法律第百九十二号(昭三三・一二・二七)
◎国民健康保険法
国民健康保険法(昭和十三年法律第六十号)の全部を改正する。
目次
第一章 総則(第一条―第四条)
第二章 市町村(第五条―第十二条)
第三章 国民健康保険組合
第一節 通則(第十三条―第二十二条)
第二節 管理(第二十三条―第三十一条)
第三節 解散及び合併(第三十二条―第三十四条)
第四節 雑則(第三十五条)
第四章 保険給付
第一節 療養の給付(第三十六条―第五十七条)
第二節 その他の給付(第五十八条)
第三節 保険給付の制限(第五十九条―第六十三条)
第四節 雑則(第六十四条―第六十八条)
第五章 費用(第六十九条―第八十一条)
第六章 保健施設(第八十二条)
第七章 国民健康保険団体連合会(第八十三条―第八十六条)
第八章 診療報酬審査委員会(第八十七条―第九十条)
第九章 審査(第九十一条―第百七条)
第十章 監督(第百八条・第百九条)
第十一章 雑則(第百十条―第百二十条)
第十二章 罰則(第百二十一条―第百二十八条)
附則
第一章 総則
(この法律の目的)
第一条 この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。
(国民健康保険)
第二条 国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする。
(保険者)
第三条 市町村及び特別区は、この法律の定めるところにより、国民健康保険を行うものとする。
2 国民健康保険組合は、この法律の定めるところにより、国民健康保険を行うことができる。
(国及び都道府県の義務)
第四条 国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない。
2 都道府県は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように、必要な指導をしなければならない。
第二章 市町村
(被保険者)
第五条 市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)の区域内に住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。
(適用除外)
第六条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、市町村が行う国民健康保険の被保険者としない。
一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定による被保険者
二 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の規定による被保険者。ただし、同法第二十条第一項の規定による被保険者を除く。
三 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)、公共企業体職員等共済組合法(昭和三十一年法律第百三十四号)、市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)又は私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)に基く共済組合の組合員
四 健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法(他の法律において準用する場合を含む。)、公共企業体職員等共済組合法又は市町村職員共済組合法の規定による被扶養者
五 日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)第八条の規定により日雇労働者健康保険被保険者手帳の交付を受けて一年を経過しない者及び同法の規定によるその者の被扶養者。ただし、同法第七条の規定による承認を受けて同法の規定による被保険者とならない期間内にある者及び同法の規定によるその者の被扶養者を除く。
六 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による保護を受け、その保護を廃止されることなく政令で定める期間を経過した世帯に属する者で、その世帯が保護を受けなくなるまで(その保護を停止されている間を除く。)のもの
七 国民健康保険組合の被保険者
八 国立のらい療養所の入所患者その他特別の理由がある者で厚生省令で定めるもの
(資格取得の時期)
第七条 市町村が行う国民健康保険の被保険者は、当該市町村の区域内に住所を有するに至つた日又は前条各号のいずれにも該当しなくなつた日から、その資格を取得する。
(資格喪失の時期)
第八条 市町村が行う国民健康保険の被保険者は、当該市町村の区域内に住所を有しなくなつた日の翌日又は第六条各号(第七号を除く。)のいずれかに該当するに至つた日の翌日から、その資格を喪失する。ただし、当該市町村の区域内に住所を有しなくなつた日に他の市町村の区域内に住所を有するに至つたときは、その日から、その資格を喪失する。
2 市町村が行う国民健康保険の被保険者は、第六条第七号に該当するに至つた日から、その資格を喪失する。
(届出等)
第九条 被保険者の属する世帯の世帯主(以下単に「世帯主」という。)は、厚生省令の定めるところにより、その世帯に属する被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項その他必要な事項を市町村に届け出なければならない。
2 世帯主は、市町村に対し、その世帯に属するすべての被保険者に係る被保険者証の交付を求めることができる。
3 世帯主は、その世帯に属するすべての被保険者がその資格を喪失したときは、厚生省令の定めるところにより、すみやかに、市町村にその旨を届け出るとともに、被保険者証を返還しなければならない。
4 前三項に規定するもののほか、被保険者に関する届出及び被保険者証に関して必要な事項は、厚生省令で定める。
(特別会計)
第十条 市町村は、国民健康保険に関する収入及び支出について、政令の定めるところにより、特別会計を設けなければならない。
(国民健康保険運営協議会)
第十一条 国民健康保険事業の運営に関する重要事項を審議するため、市町村に国民健康保険運営協議会を置く。
2 前項に規定するもののほか、国民健康保険運営協議会に関して必要な事項は、政令で定める。
(条例の協議)
第十二条 市町村は、政令で定める事項に関し、条例を制定し、又は改廃しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議しなければならない。
第三章 国民健康保険組合
第一節 通則
(組織)
第十三条 国民健康保険組合(以下「組合」という。)は、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組織する。
2 前項の組合の地区は、一又は二以上の市町村の区域によるものとする。ただし、特別の理由があるときは、この区域によらないことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、第六条各号(第七号を除く。以下この節において同じ。)のいずれかに該当する者及び他の組合が行う国民健康保険の被保険者である者は、組合員となることができない。ただし、その者の世帯に同条各号のいずれにも該当せず、かつ、他の組合が行う国民健康保険の被保険者でない者があるときは、この限りでない。
4 第一項の規定にかかわらず、組合に使用される者で、第六条各号のいずれにも該当せず、かつ、他の組合が行う国民健康保険の被保険者でないものは、当該組合の組合員となることができる。
(人格)
第十四条 組合は、法人とする。
(名称)
第十五条 組合は、その名称中に「国民健康保険組合」という文字を用いなければならない。
2 組合以外の者は、「国民健康保険組合」という名称又はこれに類する名称を用いてはならない。
(住所)
第十六条 組合の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(設立)
第十七条 組合を設立しようとするときは、主たる事務所の所在地の都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 前項の認可の申請は、十五人以上の発起人が規約を作成し、組合員となるべき者三百人以上の同意を得て行うものとする。
3 都道府県知事は、第一項の認可の申請があつた場合においては、当該組合の地区をその区域に含む市町村の長の意見をきき、当該組合の設立によりこれらの市町村の国民健康保険事業の運営に支障を及ぼさないと認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。
4 組合は、設立の認可を受けた時に成立する。
(規約の記載事項)
第十八条 組合の規約には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
一 名称
二 事務所の所在地
三 組合の地区及び組合員の範囲
四 組合員の加入及び脱退に関する事項
五 被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項
六 役員に関する事項
七 組合会に関する事項
八 保険料に関する事項
九 準備金その他の財産の管理に関する事項
十 公告の方法
十一 前各号に掲げる事項のほか厚生省令で定める事項
(被保険者)
第十九条 組合員及び組合員の世帯に属する者は、当該組合が行う国民健康保険の被保険者とする。ただし、第六条各号のいずれかに該当する者及び他の組合が行う国民健康保険の被保険者は、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、組合は、規約の定めるところにより、組合員の世帯に属する者を包括して被保険者としないことができる。
(資格取得の時期)
第二十条 組合が行う国民健康保険の被保険者は、当該組合の組合員若しくは組合員の世帯に属する者となつた日又は第六条各号のいずれにも該当しなくなつた日若しくは他の組合が行う国民健康保険の被保険者でなくなつた日から、その資格を取得する。
(資格喪失の時期)
第二十一条 組合が行う国民健康保険の被保険者は、組合員若しくは組合員の世帯に属する者でなくなつた日の翌日又は第六条各号のいずれかに該当するに至つた日の翌日から、その資格を喪失する。ただし、組合員又は組合員の世帯に属する者でなくなつたことにより、市町村又は他の組合が行う国民健康保険の被保険者となつたときは、その日から、その資格を喪失する。
(準用規定)
第二十二条 第九条の規定は、組合が行う国民健康保険の被保険者に関する届出及び被保険者証について準用する。この場合において、同条中「被保険者の属する世帯の世帯主」又は「世帯主」とあるのは「組合員」と、「市町村」とあるのは「組合」と読み替えるものとする。
第二節 管理
(役員)
第二十三条 組合に、役員として、理事及び監事を置く。
2 理事の定数は五人以上、監事の定数は二人以上とし、それぞれ規約で定める。
3 理事及び監事は、規約の定めるところにより、組合員のうちから組合会で選任する。ただし、特別の事情があるときは、組合員以外の者のうちから組合会で選任することを妨げない。
4 理事及び監事の任期は、三年をこえない範囲内において、規約で定める。
(役員の職務)
第二十四条 理事は、規約の定めるところにより、組合の業務を執行し、及び組合を代表する。
2 組合の業務は、規約に別段の定がある場合を除くほか、理事の過半数で決する。
監事は、組合の業務の執行及び財産の状況を監査する。
(理事の専決処分)
第二十五条 組合会が成立しないとき、又はその議決すべき事項を議決しないときは、理事は、都道府県知事の指揮を受け、その議決すべき事項を処分することができる。
2 組合会において議決すべき事項に関し臨時急施を要する場合において、組合会が成立しないとき、又は組合会を招集する暇がないときは、理事は、その議決すべき事項を処分することができる。
3 前二項の規定による処分については、理事は、その後最初に招集される組合会に報告しなければならない。
(組合会)
第二十六条 組合に組合会を置く。
2 組合会は、組合会議員をもつて組織するものとし、組合会議員の定数は、組合員の総数の二十分の一を下らない範囲内において、規約で定める。ただし、組合員の総数が六百人をこえる組合にあつては、三十人以上であることをもつて足りる。
3 組合会議員は、規約の定めるところにより、組合員が、組合員のうちから選挙する。
4 組合会議員の任期は、三年をこえない範囲内において、規約で定める。
(組合会の議決事項)
第二十七条 次の各号に掲げる事項は、組合会の議決を経なければならない。
一 規約の変更
二 借入金の借入及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
三 収入支出の予算
四 決算
五 予算をもつて定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六 準備金その他重要な財産の処分
七 訴訟の提起及び和解
八 前各号に掲げる事項のほか、規約で組合会の議決を経なければならないものと定めた事項
2 前項第一号から第三号まで及び第六号に掲げる事項の議決は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 第十七条第三項の規定は、組合の地区の拡張に係る規約の変更に関する前項の認可について準用する。
(組合会の招集)
第二十八条 理事は、規約の定めるところにより、毎年度一回通常組合会を招集しなければならない。
2 組合会議員が、その定数の三分の一以上の同意を得て、会議の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を組合に提出して組合会の招集を請求したときは、理事は、その請求があつた日から起算して二十日以内に、臨時組合会を招集しなければならない。
(選挙権及び議決権)
第二十九条 組合員は、各自一箇の選挙権を有し、組合会議員は、各自一箇の議決権を有する。
(組合会の権限)
第三十条 組合会は、組合の事務に関する書類を検査し、理事若しくは監事の報告を請求し、又は事務の管理、議決の執行若しくは出納を検査することができる。
2 組合会は、組合会議員のうちから選任した者に、前項の組合会の権限に属する事項を行わせることができる。
(民法の準用)
第三十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条、第五十四条から第五十七条まで及び第六十六条の規定は、組合について準用する。この場合において、同法第五十五条中「定款」とあるのは「規約」と、「総会」とあるのは「組合会」と、同法第五十六条中「裁判所ハ利害関係人又ハ検察官ノ請求ニ因リ」とあるのは「都道府県知事ハ利害関係人ノ請求ニ因リ又ハ職権ヲ以テ」と、同法第六十六条中「社員」とあるのは「組合会議員」と読み替えるものとする。
第三節 解散及び合併
(解散)
第三十二条 組合は、次の各号に掲げる理由により解散する。
一 組合会の議決
二 規約で定めた解散理由の発生
三 第百九条第四項の規定による解散命令
四 合併
2 組合は、前項第一号又は第二号に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生省令の定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
(合併)
第三十三条 組合は、合併しようとする場合においては、組合会においてその旨を議決しなければならない。
2 組合が合併した場合においては、合併により新たに設立された組合又は合併後存続する組合は、合併により消滅した組合の権利義務(その組合が、国民健康保険事業に関し、行政庁の許可、認可その他の処分に基いて有する権利義務を含む。)を承継する。
(民法及び非訟事件手続法の準用)
第三十四条 民法第七十二条から第七十六条まで、第七十七条(届出に関する部分に限る。)、第七十八条から第八十条まで、第八十二条及び第八十三条並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十六条から第百三十七条まで及び第百三十八条の規定は、組合の解散及び清算について準用する。この場合において、民法第七十二条及び第七十四条中「定款」とあるのは「規約」と、「総会」とあるのは「組合会」と、同法第七十二条、第七十七条及び第八十三条中「主務官庁」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。
第四節 雑則
(政令への委任)
第三十五条 この章に規定するもののほか、組合の管理、財産の保管その他組合に関して必要な事項は、政令で定める。
第四章 保険給付
第一節 療養の給付
(療養の給付)
第三十六条 市町村及び組合(以下「保険者」という。)は、被保険者の疾病及び負傷に関しては、次の各号に掲げる療養の給付を行う。
一 診察
二 薬剤又は治療材料の支給
三 処置、手術その他の治療
四 病院又は診療所への収容
五 看護
六 移送
2 前項第四号から第六号までに定める給付は、政令で定める場合及び保険者が必要と認める場合に限り、行うものとする。
3 第一項第一号から第四号までに定める療養は、第三十八条に規定する登録を受けた医師若しくは歯科医師(以下「国民健康保険医」という。)又は同条に規定する登録を受けた薬剤師(以下「国民健康保険薬剤師」という。)が担当するものとする。
4 次条の規定により療養の給付を取り扱う旨の申出を受理された病院、診療所及び薬局(以下「療養取扱機関」という。)の開設者は、当該機関において業務に従事する国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師に対し、その者が前項の規定により担当する療養を実施するにつき、必要な措置を講じなければならない。
5 被保険者が第一項第一号から第四号までに定める給付を受けようとするときは、自己の選定する療養取扱機関に被保険者証を提出して、そのものについて受けるものとする。ただし、厚生省令で定める場合に該当するときは、被保険者証を提出することを要しない。
6 第一項第五号及び第六号に定める給付は、医師又は歯科医師の意見を聞いて行うものとする。
(療養取扱機関)
第三十七条 病院若しくは診療所又は薬局の開設者は、療養の給付を取り扱おうとするときは、病院若しくは診療所又は薬局ごとに、その所在地の都道府県知事にその旨を申し出なければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による申出があつた場合において、その受理を拒むには、地方社会保険医療協議会の議によらなければならない。
3 療養取扱機関以外の病院若しくは診療所又は薬局につき健康保険法第四十三条ノ三第一項の規定による保険医療機関又は保険薬局の指定があつたときは、その指定の時に、当該病院若しくは診療所又は薬局につき第一項の申出の受理があつたものとみなす。ただし、その開設者が厚生省令の定めるところにより別段の申出をしたときは、この限りでない。
4 健康保険法第四十三条ノ十二の規定による保険医療機関又は保険薬局の指定の取消は、前項本文の規定により療養取扱機関とみなされたものの地位に影響を及ぼすものではない。
5 療養取扱機関は、その所在地の都道府県及びその開設者が所在地の都道府県知事に申し出たその他の都道府県の区域内の保険者(組合の場合にあつては、その区域内に主たる事務所がある組合とする。)及びその保険者に係る被保険者に対する関係においてのみ、療養取扱機関たるものとする。
(国民健康保険医及び国民健康保険薬剤師の登録)
第三十八条 第三十六条第三項に規定する療養を担当しようとする医師若しくは歯科医師又は薬剤師は、都道府県知事の登録を受けなければならない。
第三十九条 国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師の登録は、医師若しくは歯科医師又は薬剤師の申請に基き、その住所地の都道府県知事が行う。
2 診療所又は薬局が医師若しくは歯科医師又は薬剤師が開設したものであり、かつ、当該開設者である医師若しくは歯科医師又は薬剤師のみが診療又は調剤に従事している場合において、当該診療所又は薬局につき第三十七条の規定による療養の給付を取り扱う旨の申出の受理があつたときは、その申出の受理の時に、当該医師若しくは歯科医師又は薬剤師につき前項の登録があつたものとみなす。
3 国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師以外の医師若しくは歯科医師又は薬剤師につき健康保険法第四十三条ノ五の規定による保険医又は保険薬剤師の登録があつたときは、その登録の時に、当該医師若しくは歯科医師又は薬剤師につき第一項の登録があつたものとみなす。ただし、当該医師若しくは歯科医師又は薬剤師が厚生省令の定めるところにより別段の申出をしたときは、この限りでない。
4 前三項の場合において、当該医師若しくは歯科医師又は薬剤師が、この法律の規定により国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師の登録を取り消され、二年を経過しないものであるときは、都道府県知事は、第一項の登録を拒み、又は同項の登録があつたものとみなさないこととすることができる。
5 健康保険法第四十三条ノ十三の規定による保険医又は保険薬剤師の登録の取消は、第三項本文の規定により国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師とみなされた者の地位に影響を及ぼすものではない。
(療養取扱機関等の責務)
第四十条 療養取扱機関において行われる療養の給付に関する準則については、厚生省令で定めるもののほか、健康保険法第四十三条ノ四第一項及び第四十三条ノ六第一項の規定による命令の例による。
(厚生大臣又は都道府県知事の指導)
第四十一条 国民健康保険医、国民健康保険薬剤師及び療養取扱機関は、療養の給付に関し、厚生大臣又は都道府県知事の指導を受けなければならない。
(療養の給付を受ける場合の一部負担金)
第四十二条 第三十六条第五項の規定により療養取扱機関について療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、当該給付につき第四十五条第二項又は第三項の規定により算定した額の二分の一に相当する額を、一部負担金として、当該療養取扱機関に支払わなければならない。
2 療養取扱機関は、前項の一部負担金(次条第一項の規定により一部負担金の割合が減ぜられたときは、同条第二項に規定する療養取扱機関にあつては、当該減ぜられた割合による一部負担金とし、第四十四条第一項第一号の措置がとられたときは、当該減額された一部負担金とする。)の支払を受けるべきものとし、療養取扱機関が善良な管理者と同一の注意をもつてその支払を受けることにつとめたにもかかわらず、なお被保険者が当該一部負担金の全部又は一部を支払わないときは、保険者は、当該療養取扱機関の請求に基き、この法律の規定による徴収金の例によりこれを処分することができる。
第四十三条 保険者は、政令の定めるところにより、条例又は規約で、前条第一項に規定する一部負担金の割合を減ずることができる。
2 前項の規定により一部負担金の割合が減ぜられたときは、保険者が開設者の同意を得て定める療養取扱機関について療養の給付を受ける被保険者は、前条第一項の規定にかかわらず、その減ぜられた割合による一部負担金を当該療養取扱機関に支払うをもつて足りる。
3 第一項の規定により一部負担金の割合が減ぜられた場合において、被保険者が前項に規定する療養取扱機関以外の療養取扱機関について療養の給付を受けたときは、保険者は、当該被保険者が前条第一項の規定により当該療養取扱機関に支払つた一部負担金と第一項の規定により減ぜられた割合による一部負担金との差額を当該被保険者に支給しなければならない。
4 市町村は、当該市町村に係る被保険者の大多数につき前条第一項並びに第一項及び第二項の規定によりがたい特別の事情があると認める場合において、都道府県知事の承認を受けたときは、条例で、当該市町村が開設者の同意を得て定める療養取扱機関について療養の給付を受ける被保険者から、当該療養取扱機関に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収するものとすることができる。
5 前項の被保険者は、前条第一項及びこの条第二項の規定にかかわらず、一部負担金を療養取扱機関に支払うことを要しない。
第四十四条 保険者は、特別の理由がある被保険者で、療養取扱機関に前二条の規定による一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の各号の措置をとることができる。
一 一部負担金を減額すること。
二 一部負担金の支払を免除すること。
三 療養取扱機関に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。
2 前項の措置を受けた被保険者は、第四十二条第一項及び前条第二項の規定にかかわらず、前項第一号の措置を受けた被保険者にあつては、その減額された一部負担金を療養取扱機関に支払うをもつて足り、同項第二号又は第三号の措置を受けた被保険者にあつては、一部負担金を療養取扱機関に支払うとを要しない。
3 前条第四項の場合においては、市町村は、特別の理由がある被保険者で、同項の規定による一部負担金を納付することが困難であると認められるものに対し、その一部負担金を減免し、又はその徴収を猶予することができる。
(療養取扱機関の診療報酬)
第四十五条 保険者は、療養の給付に関する費用を療養取扱機関に支払うものとし、療養取扱機関が療養の給付に関し保険者に請求することができる費用の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し被保険者(第五十七条に規定する場合にあつては、世帯主又は組合員)が当該療養取扱機関に対して支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。
2 前項の療養の給付に要する費用の額の算定については、健康保険法第四十三条ノ九第二項の規定による厚生大臣の定の例による。
3 保険者は、都道府県知事の認可を受け、療養取扱機関との契約により、当該療養取扱機関において行われる療養の給付に関する第一項の療養の給付に要する費用の額につき、前項の規定により算定される額の範囲内において、別段の定をすることができる。
4 保険者は、療養取扱機関から療養の給付に関する費用の請求があつたときは、第四十条に規定する準則並びに第二項に規定する額の算定方法及び前項の定に照らして審査した上、支払うものとする。
5 保険者は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を都道府県の区域を区域とする国民健康保険団体連合会(加入している保険者の数がその区域内の保険者の総数の三分の二に達しないものを除く。)又は社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金に委託することができる。
6 前五項に規定するもののほか、療養取扱機関の療養の給付に関する費用の請求に関して必要な事項は、厚生省令で定める。
(療養取扱機関の報告等)
第四十六条 厚生大臣又は都道府県知事は、療養の給付に関し必要があると認めるときは、療養取扱機関に対し報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、療養取扱機関の開設者若しくは管理者、国民健康保険医、国民健康保険薬剤師その他の従業者に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは療養取扱機関について設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定による質問又は検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(療養取扱機関の辞退等)
第四十七条 療養取扱機関は、療養取扱機関たることを辞し、又は第三十七条第五項の規定による申出を撤回し、若しくは二以上の都道府県につきその申出をした場合にその申出の範囲を縮少することができる。
2 国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師は、国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師の登録の消除を求めることができる。
3 第一項の規定により療養取扱機関たることを辞し、申出を撤回し、若しくは申出の範囲を縮少し、又は前項の規定により登録の消除を求めるには、一箇月以上の予告期間を設けなければならない。
(療養取扱機関に係る申出受理の取消)
第四十八条 都道府県知事は、療養取扱機関が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該療養取扱機関に係る第三十七条の規定による申出の受理を取り消すことができる。
一 第四十条に規定する療養の給付に関する準則に違反したとき。
二 療養の給付に関する費用の請求又は第五十六条第三項の規定による支払に関し不正があつたとき。
三 第四十六条第一項の規定により報告又は診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
四 当該療養取扱機関の開設者又は従業者が、第四十六条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同条同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は当該職員の同条同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該療養取扱機関の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため当該療養取扱機関において相当の注意及び監督が尽されたときを除く。
(国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師の登録の取消)
第四十九条 国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師が次の各号のいずれかに該当する場合においては、都道府県知事は、その登録を取り消すことができる。
一 第四十条に規定する療養の給付に関する準則に違反したとき。
二 第四十六条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同条同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は当該職員の同条同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
(社会保険医療協議会への諮問)
第五十条 厚生大臣は、第四十条の規定による厚生省令を定めようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問すものとする。
2 都道府県知事は、第三十七条第一項の申出を受理し、又はその申出の受理を取り消そうとするときは、地方社会保険医療協義会に諮問するものとする。国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師の登録を取り消そうとするときも、同様とする。
(弁明)
第五十一条 都道府県知事は、第三十七条第一項の申出の受理を拒み、又はその申出の受理を取り消そうとするときは、当該病院若しくは診療所又は薬局の開設者に対し、弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、書面で、弁明をすべき日時、場所及び当該処分をすべき理由を通知しなければならない。
2 都道府県知事は、国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師の登録を取り消そうとするときは、当該国民健康保険医又は国民健康康保険薬剤師に対し、弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、前項後段の規定を準用する。
(看護又は移送の給付に関する一部負担金)
第五十二条 第三十六条第一項第五号又は第六号に定める給付を受けた被保険者は、当該給付に要する費用の額の二分の一に相当する額を、一部負担金として、保険者に納付しなければならない。
2 保険者は、政令の定めるところにより、条例又は規約で、前項に規定する一部負担金の割合を減ずることができる。
3 保険者は、特別の理由がある被保険者で、前二項の規定による一部負担金を納付することが困難であると認められるものに対し、その一部負担金を減免し、又はその徴収を猶予することができる。
(給付の期間)
第五十三条 療養の給付は、同一の疾病又は負傷及びこれによつて発した疾病に関しては、当該保険者がこれを開始した日から起算して三年を経過したときは、行わない。ただし、市町村にあつては、条例で、三年をこえて行うことができる。
(療養費)
第五十四条 保険者は、療養の給付を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が緊急その他やむを得ない理由により療養取扱機関以外の病院、診療所若しくは薬局その他の者について診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、必要があると認めるときは、療養の給付に代えて、療養費を支給することができる。
2 保険者は、被保険者が被保険者証を提出しないで療養取扱機関について診療又は薬剤の支給を受けた場合において、被保険者証を堤出しなかつたことが、緊急その他やむを得ない理由によるものと認めるときは、療養の給付に代えて、療養費を支給するものとする。
3 療養費の額は、療養に要する費用の額から、その額に一部負担金の割合を乗じて得 た額を控除した額を基準として、保険者が定める。
4 前項の療養に要する費用の額の算定については、第四十五条第二項の規定を準用する。ただし、その額は、現に療養に要した費用の額をこえることができない。
(被保険者が日雇労働者又はその被扶養者となつた場合)
第五十五条 被保険者が第六条第五号に該当するに至つたためその資格を喪失した場合において、その資格を喪失した際現に療養の給付を受けていたときは、その者は、被保険者として受けることができる期間、継続して当該保険者から療養の給付を受けることができる。
2 前項の規定による療養の給付は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、行わない。
一 当該疾病又は負傷につき、日雇労働者健康保険法の規定による療養の給付又は家族療養費の支給を受けることができるに至つたとき。
二 その者が、第六条第一号から第四号まで、第六号又は第八号のいずれかに該当するに至つたとき。
三 その者が、他の保険者の被保険者となつたとき。
四 被保険者の資格を喪失した日から起算して六箇月を経過したとき。
(他の法令による医療に関する給付との調整)
第五十六条 療養の給付は、被保険者の当該疾病又は負傷につき、健康保険法、船員保険法、日雇労働者健康保険法、国家公務員共済組合法(他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)、公共企業体職員等共済組合法又は市町村職員共済組合法の規定によつて、医療に関する給付を受けることができる場合には、行わない。労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の規定による療養補償、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による療養補償費、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律において準用する場合を含む。)の規定による療養補償その他政令で定める法令による医療に関する給付を受けることができるとき、又はこれらの法令以外の法令により国若しくは地方公共団体の負担において医療に関する給付が行われたときも、同様とする。
2 保険者は、前項に規定する法令による給付が医療の現物給付である場合において、その給付に関し一部負担金の支払若しくは実費徴収が行われ、かつ、その一部負担金若しくは実費徴収の額が、その給付がこの法律による療養の給付として行われたものとした場合におけるこの法律による一部負担金の額(第四十三条第一項又は第五十二条第二項の規定により一部負担金の割合が減ぜられているときは、その減ぜられた割合による一部負担金の額)をこえるとき、又は前項に規定する法令による給付が医療費の支給である場合において、その支給額が、当該療養につきこの法律による療養費の支給をすべきものとした場合における療養費の額に満たないときは、それぞれその差額を当該被保険者に支給しなければならない。
3 前項の場合において、被保険者が療養取扱機関について当該療養を受けたときは、保険者は、同項の規定により被保険者に支給すべき額の限度において、当該被保険者が療養取扱機関に支払うべき当該療養に要した費用を、当該被保険者に代つて療養取扱機関に支払うことができる。ただし、当該保険者が第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合を減じているときは、被保険者が同条第二項に規定する療養取扱機関について当該療養を受けた場合に限る。
4 前項の規定により療養取扱機関に対して費用が支払われたときは、その限度において、被保険者に対し第二項の規定による支給が行われたものとみなす。
(世帯主又は組合員でない被保険者に係る一部負担金等)
第五十七条 一部負担金の支払又は納付、第四十三条第三項又は前条第二項の規定による差額の支給及び療養費の支給に関しては、当該疾病又は負傷が世帯主又は組合員でない被保険者に係るものであるときは、これらの事項に関する各本条の規定にかかわらず、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が一部負担金を支払い、又は納付すべき義務を負い、及び当該世帯主又は組合員に対して第四十三条第三項若しくは前条第二項の規定による差額又は療養費を支給するものとする。
第二節 その他の給付
第五十八条 保険者は、被保険者の出産及び死亡に関しては、条例又は規約の定めるところにより、助産費の支給若しくは助産の給付又は葬祭費の支給若しくは葬祭の給付を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。
2 保険者は、前項の保険給付のほか、条例又は規約の定めるところにより、傷病手当金の支給その他の保険給付を行うことができる。
第三節 保険給付の制限
第五十九条 被保険者又は被保険者であつた者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、その期間に係る療養の給付は、行わない。
一 日本国外にあるとき。
二 少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。
三 監獄、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。
第六十条 被保険者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に疾病にかかり、又は負傷したときは、当該疾病又は負傷に係る療養の給付は、行わない。
第六十一条 被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によつて疾病にかかり、又は負傷したときは、当該疾病又は負傷に係る療養の給付は、その全部又は一部を行わないことができる。
第六十二条 保険者は、被保険者又は被保険者であつた者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、療養の給付の一部を行わないことができる。
第六十三条 保険者は、被保険者若しくは被保険者であつた者又は保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、第六十六条の規定による命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、療養の給付の全部又は一部を行わないことができる。
第四節 雑則
(損害賠償請求権)
第六十四条 保険者は、給付事由が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付(第四十三条第三項又は第五十六条第二項の規定による差額の支給を含む。以下同じ。)を行つたときは、その給付の価額(当該保険給付が療養の給付であるときは、当該療養の給付に要する費用の額から当該療養の給付に関し被保険者が負担しなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。次条第一項において同じ。)の限度において、被保険者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
2 前項の場合において、保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、保険者は、その価額の限度において、保険給付を行う責を免かれる。
(不正利得の徴収)
第六十五条 偽りその他不正の行為によつて保険給付を受けた者があるときは、保険者は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の場合において、療養取扱機関において診療に従事する国民健康保険医が、保険者に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その保険給付が行われたものであるときは、保険者は、当該国民健康保険医に対し、保険給付を受けた者に連帯して同項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。
(強制診断等)
第六十六条 保険者は、保険給付を行うにつき必要があると認めるときは、当該被保険者若しくは被保険者であつた者又は保険給付を受ける者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問若しくは診断をさせることができる。
(受給権の保護)
第六十七条 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
(租税その他の公課の禁止)
第六十八条 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。
第五章 費用
(国の負担)
第六十九条 国は、政令の定めるところにより、保険者に対して国民健康保険の事務の執行に要する費用を負担する。
第七十条 国は、政令の定めるところにより、市町村に対して療養の給付及び療養費の支給に要する費用の十分の二を負担する。
(国庫負担金の減額)
第七十一条 市町村が確保すべき収入を不当に確保しなかつた場合においては、国は、政令の定めるところにより、前条の規定により当該市町村に対して負担すべき額を減額することができる。
2 前項の規定により減額する額は、不当に確保しなかつた額をこえることができない。
(調整交付金)
第七十二条 国は、国民健康保険の財政を調整するため、政令の定めるところにより、市町村に対して調整交付金を交付する。
2 前項の規定による調整交付金の総額は、市町村の療養の給付及び療養費の支給に要する費用の見込額の百分の五に相当する額とする。
(組合に対する補助)
第七十三条 国は、政令の定めるところにより、組合に対して療養の給付及び療養費の支給に要する費用の十分の二を補助することができる。
(国の補助)
第七十四条 国は、第六十九条、第七十条及び前二条に規定するもののほか、予算の範囲内において、保健婦に要する費用についてはその三分の一を、国民健康保険事業に要するその他の費用についてはその一部を補助することができる。
(都道府県及び市町村の補助及び貸付)
第七十五条 都道府県及び市町村は、国民健康保険事業に要する費用に対し、補助金を交付し、又は貸付金を貸し付けることができる。
(保険料)
第七十六条 保険者は、国民健康保険事業に要する費用に充てるため、世帯主又は組合員から保険料を徴収しなければならない。ただし、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定により国民健康保険税を課するときは、この限りでない。
(保険料の減免等)
第七十七条 保険者は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。
(地方税法の準用)
第七十八条 保険料その他この法律の規定による徴収金については、地方税法第十条第三項及び第四項、第十六条、第十六条の八、第十九条、第二十条並びに第二十二条の規定を準用する。
(督促及び延滞金の徴収)
第七十九条 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納した者に対しては、組合は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、前条において準用する地方税法第十六条第一項の規定により繰上徴収をするときは、この限りでない。
2 前項の規定によつて督促をしようとするときは、組合は、納付義務者に対して督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、地方税法第十六条第一項各号のいずれかに該当する場合を除き、督促状を発する日から起算して十日以上を経過した日でなければならない。
3 前項の規定によつて督促をしたときは、組合は、規約の定めるところにより、延滞金を徴収することができる。
(滞納処分及び先取特権の順位)
第八十条 前条の規定による督促又は地方税法第十六条第一項各号(第三号を除く。)のいずれかに該当したことによる繰上徴収の告知を受けた納付義務者が、その指定の期限までに当該徴収金を完納しないときは、納付義務者の住所地又はその財産の所在地の市町村は、組合の請求により、市町村が徴収する保険料の例によつて、これを処分することができる。この場合においては、組合は、徴収金額の百分の四に相当する金額を当該市町村に交付しなければならない。
2 市町村が、前項の請求を受けた日から起算して三十日以内にその処分に着手せず、又は九十日以内にその処分を終了しないときは、組合は、都道府県知事の認可を受けて、これを処分することができる。この場合においては、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十五条第四項及び第十項の規定を準用する。
3 保険料その他この法律の規定による組合の微収金の先取特権の順位は、市町村の徴収金に次ぎ、他の公課に先だつものとする。
(条例又は規約への委任)
第八十一条 この章に規定するもののほか、保険料の賦課及び徴収その他保険料に関して必要な事項は、条例又は規約で定める。
第六章 保健施設
第八十二条 保険者は、保険給付又は被保険者の健康の保持増進のために必要な施設をすることができる。
2 組合は、その事業に支障がない場合に限り、被保険者でない者に前項の施設を利用させることができる。
第七章 国民健康保険団体連合会
(設立、人格及び名称)
第八十三条 保険者は、共同してその目的を達成するため、国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)を設立することができる。
2 連合会は、法人とする。
3 連合会は、その名称中に「国民健康保険団体連合会」という文字を用いなければならない。
4 連合会でない者は、「国民健康保険団体連合会」という名称又はこれに類する名称を用いてはならない。
(設立の認可等)
第八十四条 連合会を設立しようとするときは、当該連合会の区域をその区域に含む都道府県を統轄する都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 連合会は、設立の認可を受けた時に成立する。
3 都道府県の区域を区域とする連合会に、その区域内の三分の二以上の保険者が加入したときは、当該区域内のその他の保険者は、すべて当該連合会の会員となる。
(規約の記載事項)
第八十五条 連合会の規約には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
一 事業
二 名称
三 事務所の所在地
四 連合会の区域
五 会員の加入及び脱退に関する事項
六 経費の分担に関する事項
七 業務の執行及び会計に関する事項
八 役員に関する事項
九 総会又は代議員会に関する事項
十 準備金その他の財産に関する事項
十一 公告の方法
十二 前各号に掲げる事項のほか厚生省令で定める事項
(準用規定)
第八十六条 第十六条、第二十三条から第二十五条まで、第二十六条第一項、第二十七条から第三十五条まで及び第八十二条の規定は、連合会について準用する。この場合において、これらの規定中「組合員」とあるのは「会員たる保険者を代表する者」と、「組合会」とあるのは「総会又は代議員会」と、「組合会議員」とあるのは「総会又は代議員会の議員」と読み替えるものとする。
第八章 診療報酬審査委員会
(審査委員会)
第八十七条 第四十五条第五項の規定による委託を受けて診療報酬請求書の審査を行うため、都道府県の区域を区域とする連合会(加入している保険者の数がその区域内の保険者の総数の三分の二に達しないものを除く。)に、国民健康保険診療報酬審査委員会(以下「審査委員会」という。)を置く。
(審査委員会の組織)
第八十八条 審査委員会は、国民健康保険医及び国民健康保険薬剤師を代表する委員、保険者を代表する委員並びに公益を代表する委員各九人以下の同数をもつて組織する。
2 委員は、都道府県知事が委嘱する。
3 前項の委嘱は、国民健康保険医及び国民健康保険薬剤師を代表する委員並びに保険者を代表する委員については、それぞれ関係団体の推薦によつて行わなければならない。
(審査委員会の権限)
第八十九条 審査委員会は、診療報酬請求書の審査を行うため必要があると認めるときは、都道府県知事の承認を得て、当該療養取扱機関に対して、報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を求め、又は当該療養取扱機関の開設者若しくは管理者、当該療養取扱機関において療養を担当する国民健康保険医若しくは国民健康保険薬剤師に対して、出頭若しくは説明を求めることができる。
2 連合会は、前項の規定により審査委員会に出頭した者に対し、旅費、日当及び宿泊料を支給しなければならない。ただし、当該療養取扱機関が提出した診療報酬請求書又は診療録その他の帳簿書類の記載が不備又は不当であつたため出頭を求められて出頭した者に対しては、この限りでない。
(省令への委任)
第九十条 この章に規定するもののほか、審査委員会に関して必要な事項は、厚生省令で定める。
第九章 審査
(不服の申立)
第九十一条 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査を請求することができる。
2 前項の審査の請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
(審査会の設置)
第九十二条 国民健康保険審査会(以下「審査会」という。)は、各都道府県に置く。
(組織)
第九十三条 審査会は、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び公益を代表する委員各三人をもつて組織する。
2 委員は、非常勤とする。
(委員の任期)
第九十四条 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(会長)
第九十五条 審査会に、公益を代表する委員のうちから委員が選挙する会長一人を置く。
2 会長に事故があるときは、前項の規定に準じて選挙された者が、その職務を代行する。
(定足数)
第九十六条 審査会は、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び公益を代表する委員各一人以上を含む過半数の委員の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。
(表決)
第九十七条 審査会の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(審査の請求の手続)
第九十八条 審査の請求は、当該処分をした保険者(第八十条第一項の規定による処分については、当該処分をした市町村とする。次項において同じ。)の所在地の都道府県の審査会に対してしなければならない。
2 前項の請求は、当該処分をした保険者を経由してすることができる。
3 審査の請求が管轄違であるときは、審査会は、すみやかに、事件を所轄の審査会に移送し、かつ、その旨を請求人に通知しなければならない。
4 事件が移送されたときは、はじめから、移送を受けた審査会に審査の請求があつたものとみなす。
(審査の請求の期間及び方式)
第九十九条 審査の請求は、処分があつたことを知つた日から六十日以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査の請求をすることができなかつたことを疎明したときは、この限りでない。
(保険者に対する通知等)
第百条 審査会は、審査の請求を受理したときは、原処分をした保険者及びその他の利害関係人に通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた者は、審査会に対し、意見を述べることができる。
(審査のための処分)
第百一条 審査会は、審理を行うため必要があると認めるときは、審査を請求した者若しくは関係人に対して報告若しくは意見を求め、その出頭を命じて審問し、又は医師若しくは歯科医師に診断若しくは検案をさせることができる。
2 都道府県は、前項の規定により審査会に出頭した関係人又は診断若しくは検案をした医師若しくは歯科医師に対し、政令の定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料又は報酬を支給しなければならない。
(請求手続の受継)
第百二条 請求人が、審査の決定前に死亡したときは、承継人が審査の手続を受け継ぐものとする。
(本案の決定)
第百三条 審査会は、審理を終えたときは、審査の請求の全部又は一部を容認し、又は棄却する決定をしなければならない。
(決定の方式)
第百四条 決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を附し、会長及び決定に関与した委員が、これに署名押印しなければならない。
2 審査会は、請求人及び第百条第一項の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人に決定書の謄本を送付しなければならない。
(決定の効力発生時期)
第百五条 決定は、請求人に決定書の謄本が送付された時に、その効力を生ずる。
(決定の拘束力)
第百六条 決定は、第百条第一項の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人を拘束する。
(政令への委任)
第百七条 この章に規定するもののほか、審査会及び審査の手続に関して必要な事項は、政令で定める。
第十章 監督
(報告の徴収等)
第百八条 厚生大臣又は都道府県知事は、保険者又は連合会について、必要があると認めるときは、その事業及び財産の状況に関する報告を徴し、又は当該職員に実地にその状況を検査させることができる。
2 第四十六条第二項の規定は、前項の規定による検査について、同条第三項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
(組合等に対する監督)
第百九条 厚生大臣又は都道府県知事は、前条の規定により報告を徴し、又は検査した場合において、組合若しくは連合会の事業若しくは財産の管理若しくは執行が法令、規約若しくは厚生大臣若しくは都道府県知事の処分に違反していると認めるとき、確保すべき収入を不当に確保せず、不当に経費を支出し、若しくは不当に財産を処分する等著しく事業の適正な執行を欠くと認めるとき、又は組合若しくは連合会の役員がその事業若しくは財産の管理若しくは執行を明らかに怠つていると認めるときは、期間を定めて、組合若しくは連合会又はその役員に対し、その事業若しくは財産の管理若しくは執行について違反の是正又は改善のため必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
2 組合若しくは連合会又はその役員が前項の命令に違反したときは、厚生大臣又は都道府県知事は、当該組合又は連合会に対し、期間を定めて、その役員の全部又は一部の改任を命ずることができる。
3 組合又は連合会が前項の命令に違反したときは、厚生大臣又は都道府県知事は、同項の命令に係る役員を改任することができる。
4 組合又は連合会が第一項の規定による命令に違反したとき、又はその事業若しくは財産の状況によりその事業の継続が困難であると認めるときは、厚生大臣又は都道府県知事は、当該組合又は連合会の解散を命ずることができる。
5 厚生大臣又は都道府県知事は、前二項の規定による処分をするときは、当該組合又は連合会の役員に対して弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、書面で、弁明をすべき日時、場所及び当該処分をすべき理由を通知しなければならない。
第十一章 雑則
(時効)
第百十条 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
2 前項の時効の中断、停止その他の事項に関しては、民法の時効に関する規定を準用する。ただし、保険者の行う保険料その他この法律の規定による徴収金の徴収の告知又は督促は、民法第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を生ずる。
(期間の計算)
第百十一条 この法律又はこの法律に基く命令に規定する期間の計算については、民法の期間に関する規定を準用する。
(戸籍に関する無料証明)
第百十二条 市町村長(特別区及び地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、区長とする。)は、保険者又は保険給付を受ける者に対し、当該市町村の条例の定めるところにより、被保険者又は被保険者であつた者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。
(文書の提出等)
第百十三条 保険者は、被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、世帯主若しくは組合員又はこれらであつた者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
(診療録の提示等)
第百十四条 厚生大臣又は都道府県知事は、保険給付に関して必要があると認めるときは、医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれを使用する者に対し、その行つた診療、薬剤の支給又は手当に関し、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
2 厚生大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、療養の給付を受けた被保険者又は被保険者であつた者に対し、当該療養の給付に係る診療又は調剤の内容に関し、報告を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
(準用規定)
第百十五条 第四十六条第二項の規定は、前二条の規定による質問について、第四十六条第三項の規定は、前二条の規定による権限について準用する。
(住所に関する特例)
第百十六条 修学のため一の市町村の区域内に住所を有する被保険者であつて、修学していないとすれば他の市町村の区域内に住所を有する他人と同一の世帯に属するものと認められるものは、この法律の適用については、当該他の市町村の区域内に住所を有し、かつ、当該世帯に属するものとみなす。
(被保険者証の交付に関する特例)
第百十七条 特別区及び政令で指定する市は、その区域内に住所を有するに至つたことにより被保険者の資格を取得した者について、第九条第二項の規定による被保険者証の交付の求があつた場合においては、条例の定めるところにより、その求があつた日から起算して三箇月の範囲内において条例で定める期間を経過するまでの間において被保険者証を交付するものとすることができる。
(特別区に関する特例)
第百十八条 都は、政令の定めるところにより、特別区の行う国民健康保険事業の運営につき、条例で、特別区相互の間の調整上必要な措置を講じなければならない。
(読替規定)
第百十九条 この法律中「都道府県知事」とあるのは、その区域が二以上の都道府県の区域にまたがる連合会については、「厚生大臣」と読み替えるものとする。
(実施規定)
第百二十条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、厚生省令(療養取扱機関の申出の受理及び国民健康保険医又は国民健康保険薬剤師の登録に関し都道府県知事の行うべき事務については、政令)で定める。
第十二章 罰則
第百二十一条 審査委員会若しくは審査会の委員又はこれらの委員であつた者が、正当な理由なしに、職務上知得した療養取扱機関の開設者、医師、歯科医師若しくは薬剤師の業務上の秘密又は個人の秘密を漏らしたときは、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
第百二十二条 正当な理由なしに、第百一条第一項の規定による処分に違反して、出頭せず、陳述をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし、又は診断若しくは検案をしなかつた者は、一万円以下の罰金に処する。ただし、審査会の行う審査の手続における請求人又は第百条第一項の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人は、この限りでない。
第百二十三条 被保険者又は被保険者であつた者が、第百十四条第二項の規定により報告を命ぜられ、正当な理由なしにこれに従わず、又は同条同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、一万円以下の罰金に処する。
第百二十四条 医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれを使用する者が、第百十四条第一項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命ぜられ、正当な理由なしにこれに従わず、又は同条同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、一万円以下の過料に処する。
第百二十五条 組合又は連合会が、第百八条第一項の規定による報告を命ぜられ、正当な理由なしにこれに応ぜず、若しくは虚偽の報告をし、又は第百九条第一項の規定による命令に違反したときは、その役員又は清算人を一万円以下の過料に処する。
第百二十六条 第十五条第二項又は第八十三条第四項の規定に違反した者は、五千円以下の過料に処する。
第百二十七条 市町村は、条例で、第九条第一項又は第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者に対し二千円以下の過料を科する規定を設けることができる。
2 市町村は、条例で、世帯主又は世帯主であつた者が正当な理由なしに、第百十三条の規定により文書その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は同条の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、二千円以下の過料を科する規定を設けることができる。
3 市町村は、条例で、偽りその他不正の行為により保険料その他この法律の規定による徴収金の徴収を免かれた者に対し、その徴収を免かれた金額の五倍に相当する金額以下の過料を科する規定を設けることができる。
4 地方自治法第二百六条第四項の規定は、前三項の規定による過料の処分を受けた者について準用する。
第百二十八条 前条第一項から第三項までの規定は、組合について準用する。この場合において、これらの規定中「条例」とあるのは「規約」と、「過料」とあるのは「過怠金」と読み替えるものとする。
2 組合又は連合会は、規約の定めるところにより、その施設の使用に関し二千円以下の過怠金を徴収することができる。
附 則
1 この法律は、昭和三十四年一月一日から施行する。
2 この法律の施行の際現に国民健康保険を行つていない市町村は、第三条第一項の規定にかかわらず、昭和三十六年四月一日までに国民健康保険事業を開始するをもつて足りる。
3 前項の市町村で、特別の事情があるものは、第三条第一項及び前項の規定にかかわらず、昭和三十六年四月一日以後も当分の間、厚生大臣の承認を受けて、国民健康保険を行わないことができる。
4 第十一条の規定は、前二項の規定により国民健康保険を行わない市町村には、適用しない。
5 前四項に規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な事項は、別に法律で定める。
(内閣総理・大蔵・厚生大臣署名)