法律第二百四十六号(昭二七・七・三〇)
◎国会職員法等の一部を改正する法律
第一条 国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。
第一条を次のように改める。
第一条 この法律において国会職員とは、左に掲げる者をいう。
一 各議院事務局の事務総長、参事、主事、常任委員会専門員、常任委員会調査員及び常任委員会調査主事
二 各議院法制局の法制局長、参事及び主事
三 国立国会図書館の館長、副館長、司書、専門調査員、調査員、参事及び主事
四 裁判官弾劾裁判所事務局(以下「弾劾裁判所事務局」という。)及び裁判官訴追委員会事務局(以下「訴追委員会事務局」という。)の参事及び主事
五 各議院事務局、各議院法制局、国立国会図書館、弾劾裁判所事務局及び訴追委員会事務局の主事補その他前各号に掲げる職員以外の職員
第二条に次の一号を加える。
四 前各号の一に該当する者の外、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の規定により官職につく能力を有しない者
第三条中「弾劾裁判所」を「弾劾裁判所事務局」に、「訴追委員会」を「訴追委員会事務局」に、同条第三号中「前各号の一」を「前号」に改め、同条中第二号を削り、第三号を第二号とし、第四号を第三号とする。
第四条中「弾劾裁判所」を「弾劾裁判所事務局」に、「訴追委員会」を「訴追委員会事務局」に、同条第三号中「前各号の一」を「前号」に改め、同条中第二号を削り、第三号を第二号とし、第四号を第三号とする。
第五条第一号中「又は国立国会図書館の調査員の職」を「、国立国会図書館の調査員若しくは参事又は弾劾裁判所事務局若しくは訴追委員会事務局の参事の職」に改め、同条第二号及び第三号を次のように改める。
二 十年以上、前号に掲げる職と同等以上と認められる国家公務員の職に在つて、行政又は司法の各部門の専門の業務に従事した者
三 国会職員考査委員会において、前各号の一に掲げる者と同等以上の資格を有すると定めた者
第五条の二中「若しくは局の次長」を「、部長若しくは局の次長」に、「弾劾裁判所若しくは訴追委員会」を「弾劾裁判所事務局若しくは訴追委員会事務局」に改め、同条第二号及び第三号を次のように改める。
二 国立国会図書館の専門調査員
三 国会職員考査委員会において、前各号の一に掲げる者と同等以上の資格を有すると定めた者
第五条の三を次のように改める。
第五条の三 第一条第五号に掲げる職員の任用は、各本属長の定める資格を有する者についてこれを行う。
第六条中「弾劾裁判所及び訴追委員会」を「弾劾裁判所事務局及び訴追委員会事務局」に改める。
第七条中「副館長を除く」を「副館長を除き、」に、「官吏」を「国会職員以外の国家公務員」に改める。
第八条中「官吏」を「国会職員以外の国家公務員(官吏を含む。)」に改める。
「第四章 分限」を「第四章 分限及び保障」に改める。
第九条但書中「休職」を「降任、休職」に改める。
第十条を次のように改める。
第十条 国会職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。
第十条の次に次の一条を加える。
第十条の二 国会職員が第二条各号の一に該当するに至つたときは、当然失職する。
第十一条を次のように改める。
第十一条 国会職員が左の各号の一に該当するときは、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
一 勤務実績が著しくよくないとき
二 身体又は精神の故障により、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えないとき
三 その他その職に必要な適格性を欠くとき
四 廃職となり又は定員改正により過員を生じたとき
前項第一号乃至第三号の規定により降任し、又は免職するときは、国会職員考査委員会の審査を経なければならない。
第十二条中「乃至第五号」を削る。
第十三条第一項中「該当するときは、」の下に「その意に反して、」を加え、同条第三項中「第三号乃至第五号の場合においては満一年とする。」を「第三号及び第五号の場合においては一年とし、第四号の場合においては、三年をこえない範囲内において、休養を要する程度に応じ個々の場合について、休職について権限のある者がこれを定める。」に改め、同条に次の一項を加える。
第一項第四号に該当し、三年に満たない期間休職を命ぜられた国会職員が、その期間経過の際、引き続き同号に該当するときは、休職について権限のある者は、その休職を発令した日から引き続き三年をこえない範囲内において、休養を要する程度に応じ、当該休職期間を延長しなければならない。
第十四条第二項中「、休職を命ぜられた者に対しては、」を「休職を命ぜられた者に対しては、休職期間が満期となるまでは、」に改め、同条に次の一項を加える。
前条第一項第四号の規定により休職を命ぜられ同条第三項又は第四項の規定による三年の休職期間が満期となつた者及び同条第一項第五号の規定により休職を命ぜられその休職期間が満期となつた者については、事務の都合により、復職を命じ、又は休職期間を更新することができる。
第十五条の次に次の一条を加える。
第十五条の二 国会職員で、その意に反して、降任され、休職され、免職され、その他著しく不利益な処分若しくは取扱を受け、又は懲戒処分を受けた者の苦情の処理に関しては、衆議院の事務局及び法制局並びに訴追委員会事務局の職員については衆議院議長が衆議院の議院運営委員会に諮つて定め、参議院の事務局及び法制局並びに弾劾裁判所事務局の職員については参議院議長が参議院の議院運営委員会に諮つて定め、国立国会図書館の職員については国立国会図書館の館長が両議院の図書館運営委員会の承認を経て定めるところによる。
第十六条を次のように改める。
第十六条 本章の規定(第十条の二の規定を除く。)は、各議院事務局の事務総長及び常任委員会専門員、各議院法制局の法制局長、国立国会図書館の館長並びに非常勤の職員及び臨時の職員については、これを適用しない。
第十八条の次に次の一条を加える。
第十八条の二 国会職員は、組合又はその連合体(以下本条中「組合」という。)を結成し、若しくは結成せず、又はこれらに加入し、若しくは加入しないことができる。国会職員は、これらの組織を通じて、代表者を自ら選んでこれを指名し、勤務条件に関し、及びその他社交的厚生的活動を含む適法な目的のため、当局と交渉することができる。但し、この交渉は、当局と団体協約を締結する権利を含まないものとする。すべて国会職員は、国会職員の組合に属していないという理由で、不満を表明し、又は意見を申し出る自由を否定されてはならない。
国会職員は、前項の組合について、その構成員であること、これを結成しようとしたこと若しくはこれに加入しようとしたこと又はその組合における正当な行為をしたことのために不利益な取扱を受けない。
国会職員は、同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は国会の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。
国会職員で同盟罷業その他前項の規定に違反する行為をした者は、その行為の開始とともに、当局に対し、法令に基いて保有する任命上又は雇用上の権利を以て、対抗することができない。
国会職員が当局と交渉する場合の手続その他組合に関し必要な事項は、両議院の議長が協議してこれを定める。
第二十条の次に次の一条を加える。
第二十条の二 国会職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、両議院の議長が両議院の議院運営委員会の合同審査会に諮つて定める政治的行為をしてはならない。
国会職員は、公選による公職の候補者となり、又は公選による公職と兼ねることができない。
国会職員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない。
第五章中第二十四条の次に次の一条を加える。
第二十四条の二 本章の規定は、各議院事務局の事務総長及び常任委員会専門員、各議院法制局の法制局長並びに国立国会図書館の館長については、これを適用しない。
「第六章 給与及び恩給」を「第六章 給与、旅費、災害補償及び恩給等」に改める。
第二十五条第二項中「その他の給与」の下に「及び旅費」を加え、同条第三項を次のように改める。
国会職員の給料、手当その他の給与の種類、額、支給条件及び支給方法並びに旅費については、別に法律(これに基く命令を含む。)で定めるものを除く外、両議院の議長が、両議院の議院運営委員会の合同審査会に諮つてこれを定める。
第二十六条を次のように改める。
第二十六条 第十三条の規定により休職を命ぜられた国会職員は、両議院の議長が両議院の議院運営委員会の合同審査会に諮つて定めるところにより、給与の全部又は一部を受けることができる。
第二十六条の次に次の一条を加える。
第二十六条の二 国会職員及びその遺族は、両議院の議長が両議院の議院運営委員会の合同審査会に諮つて定めるところにより、その国会職員の公務上の災害に対する補償等を受ける。
第二十七条中「国会職員及び」を「国会職員(第一条第一号乃至第四号に掲げる者に限る。)及び」に改める。
第六章中第二十七条の次に次の一条を加える。
第二十七条の二 各本属長は、国会職員の勤務能率の発揮及び増進のために、左の事項について計画を樹立し、これが実施に努めるものとする。
一 国会職員の教育訓練に関する事項
二 国会職員の保健に関する事項
三 国会職員の元気回復に関する事項
四 国会職員の安全保持に関する事項
五 国会職員の厚生に関する事項
第二十八条中「事務総長、」を「事務総長及び常任委員会専門員、」に、「法制局長及び」を「法制局長並びに」に改める。
第三十条中「一月」を「一日」に、「三分の一」を「五分の一」に改める。
第三十二条を次のように改める。
第三十二条 懲戒に付せらるべき事件が、刑事裁判所に係属する間においても、同一事件について、適宜に、懲戒手続を進めることができる。この法律による懲戒処分は、その国会職員が、同一又は関連の事件に関し、重ねて刑事上の訴追を受けることを妨げない。
第三十三条中「弾劾裁判所及び訴追委員会」を「裁判官弾劾裁判所(以下「弾劾裁判所」という。)及び裁判官訴追委員会(以下「訴追委員会」という。)」に改める。
第三十七条中「弾劾裁判所及び訴追委員会」を「弾劾裁判所事務局及び訴追委員会事務局」に改める。
第三十八条中「訴追委員会及び弾劾裁判所」を「訴追委員会事務局及び弾劾裁判所事務局」に改める。
第八章の次に次の一章を加える。
第九章 補則
第四十一条 労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)、労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)及び労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)並びにこれらに基く命令は、国会職員については、これを適用しない。
国会職員に関しては、この法律で定めた事項及びこの法律に基き両議院の議長若しくは本属長が定めた事項又は国会職員の勤務条件について他の法律(これに基く命令を含む。)で定めた事項に矛盾しない範囲内において、労働基準法及びこれに基く命令の規定を準用する。但し、労働基準監督機関の職権に関する規定は、これを準用しない。
前項の規定の適用に関し必要な事項は、両議院の議長が協議してこれを定める。
第二条 議院事務局法(昭和二十二年法律第八十三号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項に次の一号を加える。
七 主事補その他前各号に掲げる職員以外の職員
第十五条の次に次の一条を加える。
第十六条 第一条第一項第七号に掲げる職員は、上司の指揮監督を受け職務に従事する。
第三条 議院法制局法(昭和二十三年法律第九十二号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項に次の一号を加える。
四 主事補その他前各号に掲げる職員以外の職員
同条第二項中「参事及び主事」を「各法制局の職員」に改める。
第六条に次の一項を加える。
第一条第一項第四号に掲げる職員は、上司の指揮監督を受け職務に従事する。
第四条 裁判官弾劾法(昭和二十二年法律第百三十七号)の一部を次のように改正する。
第七条第二項中「及び主事三人」を「、主事三人及び主事補その他の職員」に、同条第四項から第六項までの中「参事及び主事」を「職員」に改める。
第十八条第二項中「各三人」の下に「並びに主事補その他の職員」を加え、同条第四項、第五項及び第七項中「参事及び主事」を「職員」に改める。
第五条 恩給法(大正十二年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項中「国会職員」を「国会職員(国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)第一条第一号乃至第四号ニ掲グル者ヲ謂フ)」に改める。
第六条 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。
第一条第七号及び第八号を次のように改める。
七 削除
八 削除
第十条の二中「同法第二十五条の規定に基く国会職員給与規程」を「同法の規定に基く国会職員の給与等に関する規程」に改める。
別表第一中
「 |
人事官及び検査官 |
」 |
国立国会図書館長 |
を
「 |
人事官及び検査官 |
」 |
に、
「 |
内閣官房長官 |
」 |
衆議院及び参議院の事務総長 |
を
「 |
内閣官房長官 |
」 |
に、
「 |
政務次官 |
」 |
衆議院及び参議院の法制局長 |
を
「 |
政務次官 |
」 |
に改める。
第七条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二百九十六条中「国家公務員の団体」の下に「、国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)第十八条の二の規定に基く国会職員の団体」を加える。
第八条 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。
第四条第四号中「国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)」の下に「、国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)」を加える。
第九条 海事代理士法(昭和二十六年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。
第三条第四号中「国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)」の下に「、国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)」を加える。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行し、第一条中国会職員法第二十六条の改正規定は、昭和二十七年一月一日から適用する。
2 この法律施行の際、現に国会に勤務する職員で、従前の国会職員法第一条に規定する国会職員以外の者は、同一の勤務条件をもつて改正後の同法第一条第五号に掲げる各相当の国会職員となるものとする。
3 改正後の国会職員法第十三条第四項の規定は、この法律施行の際現に休職を命ぜられている国会職員に対しても適用する。
(内閣総理大臣・法務総裁・大蔵・労働大臣署名)