法律第五十四号(昭二七・三・三一)
◎法人税法の一部を改正する法律
法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第九条の九中「及び過誤納」を「、第二十六条の五第一項の規定により還付を受けた金額及び過誤納」に改める。
第十条第二項に後段として次のように加える。
第二十六条の五第一項の規定により還付される所得税額についても同様とする。
第二十六条の四第六項中「五箇月」を「三箇月」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第二十六条の五 法人が各事業年度において所得税法第十八条又は所得税法の臨時特例に関する法律第十九条第一項の規定により納付した所得税額のうち、第十条の規定により当該事業年度の所得に対する法人税額から控除することができるもので、法人税額から控除することができなかつたものがあるときは、当該事業年度の第十八条若しくは第二十一条の規定による申告書又は第二十三条の規定による申告書で第十八条若しくは第二十一条に規定する事項を記載したものの提出と同時に政府に対し還付の請求をなす場合に限り、政府は、命令の定めるところにより、これを還付する。
前項の規定による所得税額の還付の請求をしようとする法人は、当該事業年度において納付した所得税額、第十条の規定により法人税額から控除を受けることができる所得税額及び当該事業年度の法人税額から控除することができなかつた所得税額その他命令で定める事項を記載した申請書を政府に提出しなければならない。
第一項の規定による金額(第四項の規定により加算すべき金額を含む。)の還付をなす場合において、未納の国税及び滞納処分費があるときは、当該金額をこれに充当する。
政府は、第一項の規定による金額の還付をなす場合においては、当該金額の還付の請求と同時に提出された申告書の提出期限(当該申告書が第二十三条の規定による申告書である場合には、その提出の日)の翌日から、当該金額の支出をなし又は前項の規定による充当をなす日までの期間に応じ、当該金額百円について一日四銭の割合を乗じて計算した金額を当該還付又は充当すべき金額に加算する。
前項の規定は、同項の規定により加算すべき金額の計算の基礎となつた還付すべき金額が千円未満であるときは、これを適用しない。その加算すべき金額に千円未満の端数があるときは、これを切り捨てて同項の規定を適用する。
第四項の規定により加算すべき金額が十円未満であるときは、これを加算しない。その加算すべき金額に十円未満の端数があるときは、その端数は、これを切り捨てる。
第三十五条第一項中「当該通知をなした税務署長を経由し、」を削り、同条第三項第二号を次のように改める。
二 再調査の請求があつた日から三箇月以内に前条第七項の規定による通知がなされないときは、再調査の請求をなした法人が別段の申出をなした場合を除く外、当該期間を経過した日
第三十九条中「百万円」を「二百万円」に、「二百万円」を「四百万円」に改める。
第四十二条第一項中「計算した金額」の下に「(当該法人税額で第一号又は第二号に掲げるもののうちに第二十六条の三第一項の規定により徴収を猶予された税額がある場合には、当該徴収を猶予された税額については、これらの号に掲げる期間のうちその徴収を猶予された期間に応じ、当該徴収を猶予された税額百円について一日二銭の割合を乗じて計算した金額)」を加える。
附 則
1 この法律は、昭和二十七年四月一日から施行する。
2 改正後の法人税法第九条の九、第十条、第二十六条の四及び第四十二条の規定は、法人の昭和二十七年一月一日以後終了する事業年度分の法人税から、改正後の法人税法第二十六条の五の規定は、法人の当該事業年度分の法人税額から控除することができる所得税額で控除することができなかつたものから適用し、法人の同日前に終了した事業年度分の法人税については、なお従前の例による。
3 この法律施行前に、昭和二十七年一月一日以後終了した事業年度分の法人税について法人税法第十八条若しくは第二十一条の規定による申告書又は第二十三条の規定による申告書で第十八条若しくは第二十一条に規定する事項を記載したものを提出した法人で、同法第十条の規定により当該事業年度分の法人税額から控除することができる所得税額で控除することができなかつたものについて、改正後の法人税法第二十六条の五第一項の規定により、新たにその還付を受けることができることとなつたものは、同項の規定にかかわらず、この法律施行後一月以内に、同項の規定による当該還付の請求をすることができる。
(大蔵・内閣総理大臣署名)