務を代理し、理事長が欠員のときにはその職務を行う。

3 監事は、取引所の事務を監査する。

 (役員の欠格条件)

第五十七条 第二十四条第一項第一号から第六号までの一に掲げる者に該当する者は、役員になることができない。

 (役員の選挙)

第五十八条 役員(設立当時の役員を除く。)は、定款で定めるところにより、総会において、会員が選挙する。

2 前項の場合において、会員は、出資口数にかかわらず、各自一箇の選挙権を有する。

 (役員の任期)

第五十九条 役員の任期は、三年以内において定款で定める期間とする。

2 設立当時の役員の任期は、前項の規定にかかわらず、創立総会において定める期間とする。但し、その期間は、一年をこえることができない。

 (仮理事及び仮監事)

第六十条 主務大臣は、理事又は監事の職を行う者がない場合において、必要があると認めるときは、仮理事又は仮監事を選任することができる。

 (役員の解任の請求)

第六十一条 会員は、総会員の五分の一以上の連署をもつて、役員の解任を請求することができる。この場合において、その請求につき、総会員の半数以上が出席する総会において、出席会員の過半数の同意があつたときは、その請求に係る役員は、その職を失う。

2 前項の規定による解任の請求は、理事長及び理事の全員又は監事の全員について、同時にしなければならない。但し、法令又は定款若しくは業務規程の違反を理由として解任を請求するときは、この限りでない。

3 第一項の規定による解任の請求は、その理由を記載した書面を理事長に提出してしなければならない。

4 第一項の規定による解任の請求があつたときは、理事長は、その請求を総会の議に附し、且つ、総会の会日から十日前までに、その請求に係る役員に対し、前項の規定による書面を送付し、且つ、総会において弁明する機会を与えなければならない。

 (役員の兼職禁止)

第六十二条 役員は、他の取引所の役員の地位を占めてはならない。

2 理事長又は理事は、その者が理事長又は理事となつている取引所の監事と、監事は、その者が監事となつている取引所の使用人又は理事長若しくは理事と兼ねてはならない。

 (理事の自己契約等の禁止)

第六十三条 取引所が理事長又は理事と契約をするときは、監事が取引所を代表する。取引所と理事長又は理事との訴訟についても、また同様とする。

 (定款その他の書類の備置及び閲覧)

第六十四条 理事長は、定款、業務規程及び総会の議事録を取引所の各事務所に、会員名簿を主たる事務所に備えて置かなければならない。

2 会員名簿には、各会員について左の事項を記載しなければならない。

 一 氏名又は商号及び住所

 二 加入年月日

 三 出資口数、出資金額及びその払込年月日

 四 商品市場において売買取引する商品

 五 商品仲買人であるときは、その旨、登録年月日及びその者が委託を受けて商品市場における売買取引をすることができる商品

3 会員及び取引所の債権者は、事業時間内いつでも、理事長に対し第一項の書類の閲覧を求めることができる。この場合においては、理事長は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。

 (民法及び商法の準用)

第六十五条 商法第二百五十四条第二項(取締役と会社との関係)、第二百六十六条(取締役の連帯責任)及び第二百八十四条(取締役及び監査役の責任の免除)の規定は、理事長、理事及び監事について、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五十五条(代表権の委任)並びに商法第二百六十条から第二百六十二条まで(取締役の業務の執行及び会社の代表)、第二百六十七条、第二百六十八条(取締役に対する訴)及び第二百六十九条(取締役の報酬)の規定は、理事長及び理事について、同法第二百七十四条、第二百七十五条(報告の徴収及び書類の調査等)、第二百七十八条(取締役と監査役の連帯責任)及び第二百七十九条(監査役に対する訴)の規定は、監事について準用する。この場合において、商法第二百六十八条第一項及び第二百七十九条第一項中「資本ノ十分ノ一以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「会員である五分の一以上の者」と読み替えるものとする。

 (総会の招集)

第六十六条 理事長は、定款で定めるところにより、毎事業年度一回通常総会を招集しなければならない。

2 理事長は、必要があると認めるときは、定款で定めるところにより、いつでも臨時総会を招集することができる。

3 会員が総会員の五分の一以上の者の連署をもつて、会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面を理事長に提出して、総会の招集を請求したときは、理事長は、その請求があつた日から二十日以内に、臨時総会を招集しなければならない。

4 理事長の職務を行う者がないとき、又は前項の請求があつた場合において理事長が正当な理由がないのに招集の手続をしないときは、監事は、遅滞なく、総会を招集しなければならない。

5 前項の場合において、監事の職務を行う者がないとき、又は監事が正当な理由がないのに前項の手続をしないときは、第三項の会員は、主務大臣の承認を得て、総会を招集することができる。

6 総会を招集するには、会日から十日前までに、各会員に対して、その通知を発しなければならない。但し、第二項から前項までに規定する招集については、定款でこの期間を短縮することができる。

7 前項の通知には、会議の目的たる事項を記載しなければならない。

 (総会の決議事項)

第六十七条 この法律に特別の定があるものの外、左の事項は、総会の決議を経なければならない。

 一 財産目録、貸借対照表、損益計算書、業務報告書、剰余金処分案及び損失処理案の承認

 二 経費の賦課及び徴収の方法

 三 その他定款で定める事項(第二十五条第六項の規定による会員の除名及び第百二十二条の規定による主務大臣の命令に基いてする会員の除名を除く。)

 (総会の特別決議事項)

第六十八条 左の事項は、総会員の半数以上が出席し、その議決権の三分の二以上の多数による決議を経なければならない。

 一 定款の変更

 二 解散

 三 会員の除名(第二十五条第六項の規定によつてする場合及び第百二十二条の規定による主務大臣の命令に基いてする場合を除く。)

2 取引所は、その定款を変更したときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

 (総会の議事)

第六十九条 総会の議事は、この法律又は定款に特別の定がある場合を除いて、出席した会員の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

2 議長は、総会において選任する。

3 議長は、会員として総会の決議に加わる権利を有しない。

4 総会においては、第六十六条第六項の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ決議することができる。但し、定款で別段の定をしたときは、この限りでない。

 (議決権の代理行使)

第七十条 会員は、定款で定めるところにより、代理人をもつて議決権を行うことができる。

2 前項の規定により議決権を行う者は、総会に出席したものとみなす。

3 第一項の代理人は、会員でなければならない。

4 第一項の代理人は、代理権を証する書面を取引所に差し出さなければならない。

 (商法の準用)

第七十一条 商法第二百三十九条第四項、第二百四十条(特別利害関係人の議決権)、第二百四十四条(株主総会の議事録)、第二百四十五条(第一項第一号から第三号までを除く。)(取締役又は監査役の責任の免除の特別決議)及び第二百四十七条から第二百五十三条まで(株主総会の決議の取消又は無効の訴)の規定は、総会について準用する。この場合において、商法第二百四十五条第一項及び第二百四十七条第一項中「第三百四十三条」とあるのは「商品取引所法第六十八条第一項」と、同法第二百四十五条第二項において準用する第二百六十八条第一項及び第二百七十九条第一項中「資本ノ十分ノ一以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「会員である五分の一以上の者」と読み替えるものとする。

   第七章 計算

 (会員信認金等の運用方法)

第七十二条 取引所は、左の方法によるの外、会員信認金又は仲買保証金として預託を受けたものを運用することができない。

 一 国債証券又は地方債証券の買入

 二 銀行への預け金又は郵便貯金

 三 信託会社又は信託業務を営む銀行に対する金銭信託

2 取引所は、前項第三号の金銭信託をしようとするときは、当該取引所を元本及び利益の受益者とすることとして当該信託会社又は信託業務を営む銀行と契約しなければならない。

 (損失てん補準備金)

第七十三条 取引所は、定款で定めるところにより、毎事業年度の剰余金の百分の十以上を損失てん補準備金として積み立てなければならない。

2 前項の準備金は、損失のてん補に充てる場合を除いては、取りくずしてはならない。

 (剰余金の配当禁止)

第七十四条 取引所は、剰余金の分配をしてはならない。

 (決算関係書類の提出)

第七十五条 理事長は、通常総会の会日の二週間前までに、財産目録、貸借対照表、損益計算書、業務報告書及び剰余金処分案又は損失処理案を監事に提出しなければならない。

 (商法の準用)

第七十六条 商法第二百八十二条から第二百八十五条まで(会社の計算)の規定は、取引所の計算について準用する。この場合において、商法第二百八十二条第一項又は第二百八十三条第一項中「前条ニ掲グル書類」又は「第二百八十一条ニ掲グル書類」とあるのは「商品取引所法第七十五条に規定する書類」と読み替えるものとする。

   第八章 商品市場における売買取引

 (取引資格)

第七十七条 商品市場における売買取引は、その市場を開設する取引所の会員であつて、第十四条第一項の規定により当該商品市場に上場する商品を売買取引する旨の登録がしてあるものでなければすることができない。

 (業務規程)

第七十八条 取引所は、その業務規程において、左に掲げる事項に関する細則を定めなければならない。

 一 売買取引の種類及び期限

 二 立会の開閉

 三 立会の停止

 四 売買取引の締結の方法

 五 受渡その他の決済の方法

 六 前各号に掲げる事項の外、売買取引に関し必要な事項

2 取引所は、その業務規程を変更したときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

 (売買証拠金)

第七十九条 取引所は、定款で定めるところにより、会員をして、商品市場における売買取引について、売買証拠金を預託させることができる。

2 前項の売買証拠金は、定款で定めるところにより、第三十八条第三項に規定する有価証券又は当該商品市場における上場商品の保管を証する倉荷証券をもつて、これに充てることができる。

3 第三十八条第四項の規定は、前項の有価証券又は倉荷証券の充用価格について準用する。

 (商品の格付)

第八十条 上場商品の格付の方法、格付表その他格付に関する事項は、業務規程で定めなければならない。

2 前項の場合において、商品市場における売買取引のために、当該商品の等級について定められた固定規格があるときは、取引所は、これに従わなければならない。

3 会員は、取引所が業務規程で定めるところにより行う格付に従わなければならない。

4 取引所は、格付人を選任する必要がある場合においては、当該取引所の会員以外の者のうちから選任しなければならない。

5 前項の格付人は、取引所の使用人としなければならない。

 (売買取引の決済)

第八十一条 商品市場における売買取引の決済は、業務規程の定めるところにより、取引所を経てしなければならない。

2 前項の決済に関する事務は、取引所自ら行わなければならない。

 (売買取引の決済の繰延の禁止)

第八十二条 商品市場における売買取引は、取引所の格付の遅延その他取引所につき生じた事由による場合を除くの外、その履行期を繰り延べて決済してはならない。

 (立会の臨時的開閉等の届出)

第八十三条 取引所は、その成立後最初に立会を行つたとき、及び臨時に立会を開閉し、又は停止し、若しくはその停止を解除したときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

 (債務不履行に因る損害賠償)

第八十四条 会員は、商品市場における売買取引に基く債務の不履行に因る債権に関し、当該売買取引の相手方たる会員の当該商品市場において売買取引する商品についての会員信認金及び仲買保証金並びに当該商品市場における売買取引についての売買証拠金について、他の債権者に先だつて弁済を受ける権利を有する。

2 第三十八条第五項及び第四十七条第三項の規定による商品市場における売買取引の委託者が優先弁済を受ける権利は、前項の規定にかかわらず、同項の会員信認金及び仲買保証金についての会員の権利に対して優先する。

 (総売買取引高等の掲示及び公表)

第八十五条 取引所は、その開設する商品市場における毎日の総売買取引高及び売買取引の成立価格をその日に当該商品市場に掲示しなければならない。

2 取引所は、その開設する商品市場における毎日の最高、最低及び最終価格を表示する相場表をその日に公表しなければならない。

 (相場及び売買取引高報告書の提出)

第八十六条 取引所は、主務省令で定めるところにより、当該取引所の開設する商品市場における毎日及び毎月の相場及び売買取引高報告書を作製し、これを主務大臣に提出しなければならない。

 (取引停止の場合における売買取引の決済の結了)

第八十七条 第三十七条の規定は、会員の商品市場における売買取引がこの法律又は取引所の定款で定めるところにより停止された場合に準用する。

 (仮装売買、なれ合売買等の禁止)

第八十八条 何人も、左に掲げる行為をしてはならない。

 一 商品の所有権の移転を目的としない売買取引をすること。

 二 仮装の売買取引をし、又は偽つて自己の名を用いないで売買取引をすること。

 三 自己のする売付と同時期に、それと同価格において、他人が当該商品を買い付けることをあらかじめその者と通謀の上、当該売付をすること。

 四 自己のする買付と同時期に、それと同価格において、他人が当該商品を売り付けることをあらかじめその者と通謀の上、当該買付をすること。

 五 単独で又は他人と共同して、当該商品の売買取引が繁盛であると誤解させるべき一連の売買取引又は当該商品の相場を変動させるべき一連の売買取引をすること。

 六 前各号に掲げる行為の委託又は受託をすること。

 七 商品市場における相場が自己又は他人の市場操作によつて変動すべき旨の流布すること。

 八 商品市場における商品の売買取引をするにつき、重要な事項について虚偽の表示又は誤解を生ぜしむべき表示を故意にすること。

 (仮装売買等をした者の損害賠償責任)

第八十九条 前条の規定に違反した者は、当該違反行為に因り形成された価格により商品市場における当該商品の売買取引又はその委託をした者が当該売買取引又は委託につき受けた損害を賠償する責に任ずる。

2 前項の規定による賠償の請求権は、請求権者が前条の規定に違反する行為があつたことを知つた時から一年間又は当該行為があつた時から三年間これを行わないときは、時効に因つて消滅する。

 (会員の取引の制限)

第九十条 主務大臣は、商品市場において、買占、売りくずしその他の方法により過当な数量の取引が行われ、又は不当な価格が形成されていると認める場合において、商品市場における秩序を維持し、且つ、公益を保護するため必要があると認めるときは、会員に対し、商品市場における売買取引又はその受託を制限することができる。

   第九章 商品市場における売買取引の受託

 (受託の取扱場所)

第九十一条 商品仲買人は、第四十五条第一項(第四十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定による登録がしてあるその営業所又は事務所以外の場所で、商品市場における売買取引の委託を受け、又は自己(法人である場合には、その役員)以外の者に委託を勧誘させてはならない。

2 商品仲買人は、前項の営業所又は事務所ごとにその見やすい箇所に、主務省令で定める標識を掲げなければならない。

 (受託者が占有する商品等の処分の制限)

第九十二条 商品仲買人は、委託者から預託を受けて、又はその者の計算において自己が占有する物をその者の書面による同意を得ないで、担保に供し、貸し付け、その他委託の趣旨に反して処分してはならない。

 (委託の媒介等の制限)

第九十三条 商品市場における売買取引の委託の媒介、取次及び代理は、商品仲買人でなければすることができない。

 (呑行為の禁止)

第九十四条 商品市場における売買取引の委託を受けた商品仲買人又は商品仲買人に対する商品市場における売買取引の委託を媒介し、取次し、若しくは代理することを引き受けた商品仲買人は、商品市場において、売付若しくは買付をせず、又は商品仲買人に対しその媒介、取次若しくは代理をしないで、自己がその相手方となつて、売買を成立させてはならない。

 (売買成立の通知)

第九十五条 商品仲買人は、委託を受けた商品市場における売買取引が成立したときは、遅滞なく、書面をもつて、成立した価格及び数量並びに成立の日を委託者に通知しなければならない。

 (受託契約準則への準拠)

第九十六条 商品仲買人は、商品市場における売買取引の受託については、その所属する取引所の定める受託契約準則によらなければならない。

2 取引所は、その受託契約準則において、左に掲げる事項に関する細則を定めなければならない。

 一 売買取引の受託の条件

 二 受渡その他の決済の方法

 三 前各号に掲げる事項の外、売買取引の受託に関し必要な事項

3 取引所は、その受託契約準則を変更したときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

 (委託手数料及び委託証拠金)

第九十七条 商品仲買人は、商品市場における売買取引の受託をするときは、委託者から委託手数料を徴し、及び担保として委託証拠金を徴しなければならない。

2 主務大臣は、取引の公正を確保し、及び委託者又は受託者を保護するため必要があると認めるときは、商品の種類別にその価格及び数量を基準として、主務省令で前項の委託手数料又は委託証拠金の料率を定めることができる。

   第十章 解散及び清算

 (解散)

第九十八条 取引所は、左の事由に因つて解散する。

 一 定款で定めた存立時期の満了又は解散事由の発生

 二 総会の決議

 三 破産

 四 取引所の登録の取消

 五 会員の数がすべての上場商品について十人以下となつたこと。

2 取引所は、前項第一号から第三号まで又は第五号の規定により解散したときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

 (一部の商品市場の閉鎖)

第九十九条 取引所は、その開設する商品市場において売買取引する会員の数が十人以下となつたときは、前条第一項第五号の規定により解散する場合を除くの外、当該商品市場における売買取引を停止し、第二十条第一項の規定による登録の変更の申請をしなければならない。

 (清算人)

第百条 取引所が解散したときは、破産の場合を除いては、理事長及び理事がその清算人となる。但し、総会において他人を選任したときは、この限りでない。

2 主務大臣は、第九十八条第一項第四号の規定により取引所が解散したとき、又は清算人の職を行う者がないときは、清算人を選任する。

 (商法の準用)

第百一条 商法第百十六条、第百二十四条、第百二十五条、第百二十八条、第百二十九条第二項及び第三項(合名会社の清算関係)、第四百十八条から第四百二十五条まで、第四百二十六条第一項並びに第四百二十七条(株式会社の清算関係)の規定は、取引所の清算について準用する。

2 第六十二条から第六十四条まで、第六十六条及び第七十五条並びに商法第二百四十四条第二項(議事録署名義務者)、第二百四十五条第一項第四号(取締役の責任の免除に関する部分に限る。)、第二百四十七条、第二百四十九条(総会の決議の取消)、第二百五十四条第二項(会社と取締役との委任関係)、第二百六十一条(取締役の代表権)、第二百六十六条から第二百六十九条まで(取締役の責任及び取締役に対する訴)、第二百七十四条、第二百七十五条(監査役の調査権限等)、第二百七十八条(監査役及び取締役の連帯責任)及び第二百八十二条から第二百八十四条まで(取締役の計算書類の公示及び総会への提出義務並びに取締役又は監査役に対する責任の解除)の規定は、清算人について準用する。この場合において、商法第二百四十五条第一項及び第二百四十七条第一項中「第三百四十三条」とあるのは「商品取引所法第六十八条第一項」と、同法第二百六十八条第一項中「資本ノ十分ノ一以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「会員である五分の一以上の者」と、同法第二百八十二条第一項又は第二百八十三条第一項中「前条ニ掲グル書類」又は「第二百八十一条ニ掲グル書類」とあるのは「商品取引所法第百一条第二項において準用する同法第七十五条に規定する書類」と読み替えるものとする。

   第十一章 登記

 (設立の登記)

第百二条 設立の登記は、第十四条第二項の規定による主務大臣の通知があつた日から二週間以内に、主たる事務所の所在地においてしなければならない。

2 設立の登記には、左の事項を掲げなければならない。

 一 目的

 二 名称

 三 事務所

 四 存立の時期又は解散の事由を定めたときは、その時期又は事由

 五 出資の総額

 六 出資一口の金額及びその払込の方法

 七 役員の氏名及び住所

 八 理事に代表権を与えたときは、その代表権の範囲

 九 公告の方法

3 取引所は、設立の登記をした後二週間以内に、従たる事務所の所在地において、前項に掲げる事項を登記しなければならない。

 (従たる事務所の設立の登記)

第百三条 取引所の成立後従たる事務所を設けたときは、主たる事務所の所在地においては二週間以内に従たる事務所を設けたことを登記し、その従たる事務所の所在地においては三週間以内に前条第二項に掲げる事項を登記し、他の従たる事務所の所在地においては同期間内にその従たる事務所を設けたことを登記しなければならない。

2 主たる事務所又は従たる事務所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内において新たに従たる事務所を設けたときは、その従たる事務所を設けたことを登記することをもつて足りる。

 (事務所の移転の登記)

第百四条 取引所が主たる事務所を移転したときは、旧所在地においては二週間以内に移転の登記をし、新所在地においては三週間以内に第百二条第二項に掲げる事項を登記し、従たる事務所を移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に同項に掲げる事項を登記しなければならない。

2 同一の登記所の管轄区域内において主たる事務所又は従たる事務所を移転したときは、その移転の登記をすることをもつて足りる。

 (変更の登記)

第百五条 第百二条第二項各号に掲げる事項中に変更を生じたときは、主たる事務所の所在地においては二週間以内、従たる事務所の所在地においては三週間以内に変更の登記をしなければならない。

2 第百二条第二項第一号に掲げる事項の変更の登記でその変更が上場商品に係るものについては、前項の規定にかかわらず、第二十条第三項において準用する第十四条第二項の規定による主務大臣の通知があつた日から前項の期間を起算する。

3 第百二条第二項第五号に掲げる事項の変更の登記は、第一項の規定にかかわらず、毎事業年度末の現在により事業年度終了後主たる事務所の所在地においては四週間以内、従たる事務所の所在地においては五週間以内にすることができる。

 (解散の登記)

第百六条 取引所が解散したときは、破産の場合を除くの外、主たる事務所の所在地においては二週間以内、従たる事務所の所在地においては三週間以内に解散の登記をしなければならない。

 (清算人の登記)

第百七条 清算人が就職したときは、主たる事務所の所在地においては二週間以内、従たる事務所の所在地においては三週間以内に左の事項を登記しなければならない。

 一 清算人の氏名及び住所

 二 清算人で取引所を代表しない者があるときは、取引所を代表すべき者の氏名

 三 数人の清算人が共同して取引所を代表すべき定があるときは、その定

2 第百五条第一項の規定は、前項の規定により登記した事項の変更の登記について準用する。

 (清算結了の登記)

第百八条 取引所の清算が結了したときは、第百一条第一項において準用する商法第四百二十七条第一項の承認があつた後、主たる事務所の所在地においては二週間以内、従たる事務所の所在地においては三週間以内に清算結了の登記をしなければならない。

 (登記の管轄)

第百九条 取引所の登記に関する事務は、その事務所の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局又はその支局若しくは出張所が管轄登記所としてつかさどる。

2 各登記所に、商品取引所登記簿を備える。

 (設立の登記の申請)

第百十条 取引所の設立の登記は、役員の全員の申請によつてする。

2 前項に規定する設立の登記の申請書には、第十四条第一項の規定により取引所が商品取引所登録簿に登録されたことを証する書面及び定款並びに出資の払込及び役員の選任があつたことを証する書面を添附しなければならない。

 (従たる事務所における設立の登記の申請)

第百十一条 第百二条第三項の規定による登記は、理事長の申請によつてする。

 (変更の登記の申請)

第百十二条 取引所の従たる事務所の新設、主たる事務所又は従たる事務所の移転その他第百二条第二項各号に掲げる事項の変更の登記は、理事長又は清算人の申請によつてする。

2 前項に規定する登記の申請書には、従たる事務所の新設又は登記事項の変更を証する書面を添附しなければならない。

3 第百五条第二項の登記の申請書には、前項の書面の外、第二十条第三項において準用する第十四条第一項の規定による登録の変更を証する書面を添附しなければならない。

 (解散の登記の申請)

第百十三条 取引所の解散の登記は、破産の場合及び第三項に規定する場合を除くの外、清算人の申請によつてする。

2 前項の規定による登記の申請書には、解散の事由を証する書面及び理事長又は理事が清算人でない場合においては、清算人の資格を証する書面を添附しなければならない。

3 取引所が主務大臣の登録の取消の処分により解散する場合における解散の登記は、主務大臣の嘱託によつてする。

 (清算人の登記の申請)

第百十四条 第百七条第一項の規定による登記は、清算人の申請によつてする。

2 第百七条第一項の規定による登記の申請書には、理事長又は理事が清算人とならない場合においては、清算人の資格を証する書面を添附しなければならない。

3 第百七条第二項において準用する第百五条第一項の規定による変更の登記の申請書には、登記事項の変更を証する書面を添附しなければならない。

 (清算結了の登記の申請)

第百十五条 第百八条の規定による登記は、清算人の申請によつてする。

2 第百八条の規定による登記の申請書には、清算人が第百一条第一項において準用する商法第四百二十七条第一項の承認を得たことを証する書面を添附しなければならない。

 (登記事項の公告)

第百十六条 登記した事項は、登記所において、遅滞なく、公告しなければならない。

 (登記の効力)

第百十七条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記をした後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 (非訟事件手続法の準用)

第百十八条 非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十九条ノ二、第百四十二条から第百五十条まで、第百五十条ノ三から第百五十一条ノ六まで及び第百五十四条から第百五十七条まで(商業登記の通則)の規定は、この法律による登記について準用する。

   第十二章 監督

 (報告及び資料の提出の要求)

第百十九条 主務大臣は、業務の監督上必要があると認めるときは、取引所又は会員に対し、その業務又は財産に関し、参考となるべき報告を求め、又は資料の提出を求めることができる。

 (立入検査)

第百二十条 主務大臣は、決済を将来において行う売買取引により商品の価格を急激に又は不合理に変動させる過当な投機を防止することによつて、公益を保護するため、又は取引の信義則を確保するため必要があると認めるときは、部下の職員をして、取引所又はその会員の事務所又は営業所に立ち入り、又はその帳簿書類その他業務に関係のある物件を検査させることができる。

2 前項の規定により会員の事務所又は営業所に立入検査をした場合において、当該職員は、検査の目的を達成するため、当該会員が所有し、又は預託を受けた商品で前項の事務所又は営業所以外の場所に保管されているものを検査する必要があると認めるときは、当該会員をして当該商品の保管を証する書面をその場所の管理者に呈示させてその場所に立ち入り、当該会員を立ち合せて当該商品を検査することができる。

3 前二項の場合において、当該職員は、その身分を証する証票を携帯し、関係人にこれを呈示しなければならない。

 (取引所に対する監督上の処分)

第百二十一条 主務大臣は、取引所が左の各号の一に該当する場合において、決済を将来において行う売買取引により商品の価格を急激に又は不合理に変動させる過当な投機を防止することによつて、公益を保護するため、又は取引の信義則を確保するため必要且つ適当であると認めるときは、当該取引所に対し、当該各号に掲げる処分をすることができる。

 一 この法律、第二十五条第一項、第三十八条第四項(第四十七条第四項及び第七十九条第三項において準用する場合を含む。)、第四十二条第一項若しくは第四十六条第一項の規定に基く政令(以下本章において「この法律に基く政令」という。)、第二十五条第八項、第三十九条、第五十四条、第八十六条、第九十一条第二項若しくは第九十七条第二項の規定に基く省令(以下本章において「この法律に基く省令」という。)若しくは第百十九条、第百二十条第一項若しくは第二項、第百二十一条第一項第二号若しくは第二項、第百二十二条、第百二十四条若しくは第百三十二条第一項の規定による主務大臣の処分(以下本章において「この法律に基いてする主務大臣の処分」という。)に違反したとき、又は会員がこの法律、この法律に基く政令、この法律に基く省令若しくは当該取引所の定款に違反した場合において、当該会員に対しこの法律、この法律に基く政令、この法律に基く省令若しくは当該定款を遵守させるために当該取引所がこの法律、この法律に基く政令、この法律に基く省令又は当該定款により認められた権能の行使その他必要な措置をすることを怠つたときは、その登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずること。

 二 取引所の行為又はその開設する商品市場における売買取引の状況が公益上有害であると認めるときは、十日以内の期間を定めて売買取引の全部若しくは一部の停止を命じ、又は内閣の議を経て、三月以内の期間を定めてその業務の全部の停止を命ずること。

2 主務大臣は、不正の手段により取引所の役員になつた者のあつたことを発見したとき、又は取引所の役員がこの法律、この法律に基く政令、この法律に基く省令若しくはこの法律に基いてする主務大臣の処分に違反したときは、当該取引所に対し、当該役員の解任を命ずることができる。

 (会員に対する監督上の処分)

第百二十二条 主務大臣は、会員がこの法律、この法律に基く政令、この法律に基く省令又はこの法律に基いてする主務大臣の処分に違反したときは、取引所に対し当該会員を除名すべき旨若しくは六月以内の期間を定めて当該会員の商品市場における売買取引を停止すべき旨を命じ、又は、当該違反行為が法人たる会員の役員に係るものであるときは、当該会員に対し当該違反行為をした役員を解任すべき旨を命ずることができる。

 (商品仲買人に対する監督上の処分)

第百二十三条 主務大臣は、商品仲買人がこの法律、この法律に基く政令、この法律に基く省令又はこの法律に基いてする主務大臣の処分に違反したときは、その登録を取り消し、又は当該商品仲買人に対し、六月以内の期間を定めて商品市場における売買取引若しくはその受託の停止を命じ、若しくは、当該違反行為が法人たる商品仲買人の役員に係るものであるときは、当該役員の解任を命ずることができる。

 (定款等の変更命令)

第百二十四条 主務大臣は、取引所の定款、業務規程、受託契約準則その他の規則及び取引に関する慣行について、商品の流通高に比して余りにも過当な売買取引が行われることを防止し、又は取引所が商品仲買人から仲買保証金の預託を受けることを怠ることを防止する等公益又は委託者を保護するため必要且つ適当であると認めるときは、当該取引所に対し、これらの変更を命ずることができる。

 (聴聞の規定の準用)

第百二十五条 第十五条第二項から第七項までの規定は、主務大臣が前四条の規定による処分をしようとする場合について準用する。この場合において、第十五条第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「その処分をしようとする者にその旨を通知し、その処分をしようとする者(法人である場合には、その役員)と、同条第七項中「登録申請者」とあるのは「その処分をしようとする者」と読み替えるものとする。

   第十三章 仲介

 (仲介の申立)

第百二十六条 商品市場における売買取引に関し、取引所、会員又は委託者相互の間に紛争がある場合においては、当事者は、その紛争の解決を図るため商品取引所取引紛争審査会(以下「審査会」という。)に申し出て、仲介を求めることができる。

 (仲介の申立の方法)

第百二十七条 前条の規定による申立は、左に掲げる事項を記載した書面を審査会に提出してしなければならない。

 一 申立人の氏名又は商号、職業及び住所

 二 紛争の相手方の氏名又は商号、職業及び住所

 三 申立の趣旨

 四 紛争の実情

 五 参考となる書類の表示

 六 申立の年月日

 (仲介の方法)

第百二十八条 審査会は、前条に規定する書面を受理したときは、期日を定めて、申立人及び相手方の出頭を求め、その意見を聞いて、仲介を行う。

2 前項の出頭を求められた当事者は、自ら出頭しなければならない。但し、やむを得ない事由がある場合においては、審査会の承認を得て、代理人を出頭させることができる。

3 審査会は、第一項の規定による仲介を行うため必要があると認めるときは、左の各号に掲げる処分をすることができる。

 一 参考人に出頭を求めてその意見を聴取し、又は参考人からその意見若しくは報告を提出させること。

 二 鑑定人に出頭を求めて鑑定させること。

 三 紛争の当事者に対し、紛争に関係のある帳簿書類その他の物件の提出を求め、又は提出物件を留め置くこと。

4 審査会は、第一項の規定による仲介を行うため必要があると認めるときは、主務大臣に申し出て、当事者が所有し、又は占有する紛争に関係のある帳簿書類その他の物件の実地調査を求めることができる。

5 前項の請求があつたときは、主務大臣は、その部下の職員をして、当事者の事務所又は営業所に立ち入り、当該物件を検査させることができる。

6 第百二十条第二項及び第三項の規定は、前項の立入検査について準用する。この場合において、同条第二項中「会員の事務所又は営業所」とあるのは「当事者の事務所又は営業所」と、「当該会員」とあるのは「当事者」と、「前項の事務所又は営業所」とあるのは「当事者の事務所又は営業所」と読み替えるものとする。

 (協定案の作成)

第百二十九条 審査会は、仲介に基く協定案を作成して紛争の当事者に示し、その受諾を勧告する。

 (協定書)

第百三十条 当事者の双方が前条の協定案を受諾したときは、協定書を作製し、署名して印をおし、これを審査会に提出しなければならない。

 (協定の不履行)

第百三十一条 当事者の双方が第百二十九条の協定案を受諾した場合において、その一方が協定を履行しないときは、その相手方は、その旨を審査会に報告しなければならない。

 (協定不履行の場合の処分)

第百三十二条 当事者の双方が第百二十九条の協定案を受諾した場合において、当事者たる取引所又は会員が協定を履行しないときは、主務大臣は、取引所に対しその役員を解任すべき旨若しくは当該会員の商品市場における売買取引を停止すべき旨を命じ、又は、当該会員が法人である場合には、当該会員に対しその役員を解任すべき旨を命ずることができる。

2 第十五条第二項から第七項までの規定は、主務大臣が前項の規定による処分をする場合について準用する。この場合において、第十五条第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「前項の処分をしようとする取引所又は会員にその旨を通知し、当該取引所若しくは会員(法人である場合には、その役員)」と、同条第七項中「登録申請者」とあるのは「その処分をしようとする取引所又は会員」と読み替えるものとする。

 (協定案の公表)

第百三十三条 主務大臣は、当事者の一方又は双方が第百二十九条の協定案を受諾することを拒否した場合において、商品市場における売買取引の公正を確保するため又は商品市場における売買取引の委託者若しくは受託者を保護するため必要且つ適当であると認めるときは、当事者の秘密に属する事項を除き、仲介の経過及び協定案を理由を示して公表することができる。

 (仲介の申立の制限)

第百三十四条 当事者の双方が仲介に基く協定案を受諾したときは、当事者は、当該仲介が行われた紛争について、更に仲介の申立をすることができない。

   第十四章 商品取引所取引紛争審査会

 (設置)

第百三十五条 第百二十八条第一項の規定による仲介を行わせるため、通商産業省の附属機関として審査会を設置する。

 (組織)

第百三十六条 審査会は、委員三人をもつて組織する。

2 委員は、左に掲げる者につき、通商産業大臣が任命する。

 一 大蔵省の職員      一人

 二 農林省の職員      一人

 三 通商産業省の職員    一人

3 委員は、非常勤とする。

   第十五章 商品取引所審議会

 (設置)

第百三十七条 この法律の施行に関する重要事項を調査審議させるため、通商産業省の附属機関として商品取引所審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

 (所掌事務)

第百三十八条 主務大臣は、左に掲げる行為をしようとするときは、審議会の議決を経なければならない。

 一 この法律に基く政令案又は省令案の立案

 二 第四条の規定による承認

 三 第十四条第一項(第十九条第三項及び第二十条第三項において準用する場合を含む。)又は第四十五条第一項(第四十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定による登録

 四 第十五条第一項(第十九条第三項及び第二十条第三項において準用する場合を含む。)又は第四十八条第一項(第四十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定による登録の拒否

 五 第二十一条第一項の規定による登録の取消及び登録に係る事項の一部の変更の命令又は第五十二条第一項若しくは第二項の規定による登録の取消

 六 第三十八条第三項(第四十七条第四項において準用する場合を含む。)の規定による承認

 七 第六十条の規定による選任

 八 第九十条の規定による処分

 九 第百十九条から第百二十四条までの規定による処分

 十 第百三十二条第一項の規定による処分

 十一 第百四十三条第一項の規定による申立

 (組織並びに会長及び委員の任命等)

第百三十九条 審議会は、会長一人及び委員四人をもつて組織する。

2 会長及び委員は、学識経験のある者のうちから両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。

3 会長又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、学識経験のある者のうちから会長又は委員を任命することができる。

4 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を求めなければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちに、その会長又は委員を罷免しなければならない。

5 在任中の会長及び委員は、商品の売買取引に関係のある事業者団体と関係を持ち、又は商品市場における売買取引若しくはその受託を業として営む企業の役員、顧問若しくは評議員となり、直接間接に当該企業の経営に参加し、当該企業から反対給付を受け、若しくは当該企業に投資することができない。

6 会長及び委員は、内閣総理大臣及び審議会の許可を得た場合に限り、前項の規定にかかわらず、自己の利益のために前項の企業の経営に参加し、又は当該企業の株式を保有し、若しくは取得することができる。

 (会長及び委員の任期)

第百四十条 会長及び委員の任期は、三年とする。但し、前任者の任期満了前に補欠任命を受けた会長又は委員は、前任者の残任期間在任するものとする。

2 会長及び委員は、再任されることができる。

 (罷免)

第百四十一条 内閣総理大臣は、会長又は委員が左の各号の一に該当するときは、これを罷免しなければならない。

 一 禁治産又は準禁治産の宣告を受けたとき。

 二 この法律の規定に違反して刑に処せられたとき。

 三 禁こ以上の刑に処せられたとき。

2 内閣総理大臣は、会長又は委員が左の各号の一に該当するときその他会長又は委員が会長又は委員たるに適しないと認めるときは、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。

 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと内閣総理大臣が認めるとき。

 二 職務上の義務違反があるとき。

3 前項の場合においては、内閣総理大臣は、その理由を明らかにしなければならない。

 (会長及び委員の実費弁償)

第百四十二条 会長及び委員は、政令で定めるところにより、旅費、手当その他職務の遂行に伴う実費を受けるものとする。

   第十六章 雑則

 (裁判所の禁止命令)

第百四十三条 裁判所は、緊急の必要があり、且つ、公益を保護するため必要且つ適当であると認めるときは、主務大臣の申立により、この法律に違反する行為をし、又はしようとする者に対し、その行為の禁止を命ずることができる。

2 前項の禁止命令は、回復しがたい事態が生じた場合にのみ発せられ、その必要がなくなつた場合には、すみやかに撤回されるものとする。

3 裁判所は、前項の規定により発した命令を取り消し、又は変更することができる。

4 第一項及び前項に規定する事件は、被申立人の住所地の地方裁判所の管轄とする。

5 第一項及び第三項に規定する裁判は、非訟事件手続法によつて行う。

 (取引所の役員及び使用人等の秘密保持義務)

第百四十四条 取引所の役員若しくは使用人又はこれらの職にあつた者は、取引所の役員又は使用人としてその職務に関して知得した秘密を他に漏らし、又はせつ用してはならない。

 (相場によると博行為の禁止)

第百四十五条 何人も、商品市場における売買取引によらないで、商品市場における相場を利用して差金を授受することを目的とする行為をしてはならない。

 (参考人等の費用の請求)

第百四十六条 第十五条第六項(第十九条第三項、第二十条第三項、第二十一条第二項、第四十二条第九項、第四十八条第二項、第四十九条第四項、第五十二条第三項、第五十三条第三項、第百二十五条及び第百三十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十八条第三項第一号若しくは第二号の規定により出頭又は鑑定を命ぜられた参考人又は鑑定人は、政令で定めるところにより、旅費、日当その他の費用を請求することができる。

 (登録、届出及び報告に関する細目)

第百四十七条 この法律による登録、届出及び報告に関する手続その他の細目については、政令で定める。

 (主務大臣、主務省、主務省令及び権限の委任)

第百四十八条 この法律において主務大臣又は主務省は、農林省関係商品(第二条第二項第四号及び第五号に掲げる商品並びに同項第十号の規定により政令で定める商品のうち政令で指定するものをいう。以下同じ。)のみを上場する取引所については農林大臣又は農林省として、農林省関係商品以外の商品(以下「通商産業省関係商品」という。)のみを上場する取引所については通商産業大臣又は通商産業省とし、農林省関係商品及び通商産業省関係商品を上場する取引所については農林大臣及び通商産業大臣又は農林省及び通商産業省とする。

2 前項の規定は、商品仲買人に関する主務大臣及び主務省について準用する。この場合において、前項中「上場する取引所」とあるのは「委託を受けて売買取引することができる商品仲買人」と読み替えるものとする。

3 この法律において主務省令は、農林省令、通商産業省令とする。

4 通商産業大臣は、政令で定めるところにより、この法律に基く権限の一部を通商産業局長に行わせることができる。

 (私的独占の禁止法との関係)

第百四十九条 この法律の規定は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の適用を排除し、又は同法に基く公正取引委員会の権限を制限するものと解してはならない。

 (この法律に基く政令等の公正の確保)

第百五十条 この法律に基く政令若しくは省令又はこの法律に基いてする主務大臣の処分は、不合理であつてはならず、又は個人若しくは法人に対し不公平に差別を附するものであつてはならない。

 (聴聞における陳述等の義務)

第百五十一条 何人も、自己が訴追又は処罰を受ける虞があることを理由として、第十五条第二項(第十九条第三項、第二十条第三項、第二十一条第二項、第四十二条第九項、第四十八条第二項、第四十九条第四項、第五十二条第三項、第百二十五条又は第百三十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第五十三条第一項第三号の規定による聴聞又は第百二十八条第一項の規定による仲介若しくは同条第三項の規定による処分において、陳述若しくは報告をし、第百十九条の規定による報告若しくは資料の提出をし、又は第百二十条第一項若しくは第二項若しくは第百二十八条第三項第三号、第四項若しくは第五項の規定による帳簿書類その他の物件の検査若しくは調査を受ける義務を免かれることができない。但し、その義務を履行することによつて自己が訴追又は処罰を受ける虞があることを主張したにもかかわらず、その陳述、報告、資料の提出又は帳簿書類その他の物件の検査若しくは調査を求められた者は、その陳述、報告、資料の提出又は帳簿書類その他の物件の作成、備付、公開若しくは保存の義務の具体的内容があらかじめ法令に規定されている場合を除く外、当該陳述、報告、資料又は帳簿書類その他の物件を証拠として訴追され、又は処罰されない。

2 前項但書の規定は、虚偽の陳述をし、虚偽の報告をし、又は虚偽の資料の提出をした者を訴追し、又は処罰することを妨げるものと解してはならない。

   第十七章 罰則

第百五十二条 左の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 商品市場における売買取引のため、又は相場の変動を図る目的をもつて、風説を流布し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をした者

 二 第八条第一項又は第八十八条の規定に違反した者

 三 第百四十三条第一項の規定による命令に違反した者

第百五十三条 第二十条第一項の規定による申請書に虚偽の記載をして提出した場合においては、その行為をした取引所の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、三年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第百五十四条 取引所の役員(仮理事及び仮監事を含む。)又は職員がその職務に関して、賄ろを収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。

2 前項の場合において、収受した賄ろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

3 第一項の賄ろを供与し、又はその申込若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

第百五十五条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役若しくは三万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第八条第二項又は第七十七条の規定に違反して売買又は売買取引をした者

 二 第四十二条第三項又は第百二十三条の規定による命令に違反した者

 三 第四十三条、第九十条又は第九十三条の規定による制限に違反した者

 四 第四十九条第三項の規定による申請書に虚偽の記載をして提出した者

 五 第九十二条又は第九十四条の規定に違反した者

第百五十六条 左の各号に掲げる違反があつた場合においては、その行為をした取引所の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、一年以下の懲役若しくは三万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第七条第二項若しくは第三項又は第七十四条の規定に違反したとき。

 二 第七十二条第一項の規定に違反して運用したとき。

 三 第百二十一条第一項の規定による処分に違反したとき。

第百五十七条 第百四十五条の規定に違反した者は、一年以下の懲役若しくは三万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。但し、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十六条の規定の適用を妨げない。

第百五十八条 第百四十四条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。

第百五十九条 左の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役若しくは一万五千円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第十三条の規定による申請書又は添附書類に虚偽の記載をして提出した者

 二 第四十六条第二項、第五十条第二項、第五十四条、第六十二条(第百一条第二項において準用する場合を含む。)、第八十一条第一項又は第八十二条の規定に違反した者

 三 商品の相場を偽つて公示した者

 四 公示若しくは頒布する目的をもつて商品の相場を偽つて記載した文書を作成し、又はこれを頒布した者

第百六十条 左の各号に掲げる違反があつた場合においては、その行為をした取引所の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、六月以下の懲役若しくは一万五千円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第三条第三項、第四条、第七十二条第二項又は第七十三条の規定に違反したとき。

 二 第二十条第二項の規定による添附書類に虚偽の記載をして提出したとき。

 三 第六十八条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

第百六十一条 左の各号の一に該当する者は、一万円以下の罰金に処する。

 一 第六条第二項、第三十九条、第五十一条、第九十一条第一項、第九十六条第一項又は第九十七条第一項の規定に違反した者

 二 第四十九条第一項の規定による届出書を提出せず、若しくは虚偽の記載をした届出書を提出し、又は同条第二項の規定による添附書類に虚偽の記載をして提出した者

 三 第百十九条の規定による報告をせず、若しくは資料を提出せず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者

 四 第百二十条第一項若しくは第二項又は第百二十八条第五項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

第百六十二条 左の各号に掲げる違反があつた場合においては、その行為をした取引所の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、一万円以下の罰金に処する。

 一 第十九条第一項の規定による届出書を提出せず、若しくは虚偽の記載をした届出書を提出し、又は同条第二項の規定による添附書類に虚偽の記載をして提出したとき。

 二 第七十八条第二項又は第九十六条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 三 第九十九条の規定に違反したとき。

第百六十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関し、第百五十二条第二号、第百五十三条、第百五十五条、第百五十六条又は第百五十九条から前条までの違反行為をしたときは、その行為者を罰するの外、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。但し、法人又は人の代理人、使用人その他の従業者の当該違反行為を防止するため当該業務に対し相当の注意及び監督が尽されたことの証明があつたときは、その法人又は人については、この限りでない。

第百六十四条 第九十一条第二項の規定に違反した者は、五千円以下の過料に処する。

第百六十五条 左の各号に掲げる違反があつた場合においては、その行為をした取引所の発起人、役員(仮理事を含む。)又は清算人は、五千円以下の過料に処する。

 一 第二十五条第三項から第五項までの規定による報告をしなかつたとき。

 二 第六十四条第一項若しくは第二項、第七十五条(第百一条第二項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第八十三条、第八十五条、第八十六条又は第九十八条第二項の規定に違反したとき。

 三 第六十四条第三項後段(第百一条第二項において準用する場合を含む。)又は第七十六条若しくは第百一条第二項において準用する商法第二百八十二条第二項の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類の閲覧又は謄本若しくは抄本の交付を拒んだとき。

 四 第七十六条又は第百一条第二項において準用する商法第二百八十二条第一項の規定に違反したとき。

 五 第百一条第一項において準用する商法第百二十四条第三項において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して破産宣告の請求をすることを怠つたとき。

 六 清算の結了を遅延させる目的をもつて第百一条第一項において準用する商法第四百二十一条第一項の期間を不当に定めたとき。

 七 第百一条第一項において準用する商法第四百二十三条の規定に違反したとき。

 八 この法律に定める登記又はこの法律において準用する商法の規定に定める登記をすることを怠つたとき。

 九 この法律において準用する商法の規定に定める公告をすることを怠り、又は不正の公告をしたとき。

 十 この法律において準用する商法の規定に定める調査を妨げたとき。

 十一 取引所の総会に対し不実の申立をし、又は事実を隠ぺいしたとき。

 十二 定款、会員名簿、議事録、財産目録、貸借対照表、損益計算書、業務報告書、剰余金処分案、損失処理案又は決算報告書に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。

第百六十六条 左の各号の一に該当する者は、三千円以下の過料に処する。

 一 第十五条第六項(第十九条第三項、第二十条第三項、第二十一条第二項、第四十二条第九項、第四十八条第二項、第四十九条第四項、第五十二条第三項、第五十三条第三項、第百二十五条又は第百三十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十八条第三項第一号の規定による参考人に対する処分に違反して、陳述せず、若しくは虚偽の陳述をし、又は報告せず、若しくは虚偽の報告をした者

 二 第十五条第六項(第十九条第三項、第二十条第三項、第二十一条第二項、第四十二条第九項、第四十八条第二項、第四十九条第四項、第五十二条第三項、第五十三条第三項、第百二十五条又は第百三十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十八条第三項第二号の規定による鑑定人に対する処分に違反して、鑑定せず、又は虚偽の鑑定をした者

 三 第百二十八条第三項第三号の規定による紛争の当事者に対する処分に違反して、物件を提出しない者

   附 則

 (施行の期日)

1 この法律は、公布の日から起算して十五日を経過した日から施行する。但し、第八条(これに係る罰則の規定を含む。)及び第十五章並びに附則第二項、第三項及び第七項から第十一項までの規定は、公布の日から施行する。

 (商品取引所法の廃止)

2 商品取引所法(明治二十六年法律第五号。以下「旧法」という。)は、廃止する。

3 旧法廃止前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (商号に関する制限の特例)

4 第六条第二項の規定は、同項に規定する証券取引所以外の者で同項の規定施行の際その商号中に取引所又はこれに類似する文字を用いているものについては、同項の規定施行の日から三月間を限り適用しない。

 (発起人の資格要件の特例)

5 第九条第二項中「商品」とあるのは、昭和二十五年十二月三十一日までに限り、「商品(当該商品の主たる原料となつている物又は当該商品を主たる原料とする物で政令で定めるものを含む。)」と読み替えるものとする。

 (会員の欠格条件の特例)

6 旧法又は旧日本証券取引所法(昭和十八年法律第四十四号)の規定により罰金の刑に処せられた者は、第二十四条第一項第二号の規定の適用については、この法律により罰金の刑に処せられた者とみなす。

 (審議会の会長及び委員の任命の特例)

7 第十五章の規定施行の際国会が閉会中である場合においては、内閣総理大臣は、第百三十九条第二項の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで審議会の最初の会長又は委員を任命することができる。

8 内閣総理大臣は、前項の規定により審議会の最初の会長又は委員を任命したときは、任命後最初の国会で、前項の任命について両議院の事後の承認を求めなければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られなかつたときは、内閣総理大臣は、直ちに、その会長又は委員を罷免しなければならない。

 (大蔵省設置法の改正)

9 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。

  第四条中第四十一号を削り、第四十号の二を第四十一号とする。

  第十条第二十号を次のように改める。

  二十 削除

 (農林省設置法の改正)

10 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。

  第四条第十七号の次に次の一号を加える。

  十七の二 所掌事務に係る物資の売買取引を行うために必要な商品市場を開設することを目的とする商品取引所及びその物資の売買取引の委託を受ける商品仲買人の登録を行い、及びこれを監督すること。

  第七条第十三号の次に次の一号を加える。

  十三の二 所掌事務に係る物資の売買取引を行うために必要な商品市場を開設することを目的とする商品取引所に関する調整を図ること。

 (通商産業省設置法の改正)

11 通商産業省設置法(昭和二十四年法律第百二号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第十九号の次に次の一号を加える。

  十九の二 所掌事務に係る物資の売買取引を行うために必要な商品市場を開設することを目的とする商品取引所及びその物資の売買取引の委託を受ける商品仲買人を登録し、及びこれを監督すること。

  第十条第一項第四号の次に次の一号を加える。

  四の二 通商産業省の所掌に係る物資の売買取引を行うために必要な商品市場を開設することを目的とする商品取引所に関する調整を図ること。

  第二十二条第一項の表中

指定生産資材割当基準審議会

指定生産資材の割当基準に関する事項を調査審議すること。

 を

指定生産資材割当基準審議会

指定生産資材の割当基準に関する事項を調査審議すること。

商品取引所取引紛争審査会

商品市場における売買取引に関する紛争の仲介を行うこと。

商品取引所審議会

関係各大臣の諮問に応じ、商品取引所に関する重要事項を調査審議すること。

 に改める。

  第二十四条第五号の次に次の一号を加える。

  五の二 所掌に係る物資の売買取引を行うために必要な商品市場を開設することを目的とする商品取引所に関する調整を図ること。

 (事業者団体法の改正)

12 事業者団体法(昭和二十三年法律第百九十一号)の一部を次のように改正する。

  第六条第一項第三号ロ中「明治二十六年法律第五号」を「昭和二十五年法律第二百三十九号」に改める。

(大蔵・農林・通商産業・内閣総理大臣署名) 

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