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法律第百九十九号(昭三四・一二・一八)

  ◎炭鉱離職者臨時措置法

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 職業紹介等(第三条―第六条)

 第三章 炭鉱離職者援護会

  第一節 総則(第七条―第十二条)

  第二節 役員及び職員(第十三条―第二十二条)

  第三節 業務(第二十三条―第二十五条)

  第四節 財務及び会計(第二十六条―第三十五条)

  第五節 監督(第三十六条・第三十七条)

  第六節 補則(第三十八条・第三十九条)

 第四章 雑則(第四十条―第四十四条)

 第五章 罰則(第四十五条―第四十九条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、炭鉱離職者が一定の地域において多数発生している現状にかんがみ、炭鉱離職者緊急就労対策事業及び職業訓練の実施、再就職に関する援護その他の措置を講ずることにより、その職業及び生活の安定に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律で「炭鉱労働者」とは、石炭の掘採又はこれに附属する選炭その他の作業に従事する労働者をいう。

2 この法律で「炭鉱離職者」とは、離職した炭鉱労働者であつて、現に失業しているか、又はその職業が著しく不安定であるため失業と同様の状態にあると認められるものをいう。

3 この法律で「鉱業権者」とは、石炭を目的とする鉱業権又は租鉱権を有する者をいう。

   第二章 職業紹介等

 (職業紹介)

第三条 労働大臣は、多数の炭鉱離職者が居住している地域について、雇用状況から判断して、それらの炭鉱離職者がその地域においては職業に就くことが困難であると認める場合には、炭鉱離職者が他の地域において職業に就くことを促進するための職業紹介に関する計画を作成し、その計画に基き必要な措置を講ずるものとする。

 (炭鉱離職者緊急就労対策事業)

第四条 労働大臣は、前条の措置によつてもなお職業に就くことができない炭鉱離職者に対して暫定的に就労する機会を与えることを目的として、炭鉱離職者緊急就労対策事業に関する計画を作成するものとする。

2 労働大臣は、前項の計画を定めようとするときは、あらかじめ、関係地方公共団体の長の意見を聞くものとする。

3 地方公共団体又はその長が第一項の計画に基いて実施する炭鉱離職者緊急就労対策事業に要する費用については、国は、当該事業に要する費用についての国の負担又は補助に関する他の法令の規定にかかわらず、予算の範囲内において、労働大臣が大蔵大臣と協議して定める算定基準に従い、その五分の四を補助するものとする。

4 第一項の計画に基いて実施する炭鉱離職者緊急就労対策事業においては、公共職業安定所の紹介により、労働大臣が同項の計画で定める炭鉱離職者の数以上の炭鉱離職者を使用しなければならない。

 (職業訓練)

第五条 労働大臣は、炭鉱離職者が炭鉱労働者以外の職業に就くことを容易にするため、必要な職業訓練の実施に関し特別の措置を講ずるものとする。

2 前項の措置に係る一般職業訓練所における職業訓練に要する費用については、国は、職業訓練法(昭和三十三年法律第百三十三号)第三十四条第一項の規定による負担を行うほか、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その一部を負担することができる。

 (炭鉱離職者の優先雇用)

第六条 鉱業権者は、炭鉱労働者の雇入れについては、炭鉱離職者を雇い入れるようにしなければならない。

2 鉱業権者は、炭鉱労働者を募集する場合には、公共職業安定所に求人の申込をしなければならない。

 ただし、炭鉱離職者のみを雇い入れようとする場合は、この限りでない。

   第三章 炭鉱離職者援護会

    第一節 総則

 (目的)

第七条 炭鉱離職者援護会は、炭鉱離職者に対して再就職及び生活の安定に関する援護を行うことを目的とする。

 (法人格)

第八条 炭鉱離職者援護会(以下「援護会」という。)は、法人とする。

 (事務所)

第九条 援護会は、主たる事務所を東京都に置く。

2 援護会は、労働大臣及び通商産業大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。

 (登記)

第十条 援護会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。

2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 (名称使用の制限)

第十一条 援護会でない者は、炭鉱離職者援護会という名称を用いてはならない。

 (民法の準用)

第十二条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、援護会について準用する。

    第二節 役員及び職員

 (役員)

第十三条 援護会に、役員として、理事長一人、理事三人以内及び監事二人以内を置く。

 (役員の職務及び権限)

第十四条 理事長は、援護会を代表し、その業務を総理する。

2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して援護会の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。

3 監事は、援護会の業務を監査する。

 (役員の任命及び任期)

第十五条 理事長及び監事は、労働大臣及び通商産業大臣が任命する。

2 理事は、労働大臣及び通商産業大臣の認可を受けて、理事長が任命する。

3 役員の任期は、三年とする。

4 役員は、再任されることができる。

 (役員の欠格条項)

第十六条 国会議員、国家公務員(審議会、協議会等の委員その他これに準ずる地位にある者であつて、非常勤のものを除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員は、役員となることができない。

 (役員の解任)

第十七条 労働大臣及び通商産業大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。

2 労働大臣及び通商産業大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。

 一 心身の故障のため職務の執行に耐えないと認められるとき。

 二 職務上の義務違反があるとき。

3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、労働大臣及び通商産業大臣の認可を受けなければならない。

 (役員の兼職禁止)

第十八条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、労働大臣及び通商産業大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

 (代表権の制限)

第十九条 援護会と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が援護会を代表する。

 (代理人の選任)

第二十条 理事長は、理事又は援護会の職員のうちから、援護会の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。

 (職員の任命)

第二十一条 援護会の職員は、理事長が任命する。

 (役員及び職員の公務員たる性質)

第二十二条 役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

    第三節 業務

 (業務の範囲)

第二十三条 援護会は、第七条の目的を達成するため、次の業務を行う。

 一 炭鉱労働者及び炭鉱離職者が多数居住する地域からその他の地域に移住する炭鉱離職者に対して移住資金を支給すること。

 二 職業訓練を受ける炭鉱離職者に対して手当を支給すること。

 三 職業訓練を受ける炭鉱離職者の宿泊施設を設置すること。

 四 炭鉱離職者を雇い入れる事業主に対して労働者用の宿舎を貸与すること。

 五 炭鉱離職者に対して、再就職を容易にするため必要な知識及び技能を習得させるための講習を行うこと。

 六 求職のための公共職業安定所との連絡その他求職活動に関して炭鉱離職者に協力すること。

 七 独立して事業を行おうとする炭鉱離職者に対して生業資金の借入のあつせんを行うこと。

 八 炭鉱離職者に対して生活の指導を行うこと。

 九 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。

 十 前各号に掲げるもののほか、第七条の目的を達成するため必要な業務を行うこと。

2 前項第一号及び第二号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務は、次の各号に該当する炭鉱離職者に対して行うものとする。

 一 当該離職がその者の責に帰すべき重大な事由又はその者の都合によるものでないこと。

 二 当該離職の日が昭和三十年九月一日以降の日であること。

 三 昭和二十九年九月一日以降において一年以上引き続き炭鉱労働者として雇用された経歴を有すること。

 四 この法律の施行後において新たに安定した職業に就いたことのないこと。

 五 この法律の施行の際現に、炭鉱労働者及び炭鉱離職者が多数居住している地域に住所を有すること。

3 援護会は、第一項第十号に掲げる業務を行おうとするときは、労働大臣及び通商産業大臣の認可を受けなければならない。

 (業務の運営)

第二十四条 援護会は、炭鉱離職者の発生の状態その他の雇用状況を考慮して、援護の必要の大きい地域について重点的に業務を行うものとする。

2 援護会の業務は、前項の規定によるほか、炭鉱労働者としての経歴、離職の原因、離職後の生活の状態その他の事情を考慮して行うものとする。

 (業務方法書)

第二十五条 援護会は、業務開始の際、業務方法書を作成し、労働大臣及び通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、次のとおりとする。

 一 移住資金の支給基準及び支給方法

 二 職業訓練を受ける炭鉱離職者に対する手当の支給基準及び支給方法

 三 職業訓練を受ける炭鉱離職者の宿泊施設の運営方法

 四 労働者用の宿舎の貸与条件

 五 その他通商産業省令、労働省令で定める事項

    第四節 財務及び会計

 (事業年度)

第二十六条 援護会の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。

 (予算の認可)

第二十七条 援護会は、毎事業年度、予算及び事業計画を作成し、事業年度開始前に労働大臣及び通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 (決算)

第二十八条 援護会は、毎事業年度の決算を翌年度の七月三十一日までに完結しなければならない。

 (財務諸表)

第二十九条 援護会は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後二月以内に労働大臣及び通商産業大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

2 援護会は、前項の規定により財務諸表を労働大臣及び通商産業大臣に提出するときは、予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添附しなければならない。

 (短期借入金)

第三十条 援護会は、労働大臣及び通商産業大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。

2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができない金額に限り、労働大臣及び通商産業大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。

3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。

 (余裕金の運用)

第三十一条 援護会は、業務上の余裕金については、銀行その他労働大臣及び通商産業大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金にするほか、これを他に運用してはならない。

 (財産の処分の制限)

第三十二条 援護会は、通商産業省令、労働省令で定める重要な財産を譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、労働大臣及び通商産業大臣の認可を受けなければならない。

 (補助金)

第三十三条 国は、予算の範囲内において、援護会に対し、その業務に要する費用の一部を補助することができる。

 (援護会の費用)

第三十四条 援護会は、前条の規定による国の補助金及び石炭鉱業合理化臨時措置法(昭和三十年法律第百五十六号)第三十六条の二の規定による交付金のほか、寄附金その他の収入をもつてその業務に必要な費用に充てる。

 (省令への委任)

第三十五条 この法律に規定するもののほか、援護会の財務及び会計に関し必要な事項は、通商産業省令、労働省令で定める。

    第五節 監督

 (監督)

第三十六条 援護会は、労働大臣及び通商産業大臣が監督する。

2 労働大臣及び通商産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、援護会に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。

 (報告及び検査)

第三十七条 労働大臣及び通商産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、援護会に対してその業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に援護会の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

    第六節 補則

 (解散)

第三十八条 援護会の解散については、別に法律で定める。

 (大蔵大臣との協議)

第三十九条 労働大臣及び通商産業大臣は、次の場合には、大蔵大臣と協議しなければならない。

 一 第二十三条第三項、第二十五条第一項、第二十七条、第三十条第一項若しくは第二項ただし書又は第三十二条の認可をしようとするとき。

 二 第二十五条第二項第五号、第三十二条又は第三十五条の通商産業省令、労働省令を定めようとするとき。

 三 第二十九条第一項の承認をしようとするとき。

   第四章 雑則

 (鉱業権者の報告)

第四十条 鉱業権者は、労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に対して、定期的に、炭鉱労働者の雇用の状況を報告しなければならない。

 (連絡及び協力)

第四十一条 公共職業安定所及び援護会は、炭鉱離職者の再就職を促進し、その他この法律の目的を達成するため、相互に、密接に連絡し、及び協力しなければならない。

 (共済組合の組合員期間の特例)

第四十二条 援護会の設立の際現に国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第三条の国家公務員共済組合(以下「組合」という。)の組合員(同法の長期給付に関する規定の適用を受けない者、同法第百二十五条の規定の適用を受ける者及びその退職により同法による退職年金を受けることができる者を除く。以下「組合員」という。)である者が退職し、引き続き援護会の役員又は職員となつた場合において、その者が、そのなつた日から六十日以内に、政令で定めるところにより、援護会の役員又は職員としての在職期間を、これに引き続き再び組合員の資格を取得したとき(以下「復帰したとき」という。)の同法第三十八条の規定による組合員期間の計算上組合員期間とみなされることを希望する旨をその組合に申し出たときは、当該退職(以下「転出」という。)に関しては、同法の長期給付は、行わない。

 ただし、その申出をした者(以下「復帰希望組合員」という。)が引き続き援護会の役員又は職員として在職しなくなつたとき(引き続き復帰したときを除く。)は、当該長期給付を行う。

2 復帰希望組合員が転出した後引き続き援護会の役員又は職員として在職し、引き続き復帰したときは、国家公務員共済組合法の長期給付に関する規定(第六章の規定を除く。)の適用については、その者は、当該援護会の役員又は職員であつた期間引き続き組合員であつたものとみなす。この場合において、同法第四十二条第二項の規定の適用については、同項中「俸給」とあるのは、「俸給(組合の運営規則で定める仮定俸給を含む。)」とする。

第四十三条 国家公務員共済組合法第六章(短期給付及び福祉事業に係る部分を除く。)の規定は、復帰希望組合員及び援護会について準用する。この場合において、同法第九十九条第二項各号列記以外の部分中「及び国の負担金」とあるのは「、援護会の負担金及び国の負担金」と、同項第二号中「国の負担金」とあるのは「援護会の負担金」と、第百条第二項中「俸給」とあるのは「組合の運営規則で定める仮定俸給」と、第百二条中「各省各庁の長又は職員団体」とあり、又は「国又は職員団体」とあるのは「援護会」とする。

2 復帰希望組合員が前条第一項ただし書の規定に該当するに至つたときは、その組合又は国家公務員共済組合法第二十一条第一項の国家公務員共済組合連合会は、政令で定めるところにより、当該復帰希望組合員及び援護会に対し、これらの者が負担した掛金又は負担金を返還しなければならない。

 (移住資金等を受ける権利)

第四十四条 移住資金又は第二十三条第一項第二号の手当の支給を受けることとなつた炭鉱離職者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、又は差し押えることができない。

   第五章 罰則

第四十五条 第三十七条第一項の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした援護会の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。

第四十六条 第四十条の規定に違反して報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三万円以下の罰金に処する。

第四十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の刑を科する。

第四十八条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした援護会の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。

 一 この法律の規定により労働大臣及び通商産業大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可または承認を受けなかつたとき。

 二 第十条第一項の規定による政令に違反して、登記することを怠つたとき。

 三 第二十三条第一項に規定する業務以外の業務を行つたとき。

 四 第三十一条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。

 五 第三十六条第二項の規定による労働大臣及び通商産業大臣の命令に違反したとき。

第四十九条 第十一条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (援護会の設立)

第二条 労働大臣及び通商産業大臣は、援護会の理事長又は監事となるべき者を指名する。

2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、援護会の成立の時において、この法律の規定によりそれぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。

第三条 労働大臣及び通商産業大臣は、設立委員を命じて、援護会の設立に関する事務を処理させる。

2 設立委員は、援護会の設立の準備を完了したときは、その旨を労働大臣及び通商産業大臣に届け出るとともに、その事務を前条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。

第四条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前条第二項の規定による事務の引継を受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。

2 援護会は、設立の登記をすることによつて成立する。

 (経過規定)

第五条 この法律の施行の際現に炭鉱離職者援護会という名称を使用している者は、この法律の施行後六月以内にその名称を変更しなければならない。この場合において、第十一条の規定は、当該期間内は、これらの者には適用しない。

 (最初の事業年度の特例)

第六条 援護会の最初の事業年度は、第二十六条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十五年三月三十一日に終るものとする。

第七条 援護会の最初の事業年度の予算及び事業計画については、第二十七条中「事業年度開始前に」とあるのは、「援護会の成立後遅滞なく」とする。

 (登録税法の改正)

第八条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第七号中「日本労働協会」の下に「、炭鉱離職者援護会」を、「日本労働協会法」の下に「、炭鉱離職者臨時措置法」を加える。

  第十九条第二十七号ノ二の次に次の一号を加える。

  二十七ノ三 炭鉱離職者援護会ガ炭鉱離職者臨時措置法第二十三条第一項第三号ノ業務ノ用ニ供スル建物又ハ土地ノ権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記

 (印紙税法の改正)

第九条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。

  第五条第六号ノ十一ノ四の次に次の一号を加える。

  六ノ十一ノ五 炭鉱離職者援護会ガ炭鉱離職者臨時措置法第二十三条第一項第一号乃至第九号ノ業務ニ関シ発スル証書、帳簿

 (所得税法の改正)

第十条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第十号中「南方同胞援護会」の下に「、炭鉱離職者援護会」を加える。

 (法人税法の改正)

第十一条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第五条第一項第六号中「南方同胞援護会」の下に「、炭鉱離職者援護会」を加える。

 (地方税法の改正)

第十二条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の五第一項第六号中「南方同胞援護会」の下に「、炭鉱離職者援護会」を加える。

  第七十三条の四第一項に次の一号を加える。

  十二 炭鉱離職者援護会が炭鉱離職者臨時措置法(昭和三十四年法律第百九十九号)第二十三条第一項第三号に規定する業務の用に供する不動産で政令で定めるもの

  第三百四十八条第二項に次の一号を加える。

  十九 炭鉱離職者援護会が炭鉱離職者臨時措置法第二十三条第一項第三号に規定する業務の用に供する固定資産で政令で定めるもの

 (労働省設置法の改正)

第十三条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。

  第四条第四十一号の次に次の一号を加える。

  四十一の二 炭鉱離職者臨時措置法(昭和三十四年法律第百九十九号)に基いて、炭鉱離職者緊急就労対策事業に関する計画を作成し、及び炭鉱離職者援護会に対し、認可、承認その他監督を行うこと。

  第十条第一項中第四号の二の次に次の二号を加える。

  四の三 炭鉱離職者緊急就労対策事業に関すること。

  四の四 炭鉱離職者援護会の監督に関すること。

  第十条第一項第八号中「及び職業訓練法」を「、職業訓練法及び炭鉱離職者臨時措置法」に改め、同条第二項中「前項第四号に掲げる事務及び」を「前項第四号及び第四号の三に掲げる事務並びに」に改め、同条第三項中「及び同項第八号」を「並びに同項第八号」に改め、「職業訓練法の施行」の下に「及び炭鉱離職者に対する職業訓練」を加える。

 (地方公務員法の改正)

第十四条 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。

  第三条第三項第六号中「及び公共事業」を「若しくは公共事業又は炭鉱離職者緊急就労対策事業」に改め、「失業者」の下に「又は炭鉱離職者」を加える。

 (石炭鉱業合理化臨時措置法の改正)

第十五条 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を次のように改正する。

  第二十五条第一項第五号の次に次の一号を加える。

  五の二 炭鉱離職者援護会(以下「援護会」という。)に対する交付金の交付

  第二十六条第二項に次の一号を加える。

  六 援護会に対する交付金の交付の時期及び方法

  第三十六条の次に次の一条を加える。

 (援護会に対する交付金)

第三十六条の二 事業団は、援護会に対し、その業務に必要な費用に充てるため、政令で定めるところにより、通商産業大臣が定める額の交付金を交付しなければならない。

 (廃止)

第十六条 この法律は、施行の日から五年以内に廃止するものとする。

(内閣総理・法務・大蔵・通商産業・労働大臣署名) 

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