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法律第百五十九号(昭三四・五・一)

  ◎公営住宅法の一部を改正する法律

 公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第十二条」を「第十一条の二」に、「第二十三条」を「第二十三条の二」に改める。

 第二条第二号から第四号まで中「賃貸する」を「賃貸するための」に改める。

 第三章中第十二条の前に次の一条を加える。

 (管理義務)

第十一条の二 事業主体は、常に公営住宅及び共同施設の状況に留意し、その管理を適正かつ合理的に行うように努めなければならない。

 第十二条第一項中「当該公営住宅の建設」の下に「(当該公営住宅を建設するために必要な土地を取得し、又はその土地を宅地に造成することを除く。以下第十三条第三項において同様とする。)」を加え、「要する」を「要した」に改め、「補助に係る部分を除く。」の下に「以下第十三条第三項において同様とする。」を加え、「及び損害保険料」を「、損害保険料及び地代に相当する額(地代に相当する額については、土地の取得若しくは使用又は宅地の造成につき、国又は地方公共団体から補助を受け、又は通常の条件より有利な条件で土地の譲渡若しくは貸付を受けた場合においては、政令で定めるところにより算出した額を控除するものとする。以下第十三条第三項において同様とする。)」に改め、同条第二項を削り、同条第三項中「前二項の規定にかかわらず、」を「前項の規定にかかわらず、収入が著しく低額であることその他」に改め、同項を同条第二項とし、同条第四項中「前各項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条の次に次の一条を加える。

 (敷金)

第十二条の二 事業主体は、公営住宅の入居者から三月分の家賃に相当する金額の範囲内において敷金を徴収することができる。

2 事業主体は、前項の規定により徴収した敷金の運用に係る利益金がある場合においては、当該利益金を共同施設の建設に要する費用に充てる等公営住宅の入居者の共同の利便のために使用するように努めなければならない。

 第十三条第一項中「前条の」を「第十二条の」に、「前条第一項から第三項まで」を「第十二条第一項及び第二項」に改め、同条第二項中「前条第一項又は第二項」を「第十二条第一項」に改め、同条第三項中「前項」を「第二項」に改め、同項及び同条第四項を同条第四項及び第五項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 建設大臣が政令で定めるところにより住宅対策審議会の意見を聞き建築物価の変動を考慮して地域別に定める率を当該公営住宅の建設に要した費用に乗じて得た額を期間二十年以上、利率年六分以下で毎年元利均等に償却するものとして算出した額に修繕費、管理事務費、損害保険料及び地代に相当する額を加えたものの月割額が、第十二条第一項に規定する限度と異なる場合においては、前項の規定の適用については、当該月割額を第十二条第一項に規定する限度とみなす。この場合において、当該月割額の算出に関し必要な事項は、第十二条第一項の場合の例に準じて政令で定める。

 第十三条の二中「事業主体は、」の下に「疾病にかかつていることその他」を加える。

 第十四条の見出し中「家賃以外の金品徴収」を「家賃等以外の金品徴収等」に改め、同条中「公営住宅の入居者から、住宅の使用に関し、家賃」を「公営住宅の使用に関し、その入居者から家賃、敷金及び割増賃料」に、「徴収する」を「徴収し、又はその入居者に不当な義務を課する」に改め、同条ただし書を削る。

 第十五条中「家屋の内部の」を削り、「その他」を「その他の」に改める。

 第十六条第一項中「収容するため公営住宅の建設をする」を「公営住宅に入居させる」に改める。

 第十七条第二号中「毎月」を削り、「公営住宅については」の下に「、当該災害発生の日から三年間は」を加える。

 第十九条第一項中「敷金」の下に「、第十七条各号の条件以外の入居者の具備すべき条件」を加える。

 第二十条の見出し中「家賃又は選考方法」を「家賃等」に改め、同条中「家賃」の下に「、第十七条各号の条件以外の入居者の具備すべき条件」を加える。

 第二十一条の次に次の一条を加える。

 (収入超過者に対する措置等)

第二十一条の二 公営住宅の入居者は、当該公営住宅に引き続き三年以上入居している場合において政令で定める基準をこえる収入のあるときは、当該公営住宅を明け渡すように努めなければならない。この場合において、事業主体は、必要があると認めるときは、当該入居者が他の適当な住宅に入居できるようにあつせんする等その明渡を容易にするように努めなければならない。

2 事業主体は、公営住宅の入居者が前項の規定に該当する場合において当該公営住宅に引き続き入居しているときは、第十三条第三項に規定する月割額(家賃が当該月割額をこえている場合においては、当該家賃の額)の第一種公営住宅にあつては〇・四倍、第二種公営住宅にあつては〇・八倍に相当する額以下で入居者の収入に応じて政令で定める額を限度として、条例で定めるところにより、割増賃料を徴収することができる。

3 第十二条第二項及び第十三条の二の規定は、割増賃料について準用する。

 第二十二条第一項第二号中「家賃」の下に「又は割増賃料」を加え、同項第四号中「前条」を「第二十一条」に改める。

 第三章中第二十三条の次に次の一条を加える。

 (収入状況の報告の請求等)

第二十三条の二 事業主体の長は、第十二条第二項の規定による家賃の減免、第十三条の二の規定による家賃若しくは敷金の徴収の猶予又は第二十一条の二の規定によるあつせん、割増賃料の徴収等の措置に関し必要があると認めるときは、公営住宅の入居者の収入の状況について、当該入居者若しくはその雇主、その取引先その他の関係人に報告を求め、又は官公署に必要な書類を閲覧させ、若しくはその内容を記録させることを求めることができる。

 第二十四条第一項中「経過した」の下に「場合において特別の事由のある」を、「当該公営住宅又は共同施設」の下に「(これらの敷地を含む。)」を加える。

 第三十条第四号中「家賃」の下に「、第十七条各号の条件以外の入居者の具備すべき条件」を加える。

 附則第四項中「及び第二項」を削る。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。

 (経過規定)

2 この法律による改正後の公営住宅法第十九条の規定は、この法律の施行前に事業主体が公営住宅法第十七条各号の条件以外の入居者の具備すべき条件を定め、又は変更した場合については、適用しない。

3 この法律による改正後の公営住宅法第二十一条の二の規定の適用については、この法律の施行の際現に公営住宅に入居している者は、賃借期間の定がないとき及びこの法律の施行の際における賃借期間の残存期間が三年以内であるときは、この法律の施行の日に、当該残存期間が三年をこえるときは、この法律の施行の日から起算して当該残存期間から三年を控除した期間に相当する期間を経過した日に、当該公営住宅に入居したものとみなす。

(内閣総理・厚生・建設大臣署名) 

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