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法律第三十五号(昭三〇・六・三〇)

  ◎法人税法の一部を改正する法律

 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

 目次中「・第十七条の二」を「―第十七条の三」に改める。

 第五条第一項第四号中「開拓融資保証協会、」の下に「調整組合及び同連合会、酒造組合及び同連合会、酒造組合中央会、酒販組合及び同連合会、酒販組合中央会、」を加える。

 第五条の二に次のただし書を加える。

  ただし、清算中の法人が継続し又は合併に因り消滅した場合におけるその清算中に生じた所得については、この限りでない。

 第七条に次の一項を加える。

  清算中の法人が事業年度の中途において継続した場合においては、この法律の適用については、その事業年度開始の日から継続の日の前日までの期間及び継続の日からその事業年度の末日までの期間をそれぞれ一事業年度とみなす。

 第九条第六項中「申告書」の下に「又は第二十三条の規定による申告書で第十八条に規定する事項を記載したもの」を、「記載をなした場合」の下に「(当該申告の記載がなかつた場合において、政府においてその申告の記載がなかつたことについて特別の事情があると認めるときを含む。)」を加える。

 第九条の六第一項中「第二十一条」の下に「若しくは第二十二条の二」を加え、「(第二十二条の二の規定による申告書を含む。)」を「又は第二十三条の規定による申告書で第十八条乃至第二十一条若しくは第二十二条の二に規定する事項を記載したもの」に改め、「記載をなしたとき」の下に「(当該申告の記載がなかつた場合において、政府においてその申告の記載がなかつたことについて特別の事情があると認めるときを含む。)」を加え、同条第二項に次の一号を加える。

 五 清算中の法人が残余財産の一部を分配した後継続し又は合併に因り消滅した場合において、その残余財産の分配が、まず、資本又は出資の金額、資本積立金額及び再評価積立金額から成る部分からなされたものとみなした場合における分配後のこれらの金額の合計額が、当該法人が継続又は合併に際しこれらの金額として貸借対照表に計上している金額の合計額に不足するときにおけるその不足額に相当する金額のうち、当該法人の株式又は出資を有している法人の有する株式又は出資に対応する部分の金額

 第九条の九を次のように改める。

 (還付金等の益金不算入)

第九条の九 法人が各事業年度において第九条第二項の規定により損金に算入されない法人税その他の公課の還付を受け若しくは第二十六条の五第一項、第二十六条の六第一項若しくは第二十六条の七第一項(第二十六条の九第四項において準用する第二十六条の六第一項又は第二十六条の七第一項を含む。)の規定による還付金の還付を受け又はこれらを未納の国若しくは地方公共団体の徴収金に充当された場合においては、当該還付を受け又は充当された金額は、その還付を受け又は充当された日の属する事業年度の所得の計算上、これを益金に算入しない。

 第十条の三第一項中「当該外国から生じた所得についての外国の法人税の課税上の計算期間内に生じた当該法人の所得」を「当該所得の生じた期間の属する事業年度の所得に対し、当該法人の区分に応じ第十七条第一項第一号の税率を乗じて算出した金額」に改め、「部分の金額に対し、当該法人の区分に応じ第十七条第一項第一号の税率を乗じて算出した」を削り、「当該計算期間」を「当該所得の生じた期間」に改める。

 第十二条の二に次の一項を加える。

  法人が解散した場合において、その残余財産の一部を分配した後継続し又は合併に因り消滅したときは、当該法人の当該解散に因る清算所得は、第一項第一号の規定にかかわらず、当該法人が第二十二条の三第一項の規定により清算所得金額とみなして計算すべき金額(二回以上残余財産を分配した場合には、当該金額の合計額)による。

 第十七条第一項第一号中「百分の三十五」を「百分の三十」に、「所得金額の百分の四十二」を

所得金額のうち年五十万円以下の金額

百分の三十五

所得金額のうち年五十万円をこえる金額

百分の四十

に改め、同項第二号中「百分の四十一」を「百分の四十」に、「百分の四十六」を「百分の四十五」に改め、同条第二項中「前項第二号」を「第一項第二号」に改め、同項第三号中「金額又は法人税額」を「法人税その他の公課又は還付金の金額」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。

  前項第一号の場合において、事業年度が一年に満たない法人については、同号中年五十万円とあるのは、五十万円に当該事業年度の月数を乗じたものを十二分して計算した金額とする。この場合における月数は、暦に従いこれを計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。

 第三章中第十七条の二の次に次の一条を加える。

 (清算中の法人の継続又は合併の場合における法人税)

第十七条の三 清算中の法人が継続し又は合併に因り消滅した場合においては、当該法人に対し解散の日の翌日から継続の日の前日又は合併の日までの期間に係る法人税として課する税額は、当該法人が第二十二条の二又は第二十二条の三の規定による申告書に記載すべきであつた税額(第二十二条の二の規定による申告書に係る税額の納付について、第二十六条第四項ただし書の規定により控除すべき税額があるときは、これを控除した後の税額)の合計額による。

 第十九条第一項本文中「第二十条の規定に該当する場合」を「新たに設立した内国法人又は新たに外国法人となつた法人のその設立後又はその外国法人となつた後最初の事業年度」に改める。

 第二十条第一項中「六箇月をこえる」を「八箇月をこえる」に改める。

 第二十二条の二第一項中「清算中の法人」の下に「(その合併法人を含む。以下本条において同じ。)」を、「終了した場合」の下に「(清算中の法人が合併に因り消滅し第七条第四項の規定により事業年度が終了したものとみなされる場合を含む。)」を加え、「第十条の二」を「第十条の三」に改める。

 第二十五条第三項中「二箇月以内」を「三箇月を経過した日の前日と当該事業年度終了の日の前日とのいずれか早い日まで」に改める。

 第二十六条第四項中「百分の四十二」を「百分の四十」に、「百分の三十五」を「百分の三十」に改め、同条第六項に次のただし書を加える。

  ただし、当該法人が継続し又は合併に因り消滅した場合は、この限りでない。

 第二十六条の五第一項中「請求をなす場合」の下に「(当該請求が当該申告書の提出後になされた場合において、政府においてその請求が当該申告書の提出後になされたことについて特別の事情があると認めるときを含む。)」を加え、同条第四項中「還付の請求と同時に提出された申告書の提出期限(当該申告書が第二十三条の規定による申告書である場合には、その提出の日)」を「還付の請求がなされた日(当該還付の請求がその還付に係る所得税額を納付した事業年度の第十八条又は第二十一条の規定による申告書の提出期限前になされた場合には、当該期限)」に改める。

 第二十六条の六第一項、第二十六条の七第一項及び第二十六条の九第一項中「請求をなす場合」の下に「(当該請求が当該申告書の提出後になされた場合において、政府においてその請求が当該申告書の提出後になされたことについて特別の事情があると認めるときを含む。)」を加える。

 第二十六条の九に次の一項を加える。

  第二十六条の五から第二十六条の七までの規定は、清算中の法人が継続し又は合併に因り消滅した場合において、所得税法第十八条の規定により納付した所得税額、内国法人から利益の配当若しくは剰余金の分配に因り受けた金額のうち第九条の六第二項第二号若しくは第三号に掲げる金額に該当するものの百分の二十五に相当する金額又はこの法律の施行地外にある資産又は事業の所得について納付することとなる外国の法人税の額のうち、第二十二条の二の規定に基き第十条、第十条の二又は第十条の三の規定により清算中に終了した事業年度に係る法人税額から控除することができるもので、法人税額から控除することができなかつたものについて、これを準用する。この場合において、第二十六条の五第一項、第二十六条の六第一項又は第二十六条の七第一項中「当該事業年度の第十八条若しくは第二十一条」とあるのは「継続の日の前日又は合併の日を含む事業年度の第二十二条の二」と、「第十八条若しくは第二十一条に規定する」とあるのは「第二十二条の二に規定する」と、第二十六条の五第四項中「その還付に係る所得税額を納付した事業年度の第十八条又は第二十一条」とあるのは「継続の日の前日又は合併の日を含む事業年度の第二十二条の二」と読み替えるものとする。

 第四十三条第一項中「事実に基く税額」の下に「として命令の定めるところにより計算した金額」を加える。

   附 則

1 この法律は、昭和三十年七月一日から施行する。

2 この附則に特別の定がある場合を除くほか、改正後の法人税法(以下「新法」という。)の規定は、法人の昭和三十年七月一日以後に終了する事業年度分の法人税及び同日以後の解散又は合併による清算所得に対する法人税(清算中の事業年度に係る法人税及び残余財産の一部の分配により納付すべき法人税を含む。以下同じ。)について適用し、法人の同日前に終了した事業年度分の法人税及び同日前の解散又は合併による清算所得に対する法人税については、なお従前の例による。

3 新法第十七条第一項第一号に規定するその他の法人の昭和三十年七月一日以後同年九月三十日までの間に終了する事業年度分の法人税については、新法第十七条第一項第一号中

所得金額のうち年五十万円以下の金額

百分の三十五

所得金額のうち年五十万円をこえる金額

百分の四十

 とあるのは「所得金額の百分の四十」と読み替えて、同号の規定を適用する。

4 法人の昭和三十年七月一日以後最初に終了する事業年度が六月をこえる場合において、当該事業年度に係る改正前の法人税法(以下「旧法」という。)第十九条又は第二十条の規定による申告書の提出期限が同日前であるときは、これらの申告書に記載した、又は記載すべきであつた法人税については、なお従前の例による。

5 法人が昭和三十年七月一日以後に新法第十九条第一項本文の規定による申告書を提出する場合(新法第十九条第六項の規定により申告書の提出があつたものとみなされる場合を含む。)において、同条第一項に規定する前事業年度の法人税として納付した税額若しくは納付すべきことが確定した税額又は同条第二項に規定する被合併法人の確定法人税額が新法第十七条の規定により算出されたものでないときは、これらの税額のうち各事業年度の所得に対する税額(旧法第十七条の二の規定による加算税額を除く。)は、これらの規定にかかわらず、当該前事業年度又は被合併法人の確定法人税額の計算の基礎となつた事業年度分の所得について新法第十七条の規定を適用するものとして計算した金額とする。

6 新法第十七条及び第二十六条第四項の規定中新法第五条第一項各号又は第九条第六項に掲げる法人に関する部分は、当該法人の昭和三十年十月一日以後に終了する事業年度分の法人税及び同日以後の解散又は合併による清算所得に対する法人税について適用し、当該法人の同日前に終了した事業年度分の法人税及び同日前の解散又は合併による清算所得に対する法人税については、なお従前の例による。

7 調整組合及び調整組合連合会、酒造組合、酒造組合連合会及び酒造組合中央会並びに酒販組合、酒販組合連合会及び酒販組合中央会の昭和三十年七月一日以後最初に終了する事業年度分の法人税について附則第四項の規定の適用がある場合においては、当該法人の当該事業年度分の法人税については、新法第十八条の規定を適用せず、新法第二十一条の規定を適用する。

8 新法第七条第五項及び第九条の六第二項第五号の規定は、清算中の法人が昭和三十年七月一日以後に継続し、又は合併により消滅した場合について適用する。

9 新法第五条の二ただし書、第十二条の二第六項、第十七条の三、第二十二条の二第一項(清算中の法人の合併に関する部分に限る。)、第二十六条第六項ただし書及び第二十六条の九第四項の規定は、清算中の法人(昭和二十五年四月一日前に解散した法人及び同日以後に解散し昭和二十八年八月六日までの残余財産の分配額が新法第十二条の二第一項第一号に規定する解散当時の資本金額等をこえている法人を除く。)が昭和三十年七月一日以後に継続し、又は合併により消滅した場合について適用する。

10 新法第二十二条の二第一項(新法第十条の三に関する部分に限る。)の規定は、清算中の法人(昭和二十五年四月一日前に解散した法人及び同日以後に解散し昭和二十八年八月六日までの残余財産の分配額が新法第二十二条の二第一項第一号に規定する解散当時の資本金額等をこえている法人を除く。)の昭和三十年七月一日以後に終了する清算中の事業年度分の法人税から適用する。

11 昭和二十五年四月一日以後に解散した法人で昭和二十八年八月六日までに残余財産の分配をなしていないもの又は同日までの残余財産の分配額が当該法人の新法第十二条の二第一項第一号に規定する解散当時の資本金額等をこえていないものが昭和三十年七月一日以後に継続し、又は合併により消滅した場合においては、当該法人の解散の日の翌日から昭和二十八年八月七日を含む事業年度直前の事業年度終了の日までの期間に係る所得について、当該期間を解散していない法人の一事業年度とみなして、新法の規定(第五条の二、第七条第三項、第十七条の二、第十九条から第二十一条まで及び第二十二条の二の規定を除く)を適用する。この場合において、新法第十七条の三中「解散の日の翌日」とあるのは「昭和二十八年八月七日を含む事業年度開始の日」と、新法第十八条第一項中「各事業年度終了の日」とあるのは「継続の日の前日又は合併の日を含む事業年度終了の日」とする。

12 前項に規定する法人が法人税法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百七十四号。以下「一部改正法」という。)の施行後に残余財産の分配として同項の規定により一事業年度とみなされる期間の所得(法人税を課されないものを除く。)から成る部分の金額を分配している場合には、当該法人の当該一事業年度とみなされる事業年度の所得の金額は、同項の規定にかかわらず、同項の規定により計算した所得の金額からその分配額を控除した金額によるものとする。

13 昭和二十二年四月一日以後昭和二十五年四月一日前に解散した法人又は同日以後に解散し昭和二十八年八月六日までの残余財産の分配額が新法第十二条の二第一項第一号に規定する解散当時の資本金額等をこえている法人が、昭和三十年七月一日以後に継続し、又は合併により消滅した場合においては、一部改正法附則第三項の規定にかかわらず、解散の日の翌日からその継続の日の前日又は合併の日までの期間に係る所得について、当該期間を解散していない法人の一事業年度とみなして、新法の規定(第五条の二、第七条第三項、第十七条の二、第十七条の三、第十九条から第二十一条まで及び第二十二条の二の規定を除く。)を適用する。この場合において、当該法人が残余財産の分配として前段の規定により一事業年度とみなされる期間の所得(法人税を課されないものを除く。)から成る部分の金額を分配しているときは、当該法人の当該一事業年度とみなされる事業年度の所得の金額は、前段の規定により計算した所得の金額からその分配額を控除した金額とする。

14 前三項に定めるもののほか、この法律の施行の際現に清算中の法人が継続し、又は合併により消滅した場合において、当該法人の清算中の期間に係る法人税に関し必要な事項は、政令で定める。

15 閉鎖機関令(昭和二十二年勅令第七十四号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条の三第一項中「法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の適用又は」及び「法人税法第七条又は」を削り、同条第二項を削る。

16 昭和三十年七月一日前に閉鎖機関令第二十条の八の規定により継続した法人に対する法人税については、改正前の同令第二十四条の三第一項及び第二項の規定は、なおその効力を有する。

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

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