法律第百九十九号(昭二七・六・一六)
◎造船法の一部を改正する法律
造船法(明治二十五年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
第二条及び第三条を次のように改める。
(施設の新設等の許可等)
第二条 総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製の船舶の製造又は修繕をすることができる造船台、ドツク又は引揚船台を備える船舶の製造又は修繕の施設を新設し、譲り受け、若しくは借り受けようとする者は、省令の定める手続に従い、運輸大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けた者は、その許可に係る工事を完了し、又は譲受若しくは借受による引渡を完了したときは、その日から一箇月以内に、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。
(設備の新設等の許可等)
第三条 前条の施設を所有し、又は借り受けている者が、当該施設において、船舶の製造又は修繕に必要な造船台、ドツク、引揚船台等の設備であつて省令で定めるものを新設し、増設し、又は拡張しようとするときは、省令の定める手続に従い、運輸大臣の許可を受けなければならない。
2 前条第二項の規定は、前項の許可を受けた者に準用する。
第三条の次に次の一条を加える。
(許可の基準)
第三条の二 運輸大臣は、左の各号に掲げる基準に適合する申請があつたときは、第二条又は前条の許可をしなければならない。
一 当該施設を新設し、又は当該設備を新設し、増設し、若しくは拡張することによつて日本経済として適正な造船能力をこえることとならないこと。
二 当該施設を新設し、譲り受け、若しくは借り受け、又は当該設備を新設し、増設し、若しくは拡張することによつて、当該造船事業の経営がわが国における造船事業の健全な発達を阻害するような競争をひき起す虞がないこと。
三 当該施設を新設し、譲り受け、若しくは借り受け、又は当該設備を新設し、増設し、若しくは拡張しようとする者の技術的及び経理的基礎が確実であること。
第十二条を次のように改める。
(罰則)
第十二条 第二条第一項又は第三条第一項の規定に違反した者は、六月以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第十二条の二 左の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。
一 第二条第二項(第三条第二項において準用する場合を含む。)第六条又は第十一条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第十三条中「前条」を「前二条」に、「同条」を「各本条」に改める。
附 則
1 この法律施行の期日は、公布の日から起算して六十日をこえない期間内において、政令で定める。
2 この法律施行の際現に改正前の造船法第二条第一項又は同法第三条第一項の規定により届出をして、その工事に着手している者は、改正後の同法第二条第一項又は同法第三条第一項の規定の適用については、この法律施行の日においてそれぞれの規定による許可を受けた者とみなす。
3 この法律施行の際現に改正前の造船法第二条第一項又は同法第三条第一項の規定による届出に係る工事であつて改正後の同法第二条第一項又は同法第三条第一項の施設又は設備に係るものを完了して、その工事の完了の届出をしていない者については、改正前の同法第二条第二項及び同法第三条第二項の規定は、この法律施行後もなおその効力を有する。
4 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(運輸・内閣総理大臣署名)