法律第二百七十九号(昭二七・七・三一)
◎郵政省設置法の一部を改正する法律
郵政省設置法(昭和二十三年法律第二百四十四号)の一部を次のように改正する。
目次中「地方機関」を「地方支分部局」に改める。
第一条中「第三条に掲げる事業を合理的、能率的に経営する」を「第三条に掲げる事業を合理的、能率的に経営し、且つ、その所掌する行政事務を能率的に遂行する」に改める。
第三条を次のように改める。
(郵政省の任務)
第三条 郵政省は、左に掲げる国の事業及び行政事務を一体的に遂行する責任を負う行政機関とする。
一 郵便事業
二 郵便貯金事業、郵便為替事業及び郵便振替貯金事業
三 簡易生命保険事業及び郵便年金事業
四 電気通信に関する事務
2 郵政省は、前項の事業及び事務の外、左に掲げる業務をつかさどる。
一 前項の事業に附帯する業務
二 日本電信電話公社、国際電信電話株式会社及び日本放送協会から委託された業務
三 国民貯蓄債券の売りさばき、償還及び買上並びにその割増金の支払に関する業務
四 印紙の売りさばきに関する業務
五 年金及び恩給の支給その他国庫金の受入払渡に関する業務
第四条第十四号の次に次の二号を加える。
十四の二 所掌事務に係る公益法人その他の団体につき、許可又は認可を与えること。
十四の三 法令の定めるところに従い、所掌事務に関し、届出をさせ、報告を徴し、又は必要な命令をすること。
第四条第二十二号の次に次の十五号を加える。
二十二の二 法令の定めるところに従い、日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社を監督すること。
二十二の三 法令の定めるところに従い、有線電気通信を規律し、及び監督すること。
二十二の四 法令により委任された範囲において、電気通信に関する国際的取極を商議し、及び締結すること並びに国際電気通信連合その他の機関と連絡すること。
二十二の五 法令の定めるところに従い、無線局の開設の根本的基準を定めること及び無線局(高周波利用設備を含む、以下同じ。)について免許(許可及び承認を含む。以下同じ。)をすること。
二十二の六 法令の定めるところに従い、無線設備(高周波利用設備を含む。以下同じ。)の技術基準を定めること。
二十二の七 法令の定めるところに従い、無線局について、その無線設備、無線従事者の資格及び員数等を検査すること。
二十二の八 法令の定めるところに従い、電波を監視し、及び規律すること。
二十二の九 周波数標準値を定め、標準電波を発射し、及び標準時を通報すること。
二十二の十 電波の伝わり方について、予報及び異常に関する警報を発し、並びにその他の通報をすること。
二十二の十一 法令の定めるところに従い、無線従事者国家試験を行い、及び無線従事者免許を与えること。
二十二の十二 委託により、無線設備の性能試験並びにその機器の型式検定及び較正を行うこと。
二十二の十三 委託により、無線局の周波数を測定すること。
二十二の十四 電波の利用を助成し、及び促進すること。
二十二の十五 法令の定めるところに従い、日本放送協会を監督すること。
二十二の十六 法令の定めるところに従い、有線放送業務の運用を規正すること。
「第二章 内部部局及び地方機関」を「第二章 内部部局及び地方支分部局」に改める。
第五条第一項中
「 |
簡易保険局 |
」 |
を
「 |
簡易保険局 |
」 |
電波監理局 |
に改める。
第六条第一項第五号の次に次の二号を加える。
五の二 聴聞に関すること。
五の三 電波監理審議会に関すること。
第六条第一項第六号の次に次の二号を加える。
六の二 公益法人その他の団体に対する許可又は認可に関すること。
六の三 図書及び資料に関すること。
第六条第一項第十一号の(一)を次のように改める。
(一) 各部局の事業又は業務計画案に基く資材及び物品の需給計画を作成し、及び実施すること。
第六条第一項第十二号の次に次の四号を加える。
十二の二 日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社を監督すること。
十二の三 公共企業体等調停委員会に対する調停の請求及び公共企業体等仲裁委員会に対する仲裁の請求に関すること。
十二の四 有線電気通信を規律し、及び監督すること。
十二の五 電波及び放送の規律に関する事項以外の国際電気通信の管理に関する国際的取極及び国際電気通信連合その他の機関との連絡に関すること。
第六条第二項中「前項第十号に掲げる事務及び」を「前項第十号及び第十二号の三に掲げる事務並びに」に改める。
第八条第四号中「国際会議」を「国際的取極」に改め、同条第十三号及び第十三号の二を次のように改める。
十三 日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社から委託された業務を処理すること。
十三の二 日本放送協会から委託された業務を処理すること。
第九条第五号中「国際会議」を「国際的取極」に改める。
第十条第二十三号中「簡易生命保険郵便年金事業審議会及び」を削り、同条の次に次の一条を加える。
(電波監理局の事務)
第十条の二 電波監理局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 電波及び放送の規律(有線放送の業務の運用の規正を含む。以下同じ。)に関する企画を行い、及び実施すること。
二 電波及び放送の規律に関する法令を立案し、及び実施すること。
三 電波及び放送の規律に関する事務取扱方法を制定し、及び実施すること。
四 電波及び放送の規律に関する国際的取極及び国際電気通信連合その他の機関との連絡に関すること。
五 周波数の割当に関すること。
六 無線局の開設の根本的基準を定めることその他無線局の免許に関すること。
七 無線設備の技術基準を定めること。
八 無線局の運用及び検査に関すること。
九 無線従事者の国家試験及び免許に関すること。
十 電波を監視し、及び規正すること並びに不法に開設された無線局を探査すること。
十一 無線局の電波の発射の停止に関すること。
十二 電波の伝わり方についての予報及び警報に関すること。
十三 委託により、無線局の周波数を測定すること。
十四 電波の利用に関する研究及び調査をし、又はこれを部外の研究機関に委託すること。
十五 電波の利用を助成し、及び促進すること。
十六 日本放送協会に関すること。
十七 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
十八 所部の職員を訓練すること。
十九 電波監理局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
二十 電波監理局の所掌事務に関する一般会計の決算をすること。
二十一 電波監理局の所掌事務に関する一般会計の収入及び支出の調定及び出納をすること。
二十二 電波監理局の所掌事務に関する周知を行い、及び統計を作成すること。
二十三 電波技術審議会及び電波研究所に関する事務を処理すること。
二十四 前各号に掲げるものの外、電波及び放送の規律に関すること。
二十五 前各号の事務に附帯すること。
第十一条第三号を次のように改める。
三 郵政省所管の各会計の会計及び財務に関する法令及び手続に関すること。
第十一条第四号の次に次の一号を加える。
四の二 郵政省所管の各会計の決算の取りまとめをすること。
「第二節 地方機関」を「第二節 地方支分部局」に改める。
第十二条第一項を次のように改める。
(地方支分部局)
第十二条 郵政省に、左の地方支分部局を置く。
地方郵政監察局
地方郵政局
地方電波監理局
地方貯金局
地方簡易保険局
郵便局
第十二条第二項中「地方郵政局は第八条から第十条までに掲げる事務の一部を分掌し、」の下に「地方電波監理局は第十条の二並びに第六条第一項第十二号の二及び第十二号の四に掲げる事務の一部を分掌し、」を加え、同条第四項中「地方機関」を「地方支分部局」に、「第六条」を「第六条(同条第一項第十二号の二及び第十二号の四に掲げるものを除く。)」に、同条第五項中「地方機関」を「地方支分部局」に改める。
第十三条を次のように改める。
第十三条 地方郵政監察局及び地方郵政局は、それぞれ東京都、長野市、名古屋市、金沢市、大阪市、広島市、松山市、熊本市、仙台市及び札幌市に置く。
2 地方郵政監察局及び地方郵政局の名称及び管轄区域は、政令で定める。
3 地方電波監理局の名称、位置及び管轄区域は、左の通りとする。
名称 |
位置 |
管轄区域 |
関東電波監理局 |
東京都 |
東京都 神奈川県 埼玉県 群馬県 千葉県 茨城県 栃木県 山梨県 |
信越電波監理局 |
長野市 |
長野県 新潟県 |
東海電波監理局 |
名古屋市 |
愛知県 三重県 静岡県 岐阜県 |
北陸電波監理局 |
金沢市 |
石川県 福井県 富山県 |
近畿電波監理局 |
大阪市 |
大阪府 京都府 兵庫県 奈良県 滋賀県 和歌山県 |
中国電波監理局 |
広島市 |
広島県 鳥取県 島根県 岡山県 山口県 |
四国電波監理局 |
松山市 |
愛媛県 徳島県 香川県 高知県 |
九州電波監理局 |
熊本市 |
熊本県 長崎県 福岡県 大分県 佐賀県 宮崎県 鹿児島県 |
東北電波監理局 |
仙台市 |
宮城県 福島県 岩手県 青森県 山形県 秋田県 |
北海道電波監理局 |
札幌市 |
北海道 |
4 第十条の二第十号及び第十一号に掲げる事務については、前項の管轄区域にかかわらず、郵政省令で別段の定をすることができる。
5 地方郵政監察局、地方郵政局及び地方電波監理局の内部組織は、郵政省令で定める。
6 郵政大臣は、地方支分部局の事務の一部を分掌させるため必要がある場合は、地方支分部局の出張所を設けることができる。
7 地方電波監理局の出張所の名称、位置、管轄区域、所掌事務の範囲及び内部組織は、郵政省令で定める。
8 地方貯金局、地方簡易保険局及び郵便局並びに前項の出張所以外の出張所の名称、位置、管轄区域、所掌事務の範囲及び内部組織は、郵政大臣が定める。
第十四条中
「 |
職員訓練所 |
」 |
を
「 |
職員訓練所 |
」 |
電波研究所 |
に改める。
第十七条の次に次の一条を加える。
(電波研究所)
第十七条の二 電波研究所は、左に掲げる事項を行うための機関とする。
一 電波の伝わり方の観測、研究及び調査を行うこと。
二 周波数標準値を定め、標準電波を発射し、及び標準時を通報すること。
三 電波の伝わり方について、予報及び異常に関する警報を送信し、並びにその他の通報をすること。
四 無線設備の機器の型式検定をすること。
五 無線設備の性能試験及びその機器の較正を行うこと。
六 第二号から第五号までの事項に関する研究及び調査を行うこと。
七 前各号の事務に附帯すること。
第十九条第一項の表目的の欄中「運営」の下に「及び事務(電波及び放送の規律に関するものを除く。)の公平且つ能率的な運営」を、「その事業」の下に「及び事務(電波及び放送の規律に関するものを除く。)」を加え、
同表中
「 |
簡易生命保険郵便年金審査会 |
保険契約者、保険金受取人、年金契約者、年金受取人、年金継続受取人又は返還金受取人が簡易生命保険又は郵便年金の契約上の権利義務に関する事項について国との間に紛争を生じた場合、その紛争処理機関として公平な審査をし、及び裁決をすること。 |
」 |
を
「 |
簡易生命保険郵便年金審査会 |
保険契約者、保険金受取人、年金契約者、年金受取人、年金継続受取人又は返還金受取人が簡易生命保険又は郵便年金の契約上の権利義務に関する事項について国との間に紛争を生じた場合、その紛争処理機関として公平な審査をし、及び裁決をすること。 |
|
電波監理審議会 |
電波及び放送の規律に関する事務の公平且つ能率的な運営を図るため、その事務に関する事項を調査審議し、郵政大臣に必要な勧告をし、並びに電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)及び有線放送業務の運用の規正に関する法律(昭和二十六年法律第百三十五号)に基く郵政大臣の処分に対する異議の申立について審査及び議決をすること。 |
||
電波技術審議会 |
郵政大臣の諮問に応じて電波の技術に関する事項を調査審議すること。 |
」 |
に改める。
第二十一条を次のように改める。
(特別な職)
第二十一条 大臣官房に電気通信監理官二人を置く。
2 電気通信監理官は、命を受けて第六条第一項第十二号の二から第十二号の五までに掲げる事項に関する事務を掌理する。
3 郵務局、貯金局及び簡易保険局に次長各一人を、電波監理局に次長二人を置く。
4 次長は、局長を助け、局務を整理する。
第二十一条の次に次の一条を加える。
第二十一条の二 電波監理審議会に、審理官五人以内を置く。
2 審理官は、電波法第七章に規定する聴聞を主宰する。
3 審理官は、電波監理審議会の議決を経て、郵政大臣が任命する。
第二十六条を次のように改める。
第二十六条 削除
第二十七条中「局、地方機関」を「内部部局、地方支分部局」に改める。
附 則
この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。
(郵政・内閣総理大臣署名)